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中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(46)発達障害のあるお子さんを「○○ちゃん」と呼んでいいか?

2008年03月18日 | Weblog
発達障害のある生徒を「○○ちゃん」と呼ぶ教師がいます。
私の地域だけでしょうか?
こういう先生は少なくありません。

「○○ちゃん」呼んでいる先生は、親しみを込めて呼んでいると思います。
その生徒を大切にしようと言う思いはわかります。

私は学校のどの生徒も「○○さん」「○○君」と呼んでいます。
「○○ちゃん」と呼ばれている生徒に対しても、「○○さん」「○○君」と呼んでいます。

私は発達障害を持っている生徒に対しても、呼び方など基本的な接し方は同じにすべきだと思います。
「○○さん」「○○君」と呼ぶことで、一人の人として尊重して接しているつもりです。

私の考え方が固すぎるでしょうか?
ご意見をいただければ幸いです。

(45)そうじをしない中学生  そうじ指導の小技

2008年03月17日 | Weblog
本当に今日は小技です。

いつもそうじをしない生徒がそうじをしてくれました。
「してくれました」とは、気弱な発言ですが、そのくらいそうじをさせることが難しい太志君(仮名)なのです。

そうじ開始時、私は窓拭きをしていました。
窓拭き用のワイパーと、窓拭き用洗剤のスプレーを使っていました。
私の窓拭きの様子を太志君が見ていました。
窓拭き道具に興味があるようでした。
「一緒にやろう。」
彼は窓拭きワイパーを清掃委員から借りてきました。
そして私と隣り合って、窓拭きを始めました。
私がスプレーを吹き、二人でワイパーでふき取る形です。
清掃終了後、二人で用具を返しに行きました。

今日の勝因と思うこと
・私が用具でそうじをしている場面を見せた。
・用具に魅力があった。きれいになるので達成感があり面白い。
・私がスプレーで洗剤を吹き付け、生徒にふき取らせることで、仕事のリズムができた。

そうじをしない生徒に、用具でそうじをさせる。
大発見というほどのことはありませんが、こういう小技が役立つとうれしいです。

(44)明るい未来像を描かせ活性化②「春休みになったら何したい?」

2008年03月16日 | Weblog
明るい未来像の続きです。

最近はこんな御題を出しました。
私「もうすぐ春休みだねえ。春休みになったら何をしたい?」
この会話を何度かしていると、子どもも要領がわかります。
「じゃあ先生から。最近読書に凝っていて、たっぷり読みたい。はい、Aさん。」
A「○○へ行く。」
先生「○○、いいねえ。先生は学生時代に○○に住んでいたんだ。Bさんは。」
B「遊ぶ。」
先生「遊ぶ。何して遊ぶの?」
B「いろいろ」

繰り返しや質問を使って、未来像を描かせます。

未来像を描かせる手法は、「ブリーフセラピー」の著書から学びました。
「ブリーフセラピー」では、カウンセラーが質問をして、クライエントに解決像(問題がなくなっている未来の状態)を語らせます。
クライエントは解決像を描くことができるので、行動を起こす気持ちになる。
そして実際に行動を起こす。
のだそうです。
(↑これは私の理解であり、正確ではありません。)

セラピーとして意識しなくてもいいので、「1万円あったら?」「明日の休日に何する?」の御題で、くるくる順番に質問をしてみてください。

このブログの読者の中で、いいネタがありましたら教えてください。

今回は次の本を参考にしました。
「先生のためのやさしいブリーフセラピー」森 俊夫(ほんの森出版)
本体1600円、読みやすく、面白く、おすすめの本です。

(43)明るい未来像を描かせ、中学生を活性化① 隙間時間にミニエクササイズ

2008年03月15日 | Weblog
生徒を活性化するために次のような会話をしています。

私「1万円あったら何がしたい?考えてみて。」
(15秒ほど時間をとる)
私「先生から。スポーツウエアが欲しい。じゃ、Aさん。」
A「エグ○○ルのCDが欲しい。」
私「へえ、何てタイトルのアルバム?」
A「○○○○」
私「かっこいいタイトルだね。Bさんは。」
B「とりあえず貯金する。」
私「貯金をして、何か使いたいことがあるの?」
B「ないけど、とりあえず貯金。」
私「しっかりしているんだね。じゃあ、あと2週まわすからね。温泉に行きたいなあ。Aさんは?」

