綾錦の織りなすままに

日頃の出来事を綴ります

薬師寺東塔の大修理 終了 相輪,水煙について 2021-4-9

2021-04-17 14:20:33 | 日記

コロナで自粛といいながら、新しい薬師寺東塔の大修理が終わり、見たくて行ってきました。
薬師寺は法相宗、唯識思想を説く。
白鳳時代と現代の技術 両方の粋 を楽しんで下さい。

奈良の世界遺産 薬師寺の東塔(国宝)が約12年間にわたる全面解体修理を終えた。(2021年3月)
現代の技術を結集させ、約1300年前の姿を取り戻した。

680年 薬師寺は天武天皇が皇后鵜野讃良皇女(後の持統天皇)の病気快復を願い、藤原京に建立を
    発願した。
686年 天武天皇は完成を見ずに崩御する。


710年  藤原京から平城京に遷都
718年  薬師寺も現在の地に移る   
730年  東塔が出来たと伝わる。
1528年  兵火で伽藍を焼失したが、東塔だけ残ったという。
昭和43年より高田好胤和上による写経勧進で白鳳伽藍復興をはたす。

東塔,金堂、西塔

金堂にも小さめの屋根 裳階(もこし)が付いている。回廊の中に2塔があります。

 

                 
天武天皇崩御後、持統天皇が即位し、東塔の完成を見る(697年)

三重の塔ですが、少し小さい裳階が付いているので、六重に見える。

 新しい水煙 
東西方向に銅鋳造の板 各2面 計4枚からできている。

どれも同じ図形です。伸びやかな飛雲の中を長い天衣を翻し、天人が飛翔しています。

横笛を吹いているのがお父さん、散華が入った皿を持っているのが母親、一番上が子供ともいわれている。

 

 

 

                 一番下の天人の横笛は白鳳時代のものより口元に近づいている。

真ん中の天女は、以前は花籠でしたが、これは皿とも言われたり、
散華を載せたりしたのでしょうか。反対の手は中心軸側の縁取りに手を付いています。足裏も見えたりして舞っている姿が美しいです。

         展示場にある白鳳時代の水煙

 

                 真ん中の天女は深さのある華籠を持っています。
花びらが入っているのでしょう。
新しい水煙との違いです。

           九輪の一番下に「さつめい」と読む漢文が刻まれていた。四角の枠の所

 

 後半の一部ですが、素晴らしい漢文の文章です。
持統天皇によるものとされる。
これが展示場にあるということは、新しい相輪にはつけなかったのでしょうか。

心柱の木組みです。この上にカバーがつけられる。
心柱はあちこち修理はしていますが、昔のままのものです。

 

        相輪 九輪の一番上のものです。

本尊 薬師如来は「弥勒仏」と改められた。

この貴重な時を得られたことを、感謝します。

 

 

      終わり