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中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(16)「休み明け、俺だって行きたくない」と中学校教師

2008年02月17日 | Weblog
10年以上前のエピソードです。

休み明けの日に欠席が多い生徒について、同僚数人の間で話題になりました。
そのとき当時40歳すぎの学年主任さんがこうおっしゃいました。
「休み明けは、俺だって学校に行きたくないもん」

当時20代だった私にとって、意外な一言でした。
学年主任さんは、人格的にも尊敬できる方でした。
仕事もきちんとされていました。
生徒からの信頼も厚い先生です。
その先生から「学校に行きたくない」との一言を聞き、はっとしました。

当時の私は、今以上に気弱で、情緒不安定だったと思います。
年に2,3回は「俺は教師に向いていない」「教師を辞めよう」と落ち込んでいました。
「学校へ行きたくない」と思うのは茶飯事でした。

そして上の学年主任の一言を聞いたのです。
この一言を聞いて、はっとしたのです。

「こんな立派な先輩も『行きたくない日」があるんだ」
「『学校に行きたくない日がある』のは自分だけじゃなんだ」

私のそれまでのイラショナルビリーフ(非現実的な思考)が書きかえられた瞬間でした。
そして、大いに励まされました。

今、いい年をしても仕事に行きたくないときがあります。
そんなとき、先輩の一言を思い出します。

(15)中学校教師 仕事術 ポケットに1枚

2008年02月16日 | Weblog
今日は仕事術のお話です。
胸ポケットに、折ったA4の紙を入れています。
要するにメモ帳や手帳の代わりです。
メモ帳や手帳より良い点があります。
・薄い、軽い、携帯に楽。
・A4の紙はどこにもあります。
・中学校教師の場合、メモ帳や手帳に部外秘の情報を書き込むことがあります。
 それを携帯し紛失した場合、大問題です。
 私は10年前、生徒指導に関する記録ノートを教室に置き忘れ、生徒たちに読まれました。
 学級混乱の一因となりました。
 痛い目にあうと忘れません。
現在私は記録ノートを職員室の同じ引き出しに入れて管理しています。
 メモはA4の紙に書き、必要であれば切ってノートに張ります。
 不要であれば、シュレッターです。
 部外秘メモを紛失してはいけないので、「ワイシャツの胸ポケット」と入れる場所を決めておきましょう。

 ちなみに、A4紙の携帯は、「スピード仕事術」西村克己著(東洋経済)を読んで知ったことです。
 この本には使えるネタがたくさんあります。
 お勧めです。

 私の勤務する地域では、教頭先生が「日報」と称するその日の予定を発行されます。
 私はそれを折りポケットに入れています。
 予定もわかり、メモ用紙になり便利です。
 以前は「日報」をファイルに入れたり、ノートに張ったりして携帯していました。
それに比べポケットに入れる方が、格段に楽で便利です。
 一日が終わったら、すぐシュレッター行きです。

 お試しください。

(14)そもそも中学生はなぜカンニングをしてしまうか

2008年02月15日 | Weblog
そもそもテストのカンニングがなぜ発生するか検討してみました。

私の考えですが、
カンニングをしてしまう生徒と、
その生徒を囲む大人の、
テストに対する認識に間違いがあるのではないかと思います。

このような間違った考えかたを、イラショナルビリーフというそうです。

例えば、こんな考え方があります。
「テストの点を上げなければならない。」
「○○点を取らないと、高校へ行けない。」

このようなイラショナルビリーフに追い詰められた生徒がカンニングをしてしまうのではないかと思います。

そもそも学校のテストとは何か考えましょう。

テストは、生徒のその時点の到達度を知る機会と私は考えています。
得点が高ければ、目標を達成できていると知ることができます。
得点が低ければ、弱点やそれ以降の課題が見えてきます。
(評価の話を書くとややこしくなるので、このように簡単に書きました。)
それだけのものだと私は思います。

生徒も保護者もそして先生も、テストに対する認識をかえる必要があると思います。

現実的な考え方を、ラショナルビリーフと言います。

テストに関するラショナルビリーフは、
「テストの点は上がるにこしたことはない」
「テストの点が上がれば、高校選択の幅が広がります」

結果をみて、こんな声がけができるかもしれません。
「○○はできてるね。○○が苦手なようだね。さて、これからの対策を一緒に考えようか。」

ラショナルビリーフ、イラショナルビリーフは、國分康孝先生の著書から知りました。
参考図書:「<自己発見>の心理学」國分康孝(講談社現代新書)

