沖縄BAR Owl日記(裏バージョン)

沖縄県那覇市久茂地にある県内初のフルーツバー「BAR Owl」。
日々の出来事や感じた事を紹介しま~す!!!

文学ボーイ その二。

2012年07月20日 | BAR Owl日記


おおっ・・・・。

ここは、文学の匂いがするっ!!!

いざ・・・・。


そこは国際通りにある、半地下の喫茶店。


店内は程よく薄暗く、そして、こんがりロースターされたコーヒーまめーの香りが漂う文学な世界・・・。


オイラは入り口の側のBOX席を陣取る。


入ってきたお客さんに

「おお・・・文学かね・・・・。末恐ろしいボーイだ・・・」

と知らしめる為だ。


おねいさん、アイスコーシーで。

おやおや、文学にミルクとシロップは要らないよ。

文学はモカマターリの香りのするブラックじゃなきゃ。

心の中で優しく呟く。




フフフっ。


お店の方も訝しげにオイラを見ているよ。


オイラの文学っぷりに戦々恐々としているのだろう。







チリーン・・・。


入り口の安いチャイムが鳴る!!


来たっ!!!


今だっ!!


とくと見よっ!!!


オイラの文学をっ!!!




しかし、オイラは青ざめる・・・。





齢の位40半ば、チノパンに白のポロシャツをINに入れ、ハイウエスト・・・・そして怪しいボストンバック・・・・。

風貌は山下たつろうが竹内まりあに逃げられ、自暴自棄になり、ヒゲも剃らず、髪もザンバラな感じ・・・。








コイツ・・・・・







出来る・・・・・・。








ハンパない文学オーラである・・・・。






上目使いで店内とオイラを確認し、

左斜めの席に着く。


その距離3メートル。


そして、男はおもむろに、持っていたボストンバックから一冊のブックを取り出す・・・。



やはり、ブンガリストかっ!!!!



震える手でアイスコーシーを持ち、横目で男のブックを確認する。



しまったっ・・・・・。



上級者は・・・・・



ブックカバーを使うのか!!!!





ぐぬぬぅ・・・・。



流行の文庫本を堂々と見せていたオイラは、とんだお祭り野朗だぜ・・・・。





「ご注文は?」




「ホットココアで。」








な・・なにぃ・・・。






ホットココアだとぉ・・・!!!



灼熱の炎天下を歩いてきて、効いてるか効いてないか分らない微妙な温度のクーラーの中で


ホットココアだとぉ!!!





ダメだ・・・・。



勝てる気がしない・・・・。



ロシアの文豪 ドストエフスキー を ドエムダイスキー と覚え、

変態に仕立てあげていた俄か文学力では通用するわけがない・・・・・。








完全なる敗北である・・・・・・・。













そして・・・・・・






その後、居た堪れなくなったオイラは、

町の雑踏の中へ消えて行き、

二度とその地を踏む事は無かったという・・・。






おしまいおしまい。





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