秋葉原に立ちて

今日久しぶりに秋葉原に行ったんだが、昔と違って、かわいい彼女を連れた、
さわやか系の勝ち組がたくさんいた。
もちろん、俺みたいなブサキモ系もいるんだが、勝ち組は、ブサキモをジャングルに
見に来てるかのようなはしゃぎようだった。
良いなあ、勝ち組のやつらは。

もう少し頭が良かったら、もう少し顔が良かったら、もう少し背が高くて、
もう少しおもしろかったら、それでもあいつらには勝てないけど、
でも、少しは幸せになれたのかもな。

俺は小さい頃は医者とか看護師とか、病院で働きたいと思っていた。
俺は母親が早く死んだから、病気を治す仕事がしたかった。
でもバカだし金がないから、医学部とか絶対無理。
それはそれで当たり前だからいいんだけど、オヤジが飲んだくれで、
高校卒業したら働かないといけなかったから、看護学校にも行けなかった。

今は一応派遣。貯金もない。オヤジも肝硬変とかで死んだ。

俺は加藤さんのように人殺しはできないけど、
いつか、ひっそりと消えていけたらと思う。
一人でこの６畳一間にいるのが、つらい。