(13)中学校の定期テスト監督 こんな策を打ちました

2008年02月14日 | Weblog
私は次のようにしてテスト監督を務めました。

1 機先を制する
 問題用紙を配布後に次のように言いました。
 第一声は低い声で厳しい口調で言いました。
 「不正行為。」
 生徒の意識を集めてから、あとは優しく言いました。
 「このクラスにはそういうことをする人はいませんが、
 テスト中にそわそわしたり、キョロキョロしたり、掲示物を見たりしていると、
 誤解をまねくことがあります。
 気をつけてください。」

2 監視の立ち位置
 正面黒板向かって右側に立つと、生徒の机上や手元がより見えやすいことを発見 しました。
 -―――黒 板――
          教師
 生 生 生 生 生
 生 生 生 生 生
 生 生 生 生 生
 見えやすさはわずかの差ですが、よりよく見えたほうがいいですよね。

3 教師の視線
 カンニングの心配のある生徒が「自分が目をつけられている」と気づくことは、 信頼関係を崩すことになります。
 心配のある生徒には焦点を当てず、視界の一部に入れて観察します。
 心配のある生徒が「自分以外の生徒が厳しく監視されているなあ」と思えば、カ ンニングの抑制になります。

4 机間巡視
 机間を歩くときは、近くの生徒より学級全体を観察します。

5 目線とジェスチャーで制す
 好ましくない小さな行為を発見したときは、目線やジェスチャーで制します。
 例えば、
 目を合わせて、顔を左右に振り「ダメだよ」と知らせる。
 目を合わせて、手を振って「ダメだよ」と知らせる。

6 終了の指示
 終了5分前にこう言います。
 「あと5分です。
 チャイムが鳴ったら、筆記用具と消しゴムを置きます。
 回収時の書き足しや消すことを防ぐためです。
 ご協力ください。」

 これらの手立てで、うまくいきました。

(12)場を制す 優位な立場で指導する 

2008年02月13日 | Weblog
場を制す。

これは部活動の指導で気づいたことです。
練習開始時間に遅れて練習場である体育館に足を踏み入れることがある。
すると、私のコーチングの声がけに若干力が入らないのです。
遅れてきたことに引け目を感じて、強気になれないのです。
私は自分の専門外の部活動ばかりの顧問を務めてきたので、なおさら弱気になります。
私と同じような気弱な中学校教師であれば、経験があるのではないでしょうか。

逆に、体育館に生徒より先に行っていると強気で指導できます。

「先にその場にいたものが、場を制す」
これはさまざまな場面でいえると思います。

これを授業に置き換えます。
授業は専門の教科を教えているので、遅れたからと言って気弱になることはありません。
しかし、より優位な立場で授業をできるように、私は授業開始前に教室に入るよう努力をしています。

「先にその場にいたものが、場を制す」
このことに根拠はありませんが、実感があります。

気弱な教師にもできることです。

(11)中学生を励まし続ける 応援し続ける

2008年02月12日 | Weblog
「おれ、どうせ高校へ行かないからいいや」
健君(仮名)は学業や進路が話題になると、いつもこう言っています。
健君は学級担任に反抗的な態度を見せたり、ちょっと悪ぶった装いを見せようとしたりする中学生です。
残念ながら学業不振です。

ある日彼と懇談しました。
彼は腹痛をうったえるので、まずお腹の調子から尋ねました。
「お腹の調子は大丈夫か?」
「授業でわかんない教科とかある?」
「その中でもまあまあわかる教科は?」

学業について話題になったとき、私は彼に次のように言いました。
「『高校へ行かない』なんて言うことあるけど、先生も応援するからあきらめるな。
先生が協力できることはするから。
今からまだ一年あるから。」

それから個別指導で勉強をみました。
わずか15分ほどの勉強でした。
私は彼の勉強する姿を見て感動しました。

懇談の終わりに、コンプリメント(賞賛)を入れました。
10日ほど前に、彼が私の前を横切るときに、私の足に触れました。
そのとき彼は「ごめんなさい」と言っていきました。
その礼儀正しさを褒めました。

後日、彼の友人が私のことを悪く(ふざけて?)言っていたそうです。
すると彼は、「○○先生を悪く言うな!いい先生だから。」と友人に言ったそうです。
彼の学級担任が私に教えてくれました。

