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墨攻

2006-11-14 | 文化のこと
酒見賢一原作  森秀樹作画 久保田千太郎脚本のマンガ、『墨攻』が映画化されました。
監督は香港のジェイコブ・チャン。
主演 アンディ・ラウ(革離)。

中国は戦国時代。
諸子百家の一つ墨家に属する、一人の男の戦いを描いた作品。
墨守って固く守ることですね。
この言葉は墨家の活動からきているのです。

墨家は非攻と兼愛を旨とし、東洋のキリスト教と例えられることもあります。

依頼されれば都邑を守り、諸侯に戦いの無益さを説きます。
実力の伴った平和主義ですね。
というか、まぁ、非常に論理的なのですが、誰も殺人を良いとしないのに、戦争になると許される。
そこがイカンというわけです。
そういう矛盾は絶対許すことができませんと。

その原典である『墨子』は一部が散逸していますが、現在でも読むことができます。
戦国時代には儒家と並ぶ勢力がありましたが、秦の統一以降廃れ、漢初に弾圧を受けて、ほぼ滅亡しました。
http://www.h3.dion.ne.jp/~china/book6.html

墨子の公正で論理的な説は非常に面白く、私も少年時代にハマッタことがあります。
私のアナーキーな一面は墨子に作られたのかも知れません。

でもフィクションとしての墨子には、なかなか面白い解釈が無かったんですね。

酒見賢一さんの小説は短い分、キレが良いのですが、正体不明の墨子を描くなら、別の方法もあったような気がします。

例えば・・・
私がフィクションに作るなら墨子は女性にしますね。
論理的で
妥協を知らない
差別に絶対反対の
実力を伴った平和主義者

なんか、賢くて優しく、しかも健康的な女性が思い浮かびませんか?
正体不明のところも、女性だったら納得できます。
中国は男尊女卑の社会ですから。

墨家集団の結束が固かったのは、墨子が女性だったからじゃないかな?
キリスト教でも罵る時は「ジーザスクライスト!」
神頼みの時は「アベマリア」ですからね。

それに墨家みたいな賢くてデキル男の集団を統率するのは賢い女性の方が良い。
デキル男ってのは大概、女性に遠慮するからだ。

所詮、勝てないから。


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