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私の本棚

将来の夢は自分専用の図書館をもつこと。大好きな本に囲まれて暮らしたい。

きみは赤ちゃん  川上未映子

2015-02-11 19:19:24 | いまの本棚
大きな節目となる試験が終わりました。
6年間の学習の、さまざまな意味で集大成となり、不思議な気持ちです。
試験に向けてもそれほど勉強をしていなかったのですが、本を思い切り読む気分でもなく、取っておいた本を早速読みました。

妊娠出産子育て、というのがここ最近の私のテーマでした。
二ノ宮知子の「おにぎり通信」も(まんがですが)とても面白く読みました。
田房永子の「ママだって、人間」もそういえば試験前に読んだ。
今回は別の視点から。
高校三年生の時もそうだった記憶がありますが、進学やら就職やらの節目のたび、私の中のフェミニズムがことさら燃え上がるようです。
仕事と子育ての両立やら、そういったことで悩み始めると(出産どころか妊娠の予定もないというのに!)暗澹たる気持ちになります。
いやもう、無理ゲー。
根性なしで、なにごともぎりぎり、運のよさだけで何事も切り抜けてきた私には、負荷の絶対量が大きすぎる。
できっこないと今から確信している。
少子化、するよねこんなんじゃ。当然の帰結だと感じます。

小説家が書いたエッセイなので、現実的なこともきちんと描きながら、妊婦の独特の気持ちを捉えて描いているのが良い。
体の変化のことや気持ちの移り変わり、出生前診断についても書いてあってかなり具体的、かつさすが作家の表現力。
実際その立場にならないとわからないことばかりなのだろうと思うし、実際筆者もそう述べている。
それにしてもあまりに妊娠出産子育ては未知で、かつ大きな負担を伴うものなので、見切り発車とはいえよくみんな頑張れるなあと感心してしまう。
妊娠してしまったらそうそうギブアップできないというだけだとは思うのだが。

出産前・産後の旦那さんとの関わりも参考になるところが多かった。
どうしたって自分を追い詰めてしまう(周囲に追い詰められてしまう)母親の姿と、なかなかそこまで背負うことのできない父親の姿。
筆者の旦那さんは非常に家事の育児もこなせる方のようだが、それでも筆者から見ると不満が噴出することも多かったようで、
これ、全然育児参加しない人の妻はどうしているんだろう・・・・とホラーな気持ちになった。
産後のお母さんは本当にきついとは聞いていたが、軽くエッセイを読んだだけで、私のちゃちな想定が打ち砕かれた。
正直こわすぎる。

リアルで、ほどよく文学的で、良い本でした。
また読み返すつもり。

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