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中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(61)中学校教師のメンタルヘルスを守るライフワーク

2008年04月02日 | Weblog
メンタルヘルスの続き。

ある先生のお話です。
斉藤先生(仮名)は指導に困難な学級の授業を担当されていました。
苦しかったそうです。
斎藤先生にはこの苦しい状況を乗り越える上で、心の支えがあったのです。

斎藤先生は、有志で演劇サークルを作っています。
学生時代からの友人3人の小さなサークルです。
メンバーで公演の会場を借り、チケットを売り、練習を重ねています。
斎藤先生は私にこのように話されました。
「私はこれ(演劇)があるから、頑張れた。」
「ライフワークがあると、仕事の苦しいことも乗り越えることができるのですね。」
と私。
「そう、これが私のライフワークなんです。」

仕事の外にもライフワークをもっていることも大切なのですね。

吉越浩一郎氏は著書『「残業ゼロ」の仕事力』(JMAM)で次のように書かれています。
『仕事は人生そのものではなく、人生の一部です。』

(60)中学校教師のメンタルヘルス

2008年04月01日 | Weblog
中学校教師は、メンタルの面でヘトヘトになりますよね。
人生のうちで一番何を考えているかわからない中学生を相手にしているのですから、こちらの精神も削られます。

教師のメンタルヘルスについて、話題にしていきたいと思います。
私がメンタルヘルスのために実行していることを挙げます。

1 映画、演芸、スポーツ、旅行など楽しい予定を作る。
  旅行では、安く、おいしく、ゆっくりできるペンション利用をしています。
  県外まで、コンサート、スポーツ、演芸を見に行くことがあります。これも小旅行になります。

2 体を動かす。
  思い切ってジムに会員登録しました。
  体を動かしているときは、仕事上の悩みを忘れました。
  体を動かすことは脳の活性化につながっていると感じます。
  おまけに、メタボリック対策にもなりました。
  会費を払うから、一生懸命通うのです。

3 学校外の人とふれあう
  幼なじみと食事や飲み会を企画する。
  地域スポーツに参加する。私は早起き野球やテニス教室に参加していました。
  勉強会、研究会に参加する。勤務の研修ではなく、勤務時間外や休日に参加費を払って自分で行きます。

4 TVを消す
  TVを見ていると、勤務から解放された夜や休日の時間があっという間に過ぎてしまいます。貴重の時間をゆっくりと過ごすために、TVを消すように努めています。
  私は子どもの頃からTVっ子です。
  TVを消す時間を増やすために、見たい番組だけハードディスクに予約録画をしています。
録画をすると、TV番組を見るための時間の制約を受けません。
録画を見ると、CMをスキップして見ることができます。
情報収集のために見る番組は、1.5倍速で見ます。

 皆様のメンタルヘルスについて、情報を交換し合いませんか?

(59)学級通信 良かれと思っても書いても誤解をまねくことがあります

2008年03月31日 | Weblog
学級通信のつづき。

良かれと思った内容も誤解をまねいたことがあります。
学級で問題がありました。
私なりに生徒を指導しました。
その後、学級通信に次の文を載せました。
「失敗は人を決めない。失敗のあとが人を決める。」
校長先生に教えていただいた言葉です。
出典はわかりません。

失敗しても、反省し、その後しっかりやってくれればいいんだよ。と、前向きな気持ちで書いたのです。

その後、学級に様々な問題が起こりました。
そんな中、私に不信感を抱く保護者と懇談をしました。
その保護者はこのように言いました。
「学級通信に『失敗は…』とあって、何か変だなあと思っていましたが、やっぱりあのときから問題があったのですね。」

私の学級通信の書き方が「分かってくれればいい」のような暗示的な書き方であり、説明が足りなかったと思います。
良かれと思って書いたことも、誤解をまねくことがあることを痛感しました。

とりわけ学級に問題が多いときの学級通信の内容は細心の注意が必要です。
問題が多いときは、余計なことは書かないほうが良いかもしれません。
何度も繰り返しますが、学級通信の発行前に批判者が必要です。
私は上司に見てもらっています。

リスクがあるなら学級通信を書かないほうがいいような風向きになりましたが、違います。
学級経営の一策として、書くことをお勧めします。

(58)学級通信のネタ 細心の注意を払いましょう

2008年03月30日 | Weblog
 学級通信のつづきです。

 今日は学級通信の内容に細心の注意を払いましょうというお話です。

 ある学級で起きていた問題について生徒の母親が涙を流して学校に来ました。
 私ともう一人の職員で対応しました。
 その母親は私が数年前に学級担任をした女子生徒の母親でした。
 訴えの中で母親は私にこう言いました。
 「○○先生(筆者)は、姉の学級通信に書いてくださったことを覚えていますか?」
 私は中途半端な返事をしました。
 続けて母親はこういいました。
 「○○先生(筆者)は、○○○と書いてくださいましたね。」
 「はい。」

