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70周年記念番組「瀬戸内寂聴と美輪明宏の対談」

2015-08-23 21:41:00 | 観る、聴く楽しみ

戦後70周年がテーマのテレビ放送から
 8月15日、16日は、戦後70周年をテーマにしたテレビ番組が目立った。ほとんどは大戦やその後の70年の復活を物語る記録映像であったり、戦争やその被害をテーマにしたドラマや映画であったが、記憶を新たにさせられたものも少なくなかった。映画では16日にNHKプレミアムで放映された「日本のいちばん長い日」(東宝・岡本喜八監督)が。

 昭和20年8月14日から15日にかけてのポツダム宣言の受諾や玉音放送を巡る政府中枢の動き、若手将校の反対をテーマに取り上げたものであったが、笠智衆(鈴木首相)、三船敏郎(阿南陸軍大臣)、山村総(海軍大臣)、島田正吾(近衛師団長)宮口精治(東郷外相)、志村喬(下村情報局総裁)等ベテランの存在感が白黒画面の中でリアリティのある影像にしていた。
 
瀬戸内寂聴展に美輪明宏さんが
 印象に残ったのは16日、BSプレミアムで放映された「瀬戸内寂照と美輪明宏の対談」。長崎新聞社が開催した「戦後70年、被爆70年ー瀬戸内寂聴展~これから生きるあなたへ~」のイベントとして長崎出身の美輪明宏との対談が企画されたもの。
 日頃から独特の切り口の語りに定評がある二人の対談だけに期待したが実に楽しい番組であった。実際は2時間ほどのものを1時間番組として纏めたものだったようで、その全部を放映して欲しかったとの気がしないでもない。

会場からの悩み相談にも答える
 二人の出会いから始まって、瀬戸内作品や、円地文子や川端康成、そして寂聴の「源氏物語」などの文壇がらみの話に続いて、会場の参加者からの悩みの相談にも。「60歳になって死の恐怖を感じ始めている。どうしたら?」「理想の結婚相手を見付けるポイントは?」などの悩み相談に続いて「死が確定的な父にどんな言葉が?」との悩みに寂聴さんが「そんな場合、どんな言葉も意味を持たない。心を込めてお父さんの背中を擦ってあげるのが一番」と寂庵説法の主ならではの言葉を。

美しく生まれた美輪さん
  二人の宗教観が話題になった後、「美輪さんは生まれた時から綺麗だったから…」と寂聴さん。「世の中には正と負の原則があり、美しく生まれたからと云って得をするものではない。クレオパトラも楊貴妃も小野小町も碌な死に方をしていない」と美輪さんが。続いて会場に向って「ですから美し過ぎるより、皆さんぐらいが丁度よいのですよ」と美輪明宏ならではの一言に会場に笑いの渦が。

可愛く生まれたかった寂聴さん
 一方、寂聴さんは「小さい頃、どうして可愛く生まれなかったんだろうと悩み、洗濯ばさみを鼻に挟んで寝たこともあった。あの頃の洗濯ばさみは木で出来ていたから痛くてやれたもんじゃなかった」と。そう言えば「若草物語」(マーヴィン・ルロイ監督、MGM 49)でエリザベス・テイラーが同じようなことをしているシーンがあった。「若草物語」はハリウッドでは33年、49年、94年と3回映画化されているが、私は49年作品が一番。ベスのマーガレット・オブライエンも可愛かったが、何と言ってもジョーを演じたジューン・アリスンの好演が光る。。

安保法案についての二人
  最後は二人の戦争観。安保法案を目の前にしているだけに二人の話に力がこもった。
「あの人達は自分が戦争に行くと思っていないのです。自分の息子も孫も行くとは思っていない。よその家の者が行くと思っている。戦争法案に賛成した議員はその責任をとって、まずご自分が先頭に立って戦場に行っていただきたい。また、それを支持した選挙民も…」と美輪さん。
 「戦争にいい戦争とか、国民を幸せにする戦争なんてものはないんですよ。これは集団人殺しですから。自衛隊員にそんなことをさせてはいけないんです。」などと寂聴さん。

一番のキモの部分がノイズに
 二人の熱意がこもった戦争観のこのくだり、画面・音声ともに残念ながらノイズが激しく、聞きづらく、見辛く、かなりの部分が意味不明となった。幸い脊椎狭窄症の手術後の後遺症である左下肢の痛み、痺れの治療のため通院している整骨院の待合室で週刊誌「女性自身」にこの対談の模様が4ページで紹介されているのを発見、不足部分を少し補足することができた。できれば『再放送を!』とNHKに御願いしているが…。

気になるノイズに、ふと意図的との思いも
 実は放送後ノイズのことが気になっている。念のためテレビなどをチェックしてみたが別に問題はない。遠雷があればその所為の可能性もあるがその時点では格別の記憶はない。そんなことから、可能性は別にして妨害電波の線も思い浮かぶ。何しろ、この番組の一番のキモは二人の戦争論。二人とも筋金入りの反戦論者だけに現在審議中の安保法案に批判的な意見が出るのは当然であり、自民党の若手議員などが邪魔をしたくなったとしても不思議ではない。おまけにNHKにはあの有名な○○会長がおられる。そんなところから苦肉の策として生まれたのがあのノイズだったのではとの疑念がふと浮かぶ。

信じられる政治を
  友人に番組のあらましを話し、“惜しい所でノイズが”と云うと、すかさず私の疑念と同様の反応が返ってきた。そんな時代と云ってしまえばそれまでだが、そんな疑惑を持たれる政治には不信の念を持たざるを得ない。国民が政府を信じられない政治はするべきでは無い。
  もっとも、この疑念は日本の各地でこの番組を視た視聴者が同じようにノイズを体験したことが証明されて初めて問題になることであり、現段階では下司の勘ぐりでしかない。
そうで有って欲しい。当然のことであるが…。その疑惑を解消する意味でも『再放送を是非に』と強く希望する。

これをご覧になっておられる皆様も「再放送を」とNHKにお電話頂ければ、その可能性が高くなるかも。ご協力のほど御願いします。



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