共働き夫婦、子はどちらが扶養 ?
子どもなどの親族を養うための扶養制度。共働き世帯では子が生まれたら両親どちらの扶養に入れるべきなのでしょうか。
そもそも「扶養」の考え方は、税金面と健康保険では異なり、それぞれの制度を整理して考える必要があります。
■税金(所得税・住民税)における扶養控除
まず税金面(所得税・住民税)で扶養する対象とみなされるのは配偶者以外の親族を対象に「扶養控除」という制度があり、子や親を養うときの経済的負担をやわらげることができます。
扶養する相手1人当たり所得税で原則年38万円、住民税で33万円を所得から控除でき、その分税額が軽くなります。
会社勤めで扶養する家族がいる場合、年末調整時に配られる「扶養控除等申告書」に記載することになります。
扶養控除の対象となる親族には16歳以上という年齢条件があります。15歳までは児童手当の対象となり、扶養控除の対象からは外れます。
住民税には扶養控除とは別に「非課税限度額制度」があります。所得が基準となる金額より少ない人は住民税を払わなくていい制度で、市区町村によってその基準は異なります。
■健保「被扶養者」は異なる基準
次に健康保険制度を考えてみましょう。
会社員が加入する健保組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合、養っている家族を「被扶養者」と呼び、保険適用の対象に加えられます。
配偶者を含め被扶養者の年収が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金の受給用件にある場合は180万円未満)といった条件があります。
夫婦が共働きで別々の会社に勤めている場合、どちらの会社の健保組合で子を扶養に入れるかは考えどころです。
健保組合によって独自の付加給付サービスの内容に差があるからです。
子どもの扶養を税制と健保制度で別々に分けることも法律上は可能ですが「別々にすることを社内規則で制限する企業もある」と言います。
判断に迷ったら勤務先に確認してみましょう。
【社会保険労務士・CFP 金子隆俊】