貿易実務用語の知識体系

制度変更に記事のアメンドが追いついていない箇所もありますのでご留意ください。             

【輸入】輸入通関

2009年02月08日 | 貿易実務
【1】輸入通関の流れ
直輸入:Import for consumption
(1)荷卸し
①在来船
輸入手形決済、運賃支払

船会社にB/LまたはL/Gを提出

Delivery Order(荷渡指図書)交付を受ける:運賃後払いの場合、D/Oは運賃を支払わなければ発行されない。

・自家取り(本船渡 Ship Side Delivery)→船長へ
・総揚(倉渡し Shed Delivery )(本船入港前に自家取りの要請が無ければ自動的に総揚げとなる)→ステベへ
荷受人に貨物を引き渡すように指示

Tally Sheet :本船側と荷受人側の検数人(Checker)により貨物の状態や数量を検数

・Cargo Boat Note : Tally Sheetに基づいてCargo Boat Noteに必要事項が記入、本船側と荷受人側の双方が署名し貨物受領の証として発行。
・個数付則、貨物損傷はRemarkが記載される。疑いのある時は in disputeとしておく。

貨物を保税地域、または税関長の許可を得た他所蔵置場所に搬入

②FO条件によって輸送された在来船大口輸入貨物
買主はStevedoreを手配し、荷受人の費用で荷揚げを行う。この船内荷役は本船入港前にstowage plan積み付け図を元にした荷役計画に基づいて行われる。

③コンテナ船
輸入手形決済、運賃支払
船舶入港→船会社から積荷目録(M/F manifest)が税関に提出→貨物はCYまたはCFSに搬入

B/LまたはL/Gを船会社に提出、船会社からDelivery Orderの交付を受ける

貨物を保税地域、または税関長の許可を得た他所蔵置場所へ搬入
(イ)LCL:B/Lと引き換えに発行される荷渡指図書D/O Delivery OrderをCFSオペレータに提出。CFSにてデバンニングして輸入者が引き取る。貨物の梱包に破損があった場合→デバンニング・レポートにその旨明記させる。
(ロ)FCL: CFSに搬入されることなく荷受人に引渡される。リマークはER-Outに。
輸出地で輸出者によってコンテナ詰めされたFCL貨物を、輸入地でCFSにてデバニングして輸入者が引き取る。 本船から荷卸しされたコンテナ→CYまたはCFSで荷渡し。 
・Free Time::荷渡しまでの一定期間保管料を支払う事無くコンテナを留め置くことができる。
・留置料(Demurrage): Free Time期間内に貨物を引き取らなかった場合発生する。
・Detention Charge: 荷主が船会社からコンテナを借り受けてFCL輸送にて自社倉庫等まで搬入する場合、自社倉庫等でデバンニング後、船会社にコンテナを返却するが、一定の無料貸出し期間を超えた場合に発生。
・本船扱い、ふ中扱いが認められた場合には、保税地域に搬入しないまま輸入通関できる。 
・保税地域に入れないで申告することについて税関長の承認を得た場合、船長が「積荷目録」を税関に提出した後に輸入申告をする。

(2)輸入(納税)申告:貨物の原産地、積出地、仕出人(Shipper)の名称・住所を申告。
①殆どNACCS
②口頭申告:旅客や乗組員の携帯品
③「荷卸コンテナ一覧表」を税関長に提出→輸入申告されたとみなす。
④ATAカルネにより一時輸入される商品見本→輸入申告書不要
⑤課税価格が1品目CIF20万円以下の場合(AWBやInvoiceで代用)
⑥輸入品の原産地表示は法的義務ではない。
cf. JAS法により、輸入生鮮食品に関し、輸入先国表示義務付け。
⑦輸入年月日の表示は特に義務付けられてはいない。
⑧輸入貨物の審査・検査

