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日本再発見?

2007-03-02 | 文化のこと
データで読み解く、日本人のひみつ 日本のこと、好きですか? 愛国心の高まりとバブル待ち少女の共通点 [1/4]
2007年3月1日 NB ONLINE

 日本が流行っています。

 もう、巷で言われ尽くされているかもしれませんが、本当に流行っています。古くからある日本文化を尊び、古き良き時代の日本を懐かしみ、そして日本に誇りを感じる。まさに“日本再認”と言えそうな盛り上がりです。


日本を誇りに思う生活者が急増

 例えば、続編の公開が決まった「ALWAYS三丁目の夕日」。昭和30年代の貧しく、しかし精神的な活力があった頃の日本を描いた映画です。第1作は延べ270万人の観客を動員し、30億円を超える興業収入をたたき出しました。ハリウッド映画があまり好調でない中、他の邦画を見ても本当に元気ですよね。昨年、邦画の興行収入は過去最高となり、21年ぶりに洋画を上回りました。


自尊心回復
「日本の誇れること」を聞いた。出所:博報堂生活総合研究所「生活定点2006」。同調査は1986年から隔年で実施しており、今回(2006年)は首都圏と阪神圏の合計3293人に、日本人の様々な意識、価値観、ライフスタイルなどの変遷を調査している。


 また、日本茶を出す「和カフェ」や、浴衣などの「和服」の流行も本格化していますし、サッカーの中田英寿さんも、引退発表後の世界旅行の最中にスーツに雪駄姿でパーティーに出席して注目を集めました。サッカーワールドカップや、野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など、国家の威信を懸けたスポーツイベントが、驚異的な視聴率を稼ぎ出すようになっています。武士道にスポットライトを当てた『国家の品格』が200万部を超えるベストセラーになったのも、記憶に新しいところです。

 こうした日本的な価値観を見直す“日本再認現象”は、生活者調査のデータからも定量的に裏づけられます。博報堂生活総合研究所が実施している「生活定点」調査では、サッカーの日韓ワールドカップが開催された2002年を境に、日本を評価する生活者の見方に大きな変化が生じたことが分かります。特に顕著なのは、戦後の日本が積み重ねてきた努力の結果を再評価する動きです。


 グローバルより日本が優先


 例えば、「日本の誇り」として、「経済的繁栄」を挙げる生活者はバブル崩壊後から一貫して減少していましたが、2002年を底に上昇に転じ、今年の調査では21.1%に達しました。このほか、「高い科学技術の水準」や「国民の勤勉さ、才能」を挙げる生活者は、いずれも25%を超えるようになりました。

 同様に「世界の基準より、日本の基準を優先すべきだ」という回答も2002年を境に急上昇し、今年の調査では実に61.5%に増えました。日本の技術レベルの高さに対する自信、同時に日本の国益を守ろう、という意識の高まりが鮮明になっています。

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データで読み解く、日本人のひみつ 日本のこと、好きですか? 愛国心の高まりとバブル待ち少女の共通点 [2/4]
2007年3月1日(木)09:00


 「習慣やしきたりに従うのは当然だ」と答える人は、今年の調査では前回調査から6.3ポイント上昇して45.4%に、「(自分の)地域の出来事に関心がある」と答える生活者は、同じく1.3ポイント増えています。習慣やしきたり、共同体である自分の地域、こうした古くからある日本の文化や人間関係が廃れてしまっていることに対する焦りに似た思いを抱く生活者は多いようす。


自らの足元を見直す


 1990年代に日本を襲った不景気とともに、非合理的な古いものとして軽視されてきた日本の伝統や価値観を、今一度拾い直そうという動きが、見え始めているのです。

 実は、この“日本再認現象”には、奇妙な点があります。団塊世代のおじさんたちが、昔を懐かしんで映画の「ALWAYS」に涙するのはよく分かります。でも、日本文化が薄れる中で育ってきたはずの若者の日本好きは、一体どこからくるのでしょうか。

 サッカーの国際試合の日には「ニッポン! ニッポン!」と絶叫する若者の姿が、繁華街のあちこちで多く見られるようになりました。インターネットのブログや掲示板では、中国や韓国の反日的な言説をあげつらう動きも多く見られるようになっています。いわゆる「嫌韓」のように、ほかの国に対し対立感情をネット上でむき出しにする若者も現れるほどです。(と言いつつ、構今の若者は韓流ドラマを見て、育ってきているんですけどね…)

 かつてダサいものであったはずの日本的なファッションは、若者の間では1つのジャンルとして認められ、若手のアーティストが日本を象徴する桜の花や、家族、母親、生まれ育った故郷などに思いを馳せる歌をリリースし、それがヒットしています。

 なぜでしょうか。

 「昔の日本的なもの」という枠組みに、より親和的であるおじさん世代が、日本的なものを再評価するのは理解しやすい話ですが、日本的なものが薄れたはずの若者が、日本的なものへと回帰しようとしている状況は、首を傾げるしかありません。