 その通信の内容は正義に関することでした。
 母親が「だったら助けてください」との意味で思い出されたのでしょう。

 私が驚いたことは、数年前に書いた一言を保護者が覚えておいでだったことです。
 このときはよい内容だったのでよかったのですが、誤解をまねいた内容でも覚えているということです。

 学級通信の内容は、最新の注意を払わなければいけませんね。
 そのためにはよき批判者に読んでいただき意見をもらうとよいと思います。

(57)中学校 学級通信のネタ こんなことを載せています

2008年03月29日 | Weblog
学級通信ネタのつづきです。

(4)学級担任の言葉
   学級、生徒への願いは積極的に書きました。
自分が学んだことも、読んだ本、見た映画など生徒に有益であると判断した情報を紹介しました。
   若いときは自分の中学時代のこと、家族のことなど自己開示的な内容も載せました。これは生徒との関係が深まってからが良いと思います。今は中年になったので、自己開示的な内容は書かなくなったと思います。自己開示しても、読者が引いてしまうかもしれません。若かったからできたのでしょう。

(5)保護者の言葉
   たまに保護者がお手紙を下さることがあります。紹介したい内容であれば、書かれた方の許可をいただいて掲載しました。
   参観日に「わが子へ一言」と小さな紙に書いていただき学級通信に掲載したこともあります。

(6)詩
   学級通信に掲載し、短学活で読み聞かせをします。
   坂村真民、サトウハチロー、金子みすずなどの詩を使わせていただきました。
   中学生に読み聞かせは効きます。
   驚くほどシーンとします。
   シーンとしない日もありますが。

 学担が良かれと思った内容も、読む人にとってはそうでないこともあります。
 「これちょっと問題なんじゃないかな?」と批判をしてくれる方に意見をいただいたほうがいいです。

 皆様の学級通信の工夫などもお聞かせください。

(56)中学校の学級通信に何を書くか

2008年03月28日 | Weblog
 学級通信のお話のつづきです。

 毎日続ける中でこんなネタを掲載していました。

(1)生徒の日記
 年度初めに「匿名で掲載させていただきます。」というとよいと思います。
 「載せてはいけないような内容については、掲載しないように気をつけます。」と付け加えたほうが生徒は安心します。
 掲載される生徒に偏りがないように名簿に○印をつけました。

(2)生徒の姿を描写
 良いところ、望ましい行為を紹介します。
 好ましい行為を掲載することは、生徒を褒めることになります。
 褒めることで、生徒は自尊感情を高めます。
 「…をしてくれた生徒がいました。」と書きます。
(3)生徒の一言
 何かイベントがあったときや生徒全員の意見を載せたいときに、小さな紙を配布して、そこに一言書いてもらい、回収します。
 全員の一言が掲載されている通信は、学級に関係する多くの人が読みたくなります。
 読書週間中に読んでいる本、朝読書で読んでいる本の一覧も好評でした。

つづく。

(55)初めての学級担任のとき3年間続けた学級通信

2008年03月27日 | Weblog
10年以上前のことです。
私が初めて学級担任を務めたとき3年間続けたことがあります。
それは、登校日は毎日学級通信を書くことです。
病欠以外の日は毎日続けました。
我ながら良く続けたと思います。

当時の職場の先輩に「毎日出すんだよ」と助言されたことがきっかけです。
教師として自信がなかった私は、学級通信の発行を続けることに決めました。

今読み返しても、「毎日出せばいいってものじゃないよ」と一笑されてしまいそうな内容です。

3年間毎日発行してよかったことはあります。
(1)保護者に褒められた。信頼につながったかもしれません。
(2)生徒も喜んでくれた。
(3)学級通信のネタ探しとして、生徒の姿をよく見るようになった。
(4)学級通信のネタ探しとして、本を読むようになった。
(5)学級通信のネタ探しをいつでもしていた。
(6)人に読まれるものを書くことに負担を感じないようになった。

上記(3)(4)(5)の行為が教師としての肥やしになったと思います。
毎日書くことができた背景として、小さい学校で授業が比較的少なかったこと、若かったために校務が超多忙というほどではなかったことなどがあります。
独身であったのでプライベートの時間を自由に使えたこともあります。

