Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

パリで「ルブラン夫人展」開催中

2015-09-27 10:03:58 | つぶやき

 この秋から来年1月中旬にかけてパリに行く予定があり、18~19世紀の宮廷肖像画家ルブラン夫人に興味を持つ方にお薦めのイベントがあります。

 パリ、グラン・パレ博物館で現在「ルブラン夫人展」を開催中。会期は来年1月11日まで。次のサイトはすべてフランス語です。

http://www.grandpalais.fr/fr/evenement/elisabeth-louise-vigee-le-brun

 ルブラン夫人の若いころ。

 1755年生まれだから、アントワネットやフェルゼンと同い年。画家である父親から絵の手ほどきを受け、1776年、画家兼画商でもある夫と結婚。アントワネットの肖像画を描くためヴェルサイユ宮殿を訪れたら、アントワネットが非常に彼女を気に入り、自分や家族の肖像画を何枚も描かせている。そうしていくうちに二人は固い絆で結ばれた。同い年ということもあって、気が合ったのだろう。モデルを務めながらアントワネットは自分のこと、家族のことをあれこれ話し、ルブラン夫人はそれを聞きながら、筆を走らせていたように思える。これがアントワネットの肖像画。。

 他にもルブラン夫人が描いた有名な肖像画として、ポリニャック夫人がある。(1782年)

 自画像も何枚か残している。これは1782年の作。こんな服装で絵を描いていたのだろうか?帽子や髪型に、アントワネットの影響を受けているように思える。

 フランス革命中は、イタリア・オーストリア・ロシアで暮らし、ヨーロッパ列強の王侯貴族の肖像画を描いた。

 これは「ポーランド王・ポニャトフスキ」(1797年)

 「プロイセンのルイーズ王妃」(1801年)

 フィレンツェで描いた自画像。(1790年)

 自画像 (1800年)

 肖像画ではないけれど、「水浴びをする女性」 (1792年)

 フランスが王政復古すると、ルブラン夫人はルイ18世に手厚く迎えられフランスに戻る。その後も創作活動を続け1842年、パリで死去。享年87歳。ロココの華やかなりし時代とそれに続く革命、そして恐怖政治に王政復古とフランス激動期を絵筆と共に生き抜いた女性。彼女にはパトロンたちとの思い出が語り尽くせないほどあったろう。この展覧会、日本でも開催されるといいなあ。

 読んでくださり、ありがとうございます。



6 コメント

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こんばんは。 (まい)
2015-09-28 00:54:47
りらさま こんばんは。
パリへ行かれるとのこと、素敵です!そして、「ルブラン夫人展」 こちらも御覧になられるのでしょうね。本当に・・・是非とも日本でも開催していただきたいです!
ビジェ・ルブラン夫人...類いまれな美貌と画才に満ち溢れた方ですね。親しかったアントワネットの処刑の知らせや時代の変遷を一体どのように受け止めたのでしょうか.....。


池田先生の原画展、以前から存じておりましたがいまだに行けておりません。シルバーウィーク中に都内の老人ホームでのピアノ演奏(クラシックの小品4曲15分+歌の伴奏2曲)があって毎晩2時間を自宅の防音室で練習、リウマチを発症してから腫れと痛みで3年近くも人前での演奏から遠ざかっていたので、夏以降~立て直すのに必死でした。なのでフランス語も一旦お休みでした。(未だにお休み??)
無事に終わったら気が抜けてしまい、そのうちに会社も始まり....
原画展に今週中には行きたいです!


そのような訳で少し御無沙汰してしまいましたが他の方々のコメントを拝読するたびに「なるほど..!」と思わされる事が多くて大変参考になりました。婚約指輪選びに楽しみを見い出す二人の描写のSSの方も毎回楽しく拝読させて頂いております。いつもありがとうございます。
パリ・・・いいですね!!気を付けて行っていらしてください。

(話は変わりますが)
少し上の川島さんや同世代の北斗さんのガンの知らせに驚愕しております。他人ごとではないですね...健康のありがたみを色々と考えさせられます。

支離滅裂なコメントで申し訳ありません。
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まいさま (りら)
2015-09-28 09:28:15
 コメントをありがとうございます。

