日本の原風景

きのうの夕刻、江田島市のカキ養殖加工の会社で、８人が

殺傷されるという悲惨な事件が起きました。

その容疑者は、中国籍の技能実習生の３０歳の

男性でした。

広島県はカキの水揚げ量では国内のトップです。

でも、カキ打ちなどの仕事に携わる人たちは、高齢化が

進み、若い人たちの後継者不足になっているのが現状の

ようで、中国からの労働者に頼らざるを得ないほどの

労働力不足なのです。

技能実習生とは名ばかりで、安い賃金で外国人を雇って

いるというくらい、日本の就労人口の減少は歯止めが

かかりません。


１日あけて、きょうの夕刻、安倍首相がＴＰＰへの参加を

表明しました。

ＴＰＰの発足は、２年前の民主党政権時代のときのこと。

自民党政権は、衆院選挙のときの約束を破って、ＴＰＰに

参加するという決断をしました。

２年も遅れてからの参加というのは、かなりのリスクを伴い

ます。

今まで、日米関係は、経済面でもアメリカの主張をほぼ

丸呑みしてきた歴史があります。

５品目については、聖域は撤廃しないとは言いながらも、

政府の試算では農業分野に３兆円の影響がでるといいます。

農林水産業を犠牲にして、他の産業での輸出拡大などを

目論んでいるようですが、はたしてどうなるのでしょうか。

安倍さんは、これを機に、農業生産の復興をすると言っていますが、

ＴＰＰに参加することで、農業生産はもっと減少すると思います。

それに、若者たちの就労人口も、少子化のなかで、どんどん減少

しています。

今の日本には、埼玉県一県に相当する面積の、耕作放棄された農地が

存在するそうです。


カエルが鳴き、トンボが舞う。

そんな、田んぼの原風景は、もう見られないのでしょうか。


　
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