59歳「じージ」の癌治療日記

2005年11月、胃がんと診断された3人の孫を持つ59歳男性の治療記録

仲間

2006-02-24 09:39:09 | Weblog

2月22日<水曜日>
きょう、日本の本社に勤める仕事仲間のHさんから電話があった。
仕事の上で付き合いの古い仲ですが、彼も私がアメリカに赴任してすぐにイタリアの工場に行きました。

そこでやっぱり腸癌になりイタリアで緊急手術を行い日本に帰ってきてがんセンターにて抗がん剤治療を今も続けています。同じような境遇で私も気に掛かっていましたが、なかなか連絡することも出来ずに居ました。その彼が会社の仲間から私のことを聞き励ましの電話をくれたのです。突然でしたがお互いの今の状態や癌に対する認識など時間を忘れて話しました。2人が癌になって共通して認識したことは「癌は今や死にいたる特殊な病気ではない」と言うことです。
世間一般には「癌」=「死」のイメージが拭い去れません。確かに今でも年間30万人のがん患者が死んでいっています。この数値は循環器系、心臓病と共に現在の死因ナンバー1です。一昔前には交通戦争なる言葉があるほど交通事故による死者が多い時もありましたが現在はやはり癌を含めた成人病関係が一番だそうです。時々NHKスペシャルで癌に関する特集を組むのもこうした背景を反映してのことと思います。ですが癌に侵されながらもなんとか克服している人たちも確実に増えてきています。
私たちも半ば開き直りの心でとにかく癌に負けないようにしようとしていますし、克服できる気がします。
とは言え現実は私が癌になって周りにあまりにがん患者が多いことに驚いています。身近なところでは私の妻の妹が3年前くらいに子宮がんの手術を受け、術後は抗がん剤治療を行いました。幸い今は元気に生活していますがリンパを取った後遺症で時々足が腫れて歩けないほどだそうです。
妻のおじさんも昨年肺がんで亡くなりました。もう一人のおじさんはもう随分前ですが肝臓がんで亡くなりました。私の実家の兄は肺がんを手術し今年で5年がたち医者からあなたはもう大丈夫とお墨付きをもらったそうです。・・が同じ時期に手術をし病院のベッドを共にした5,6人の人たちは不幸なことに皆亡くなられたそうです。会社の上司のお姉さまもつい最近肺癌で亡くなられました。
近所に住む妻の友達も2年位前に乳がんの手術をされました。私の家の前の奥さんは40歳代で肺がんになり、肺がんだとなかなか分からず、結局分かった時には脳に転移していて不幸にも小、中学生の子供2人を残して亡くなられました。
以前の会社の仲間からも連絡があり、もう10年以上前だが上顎骨癌を手術し、最近また皮膚がんが再発したとの話をしていました。彼のお父さんもお母さんも癌だったそうですがお母さんなどは60歳で胃がんの手術を受けて90歳近くまで生きておられたそうです。
また、以前居た会社の別の友達の奥さんも5年位前に腎臓癌の手術を受け、今は元気に生活されているとのこと、手術をしたのは知っていましたがまさか癌だったとは知りませんでした。
小学生時代の同級生で私と同じ胃がんで10年前に胃の全摘手術をし今も元気に生活している人もいます。彼女の癌は当時話題になったアナウンサーでタレントの逸見さんと同じスキルス性の癌で手術の時には癌を告知されていなかったそうで、ご主人がどんなに心配していたかを今になっても思い出すたび感謝しているみたいです。私と同じ胃がんなので何かとアドバイスをしてくれています、ありがたいことです。
中学時代の同級生の妹さんも乳がんだったそうで、最近彼の奥さんもまた乳がんに罹ったとのこと。
アメリカでエアーチケットを手配してもらっている旅行会社の日本人スタッフのお父さんも胃がんで60歳で手術をし88歳まで生きていたので「荒井さんも大丈夫です、頑張ってください」と元気付けてくれました。
こうして私が癌だと分かったことによりあちこちで「実は・・・・」といって身近にがん患者を抱えた人達が沢山出てきました。こんなにがん患者は多いのです。私は「自分は癌にはならない」と過信していたことがいかにばかげていたかを改めて思い知りました。

仲間と言えばもう一つ、23日に会社から手紙が来ました。私が日本に居た時の後輩で今は立派にブロックの責任者として仕事をこなしている彼から、病気療養中とは言え何かと仕事のことが気がかりではないかと思っての近況報告と励ましの手紙でした。アメリカでのトラブルで1ヶ月に2度も出張し3日間の徹夜工事、2回続けての土日休日なしでちょっとばて気味とのこと、私が居ないことでアメリカのスタッフはもちろん日本の人たちにも色々迷惑をかけているのかな、申し訳ないなと感じています。
でも嬉しいことに定年を間近に控えた私に手紙の最後に「ご復帰心からお待ちしています」の言葉が添えられていました。病気で気持ちが落ち込んでいる時、、こうして仲間からかけられる言葉は本当に勇気付けられます。

この他家族や親戚はもちろん、前の会社の仲間、小中学時代の友達、高専時代の同級生からも電話が来たり、手紙が来たり、メールが来たりで本当に励まされています。みんなありがとう!!


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