皆さんに「学級通信を毎日書きましょう」といっているわけではありません。
何か一つ自分に課して続けることが、教師としての成長につながるとは思います。

(54)仕事机の上に何もない状態で帰る

2008年03月26日 | Weblog
一年間続けた習慣があります。
退勤前に、自分の机上を何もない状態にして帰ります。
「ビジネスマンの基本」「新入社員の基本」などのビジネス書の中に、机上整理が紹介されていました。

何もない状態にするとすっきりします。
お勧めします。
習慣を始めるには、4月のスタートがチャンスです。
お試しください。

時間があるときには、雑巾で机上を拭いてから帰宅します。
これは舛田光洋氏の著書「成功を加速する「そうじ力」」「夢をかなえる「そうじ力」」に書かれていました。
正直、この行為はちょっと恥ずかしいです。
もしかしたらいいことがあるかもしれないので、試しています。

(53)中学校 学級担任は安易に約束してはいけない!

2008年03月25日 | Weblog
数年前のお話です。
些細な気持ちで発した一言が、生徒の不信を生んだエピソードです。
失敗から学んだ教訓はこれです。
「できない約束をしてはいけない。」
「リップサービスをしてはいけない。」

4月学級担任として新正副学級長と学級経営について計画を立てていました。
私は正副学級長の意欲を高めようとこんなことを言いました。
「学級活動でいろいろなことができるよ。
ゲームをやったり、クラスでどこかへ出かけたり…。」
学級長「そんなことできるんですか?」
私「計画すればできるよ。」
このとき私は、学級の生徒とおやつを持って山を歩いているイメージを抱きました。
そして一年が始まります。
4月のあれこれ、夏の中体連、秋の学校祭とあわただしく一年が過ぎていきました。
いじめ、仲間はずれの問題の対応もありました。
「クラスでどこかに出かけたり…。」私はときどき気にしていましたが、忙しくて実行は難しいなあと思い始めていました。

年度末、とうとう学級長に言われました。
「先生、クラスでどこかへ行くのできそう?」
私「忙しくってできなかったね。」
「結局できなかったんだ」
この学級長はいい生徒だったので、これ以上言いませんでした。
しかし、その表情は不信感いっぱいでした。

私ははりきってあれもやりたい、これもやりたいと思ったことを口にするタイプです。
しかし生徒の前では、絶対にできること以外は口にしてはいけないのですね。
失敗から学んだ教訓はこれです。
「できない約束をしてはいけない。」
「リップサービスをしてはいけない。」

(52)年次休暇は1時間多く取る

2008年03月24日 | Weblog
用事で午後3時に学校を出たいとき、何時間の年次休暇をとりますか。
勤務時間を5時までの場合、年次休暇2時間をとればいいですよね。
しかし、3時に学校を出ようと思っても、生徒への対応や校務で、3時を回ってしまうことは多々あります。
とりわけ、気弱な人はこういうことが多い。
自分が本来行きたい用事にも遅れて、ストレスがたまります。

ここのところ私は、3時に学校を出たいときも、2時に学校を出られるように年休を取ります。
年次休暇は1時間多く取るのです。
そして2時に出られるように仕事も処理します。
何も問題なく2時に出られるのであれば、余裕をもって出ればよいと思います。
何かあった場合でも、本当に出たい3時前には出られる可能性が高いと思います。

年次休暇を1時間多くとるのが、このごろの私の仕事術です。

(51)中学校教師 苦手な先輩には相談に行く

2008年03月23日 | Weblog
職場には苦手な先輩がいます。
一人で仕事ができるわけではないので、苦手な人ともうまくつきあっていかなければなりません。
私は苦手な先輩との付き合い方でこうしています。

苦手な先輩に相談に行く。

相談に行くといいことがあります。
相談を受けた先輩が、自分の味方になってくれます。
先輩の知恵を学ぶことができます。

質問力と傾聴力を駆使して、相談にいきましょう。

内藤誼人氏の著書『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)に次のように書かれていました。

相談を持ちかけられると、単純に、相手は喜んでくれるものである。
「自分は頼りがいのある人物である」
「部下に依存してもらえる上司である」

(50)「学校にいる方がいい」中学校教師の読み間違い

2008年03月22日 | Weblog
10年前のエピソードです。

中学3年生の直樹(仮名)君が友人とこう話していました。
「家にいるよりも学校にいるほうがいい。」

彼は、生徒会役員で縁の下の力持ちの働き振りをしていました。
給食後の片付けも進んでしてくれる生徒でした。

若かった私は自分の学級経営に自信をもっていました。
彼の一言を聞いて、自分の学級経営がうまくいっていると自負していました。

卒業が近づくにつれて、彼の変化がありました。
通学に1時間近くかかる学校を志望しました。
友人宅に外泊することもありました。
学校ではいい生徒でしたので、私はあまり気に留めませんでした。