と、このような「1万円あったら」の御題で生徒に順に3回ずつ言わせます。

「構成的グループエンカウンター」のエクササイズのような雰囲気になります。
日常の会話の中で使えます。
成功のコツは、教師が子どもの話に傾聴することです。

こんな会話で活性化されるのかと疑問を持たれる方もおいでかもしれません。
自分の楽しい未来を語る、そしてそれを聞いてもらうことを実際に体験されるとよいと思います。

(42)中学生との距離③ 「私の肩に手を置いた生徒」

2008年03月14日 | Weblog
一定の距離の続き。

先日男子生徒が親しみを込めて私の肩に手を置きました。
私はその手を掴み、降ろしました。
それはダメだよと優しい表情で、目を合わせました。
私は叱ったわけではなかったのですが、彼は私の反応に腹を立て、近くの机を蹴飛ばして向こうへ行ってしまいました。
それでも、数時間後には「さようなら」の挨拶に答えてくれました。
指導をされると不快な心理状態になる生徒もいますが、これは大事なことだよとの誠意を持って教えることが大切なのですね。
そういえば、それ以来彼は私の肩に手を置いていません。

(41)中学生との距離② 「なれあいではなく一定の距離」

2008年03月13日 | Weblog
信頼関係作りの続きです。

最近の中学生は、教職員も含め大人に対して「なれあい」の関係を作ろうとします。
例えば、
教師の氏や名を敬称なしで呼ぶ。
教師に対して肩を組んでくる。
有名中学校ドラマで劇中の生徒たちが「き○○ち」と学級担任を呼ぶシーンを見て、「教師とのなれあい関係を全国に広めているのか!」と私は疑問を抱いています。

教師と生徒との関係には、一定の距離が必要だと思います。
生徒が私に親しみを込めて「○○○○」と敬称なしで読んだとき、私は「○○先生」と言いなおします。
敬称なしの呼び方は不快だなあ、悲しいなという私の表情を見せ、「『○○先生』とほら繰り返して言いてごらん」といった雰囲気で指導します。
時間はかかりますが、「○○先生」と言いなおしてくれます。

教職員と生徒の間には信頼関係(信頼関係)が大切です。
信頼関係とはなれあいの関係ではありません。
生徒とは一定の距離を置いて、つきあっていきましょう。

(40)中学生との距離①「関係つくりの3ヶ月」

2008年03月12日 | Weblog
生活指導が生徒に入るかどうかは、指導する教師とされる生徒との間の信頼関係が大きいと思います。
人間関係作りの達人は、すぐに信頼関係を作ることができると思います。
しかし、普通の教師には、すぐに信頼関係は作れません。
私は先輩に「信頼関係作りに3ヶ月かかるよ。」と言われました。
3ヶ月間、笑顔で挨拶、休み時間の遊び、個別学習指導など、日々のふれあいを続けました。
すると4ヶ月目あたりから生徒との関係に変化がありました。
これをブレークスルーと呼ぶのでしょうか。
厳しい口調で言わなくても、指導が通るようになりました。
関係作りの期間の苦しみや悩みが吹き飛びました。
関係作りのブレークスルーを信じ、関係作りの3ヶ月間は明るく誠実に生徒とふれあっていきましょう。

(39)小さないいことに気づき、褒め、自己肯定感を高める

2008年03月11日 | Weblog
ちょっと指導に困難な学級の自習指導に行きました。
自分の教科でない授業ですが、「○○してください。」と教科担任から依頼を受けたので、授業することになっていました。

教室へ行き、まず授業の単元名を黒板に書きました。
私は教科書を持っていません。
すると、最近ちょっと反抗気味の正也君(仮名)が、「128ページだよ」と教えてくれた。
私は単元名の近くに「128ページ」と書きました。
他の生徒たちは、黒板を見て教科書を開きました。
指導に困難な学級でしたが、この日は静かに授業を受けていました。
スポーツでも授業でも、はじめの一歩が大切です。
正也君が教科書のページを教えてくれたので、私はすぐに黒板に書き、他の生徒は教科書を開くことができました。
50分の授業に集中した学級の生徒たちを褒めました。
そして休み時間に正也君に近づきこう言いました。
「教科書のページを教えてくれてありがとね」

