日々の聖書(6)――人間の分別と神の知恵
心を尽くして主に頼り、決してあなた自身の分別に寄りかかってはならない。
(箴言第三章第五節)
私たち現代人は個性を大事にし、自分たちの自意識と知識を最高の価値として誇っている。何人にとっても自分ほど大切なものはない。そして、自分のもてる知識と教養を誰しも誇る。現代人はお互いに学歴を最高の栄誉としている。受験が戦争と化しているわが国の現実を見よ。
しかし、聖書は必ずしもそうは教えない。現代人が金科玉条のように大切にする個性とは、本当にそんなに貴重なものだろうか。現代教育がモットーとするほどに、人間各自の個性には価値があるのだろうか。人間は弱いもの、間違うもの、過つものとして、自分とはもっとも頼りにならない者であると教える。むしろ、自分の分別に頼ってはならない、と言う。人間の個性など、もっとも価値なきものではないのか。
人間は自分自身が賢明であると思うほどには賢明ではない。だから決して、自分の奇抜な思いつきや思考に思い上がり、自惚れてはならないと忠告する。 (同章第七節)
聖書が教えるのは、惨めで間違いやすい自分の考えにしたがって生きるのではなく、真の叡智である主を畏れ、神の知恵を見出すものが幸せであると言う。
心を尽くして主に頼り、決してあなた自身の分別に寄りかかってはならない。
(箴言第三章第五節)