数年後、彼のことを当時の同僚から聞きました。
彼の両親が離婚したこと。
彼が高校を中退したこと。
アルバイトで働いていること。

このことを聞いて、中学校卒業の頃、家庭のことで苦しんでいたのだなと思いました。
彼の変化からそのことを感じられなかった当時の自分の未熟さを痛感しました。
そして彼の一言「家にいるよりも学校にいるほうがいい。」は彼のSOSのサインであったにもかかわらず、この一言を自分の学級経営のよさだ受け取り、うぬぼれていたことを恥じました。

この失敗を忘れずに、今、目の前にいる中学生とふれあっていきたいと思います。

私の失敗のエピソードです。

(49)提案前に相談を 職場での人間関係づくり

2008年03月21日 | Weblog
新しい提案をするとき、私はいきなり職員会議に提案しません。
いきなり会議で提案すると、質問攻めを受けます。
人は変化を嫌うのだそうです。

私は提案をする前に、提案事項について関係職員に相談をして回ります。
足を使うのです。
相談に行くと、アドバイスをいただけます。
独りよがりな原案を修正することができます。
相談の一番のメリットはこれです。
私が会議に提案をしたとき、相談にのってもらった方が、賛成者になってもらえることです。
質問や意見をすることはありません。

職員会議の提案について質問や意見攻めにある先生がおいでです。
こうした場面をみるにはつらいものです。
根回しは大切ですね。

内藤誼人氏の著書『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)に次のような一節がありました。
『植物にしっかりと根を張ってもらうためには、じっくりと時間をかける必要がある。
これは、「根回し」もそうなのだ。』

(48)中学生のボランティア精神をくすぐる 校外清掃の輪②

2008年03月20日 | Weblog
中学生のボランティア精神の続きです。

志がある参加者です。
その掃除の姿は感動的でした。
私はビデオカメラで撮影しました。

生徒たちは、コミュニティーセンター利用者や近くを歩く地域の方から、挨拶や「ごくろうさん」の一言をもらいました。
活動を終えた生徒たちは、コミュニティーセンターをきれいにした達成感と、地域の方に喜ばれた役立ち感で、幸せいっぱいの顔をしていました。

この様子の録画を学校放送で放映しました。
これが宣伝になり、次の活動時にはさらに参加者が増えました。

また、地元新聞やケーブルテレビにも取材に来ていただきました。
マスコミへの連絡は、顧問の出番です。
マスコミは生徒の活動を活性化する上で、利用できます。

この校外清掃活動は、この学校の生徒会の中核活動になりました。

この活動を始めたときは、学校はやや荒れていました。
この中でも生徒たちにとってやりがいのある活動を立ち上げることができました。
校内の清掃の姿からは想像できない活動をしてくれました。

この活動がうまくいった理由を考えてみます。
・生徒にはもともと役立ち感を求めている。そのボランティア精神をつついた。
・まずは、委員会単位で実行と小さなステップを踏んだ。
・参加生徒の輪が広がる上で、先生方の協力があった。
・うまくいった事実を校内放送で紹介した。
・マスコミの取材を依頼した。

中学生のボランティア精神をくすぐりましょう。
中学生の中には、役立ち感を得たい生徒がいるのです。
学校が荒れている中でも、志ある生徒が集まってきます。

(47)中学生のボランティア精神をくすぐる 校外清掃の輪①

2008年03月19日 | Weblog
数年前の実践です。
当時私が勤務をしていた中学校では、生徒会の呼びかけで生徒を募り、地域のコミュニティセンターの美化活動を始めました。
自主的に集まった生徒たちの活動です。
本当のボランティアです。
そのすばらしい姿には心動かされます。

この活動をはじめたお話をします。
私は福祉委員会の顧問になりました。
ボランティア活動しようと正副委員長に提案すると、彼らはやる気になりました。
委員会の時間は、話し合い活動から具体的な活動に切り替えました。
まずは、福祉委員会から学校敷地内のゴミ拾いをしました。
委員会という小さなグループのメンバーに成功体験をしてもらいました。

次に委員会として、コミュニティーセンターの清掃活動を提案しました。
私と正副委員長は、清掃活動に出かけるのはボランティア委員が主となり、そこへ数名でも有志の生徒が来てくれればいいと思っていました。
スタートの目標は小さく設定しました。

ところが、一回目から有志の輪が広がっていったのです。
まず生徒会役員会が参加しました。
野球部が練習前のボランティアとして参加しました。
生徒会顧問と部活動顧問の働きかけのおかげです。
誰でも参加OKなので、参加者が友人を誘いました。
1回目から100名ほどの活動となりました。

つづく。