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揺れる南シナ海問題――東南アジアの自由と繁栄を守れ[HRP ニュースファイル1502]

2015-11-11 | ニュースに出ないニュース
揺れる南シナ海問題――東南アジアの自由と繁栄を守れ[HRPニュースファイル1502]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2486/

文/HS政経塾4期生 西邑拓真(にしむら たくま)

◆ASEAN拡大国防省会議(ADMMプラス)とは

今月の11月4日に、マレーシアのクアラルンプールで、第3回拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)が開催されました。

参加国は、ASEAN域内の10ヶ国と、それに域外国8ヶ国(日本、米国、中国、豪州、インド、ニュージーランド、韓国、ロシア)を加えた全18ヶ国で、日本からは中谷防衛大臣が参加しました。

2006年よりASEAN域内での防衛当局間の閣僚会合として、ADMMが創設されましたが、2010年からは「ADMMプラス」として、同会議にASEAN域外国も参加するようになります。

この創設について、「地域の安全保障・防衛協力の発展・進化の促進という観点から、極めて意義の大きいこと」と評価されています。

◆宣言を採択できなかった今回のADMMプラス

今回のADMMプラスで最大の争点となったのが、中国の人工島造成を背景に緊張が高まっている南シナ海問題です。

アメリカやその同盟国が、貿易の要衝である南シナ海で中国が存在感を高めていることに対する警戒感から、同海域における「航行の自由」を求める旨を共同宣言に盛り込むべきことを主張していました。

しかし、そのことに対し中国が強く反発したことから、結局、会議が創設されて以来初めて、共同宣言の採択が見送られることになりました。

最終的には、拘束力のない議長声明を出すことに留まり、その表現も「航行の自由」についての言及はなく、「南シナ海における行動規範の早期締結の重要性」について言及することに留まっています。

◆背景にあるASEANを巡る「米中綱引き」

共同宣言を採択することができなかった背景として、アメリカ・中国間でASEANを巡る激しい「綱引き」があり、それによってASEANが一枚岩になりきることができていないという現状を指摘することができます。

ASEAN各国の立場は、(1)中国との領有権問題を抱え、米国との連携強化を進める立場、(2)米中両国に配慮する中立の立場、(3)中国を支持する立場、の大きく3つに集約することができます。

つまり、(1)の立場に立つフィリピンやベトナムが、「航行の自由」を掲げるべきだとする日米豪を支持する一方で、(2)の一部や、ラオスやカンボジアをはじめとする(3)に分類される国々が中国を支持していることにより、ASEANの結束力が十分でない状況となっているわけです。

◆カギとなる、米国の軍事的影響力とTPP

そのような中で、(2)の立場を取り、これまで中立を保ってきたマレーシアやインドネシアが、南シナ海における中国の行動に対して反発する立場を取り始めていました。

その背景として、アメリカが、人工島12カイリ内へ軍艦船を派遣したことに表れているように、アメリカが中国に対する態度を変え、「圧力」を高めたことに求めることができます。

それについて、「米国が関与拡大を明確にしたことで、中立国も対中批判を公言しやすくなった」とする声も挙がっています。

また、TPP交渉が大筋合意に達したことが、中立国が経済成長を実現するために、アメリカとの関係強化を図ろうとする動きにつながりうるとの指摘もあります(10/31日本経済新聞電子版「東南ア、中国けん制へ傾く 米の関与拡大に呼応」参照)。

このように、ASEAN諸国が団結を強め、南シナ海における中国の侵略的な行動に歯止めをかけるためのカギとなるのが、米国の軍事的存在感の拡大と、TPPによる自由主義経済圏の拡大を通じた「経済成長」への期待と言えるでしょう。

◆東南アジアの自由と繁栄の実現のために

一方で、ADMMプラスの終了後、中国の周近平国家主席は、ベトナム、シンガポールを訪問、首脳会談を行うなどして、中国側も、経済関係の強化を通じた東南アジア各国の中国への取り込みを図り、その影響力の拡大を狙う動きを活発化させています。

こうした中、今月17日から19日にかけて、フィリピンのマニラでアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開かれ、ここで南シナ海問題に関する協議やTPP首脳会談が行われるとされています。

