59歳「じージ」の癌治療日記

2005年11月、胃がんと診断された3人の孫を持つ59歳男性の治療記録

増富温泉 不老閣

2006-04-03 16:37:55 | Weblog

4月3日(月曜日)
4月1から3日まで抗がん剤投与お休みの期間を利用して、増富温泉、不老閣さんへ行ってきた。往きは妻と2人で車で行き、帰りは一人で列車で帰ってきた。久しぶりにのんびりとした旅気分を味わった。
もともと土曜日の夜1泊の予定だったが直前で不老閣で知り合った島田さんが3日から5日まで宿の予約を取ってありしかも都合で2人の予約が1人になったので私に「延泊して一緒にとまって行ったら」とのお誘いに載って3日の夜まで私一人で延泊することにして、妻は2日に1人車で帰ることにした。道中はちょうど桜が満開でとても綺麗だった。
不老閣は何時行っても綺麗で、従業員の人たちもとても感じが良い。食事も山菜を主とした料理だがとても手が込んでいていつも感心する。
今回も不老閣ではいろいろな人と話し合えた。
名古屋の西尾から来た人はご主人が甲状腺の治療に、奥さんがリウマチの治療に毎月通っているそうだ。もう300回くらい来ているそうだ。奥さんのリウマチは手の指が曲がりまっすぐに伸びなかったものが50回くらい通った頃から効果が出てきて150回くらいで指がまっすぐに伸びるようになったそうだ。最初の頃は時間もないし費用もかかるので毎週日帰りで来ていたそうだ。
話好きで温泉に関する情報をみんなに話していた。ラジウム温泉が癌治療に効果があることは一般に知られているが学術的な研究はまだまだだ。そんな中、神戸大学の先生からじかに聞いた話をしてくれた。三朝温泉(鳥取県)のラジウム泉の何がどのようにがん治療に効くのか実験をしている。ラジウム泉から出てくるガス(ラドンのことと思うが)ががん治療に効くらしいことが実験で分かった、がそのガスがどのように効くかのメカニズムはまだ解明されていないそうだ。ラドンはラジウムが元素崩壊する時に出るガスで肺がんの原因になるとも言われているが、これががん治療に効果があることは毒をもって毒を制すことなのか・・・
放射能そのものが人体に悪影響を与えるにもかかわらず治療にも使われていることに似ている。
その他に、大腸がんの手術をし人工肛門をつけている人、しかも最近肝臓障害が出てきて肝不全の恐れがあり、その治療に温泉に来ている人。
肝臓がんの治療に来ている人、
西東京市から来た人は、肺がんの手術をしたが再発して余命3ヶ月と言われ手術も出来ず西洋医学では手の施しようが無いと言われたが抗がん剤治療と温泉治療や漢方薬を含む代替治療で4年間過ぎた。この人は余命3ヶ月といわれた時埼玉県にある帯津三敬病院へ行ったそうだ。ここの院長、帯津良三先生は東大医学部の出では有るが西洋医学が治療を局所的に見て技術一辺倒であることに疑問を持ち、病気の治療はもっと患者の立場で身体や心の全体を見ながら施すものだとの考えからこの病院を始めた人だ。末期がんの患者が多いが、暗さは無い、痛みや苦しみを強要される治療は行わず、患者の心に入り込んだ緩和ケアを実践している、とは書物からの受け売りである。
とにかく不老閣にはいろんな体験の人が来ているがどの人も明るい。見た目には大病をわずらっている人には見えない。こんな人たちと話をすると自分も元気をもらえ、希望が持てて来る。
肺がんの人が言っていたが、「脳溢血や心筋梗塞などの病気でなく癌でよかった」「癌はすぐに死なないので予定が立つ、覚悟が出来る」といっていたが私も同感で妻と2人で同じことを話したことがある。
また、「がんの治療には家族、特に奥さんの協力、理解が不可欠だ」「がん治療は保険が効く治療でも入院費のほかに薬代や検査費用で病院へ行くたびに数万円かかるし、保険の効かない漢方薬や食養生、温泉その他にとにかくお金が必要だ。しかも長期戦で終わりが見えない、見た目には普通の人と変わらないことも患者にしてみれば負い目に感じることだ」と、何処の話というわけではなく一般的な話として話題にしたが、癌を克服した人の体験談を見ると必ず家族の協力、理解が大事だと出てくる。確かに夫婦で喧嘩していたり、意思の疎通が無ければ生きる希望も持てないし、自分の存在そのものの意義を認められなくなる。生きていても仕方ないと思い出す。
幸いなことに我が家は妻をはじめ家族が協力的で理解があり、とてもありがたいことだと感謝している。(自分は受ける気は無いが、まだ認可されていない最新の治療法である自己リンパ球改造免疫治療(自費治療で一回250万円くらい)も受けてみたら? とか 前にも書いたが「ちょうどいい時期だから仕事も辞めて良いよ」と言ってくれたり、本当に嬉しい限りだ。
癌を告知された当初は「3人の子供達も独り立ちし孫の顔も見ることが出来たし、自分の存在価値も薄くなってきた、そろそろ死んでもいい時期かな」と半分あきらめかけていたが、「あなたの心の中には家族のことは無いの? 今あなたが亡くなったら私や子供たちがどんなに悲しむかを考えないの?」と妻から諭されて、自分の都合だけではなく、自分を思ってくれている人が居ること、家族の大切さを再確認しもう少し生きなければいけないと考え直した。
明るく生きようと心がけることで薬の効果も出てくるし、効果が出て体の具合が良くなると、気持ちも自然と明るくなる。とても良いサイクルに入っている。
さー 明日から第4クールが始まる。薬の投与を終えて2週間後に検査結果を見るのが楽しみだ。


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2 コメント

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同感です (ヒロとララ)
2006-04-04 04:30:22
「脳溢血や心筋梗塞などの病気でなく癌でよかった」「癌はすぐに死なないので予定が立つ、覚悟が出来る」というお話、よくわかります。以前は癌と術後の苦しみ、痛みのため、いっそ、ひと思いに死のうかと思いましたが、ブログを始めて、思いも変わりました。

また、「見た目には普通の人と変わらないこと」は大変つらいです。お腹を切って消化器官のほとんどがないのに、外見はあまりかわらないのですから。

第4クール乗り越えてください。私は、肝機能低下のため、静注抗がん剤治療延期中です。今週通院ですが、一刻も早く、始めたいものです。
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ありがとう (binara)
2006-04-05 10:53:50
ブログをはじめたばかりでコメントがあることすら気がつきませんでした、返事の出し方も分からず、遅くなってすみません。

”ヒロとララ”さん、抗がん剤治療が一時中断の様子で大変ですね。私も一時肝機能障害が出てGOT,GPTの数値が一旦上がりましたが、ウルソと言う薬で平常値に戻りました。これは胆汁の流れを浴する薬ですが”ヒロ”さんの場合は胆のうを摘出されているので回復が遅いかもしれませんね。とにかく、自分と医者を信じて気長に癌と付き合うしかないと言うのが私の結論です。
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