59歳「じージ」の癌治療日記

2005年11月、胃がんと診断された3人の孫を持つ59歳男性の治療記録

癌研究所

2006-08-24 13:35:22 | Weblog

8月23日(水曜日)
22日、23日と有明の癌研に行ってきた。
脊椎に骨転移して背中や腰が痛かったり、放射線治療の後、最近身体がとてもだるかったりするので一度別の病院で見てもらうのもいいかなと思った。
免疫療法を取り入れている病院の先生に電話で話したところ、原発の胃がん部分を切除した後に免疫療法を考えたほうが良い、免疫療法だけで原発の大きな癌までは治せないとの話だった。北里ではいまさら手術の選択肢は無いと言われたこともあり、癌研で再度手術の可能性を含めて話を聞いてみることにした。
幸い、妻の親戚の人の高校での同級生が癌研におられて整形外科部長をされているとの事で紹介してもらった。その先生は癌研の院長補佐でもあり、癌に関する整形外科では日本でもトップクラスの先生との事、
22日はその整形外科の先生とお話ができた。
北里からは紹介状や治療資料を持参してきたのでそれに目を通されて、私の話を聞かれておもむろにコメントを頂いた。
今までの治療方法は特に問題なく、骨転移に対する痛み止めに放射線治療を行うことも一般的な処置方法との事。
手術に関してはいまさら(骨転移までしている状態で)手術をすることは患者の負担が大きく一般的には手術はしないそうだ。
抗がん剤治療の前に手術を選択していたら結果は違ったでしょうかとの質問にも、おそらく変わらないでしょう、手術をしていてもリンパ節まで転移が認められる状態であったなら、いずれ骨転移も起こったでしょう、とのこと。
骨転移に関する治療方法も外科手術の手もあるとのことであるが、手術のリスクや患者への負担の割りに効果があまり期待できないことから実際にはあまり手術をすることは無いようだ。これは私見だが、手術で転移した骨を人工骨に交換してもまた別の部分に転移するかもしれず、いたちごっこになることは十分考えられる。
私の現状に関して、抗がん剤が効かなくなっているなら、別の薬に変えてみるとか、骨転移により背中が痛いのであれば痛み止めの薬を使うとかして、痛みを和らげる処置をしてもらってください。とのことだった。
胃がんからの骨転移は珍しくないのか、など一般的な質問にも丁寧に答えてもらい、さすがに経験豊富な方だとの印象だった。

先生は専門が整形外科なので消化器の専門医を紹介してもらう事にした。
生憎その日は消化器の担当医が出ていないので次の日に予約を入れてもらった。

23日は当初12:15分の予約であったが、帰宅後16:00に変更してくださいとの電話があった。何処の病院も大変込み合っているようだ。
少し早めに着いて待合室で待っていたら、受付の女性が「診察が少し遅れています、もしよろしければ処置室にソファーベッドがあるのでそちらで横になられて待ちますか?」と言ってくれた。私が腰が痛そうにしていて、妻が背中をさすっていたのを見て、気を使ってくれたみたいだ。ひょっとして院長補佐の先生からの紹介と言ったことも多少関係有るかもしれないねと妻は言ってた。
いずれにしてもお言葉に甘えてソファーベッドに横にならせてもらった。とても座り心地というか寝心地と言うか、良かった。
結局、4時の予定が5時半から診察が始まった。
消化器の先生はとても物静かで優しい先生だった。
やはり北里からの資料や、整形外科部長からのコメントに目を通し、私の話を聞いてくれた。
癌研に行かれたことのある人はお分かりと思うが、最近有明に移って、建物も新しくなり、とても綺麗で感じの良い病院だ。先生やスタッフの対応も気持ちが良く、以前にNHKの番組で末期がん患者の緩和ケアに関する番組でも取り上げられたことがあり、個人的にはこちらで治療を受けたいなと思っていた。
そのことを先生に話すと、
「病院を選ぶのも、医師を選ぶのも患者さんの権利です。ですが、こちらで治療をするとなると通院が大変ですね。(抗がん剤治療はやはり通院治療になるそうだ。)それに、万一救急車で運ばれるような事態になったとき、救急車は県をまたいで来てくれません。ですから北里大学病院との繋がりは維持しておいてください。」とのこと。
やんわりと北里で治療を続けてくださいと言われた感じだった。
「治療方法や薬の選定も北里と癌研では同じです。」「北里東病院も綺麗な病院じゃないですか」「田辺先生や、小泉先生は私も存じ上げていますが信頼できる良い先生ですよ」「腰や股関節の痛みに関してはレントゲン写真を見ると骨転移している箇所がもう一箇所股関節にあるようなので、それらの処置や諸々をお手紙に書いてお渡しします。」
これらのお話があり、私も妻も北里で治療を続けることに同意した。
ただ、癌がもっと進行し放射線治療が必要になったり、緩和ケアまで進んだときには、また逆に骨転移やリンパ節の転移が消えて、手術が可能となったときには改めて癌研での治療も考えてみようと思う。やはり総合医療と言う点からすると癌研の方が進んでいるようだ。

抗がん剤が途中で効かなくなったことに関して、私が次に使う抗がん剤も身体に耐性ができ、効かなくなり、又次に使う抗がん剤も効かなくなって、抗がん剤が皆効かなくなったらどうするんですか?と質問すると、「そんなに悪く考えるのは今の時点ではよしましょう」とやんわりとかわされた。
とにかく2日間親戚の紹介で癌研で診察してもらうことが出来、とても有意義だった。
結果的には現状を継続することにはなるが、ある意味踏ん切りがついたといった感じだ。
今の予定では9月1から新しい抗がん剤で治療が再開されるため、また一時入院となる。今度は少し今までより副作用が強いかもしれませんと、癌研の先生には言われた。


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