おじさんと若者は求めるものが根本から違う

 そのヒントを先日取材した18歳の女の子が教えてくれました(ちなみに、私の専門は若者研究です)。彼女に「今、世の中で何が起こってほしい?」と尋ねた時です。彼女は真剣な顔でこう答えました。

 「うーん、そうだなぁ・・・。私は“バブル待ち”してます」

 開いた口がふさがりませんでした。18歳の彼女には、バブル時代の実体験はないはず。にもかかわらず、バブルの再来を願っている。彼女は身近な大人やメディアを通じて、バブル期のど派手で楽しかった話を知ったのでしょう。ちょうど今の10代の親はいわゆる「バブル世代」に当たるので、親からバブルの話を聞いたのかもしれません。そして、実態を知らないバブルという虚構に依存しているのです。そんな時に「バブルへGO!!」なんてタイトルの映画が制作されたのでびっくりしました。まるで若い彼女の願望を知っているかのようなタイトルです。

 彼女の例は、ほんの1つのサンプルでしかありませんが、バブルを待つ彼女と、国家意識を高める若者には共通点があるのではないかと思います。国家もバブルも、若者たちにとっては分かりやすい枠組みなのです。日本人の人生に典型的なモデルや型がなくなり、選択肢だけが増え、幸せの方程式が見えにくくなった今、若者が自ら新しい枠組みを探し出すのはとても難しい。ら作り出すのはもっと難しい(関連記事はこちら)。だから、実体験がなくても、過去の良かった時代に憧れ、その時代にあった国家という分かりやすい枠組みや、バブルという日本が良かった時代に自分を当てはめてホッとする。少し安易で後ろ向きな理由が、若者の日本再認現象には隠れているように感じられます。

 もちろん、若者が日本の長所を見直す動きは、全面的に肯定できない動きも一部あるものの、悪いことではありません。見方は人それぞれだと思いますが、確かなのはビジネスパーソンにとって「日本的なもの」はマーケティング戦略を考えるうえで、大変効果的な概念になっているということです。最近の黒髪ブームや日本女性の美しさをアピールした広告が増えている状況それを裏づけます。

 ただし、気をつけなければならないのは、おじさん世代と若者世代では、同じ「日本的なもの」でも求めるものが違うということ。昔を懐かしむ傾向の強いおじさん世代と、実体験はないのに日本的なものに憧れを感じる若者世代では、日本好きの根本的な理由や動機が違います。これに留意せず、とにかく日本が流行っているからというだけでマーケティング戦略を考えるとい目に遭うかもしれません。くれぐれもご注意を。

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データで読み解く、日本人のひみつ 日本のこと、好きですか? 愛国心の高まりとバブル待ち少女の共通点 [3/4]
2007年3月1日(木)09:00



【インタビュー】米CBSリポーター、ルーシー・クラフト氏に聞く



“日本を知りたい”の質が大きく変わった


ルーシー・クラフト氏
米国ノースカロライナ州生まれ。米メリーランド州立大学卒業後、米国で主に政治分野の報道に従事。1982年に特派員として来日。90年に一時帰国し、米コロンビア大学で国際関係学修士(MIA)を取得。20年以上にわたって東京を拠点として報道に従事してきた。現在はリポーター兼プロデューサーとして、米CBSニュースや公共(PBS)ラジオ・テレビ放送などを通じ、日本やアジアのビジネ・経済や社会トレンドについて情報発信している (写真:花井 智子)


 2002年に米国の若手ジャーナリスト、ダグラス・マッグレイ氏が「日本のグロス・ナショナル・クール(GNC)」という論文を発表して以来、「ジャパニーズクール」(日本的かっこよさ)が注目を集めています。アニメやマンガ、Jポップス、ファッションなどのポップカルチャーを中心とした日本文化のソフトパワーが世界の若者の心をつかんだ様子を表現した言葉です。

 かつて米国人が同じように日本に大きな関心を寄せた時期がありました。私が日本で生活するようになった1980年代のことです。日本経済は絶好調。ご存じのように、米国では「ビジネス大国である日本に学ぶべきだ」という論調の書籍がベストセラーになり、大学でも多くの学生が日本企業のケースを学び、日本語を勉強するようになりました。

 当時、米国でこんなジョークをよく耳にしました。テロリストに捕まったフランスと日本、米国のビジネスマンがそれぞれ最期の言葉を言うことを許されます。まず、フランス人は「妻に愛していると伝えてくれ」と言いました。次に日本人は「君たちの国を助ける日本のビジネススタイルを教えてあげよう」と話します。それを聞いた米国人は「日本のビジネスマンが自慢話始める前に私を殺してくれ」とぼやくのです。日本人にとっては、あまり面白くないジョークだとは思いますが、80年代の日本にはそれほどまでにビジネス大国としての存在感があったということです。

 日本のバブル経済が崩壊すると、米国人の日本に対する興味の熱は一気に冷えました。もはや日本から伝えることはあまりないと、通信社を除く多くの米国メディアが日本の事務所を畳んだのです。でも、マッグレイ氏が指摘したように、90年代に日本の経済的な「ハードパワー」は失われたものの、その間に海外で着実に日本文化は浸透しました。