こうした場でアメリカなどは、大きな経済的メリットと、中国包囲網としてのTPPの機能を訴え、ASEAN諸国を取り込む必要があります。

ただ、アメリカの軍事的影響力については、長期的視座に立てば、ベビーブーム世代が大量に引退し、年金等の国家負担が増大することで兵力の削減は不可避となり、世界の二地域で同時に大規模な戦争を遂行する能力はもはやなくなるのではないかという指摘もあります。

こうした実情によりオバマ大統領が南シナ海で影響力を行使できないだろうと踏んでいるからこそ、中国は同海域での挑発的行動を活発化していると言えますが、アメリカの影響力低下を抑制するためには、今後、日本の国防上の影響力拡大が望まれるところでしょう。

このように、中国による侵略的行為から東南アジアを護り、同地域における自由と繁栄を実現するためには、TPPを機に自由主義経済圏を拡大させることと同時に、日米同盟を基軸にしながら、日本が国防上のリーダーシップを発揮していくことが今後必要になってくるのではないでしょうか。

参考文献
伊藤貫(2012)『自滅するアメリカ大国-日本よ、独立せよ』 文藝春秋
日本経済新聞(電子版)「南シナ海で問われるASEANの結束」2015年11月6日
日本経済新聞(電子版)「 米中、東南ア取り込み過熱 南シナ海問題」2015年11月5日
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幸福実現党の「経済政策集」発売――これで「GDP600 兆円」は達成可能![HRP ニュースファイル1501]

2015-11-09 | ニュースに出ないニュース
幸福実現党の「経済政策集」発売――これで「GDP600兆円」は達成可能![HRPニュースファイル1501]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2484/?

文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人

◆生きた経済が学べる「テーマ別政策集」発売!

幸福実現党は、多くの国民の支持を頂きながら、立党6年を迎えていますが、その折々に必要な議論を重ねていく中で、幅広い政策を積み重ねて参りました。

その中で、現時点の政策を分かりやすくまとめたものが「テーマ別政策集」です。この度、その第3、第4弾として「金融政策」「未来産業投資/規制緩和」(大川裕太著)を発表しました。

幸福実現党テーマ別政策集 3 「金融政策」(大川裕太著)

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1570

幸福実現党テーマ別政策集 4 「未来産業投資/規制緩和」(大川裕太著)

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1571

この書籍は、わかりやすく「金融政策をワシづかみ」し、「大学生から主婦まで幅広く生きた経済学が学べる」ものです。

◆先行きが見えない時代に

さて、2015年は日本のみならず、世界規模で経済の先行きが見えない時代になりました。

GDP第1位の米国は、中央銀行FRBのジャネット・イエレン議長はじめ、複数の理事がドルの利上げについて「12月の実施」に言及し、現実味を帯びてきました。

またここ数年、世界経済をけん引してきた中国は上海株式の大幅な下落によって、バブル経済の様相を呈しています。

中東やロシアを中心とする産油国には、原油価格が大幅に下落したことで、経済危機の可能性が出ています。

さらには、欧州経済の勝ち組と見られていたドイツがフォルクスワーゲンのガス排出に関わる不正操作によって、大きな打撃を受けると見られています。

このように、今までの世界経済で好調を維持してきた各国が、ひとつ踊り場に差し掛かってきたという状況で、日本以外の国の状況も決して見通しがよいわけではないのです。

◆「GDP600兆円」と「賃上げによる消費増」60兆円?

安倍政権はアベノミクスの着地の一つとして「2020年度のGDP600兆円」を打ち出そうとしています。

また、政府から驚きの発表が行われました。「賃金アップによる景気効果」60兆円というものです。

確かに安倍政権は、一貫して企業に対して「賃金アップ」の要請を続けてきました。本来、こうした主張は、社会主義思想に基づき労働組合が訴えてきたことです。

自民党も自由主義的な考えからの変化が起きたのか、あるいは元々、安倍総理がそうした考えをもっていたのかは定かではありませんが、いずれにしても「三本の矢」の目玉の一つとなっています。