今日のまとめ
1 自信のない中学生を励まし続けましょう。
  応援し続けましょう。
2 我々の一番の武器は、勉強を教えることです。
  勉強を教えることで、中学生とつながり、中学生を支援していきましょう。

(10)中学生を感情的に叱らない

2008年02月11日 | Weblog
掃除中に隣のクラスのA君が私が掃除する教室に入り、生徒と遊び始めました。
「まだ、掃除中です。向こうへ行ってなさい!」
と私は強い口調で言いました。
A君は「いいじゃん」と開き直ったのです。
この言い合いが続きました。

私は4年前、下のサイトを読んで、目からうろこが落ちる思いをしました。
-------------
「アスペルガー症候群を知っていますか」(社団法人日本自閉症協会東京都支部)
  http://www.autism.jp/asp/
『大声で叱ったりすることは逆効果です。
大人が感情的になってしまうと、アスペルガー症候群の子どもは大人が言いたいことよりも感情的になったということのみに気持ちが向いてしまいがちです。』
-------------

『感情的になったことのみに気持ちが向いてしまう』
これは今の多くの中学生に当てはまるのではないでしょうか。

上のエピソードのA君は、特別支援教育の対象となる生徒ではありません。
このA君に、私は穏やかに冷静に話すことを心がけてみることにしました。
上のエピソードの数日後、A君は全く同じ行動をとりました。

教室に入ってきたA君に私は穏やかにこう言いました。
「まだ、掃除中なんだ。悪いな、(友だちと話すのは)待ってて。」
と、教室を出るよう手で示しました。
A君は5秒後に教室を出てくれました。
すごい、うまくいきました。

■今日のまとめ■
1 すべての中学生に特別支援教育の手立ては有効である。
2 「アスペルガー症候群を知っていますか」(財団法人日本自閉症協会東京支部)http://www.autism.jp/asp/ は、お勧めサイトです。
  プリントアウトして、ノートに張りたい内容です。
  私は数年前アスペルガー症候群の生徒を学級担任したときに、この冊子を職員に配りました。
  当時、このサイトの内容を冊子で販売されていたのです。
3 このサイトを読んだ当時の学級ではあまり叱りませんでした。
  そのせいか、年度末に問題が多発しました。
  臨機応変、バランスが大切であると反省しています。
4 今日のエピソードのA君が私の言うことを聞くに至るには、他にもエピソードがあります。
  また、後日紹介させていただきます。

■日に日にアクセス数が増えています。
 稚拙な文章をお読み下さり、ありがとうございます。
 皆様の知恵や感想を「コメント」に書き込んでいただければ幸いです。
 中学校現場の現実は大変ですが、「ちょっといいこと」を探しながら何とか続けていきましょう。  

(9)中学生に禁止を伝えるこんな表現

2008年02月10日 | Weblog
「人が傷つくようなことを言ってはいけません。」
というような禁止を伝える場面がよくあります。

私はこんな言い方を試しています。
「人が傷つくようなことを聞くと、先生は悲しくなります。」
「人が傷つくような言葉を(私は)聞きたくない(なあ)。」

これをアイ・メッセージと言うそうです。
「私は…と感じる」と自分の感情を伝える表現方法です。

まずは、朝の学活(朝の会)でこのように言いました。
「最近、友だちのことをからかったりする言葉が飛び交っているよね。
先生は、人をからかうような言葉、人を傷つける言葉を聞くと悲しくなります。
お互いに気をつけようね。」
それでも生徒たちは時間がたって、調子にのってくると、悪い言葉を口にします。
言ってしまった生徒と目を合わせて、「ダメだよ」とアイコンタクトと表情で伝えます。
生徒は「まずい」と言う表情をします。

アイ・メッセージの指導がどのくらい有効か比較できませんが、
教師の対応力を豊かにするためには知っておくとよいと思います。
とりわけ気弱な教師には有効だと思います。

最近は生徒との会話の中でも、
「それは聞きたくない(事だ、言葉だ)なあ。」
と使えるようになりました。

私はアイメッセージを「構成的グループエンカウンター」の本から知りました。
(私はこの研究会の会員ではありません。一読者、一実践者です。)

(8)いつもは何もしない生徒が学習したプリント

2008年02月09日 | Weblog
私語をしたり、出歩いてしまったりする生徒がいる学級で授業をしました。
教科担任が休暇をとられたので、私が代わって授業をしたのです。