(3)輸入の許可 Import Permit
輸入許可がされない場合
①輸入禁制品
②虚偽の原産地記載→消すか訂正しないと関税法上輸入が認められない。
③他法令により許可、承認が必要なのにそれが無い。
④関税が未納付
(関税未納付でも輸入許可がされる場合:)
・納期限の延長について税関長の許可有り。
・BP承認:輸入許可前の引き取り承認。
・簡易申告制度で貨物の引き取り申告。

【2】L/Cベースの場合の輸入航空貨物
①L/Cの場合は銀行がAWBのあて先。
②航空会社から銀行へのArrival Notice
Release Order Form
AWB
Invoice
Packing List
③輸入者は銀行に輸入代金を払って、またはAirT/Rと担保の手形を差し入れ、銀行から署名入りのRelease Order を受取り、それを乙仲に渡す。

【3】簡易申告制度
①予め税関長の■■■■を受けた■■■■
答:承認、特例輸入者
承認審査には社内コンプライアンス規定も提出する。
②取り扱い貨物の指定や、継続輸入の指定は無い。
③一定の場合(加算税をかせられた場合や、格付けA以外、当座比率100%以上かつ自己資本比率30%以上ない場合など)は担保を提供する。
引取申告と納税申告とを分離。
④貨物が到着する前でも輸入申告可。輸入の許可は貨物到着後。
④関税未納付でも輸入許可。→納税は輸入許可の翌月末日までにすれば良い。納税申告は1件ごとで無く、まとめて行ってよい。

【4】 輸入申告における■■■■
答:予備審査制度
①すべての貨物が対象
②貨物が日本に到着する前や食品輸入届などの輸入関連手続きの終了前であっても、予備審査書類を税関に提出して、税関の審査・検査要否の事前通知を受けることができる制度。
③ 輸入申告予定日の最大■■■■前から:輸入申告予定日における外国為替相場(輸入申告書に円でのCIF価格を記載するために、税関から指定される一定の換算相場)が公示された日、または、予備申告を行おうとする貨物の船荷証券もしくはAir Way Billが発行された以降の日のいずれか遅い日。
答:11日(税関の公示換算率は毎週火曜日に公表され、次の日曜日から土曜日まで適用されるから。)

【5】到着即時輸入申告扱い(予備審査制を利用した輸入申告が行われた貨物の内)
(要件)
①輸入される貨物を本邦に迅速に引き取る必要がある。
②かつ、貨物の性質その他を勘案して取締上支障ないと認められる。
③Air Cargoに限らず、海上貨物も可
④貨物の到着が確認され次第、輸入申告を行えば直ちに輸入許可となる。


【6】BP承認(輸入許可前貨物の引き取り承認)
やむをえない事由により、輸入許可が遅延する場合。輸入許可前に関税額相当の担保を提供し、税関長の承認を得て貨物引取りを行う。

【7】保税地域
(1) 消極的保税地域
① 指定保税地域(財務大臣が指定)→蔵置期間1ケ月
② 保税蔵置場(民間企業):税関長が民間の土地または施設を許可
   →歳入承認により長期蔵置(2年)可。
(2) 積極的保税地域
① 保税工場:税関長が民間の施設を許可
② 保税展示場:税関長が国際博覧会などの海上を許可
③ 総合保税地域(保税蔵置場、保税工場、保税展示場の複合):税関長が第三セクターなどの所有および管理する一団の土地または施設を許可。

(3) 他所蔵置許可場所

(4) 保税運送
外国貨物運送申告書→税関長
①陸路 OLT:Overland Transportation
②海路 ITC:Inner Coast Transportation

承認を受けた運送期間内に目的地に未着:「保税運送の承認を受けたもの」から直ちに関税が徴収される。

【5】輸入令上の許認可不要→直接税関に対して輸入申告
①総価額500万円以下
②FOC見本宣伝物品
③日本漁船の外国採捕水産物
④携帯品
⑤仮陸揚げ貨物