国の判断によって賃金が決まるという世界は社会主義そのものなので、「マイナンバー制度」の動きと合わせて、危険な流れが出ていると言わざるを得ません。

◆「希望」がぎっしり詰まっている政策集

このように、政府も本音では社会主義的な傾向を帯びながら、何をしたらよいのかが分からないという中、今回発売された「テーマ別政策集」には、日本が繁栄を実現するための政策がぎっしり詰まっていることが分かります。

一例として挙げるとすれば、

・リニア新幹線の早期着工
・航空産業の可能性について
・宇宙産業
・防衛産業
・都市開発
・防災対策
・生涯現役を支える産業
・ロボット産業
・農林水産業の技術革新
・繁栄のための具体的な規制緩和

個別の政策については、すでに当ニュースファイルでもたびたび掲載してきましたが、このような取り組みを政府が本気になって行えば、600兆円は、簡単にやってのけることが可能です。

例えば、リニア新幹線について、東京~大阪間の総工費はおよそ9兆円、しかもJR東海独自の資金で着工と言われていますが、安倍政権は2012年度の補正予算だけで10兆円超を地方へのバラマキに使っています。

これも国家レベルで本気になってとりくめば、実現が可能なのです。こうした明るい未来をイメージできる政策が盛りだくさんの内容となっています。

しかも、この政策集には、お一人お一人が疑問に思うことにも、分かりやすく答えていますので、知人に幸福実現党の政策を広げたいという方にも最適の内容となっています。

◆世界の繁栄を牽引する日本の経済力

今回、安倍政権は達成の期限を2020年としていますが、幸福実現党は、そうした目標をはるかに超え、まずは「GDP世界第2位の奪還」、さらには「GDP世界1位」を目指していくことを訴えています。

日本など先進国は少子高齢化社会という課題に苦しんでいますが、一方、発展途上国は、今後も人口増加が問題で、世界はやがて人口100億人時代がやってきます。

この時代に人類がエネルギー・食料の心配なく日々の活動を展開するためには、世界全体で更なる経済成長が必要となってきます。しかし一方、世界経済は当面は混とんとした状態が続くと思われます。

日本も先行きが明るいとは決して言えない状態であるものの、少なくとも消費増税を中止し、上記のとおりに訴えてきた未来産業を国家として取り組むことで、世界の繁栄を担うことができるのです。

いや、それ以上に日本にそうなってほしい、と期待している国家も多いのです。

今年、戦後70年を迎える日本はまだ自虐史観に苦しんでいるかのように見えますが、この誤った考えを払拭し、世界のリーダーとしての自覚と責任を持ってこの繁栄を担っていくことが必要です。 

ぜひ、皆さまには、私たちの掲げる方向にご理解をいただきますよう、お願いいたします。
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ユネスコ記憶遺産登録から考える日本外交[HRP ニュースファイル1500]

2015-11-08 | ニュースに出ないニュース
ユネスコ記憶遺産登録から考える日本外交[HRPニュースファイル1500]

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2015/07/07/1355545_02_1.pdf

文/幸福実現党・群馬県本部副代表 安永あきら

◆正しいことが通じる外交

世界に対して正しいことが通じる日本の外交姿勢が今ほど求められている時はありません。

今年は戦後70年目の節目にあたり、「安倍談話」の発表によって日本が過去の自虐的な歴史観から脱却し、それによって正しい歴史観を世界に発信するチャンスでもありました。

これまで日本の外交は「弱腰外交」と揶揄されてきましたが、戦後70年を機に外交姿勢が変わる期待感がありました。

しかし、その期待は裏切られたと思っている方々も多いことでしょう。

安倍談話については、一部の保守の識者の方々は、歴史観を前進させたという意味で評価していました。

一方で、それとは真逆の立場から左派のマスコミは、中韓よりに歩み寄ったと評価もしています。

保守と左派の両方から評価を受けるような「たまむしいろ」の談話が、今回の安倍談話であったと思います。

本当は、安倍談話で日本の歴史の正当性をしっかりと発信し、国民が日本の歴史に誇りを持てるような歴史観を世界に発信すべきでした。

◆本来の敵は日本国内の自虐史観

そうした中で、10月初旬に中国がデッチ上げた「南京30万人大虐殺」の歴史がユネスコ記憶遺産に登録されました。今後中国は、「日本は悪い国だった」という「反日宣伝」を世界に対して行っていくことは間違いありません。