この日、「勉強なんてわかんないからやらない」といつもは何もしない生徒たちも、シーンとして学習してくれました。
こんな学習プリントを使用したのです。

(プリント例)――――――――――――
まとめと練習3 比較表現
A比較級「~よりも…」

①この鉛筆は長いです。
 This pencil is long. (←「色の設定」でグレーにしてある。生徒たちはこれをなぞる。)
②この鉛筆はあの鉛筆よりも長いです。
 This pencil is longer than that one.
③私は速く走ることができます。
 I can run fast.
    (東京書籍NEW HORIZON2)
――――――――――――
生徒たちは薄い色で書かれた英文をなぞって書くだけです。
書店で、薄い字で書かれたお経や古文を鉛筆でなぞる本が売られています。
あのイメージです。
これで何の学力がつくのかと問われれば、返答に困ってしまいます。
日本に古くからある写経のように、きっと日本人の心にあった学びの方法であると思います。
いつもは全く勉強をしない生徒がみんななぞっていたのは事実です。
お試しください。

ちなみに、なぞる英文の文字のフォントはこの通りです。
フォント:Arial Rounded MT Bold
フォントサイズ:16

(7)自習監督 こんな配慮をしています(3)

2008年02月08日 | Weblog
つづきです。

⑦学級担任への手紙
 生徒がシーンと学習に取り組んでいる間に、私は黒板の隅にこう書きました。
 学級担任への手紙です。
『○○先生、○組の学習の集中力がすばらしいです。○○(私の名)』

 この手紙には、いくつかのねらいがあります。
・学習態度がすばらしいと書かれている板書を見た生徒が、授業途中で学習の雰囲気を壊しづらくなります。
・生徒たちは学級のよさを褒めてもらい、学級の自己肯定感が高まります。
・学級担任と生徒が、喜びを分かち合うことができます。自己肯定感がさらに高まります。

残念ながらA君は、後半に学習を止めてしまいました。
しかし彼はこのときの静かな学級の雰囲気を壊さないように努めていました。

⑧授業終了2分前に、クラス全員に対して集中して取り組んだことを褒めました。

授業直後、廊下でA君とすれ違いました。

⑨「頑張ったね」とA君とハイタッチをしました。

このクラスは特別な配慮をしなくても、集中して学習できる学級なのかもしれません。
私が配慮した①から⑨の行為は、どの学級でもうまくいくとはかぎりません。

知恵を出し合えればよいと思います。

(6)うまくいった自習監督(2)

2008年02月07日 | Weblog
昨日のつづきです。
学習の雰囲気を壊す傾向のある男子A君がいる学級での、自習監督での工夫です。

スタートはクラス全体が静かに学習しはじめました。
周囲が静かなので、A君も静かにしています。
しかし、A君の忍耐力が50分持つとは思えません。

⑥私は生徒たちの学習をいったん止め、私の話を聞かせました。

「一つ勉強のコツを教えます。
脳科学によると、人間の集中力は30分しかもたないそうです。
テスト前に集中力が続かないなあと思う人は、このように学習するとよいのです。」

(板書)『30分 休み 30分 休み 30分』

「30分学習したら、5分から10分の休みを入れます。そしてまた30分勉強、そしてやすみ。このようなサイクルを繰り返すとよいのです。」

「試しに今、やってみましょう。」

(板書)『①  1:35-1:00
      休み 2:00-2:05
      ② 2:05-2:25』

「前半は2時まで。頑張りましょう。」
生徒たちは、学習を再開します。

途中、残り時間を小さな声で伝えました。
「あと10分です。」
残り時間を伝えることは、ここまでで頑張ればいいという見通しがもてるので、大切な行為のようです。

5分の休み時間は、友人と話したり、仮眠をしたりしていました。
元気なA君は友人とプロレスを始めましたが、それは「授業中だからほかの事をしよう」と止めました。

後半のも、学級は静かに学習をしていました。

つづく。

(5)自習監督 こんな配慮をしています(1)

2008年02月06日 | Weblog
中学校には自習監督があります。
先日、中学2年生の自習監督がありました。
このクラスには一人、自習の雰囲気を壊す傾向のある男子がいます。
さまざまな策を打って、生徒全体がシーンと集中して学習に取り組めた例を紹介します。
授業開始からいくつかのことを配慮しています。