 すみません、私の書き方が至らないため、誤解を招いてしまいました。まいさま、私はパリに行く予定はないのです。「この秋から冬にかけて、パリを訪れる人の中で、ルブラン夫人展に興味のある方は----」と言いたかったのです。大変申し訳ありません。そんなわけで、今のところフランス行きの予定は全くないのです。

 まいさま、老人ホームでの演奏はボランティア活動でしょうか?とても素晴らしいですね。なかなか外に出る機会の少ないお年寄りの方たちに、生演奏をお聴かせするのはとてもありがたいことに思えます。毎晩2時間の練習とは本格的。まいさまは音楽を専攻されたのでしょうか?ピアノ歴は長いのでしょうか?私はピアノが弾けません。両手で違った動きを同時にできる方を尊敬します。

 そしてリュウマチの件。きっといろいろつらい思いをなさってきたと思います。ですがぜひこれからもピアノ演奏を続けて頂きたいです。芸術って、そのときそのときの演奏者の心が表れますから、今のまいさまが奏でる音色と、過去の音色は違うと思います。

>原画展に今週中には行きたいです!

  ぜひお出かけください。5作品も一度に拝見できるのはめったにないと思います。終了期日が近づくと駆け込みで混むと思うので、今週あたりがいいかもしれませんね。
 
>他人ごとではないですね...健康のありがたみを色々と考えさせられます。

 私もショックでした。私自身、良性腫瘍を切った経験がありますので、北斗さんには是非治って、元気な姿でまた私たちの前に現れてほしいです。そして---本当に健康ってありがたいです。自分の健康はもちろん、家族も健康でないと、好きなことに打ち込めませんよね。ごく平凡に何事もなく過ぎていく日々こそ、貴重なのだと感じています。
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勘違いしました (まい)
2015-09-28 14:29:07
私の方こそ早とちりしてしまい申し訳ありませんでした。元来おっちょこちょいなので...お恥ずかしいです。

勿論、ずーっと続けてきた音楽療法ボランティアとしての演奏です(^^♪
ピアノは6歳~始め、音大には行きませんでしたがライフワークになっており仕事もY社で楽器販売サポートと教室営業に携わっております。コンクール全国大会(アマチュア部門)に出場していた30後半のころに比べ、リウマチになってからは以前のように弾けなくなりましたが強い薬を徐々に増やし現在は寛解状態にあり、だましだまし弾き続けております。
「オル窓」ではイザークがバックハウス(このピアニストのCDを持っています)と出会い感激する場面がありましたが池田先生の多方面に渡る知識の豊富さに本当に敬服した覚えがあります。


りらさまの最新作のSSでは、アンドレのために再びドレスを試着してみよう、美しく装ってみたいというオスカルのピュアな気持ちが精緻な文体からじんじんと伝わってきます!変身願望って女性には誰でもありますよね....!
曲のイメージに合わせて過去に何着か購入した演奏会用のドレスを着ると私も身が引き締まりますもの!
人生二度目のドレスを身にまとうオスカルと、彼女の姿を見たアンドレの反応を想うと今からワクワクしてまいります!今後の展開を楽しみにお待ち申し上げます。おこがましい言い方に聞こえてしまったら申し訳ないのですが、りらさまの文才は書かれる度に益々輝きを放ち、感性の豊かさが読む側にも克明に伝わってまいります。
ここの読者の方も感受性豊かな方が多いように思います(^.^)
どうかお身体を大切になさって描き続けてくださいますよう....。

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まいさま (りら)
2015-09-28 20:56:57
 コメントをありがとうございます。
 音楽療法は、高齢者ばかりでなく子どもや若者など様々な年代の方に対して行われていますよね。重度重複障害を持ったお子さんが、音楽を聴くと良い反応を示す様子を見たことがあります。音楽の持つ力に圧倒されました。「オル窓」でイザークの息子ユーベルは、バックハウス氏のもとで修業を積むため、父親から離れていくのですよね?池田先生はアドルフ・レーマンのピアノをお持ちとか。イザークが酒場で弾いていたのはこれでしたっけ?私にはピアノの種類はよくわかりませんが、池田先生の博学にはただひれ伏すのみです。