正也君の行為は小さなことですが、小さな行為が授業成立のきっかけになりました。
こうした小さな行為に気づき、感謝し、賞賛するのが、私たちの仕事だと思います。

そして生徒の小さな良い行為は、すでに起こっている問題解決や成長です。
それを生徒にフィードバックし、生徒の自己肯定感、自己効力感を高めたいものです。

今日のお話は次の本からの学びを土台にしています。
『先生のためのやさしいブリーフセラピー』森 俊夫(ほんの森出版)
お勧めの本です。

(38)声は大切です。 中学校教師の威厳

2008年03月10日 | Weblog
生徒よりも体の大きい先生の言うことは、生徒がよく聞く傾向があると思います。
中学3年生の男子生徒になると、多くの生徒が私よりも背が高くなります。
体の大きい先生をうらやましく思います。

その一方、私よりも体格が小さい先生でも、生徒が言うことを聞く先生がいます。
私との指導力の違いは何かなと観察してみました。

年齢も教師経験も、私より上です。
挨拶から始まり日々の生徒とふれあいの積み重ねで、信頼関係を構築されていることも大きいです。
笑顔で生徒に接することもあれば、厳しく叱る一面もあります。
私がその域に達するには、日々研鑽していかなければなりません。

さて体格が小さくても、一つだけ、すぐに努力できることがあります。
それは「声」「発声」です。

私の声を分析すると、高い、不明瞭な発音、早口です。
これでは、生徒への指導力は低くなってしまうと思います。

私は次のように「発声」の改善に努めました。
・低い音で話す
・明瞭な発音を心がける
・ゆっくり話す
・ポーズ(間)も使う。

すぐに改善の努力は始められます。
しかし、すぐにいい「発声」になるわけではありません。
努力を続けましょう。
私はボイスレコーダーで、自分の声を聞きチェックしています。
初めて自分の授業の声を聞いたとき、驚きました。
この声を生徒は聞かされるのかと。

「声」「発声」は大事です。

最近次の本を読みました。
参考になります。
『あなたの「話し方」がダメな理由』福田 健(リュウ・ブックスアステ新書)800円

(37)養護教諭(保健室の先生)に教えていただいた学級担任の支援

2008年03月09日 | Weblog
20代の頃のエピソードです。
当時の養護教諭(保健室の先生)が私のクラスの生徒数人との会話の中で、「○○先生(私)は、いい先生だ」と話してくださった。
後日そのことを生徒たちは私に嬉しそう話してくれた。
私自身が褒めていただいたこともうれしかったのですが、学級担任も褒められた生徒もうれしいかったのだろうと思った。
そして学級担任と学級の生徒の関係がよくなります。
養護教諭の一言は学級担任への大きな支援になりました。

このことを体験してから、私は意識して生徒たちの前で彼ら彼女らの学級担任を褒めるようにしています。
尊敬すること、生徒たちは知らない生徒たちのためのお仕事の姿を伝えるようにしています。

養護教諭から教えていただいた支援の方法です。

(36)中学校教師は休日にエネルギーの充電をする

2008年03月08日 | Weblog
「今日は○○さんにエネルギーを吸い取られた」
指導困難な生徒の指導の後に感じることです。
エネルギーとは何かといわれれば答え難い話ですが、教師は生徒にエネルギーを吸い取られる仕事ですねといえば多くの教師には共感いただけるのではないかと思います。

言い換えれば、教師は自分が幸せになって、エネルギーを充満して、そのエネルギーを生徒に供給する仕事なのかもしれません。

自分にとってエネルギーを充満する方法を探しましょう。
家族と過ごすこと、テニスクラブに行くこと、音楽演奏をすること、本を読むこと等、人それぞれだと思います。

私は週末に予定を入れることにしています。
映画、コンサート、演劇、テニス、ペンション泊のミニ旅行などです。
講演会、授業研究会、セミナーなどへの参加も充電できます。

何をするにもお金はかかります。
そのお金の出し惜しみをしてはいけません。
充電のためのお金は、自分への投資を考えましょう。
充電した自分が生徒と接することで、ほんの少しでも生徒が幸せになり、ほんの少しでも自分自身の幸せな教員生活につながるのでと考えれば、本望ではないでしょうか。

中学校では部活動指導がライフワークという方は多いと思います。
そうでない教員もいます。
そういう方は休日の充電方法を探しましょう。
受電したエネルギーを生徒におすそ分けしましょう。

(35)周りの職員と違う呼び方をする ラベリング効果?