①授業開始直前にその教室のドアを開け、教室内を見る。
生徒は私の視線に気づき、着席しました。
「怒られるかもしれない」と思ったのかもしれません。

②自習でやることを、板書する。
 教科担任からの指示を板書しました。

③自習の指示
 「黒板に書いてある自習をします。」

④問題用紙の配布
 生徒たちは、問題用紙に書き始めました。
 定期テストのようないい緊張感がありました。

⑤褒める
 「○組は、スッと集中できるからいいねえ。」

 私が余計なことを言わなかったから、緊張感が生まれてきたのかもしれません。
 
全員を着席させることが容易でない学級の場合は、これとは違う手を打たねばならないと思います。

皆様の中で、自習監督で配慮している点がありましたら、教えてください。

つづく。

(4)中学生をやる気にさせる質問力

2008年02月05日 | Weblog
ラジオでこんな一言は聞きました。
「日本人はコンプリメントが足りない」
コンプリメントは、「賞賛」のことです。

教育における「賞賛」「褒めること」の重要性は多くの人に語られています。
ここでは質問によるコンプリメントを紹介します。

例えば、宿題をやってきた生徒にこう尋ねます。
「部活動で忙しいよね。どうやって宿題をする時間を作ったの?」

問題を解いた生徒に、
「すごい。どうやって解いたの?教えて。」

掃除を頑張った生徒や、
「きれいになったね。どうやったらこんなにきれいになるの?」

なぜ質問か。
それは生徒自身に自分の努力や頑張りを語らせるためです。
努力や生徒は頑張りを自分の中から発見し、自己肯定感を高めることができるからです。

賞賛の質問力はまだまだ研究中です。
皆様の中でうまくいった例がありましたら教えてください。

(3)中学生との口論に負けない質問力

2008年02月04日 | Weblog
我々教師は中学生と口論や口げんかをするべきではあません。
口論や口げんかに至らない指導を目指しているのですが、不本意ながら中学生と口論になってしまうことがあります。
生徒の中には、口げんかのプロもいます。
平凡で気弱な教師が、勝てるわけがありません。

必勝と言うわけではありませんが、生徒と口論になったとき、私はこのようにしています。

冷静に、低い声で、畳み掛けるように、質問をする。
腹を立てて、授業中に教室を出ようとする生徒に対してこう質問を畳み掛けます。
「授業中に教室を出てもよいというのですか」
「授業を受けなくてもよい権利があるのですか」
「今あなたが言った言葉は、絶対に正しいと言えるのですか」
「その(行為)責任は取れるのですか」

質問の目的は、
・生徒との口論に教師が負けないこと
・生徒に返答を困らせ、絶句させること
です。

質問のコツは、
・感情的にならない。
 中学生の中には、無意識に教師をキレさせようとする気持ちがあるようです。
 キレたら、生徒の手中にはまります。
・敏腕弁護士を気取って、低い声で質問を畳み掛ける。
・生徒の行為の正当性を問う。
・アクセントとして、「権利」「権限」「正当性」など、こちらの論理がもっともらしく聞こえる硬い表現を使う。
・生徒の人格、人権、友人、家族に触れるようなことは言わない。

教師の失言一つで、本来指導したい問題がすりかえられ、教師の方が不利になることが多々あります。
教師の発する言葉には、細心の注意をしましょう。

まとめます。
生徒と口論にならないよう指導する。
口論になってしまったら質問を畳み込む。

口論のときの質問力は、研究中です。
質問することがいいことかどうかも検討中です。
口論の終結の仕方も研究しなければなりません。

今言えることは、口論を苦手とする教師にとって、「質問」という一つの策があれば、ほんの少しでも余裕をもって指導できます。

(2)中学生の困った質問に対応する質問力

2008年02月03日 | Weblog
中学生は教師に対し、返答に困る質問をしてきます。

例えば、
「先生、何歳?」
「先生、結婚してる?」
などプライバシーの配慮に欠けた質問があります。

性教育の後には、教師の困った顔を見るために、性に関する質問をしてくることもあります。

また、
「なんで○○さんだけ、いいんですか?」
と不平を訴えることもあります。

こんなとき私はこう言います。
「どうして知りたいと思ったのかな?」
「どうして気になったのかな?」

生徒の質問の意図や目的について、生徒に尋ね返すのです。
その後、質問の意図や目的に焦点をあて、適切な質問であったかどうか話しあい、そして教えることができます。

生徒の不平不満に対しては、
「あなたは、どうしてだと思う?」
と尋ねることもできます。

生徒の質問に対して教師の個性を活かした対応方法があると思います。
例えば、

「…です。」と毅然と答える。
ユーモアを交えて答える。

私のように咄嗟の対応力がない教師は、これが使えます。

質問に対して、質問で対応する。