足から組み立てていきます。特に足の設定は一番難しい所なので詳しく記します。
この作品は地面に接地しないので、脚に鋼管を通して浮かせます。その際両足の中のパイプが平行であり(鉄の心棒が抜けなくなるので)、足の断面が地面から水平であり(型どる時に水平にしたので、水平にする事が基準となる)、両足の間隔が正確である必要があります。同時に全ての要素を合わせる事が出来ないので一つ一つ順にクリアーしていきます。
鋳造した脚にブロンズのパイプを入れて溶接します。パイプは足首に通るように事前に半分細く削ってあります。パイプに通る鉄の丸棒を用意します。丸棒は作業しやすいように短めです。最終的には少し高く設定したいので、後々長いのに替えます。
このように通します。
それではまずは鉄棒を小さめの鉄板に垂直に溶接します。正確に垂直を出す為に90°の溶接マグネットを2つ使いました。
両足分です。
足に入れるパイプは蓋をします。この部分に鉄棒の先が当たって作品を浮かせます。パイプに入るブロンズの丸棒を切ってtig溶接します。
ここからは地面からの水平が重要です。地面に厚いベニヤを敷いて、水平器で確認しました。
左右はOKです。
前後は若干手前が低いです。
砂で水平を出しました。
これで完璧。
足とパイプを通します。
ブロックや角材で高さを調整。切断面が水平である事が最も重要です。この角度が狂うとポーズ自体が変になります。
そして上の隙間から溶接して固定します。
上手く行きました。このパーツが完成したら後は積み重ねて溶接していくだけです。
足の裏も隙間を溶接で埋めて削ります。
両足の間隔は鉄板を自由にずらして調整します。足の上に膝部分を乗せます。ここで難しいのは、少なくとも仮止め程度にはこの状態で溶接しないといけない事です。鉄の溶接は垂直面でもさほど難しくはないですが、ブロンズは溶ける時に一気に流れ落ちるので、垂直面での溶接は困難なのです。なので基本は全て寝かせて溶接部を上に向けて作業するのですが、この時ばかりはやるしか無いです。
なんとか上手く行きました。溶接部を荒削りしました。
次は腰をつなげます。