元伊勢・・・・・「豊鍬入姫命」編

2014-07-08 13:04:57 | 歴史に関する雑学

元伊勢・・・

現在の三重県にある伊勢神宮(皇大神宮(内宮)・豊受大神宮(外宮))が、

現在地へ遷る以前、一時的に祀られたという伝承を持つ神社や場所を指します。

 

 

その場所は「古事記」に記載はなく、「日本書記」に簡素に書かれているのみ。

 

日本書記では・・・・

崇神天皇6年、前年から流行していた疫病を抑えるために、宮中で祀っていた天照大神と倭大国魂神の二神を宮中外で祀る事にします。
 
二神と天皇が同じ床にいるのが、畏れ多いという事です。
 
天照大神を豊鍬入姫命(とよすきいりびめのみこと)が笠縫邑に移し、倭大国魂神を渟名城入媛命に託し、長岡岬に祀りました。

という内容。


しかし鎌倉時代に書かれた神道五部書の一つ、「倭姫命世紀(大神宮神祇本紀)」には詳しく記されています。
 
大和国の笠縫邑に33年、丹波国・吉佐宮に4年、大和国・伊豆加志本宮に8年、木之国(紀伊国?)・奈久佐浜宮に3年
 
吉備国・名方浜宮に4年、そして大和国・御室嶺上宮に2年・・・・と。
 
これを見れば、約54年間、あっちに行ったり、こっちに行ったりとしていたようです。
 
 
それぞれの宮跡に対し、伝承地として伝わる場所が数か所あり、

それが今日の「元伊勢」=「伊勢神宮に遷る前の地」というわけです。
 
 
 
<1>笠縫邑 
 
有力地は奈良県桜井市にある三輪神社の摂社・檜原神社
 
 
他にも巻向坐若御魂神社(桜井市)・笠縫神社(磯城郡)・志貴御県坐神社(桜井市)・
 
笠山荒神宮(桜井市)・天神社(桜井市)・飛鳥坐神社(明日香村)があります。
 
 
<2>吉佐宮
 
真名井神社(京都府宮津市 籠神社の奥宮)・皇大神社(京都府福知山市)・笶原神社(舞鶴市)・竹野神社(京丹後市)
 
 
<3>伊豆加志本宮

「笠縫邑」と同じ場所以外にも、三輪山(桜井市)・与喜天満神社(桜井市)・長谷寺(桜井市)

 

<4>奈久佐浜宮

濱宮(和歌山市)

 

<5>名方浜宮

伊勢神社(岡山市)・内宮(岡山市)・穴門山神社(倉敷市)・神明神社(総社市)・今伊勢内宮外宮(広島県福山市)・伊勢部柿本神社(和歌山県海南市)・国主神社(和歌山県有田郡)

 

<6>弥和乃御室嶺上宮

高宮神社(桜井市)・三輪山(桜井市)

 

 

以上が、「豊鍬入姫命」時代の元伊勢候補です。

 


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