2008年03月07日 | Weblog
乱暴な行為を繰り返してしまう石田陽一君(仮名)がいます。
職員室の同僚の多くは彼のことを「イシダ」と呼びます。
職員間で、
「あのときイシダがフラフラ歩いてましたよ」
「イシダがまた何か言ったらしい」
「またイシダ?」
「イシダに言っておいたから」
といった会話が交わされます。
石田君は問題行動が多いため、職員が何気なく発する「イシダ」の言葉に、
「(問題行動の多いあの)イシダ」と私には聞こえてしまいます。

私は職員の間であえて「陽一君」と言います。
職員間では「イシダ」で通っているので、
私の発する「陽一君」の音は浮いています。

石田君の本人に対しても、「陽一君」と呼んでいます。
「陽一君」と読んでいるのは、職員、生徒を含め学校中で私だけです。
これは「私はあなたを違った見方で見ているよ」という石田君へのメッセージでもあります。

周囲の職員とは違う呼び方をする。
生徒を偏った見方をしないための、一つの方法だと思います。

私の職場には、「石田君」「石田さん」と呼んでいる立派な職員もいます。

(34)生徒指導係の目標 シンプルにしました

2008年03月06日 | Weblog
生徒指導主任を務めたことがあります。
主任として指導目標を次のようにしました。

「安心して学習できる学校にする」

シンプルな目標にしました。

具体的には、
・授業を成立する。
・個々の生徒が安心して学習できる。
・教職員も安心して授業ができる。

つまり、生徒指導係として最低限守らなければならないものを、
「生徒」と「授業」
としたのです。

「生徒」を守るために、何をするか。
「授業」を守るために、何をするか。
さまざまな策をあげ、試行の優先順位もつけやすくなります。

「安心して学習できる学校」の環境の中で、心の教育が可能になると思います。

私はシンプルな目標にしました。

「生徒指導とは自己指導能力を高めること」と言われていますが、当時の学校の実情に合わせてシンプルな目標にしました。

(33)整理力のない私のノートは「オールインワン」

2008年03月05日 | Weblog
記録の必要性を痛感してきました。
とりわけ生徒指導では記録は欠かすことができません。
また、研修会や講演会、読んだ本の一節などをメモにとりたいものです。
整理力のある方は、「生徒指導(用)」「研修(用)」等、ノートを分けておいでのことと思います。

整理力のない私は、記録の前にいつもノーと探しで時間がかかっていました。
時間をかけても見つからず、「今回は別の紙で」と記録をしました。
そしてその紙もなくすこともありました。

整理力のない私はすべて1冊のノートに記録しています。
名づけて「オールインワン」。
生徒の記録も、仕事のメモも、研修記録もすべて一冊のノートに書くのです。
そしてそのノートをいつも同じ場所に置きます。
私はカバンに入れています。

1冊のノートが終わったら、2冊以降も同じ型のノートを使用します。
記録ノートが数冊たまり、本棚に並べたときにきれいです。
私は年度初めに、今年は「このノート」と決め、1年分10冊程度を一度に購入します。

全て時系列で記録してあるので、記録を探すときは日時を思い出して探せばいいのです。

整理の苦手な方にはお勧めです。

(32)「休んだら迷惑をかける?」非現実的な論理を捨てましょう

2008年03月04日 | Weblog
先日上司が風邪で二日休みました。
今週は私の体調が悪いので、私は休みをとりました。
年次休暇は権利なので、堂々ととればいいのですが、気弱な者は気を使ってしまいます。
今回は、上司が既に休みを取ってくださったので、気兼ねなく休みました。
管理職の皆様には積極的に休みをとっていただきたいですね。

気弱な教師、まじめな教師には、次のようなイラショナルビリーフがあります。
「自分が休んだら同僚に迷惑をかける。」

ラジオで聞いたお話ですが、
「自分が休んだら同僚に迷惑をかける」
と思っている人は、
「同僚が休んだら、自分は迷惑だ」
との論理を持っているとのことです。

休まれて「迷惑だ」と思う人は、きわめて少数ですよね。
不調で無理をしている同僚を見たら、「無理をしないでお休みください」くらい思いますよね。

だから、遠慮しないで休みましょう。

無理して頑張ると、周囲の同僚も休みづらくなりますから。
無理して頑張っている教師ばかりになると、悪循環が生じかねません。

だから、早めに休みましょう。