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イスラエル シャロン新党、高い支持 世論調査でトップ ペレス氏合流に含み

2005年12月01日 | 中東
 【カイロ=加納洋人】イスラエルのシャロン首相が与党リクードを離党して旗揚げした新党「カディマ」(前進)が、最新の世論調査でトップを走っている。元タカ派のシャロン氏が打ち出した「パレスチナ和平路線」に国民が最も信頼を寄せていることを裏付けた形であり、シャロン新党は中道左派の労働党や強硬右派の残ったリクードを抑え、三月二十八日に前倒し実施される総選挙(定数一二〇)で第一党になる勢いをみせている。

 二十五日付イスラエル紙イディオト・アハロノトは世論調査をもとに、いま投票が行われればカディマが三十三議席を獲得、続いて労働党二十六議席(現有十九議席)、リクード十三議席(シャロン氏離党前は四十議席)という結果になると報道。同日付マーリブ紙も、カディマ三十四議席、労働党二十八議席、リクード十三議席という同様の予測を伝えた。

 十一月二十一日にリクードを離党したばかりのシャロン首相が結成した新党には、すでにリクードからの十四人を中心に計十八人が加わったが、選挙戦でシャロン新党が台風の目となるのは確実で、今後さらに合流組が増え、新党は勢いを増すとみられている。

 シャロン首相は二十八日、政策綱領のたたき台となる党の基本政策を発表し、パレスチナ自治政府による武装各派解体という条件をつけたうえで、イスラエルとパレスチナの二国家共存を目指すと表明。今後、最大の焦点となるヨルダン川西岸のユダヤ人入植地撤去についても、大規模入植地とエルサレムは手放さないとしつつも、「民主的なユダヤ人国家を保つためには、土地の一部を譲歩しなければならない」と一定の譲歩を行う考えを示し、入植地撤去に断固反対するリクードとの違いを鮮明にした。

 一方、労働組合出身のペレツ新党首が率いる労働党も和平路線を掲げているが、ハト派の同党首が“柔軟姿勢”に傾きすぎることに懸念を抱く国民も多く、それがシャロン新党への支持につながっている。

 こうした中、労働党党首選でペレツ氏に敗れたペレス元首相は「和平達成が最も重要であり、党にはこだわらない。シャロン氏は正しい道を進んでいる」などと発言しており、近く離党表明する可能性も出ている。ペレス氏は当面、新党には加わらず、様子をみるもようだが、ペレス氏が新党合流を決断すれば、一九四八年のイスラエル建国を経験し、長く軍や政界で活躍してきたシャロン、ペレス両氏というイスラエル政界に最後に残る重鎮二人がそろい踏みすることになる。

(産経新聞) - 12月1日2時47分更新

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