マンガを日本語で読めるようになりたい

 私たちの取材でも、この数年、米国で「日本語を学びたい」という意欲を持った若者が再び増えているという話を聞きました。ただし、その動機はバブル期と大きく違います。「日本のビジネスを学ぶ」「日本でビジネスチャンスを得る」といった目的ではなく、「日本のマンガを原文で読んでみたい」「日本のアニメを日本語で視聴できるようになりたい」というような動機多い。つまり、日本文化により深く触れてみたいというわけです。

 原文で読みたくなるほどですから、米国で開かれるマンガやアニメ関連の展示会には、日本の作品に関して驚くほどの知識を持っている小中学生が集まります。米国で日本の人気マンガを翻訳販売して急成長している「東京ポップ」という出版社によれば、まだ日本だけで発売されていて米国では出版されていない作品のストーリーを極めてよく知っていた、本家の日本ですら“通”しか知らないような作品の話で盛り上がったりするのだそうです。

 こうした子供たちのほとんどは日本語が読めませんし、話せません。その膨大な知識を支えているのがインターネット。同好の士のウェブサイトで日本の最新情報を得ているのです。オクラホマ州やカンザス州のように米国の真ん中にあって、日本人に会ったこともない、日本に来たこともない10代の若者が日本のポップカルチャーにアクセスしているということは、ほんの十数前までは考えにくい状況でした。

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データで読み解く、日本人のひみつ 日本のこと、好きですか? 愛国心の高まりとバブル待ち少女の共通点 [4/4]
2007年3月1日(木)09:00


 数年前に、偶然旅先で知り合った米国人女性と話が盛り上がり、その女性の子供が通うカンザス州の小学校と、私の子供が通う日本の小学校でクラス同士の文通をしたことがあります。日本の小学生は、米国の子供たちが何を食べているか興味を持って質問しました。すると、その返信には、ハンバーガーやホットドッグのような、いかにも米国らしい食べ物ではなく、寿司やナギなどの日本料理が好きで、毎週必ず家族で食べに行くというような答えが多かったのです。

 もちろん、ごく少ないサンプルですから、これが米国全体を表しているわけではありません。でも、ニューヨークやロサンゼルスのような日本との接点が多い地域ではない、米国中西部にあるごく普通の小学校に通う子供たちが相手だっただけに、日本文化の裾野の広がりを感じざるを得ない体験でした。


カッコイイ日本文化にもっと誇りを持つべき



 日本のポップカルチャー自体が今後、大きな産業に成長するかどうかは未知数です。ただし、ポップカルチャーは、海外で広がった時に大きな波及効果を生む可能性があります。

 ハリウッドを中心とした米国のポップカルチャーは、世界に米国のイメージを発信しています。「ハリウッドがどれだけ儲けているか」という観点も大切ですが、本当に注目すべきは世界に伝わる米国のイメージでしょう。自国の文化にいいイメージを抱いてもらうことは、国力の向上につながる可能性が高いからです。マンガやアニメ、ファッションなどで海外に向けて発信れる日本の平和的なイメージ、創造的なイメージは、ビジネスや政治の世界でプラスに働くに違いありません。

 その意味で、海外で日本文化を知る人が増えているのは、とても素晴らしいことだと思います。今や単に“知っている”だけでなく、“クール(かっこいい)”と思う人が増加しているのです。アニメやマンガのほかにも、「ラストサムライ」や「バットマン ビギンズ」などのハリウッド映画に立て続けに出演し、アカデミー助演男優賞にノミネートされた渡辺謙さんのような物もいます。彼はルックスもいいし、かっこいい。米国人には「セクシー」ととらえられているようです。ハリウッドの画一的な映画やスターはつまらなくなっていて、ほかの軸を求める供給側の思惑と同期していますから、これからは日本映画のリメークも含めて、ますます日本人俳優の海外進出が増えるはずです。

 俳優だけでなく、野球やサッカーなどで日本人が海外で活躍している様子を見ているからでしょう。日本の小学生の夢も大きく、そして多様化しているように思います。15年くらい前に取材した時には、男の子は「野球選手」か「サラリーマン」、女の子は「主婦」という答えが多く、将来の夢に制限があって画一的だと感じました。最近は、野球選手でもメジャーリーグ、サッーでも海外リーグと、日本という枠を取っ払って答える子供が増えていますし、女の子も様々な職業を答えるようになっています。

 ポップカルチャーや先端技術が海外の若者から高い評価を得ていることに、日本人はもっとプライドを持っていいと思うのです。ただし、日本の右傾化を懸念する声があるように、もし自国文化への誇りや愛国心が内向きになっているのだとしたら、それは残念なこと。ぜひ、自国の誇りを胸に世界に目を向け、外に向かって発信してほしいですね。
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バブルじゃなくてさ、本当の成長をしたいよね。

濡れ手に粟って虚しいよ。

楽しい人生。
1:楽しい家庭
2:楽しい仕事
3:楽しい趣味
4:誇りの持てる国

って感じじゃない?



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