かかりつけのお坊さん 奮闘編

転勤も定年もリストラもない、失うものは何もない最強な坊主が日頃の“感謝”を言葉にこめて、日常を綴ります。

僕の家業はお坊さん!

2013-08-04 19:09:05 | 日記
小川で溺れるコイ。

朝刊のスポーツ面を読んでいた。


テレビ依存症が、重症的症状になりつつある自分。


藤山直美さんが、テレビに出ているではないか。

中山秀征さんとの対談の画面だった。

藤山直美さんといえば、あの喜劇役者藤山寛美さんの
愛娘だ。

ヒマなときは、テレビで野球を観戦するという直美さんが、
今、もっとも気に入っているのが、阪神の西岡選手だと
言っていた。

 結構、年の差はあるで。(^^)

そして、最後に中山くんが、直球勝負で質問をした。

「直美さんにとって、喜劇役者とはなんですか」

「はい。うちの家業です」



で、僕の家業は、お坊さんです。

久しぶりに、某葬儀場へお参りしました。

1ヶ月ぶりぐらいですが、人がだいぶん変わっていました。

司会の方も、控え室に来てくださる方も、新顔でした。

控え室は、ガンガンに冷やされていて、きのうなんか、

お通夜を終わって、外に出ると、めがねが突然曇ってきました。

夜とはいえ、外の湿度がとても高いのがわかります。

きょうは、日曜日ということもあって、法事も入っていたので、

そっちは副住職に任せて、伴僧なしで、私一人で行きました。

七条袈裟を着けることは、自分ひとりではできないので、

いつも、係りの人が着付けを手伝ってくださいます。

開式の5分前に、控え室に来てくださったんですが、


「この、お着物って、とてもきれいですね」

「ええ、はい。ありがとうございます」


これって、確かに、着る物には間違いないんですが。

 七条袈裟といいます。

襦袢を着て、その上に白衣を着て、色衣を着て、
そして、七条袈裟を着ます。

昔は、今みたいなエアコン付きの葬儀場はありません。
ご自宅での葬儀の時は、
真夏の炎天下、扇風機も動いてはいるんですけど、
ロウソクの炎が消えるということで、私たちの方には
向けてもらえません。
そんな中で、サウナ状態で、お葬式はやってたんです。

死んだ父が、よく言ってました。

ある悪口じいさんが、そんな様子を見て、
こう、おっしゃったそうです。

「こんなに、クソ暑いときに、寺の坊主が、布団を着て、
 舞いを舞いよる」

 布団とは、失礼な(^^)

父は、あんな性分ですから、ひどく傷付いたと思います。

夏がきて、お葬儀があるたびに、いつも、
このことを言ってました。

 わかったよ。もういいから。( ̄m ̄*)


その、悪口じいさんの最後を、お送りしたのは、実は、この私。

「この度は、●●●さま。86年を一期として、お浄土へ
 お還りになりました」

お通夜の法話のときは、いつも、こんな言葉で始めるんです。

「こんなに、クソ暑いときに、寺の坊主が、布団を着て、
 舞いを舞いよる」

●●●じいちゃんの、この言葉が、再び僕の頭をよぎりました。

「お浄土へ
 お還りになりました」とは、

僕も、心にもないことを申し上げたと、後悔しております。


これも、家業の宿命というか、心にもないことを。

ううっ!



広島ブログ
 
きょうも来てくださって、ありがとうございます
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