デイジーパパ@青柳でございます。
皆さんは、ラス君のことを覚えていますか?
いまからちょうど7年前の2007年4月、大阪府東淀川区のマンションの一室
で多頭飼いされていた、ビアディーミックス(ビアディーXビアディーミックス)
のラス君は、里親探しのため、BDN会員の皆様の御協力で、空路東京にや
ってきました。早速里親探しに入り、候補の方が手を挙げてくださったのですが、
お見合いのためお家に行った際、先住犬を咬んでしまい、不調に終わりました。
(写真はそのころのものです)
以後、里親さんの候補が見つからず、2007年5月から、デジ一家がお世話に
なっているfreewind犬舎の阿部さん宅にお預けすることになり、そのまま7年間
が過ぎてしまいました。5歳だったラス君も、この3月で12歳となりました。
阿部さんにはとてもよくしていただき、普段は陽気なラス君ですが、咬癖は変わ
らず、7年間で3度の咬傷事件を起こし、他犬に対しての攻撃性もあるというこ
とで、長い間、ご迷惑のかけ通しでありました。BRNとしてもまことに申し訳なく、
このたび、次の行き先を考えることになりました。
ラス君は4月23日、阿部さんのお家から、栃木県大田原市の北栃木愛犬救命
訓練所へ移動いたしました。那須塩原の林の中の訓練所です。


(写真は、移動当日のものです)
所長の中村訓練士は「咬み犬専門」を標榜するガッツあふれる方です、その中
村さんでもこれまで訓練で扱った犬は11歳までで、12歳のラス君は最高齢とい
うことになります。これから最低でも6ヶ月の訓練を経て、さらに社会復帰、里親
探しというハードルが待っております。大変難しいケースであり、先の希望が持
てるかどうか、これから時間をかけてテストを繰り返して探っていくとのこと。とも
かく、訓練士さんと緊密に連携しながら、頑張っていこうと思います。
これまで、正面から向き合ってこれなかったラス君のことを、真剣に考え、BDN
の皆さんとともに、ハードルを乗り越えていきたいと思います。
一緒に戦ってくださる方、HPをご覧になって、ラス君の里親として頑張ってみた
いと思われる方、訓練費をBRN基金に寄付してくださる方、大歓迎です!
ラス君のようすは、ブログ、FB等で随時発信いたします。
よろしくお願いいたします。
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ラス君については、「咬み犬」ということで、里子にも出せず、阿部さんのご好意に甘え
て、長期間お預けする結果となり、咬傷事件も起きており、本来であれば、外国での
例のように、保健所での処分に相当するといえます。
救うべき命がある一方で、救うべきでない命もある、という考えは、およそ、生命を扱う
者にとって、避けて通れない課題です。レスキューに関しても、闇雲に救い出せばよい、
というものではない、どこかに一定の線引きが必要な場合がある、とも思います。
ラス君については、5歳での引き出しの時、その判断をする機会があったかも知れま
せん。今回、「高齢での矯正訓練」という選択肢を選びましたが、今後のレスキューの
あり方を考える上で、今回のことは皆さんと共有しながら考えてゆきたいと思います。