 まいさまはクラシック曲をお弾きになるのですか?今回のさいたま市での歴史漫画展には、「オル窓」から、イザークが野外でオーケストラと共にベートーベンの「皇帝」を演奏する場面が展示されています。イザークの瑞々しい若者ぶり、鍵盤を滑るように動く手が神々しいです。ぜひまいさまにもご覧になっていただきたいです。リュウマチとはこれからも仲良く付き合わなくてはならないでしょうか?どうかピアノを奏で続けてくださいね。

 私は文章を書くのは好きなのですが、いざ物語を書き始めると、なかなか思うように書けません。情感豊かにしっとりと、登場人物の心理描写を細やかに描ける人が羨ましいです。私のSSはまるでお芝居の台本みたいで、台詞ばかり。情緒が足りません。小学生の日記みたいに、出来事が起きた順に並べて書いているだけで、もう少し何とかしたいと思っています。こんな文章を読んでくださる方がいることに感謝です。この頃は、オスカルとアンドレよりも、その周辺にいた人たちのほうに、関心が向いています。

 いろんな方からコメントを頂くのも楽しみです。感じ方の違いを知るのも興味深いですね。こんなブログですが、立ち寄ってくださった方が、束の間少女の頃に戻り、「ベルばら」にときめいていただけたら幸いです。今「ベルばら」ファンの多くは、40代後半以上かと思います。皆さんそれぞれ家庭や仕事、健康面で、さまざまな問題を抱えているのではないでしょうか?そんな方たちが、せめてここに来た時くらいは肩の荷を下ろし、ホッとしていただけたら----そんなことを想いながらこれまで続けてきました。これから先もどうかよろしくお願いいたします。

 まいさま、今夜もピアノの練習をなさいますか?
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こんばんは (あっこ)
2015-09-28 23:00:45
ルブラン夫人は、ポリニャック伯夫人の娘の肖像画(14.5歳頃)も描いています。娘の名前はアグラエ・ルイーズ・フランソワーズ・ガブリエルです。
ポリニャック伯夫人の娘は、漫画では結婚を拒んで自殺しますが、実際は自殺することなく、12歳でド・ギーシュ公爵と結婚。
ド・ギーシュ公爵は漫画では詳しい描写が無く、アニメではかなり危ない中年男でしたが、実際はオスカル様と同じ1755年生まれです。
25歳と12歳のカップル、ひょっとしたら憧れのお兄様と一緒になる……という感覚だったのかもしれませんね。
池田先生が名前をシャルロットに変えたのは、アグラエでは響きが綺麗ではないし、覚えにくいからかな?
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あっこさま (りら)
2015-09-29 00:07:01
 コメントをありがとうございます。
 ポリニャック伯夫人の娘の肖像画を検索しましたら、1枚見つかりました。頭にターバンを巻き、濃いめの朱色のドレスを着た美しい女性でした。(もしかしたら母よりきれいかも?)

 当時は12歳で結婚しても、何ら不思議ではなかったですね。アグラエの結婚に当たり、ブルボン家からかなりの額の祝い金が支払われたとか。12歳---まだ本当の恋も経験しないまま、家のために結婚。アグラエはのちにアルトワ伯の愛人になり、最終的にイギリスに亡命して亡くなります。彼女も波乱万丈の人生を歩んだようですね。

 あっこさまが仰るように、原作ではド・ギューシュ公爵について、ポリニャック夫人は「若い方がお好きなのよ。」と言うだけで、具体的にどんな人物かは描かれていませんでしたが、アニメでは胡散臭い、どう見ても10代の乙女が飛びつくタイプの男性には見えませんでした。けれど---実際はオスカルと同い年だったとは!25歳なら、意外とイケメンで素敵な男性だったかもしれませんね。

>名前をシャルロットに変えたのは、アグラエでは響きが綺麗ではないし、覚えにくいからかな?
 
 それはありえますね。アグラエって本当に珍しい名前です。少女漫画には、もうちょっと乙女らしい響きのある名前が良かったのでしょ
うか?

 あっこさま、とても興味深いコメントをありがとうございました。アグラエの肖像画を検索していくうちに、ポリニャック伯夫人の息子を描いたスケッチ画(これもルブラン夫人の作です。)に行き当たりました。あっこさまのおかげです。
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