フォトポエム  西尾征紀(Nishio Masanori)

夢のなかでは
詩はシンプルで美しい

エロスの世界

2009-10-26 | 詩のレッスン

エロスの世界


ぼくらはいま エロスの世界に生きている
鳥も花も蝶も エロスの世界に生きている 
エロスは すべてのいのちにめざめるもの
エロスから いのちの未来が生まれてくる

木立の中から 小鳥のさえずりが聞こえる
あかるいさえずりは エロスのよびかけだ
エロスは すべてのいのちをはぐくむもの
いのちの誕生は 永遠の エロスの憧れだ

鳥の卵には エロスの憧れが結晶している
花の種にも いのちの未来が結晶している
季節の美しい花にも タンポポの綿毛にも
新鮮な若葉の緑にも エロスの形象がある

海の中で泳いでいる魚にも エロスはある
波しぶきにぬれる海藻にも エロスはある
青空の下 自転する丸い地球のどこにでも
いのちのある所には エロスの働きがある

ときにエロスは いのちをゆさぶる戦慄だ
エロスは いのちの時間の光と影をつくる
人恋しさにふるえる心も エロスの働きだ
エロスが働くと 誰も孤独に耐えられない

ぼくらはいま エロスの世界に生きている
鳥も花も蝶も エロスの世界に生きている
エロスは 生きる力 野生の力 本能の力
エロスから いのちの未来が生まれてくる 







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