ユネスコも、本来の記憶遺産登録の趣旨を逸脱し、特定の国の主張による「政治宣伝」を許してしまいました。その責任はユネスコの姿勢にあることは言うまでもありません。

しかし、日本国の外交戦略、文部科学省の取り組みは、はなはだ「弱腰」で、中国の間違った申請を取り下げさせるための動きは見えませんでした。

◆当初から記憶遺産問題に取り組んだ幸福実現党

その中で当初よりこの問題に取り組んだのが幸福実現党です。釈量子党首が率先してパリのユネスコ本部にも出かけユネスコに対して、中国が申請した資料に対して、批判文書を提出し、中国の記憶遺産登録は認められるものではないと訴えてきました。

こうした幸福実現党の活動については、保守の識者の3人の方も現在発売さている月刊「正論」12月号で紹介してくださっています。

■月刊「正論」12月号 (平成27年10月31日発売)
【特集】「南京」と堕ちたユネスコ・国連」
http://seiron-sankei.com/recent

国内でも幸福実現党の署名活動で政府への早急な対応を求め、また街頭宣伝活動も展開し、「幸福実現ニュース」など全国に配布し啓蒙活動を行って来ました。

◆戦略無くして外交無し

ところが政府与党には、このような「危機感」はまったくなく、外務省と同様に適切な手は打っていなかったのです。それどころか登録が決まってからあわててユネスコに抗議しているような始末です。

このような政府の外交姿勢の根幹には、安倍談話に大きく影響されていると言っても良いでしょう。

国会議員の多くが平和安全保障法案の成立に力を注いでいたかもしれませんが、中国の野望が着々と進められていた時に、日本の外交は単眼的な戦略しか持ち合わせていなかったのです。

「戦略無くして外交無し」、戦略を描ききれない日本外交の見直しは急がなくてはなりません。

今からでも遅くありません。ユネスコ拠出金の見直しを政府は検討していますが、他にもユネスコの規則では、「登録の削除や再評価」をすることができます。

※『ユネスコ記憶遺産・記録遺産保護のための一般指針』「4.8 リストからの削除」(27頁)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2015/07/07/1355545_02_1.pdf

(引用)「記録遺産は、劣化したりその完全性が損なわれたりしてその登録の根拠となった選考基準に適合しなくなった場合、リストから削除されることがある。新たな情報によって登録の再評価が行われ、非適格性が証明された場合も削除の根拠となり得る。」

今後、ユネスコに対して「どの様に対処」させるのか政府・外務省の姿勢が問われてきます。

他にも外交問題は山積しています。強い姿勢を示すことで「拉致人権:北方領土:竹島:尖閣諸島:東シナ海ガス田プラットホーム:強制連行慰安婦問題等など」問題解決の糸口が見えてきます。

幸福実現党としても、今後も自虐史観一掃の取り組みと合わせて強い日本国、自信と誇りを取り戻す国民大運動にして参ります。      
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沖縄独立と台湾独立、正当性があるのはどちら?[HRP ニュースファイル1499]

2015-11-08 | ニュースに出ないニュース
沖縄独立と台湾独立、正当性があるのはどちら?[HRPニュースファイル1499]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2480/

文/HS政経塾スタッフ 遠藤 明成

◆今後の安保政策の争点――普天間基地移設問題

米軍普天間飛行場の移設に関して、翁長雄志・沖縄県知事は10月13日に辺野古沿岸への埋め立て承認を取り消しました。

政府は、以下の二つの措置で対抗しています。

(1) 取消処分の効力停止

翁長知事の承認取り消しに対して、移設を担う防衛省が県知事の取消処分の効力停止を国土交通相に申し立てました。

この主張が認められ、防衛省は作業を再開しています。

(2) 代執行

また、政府は、国交相に知事の代わりに事務手続きを行わせようとしています。

これは知事に代わって取消処分を撤回する手続きです。

(大臣の是正勧告に知事が従わない場合、高等裁判所で訴訟をし、これに国が勝てば代執行となる)

防衛省の作業再開と「代執行」が同時に進められる背景には、移設に際して、裁判所のお墨付きを得たいという意図があります。

これに対して、沖縄県は取消処分の効力停止を不服とし、第三者機関の「国地方係争処理委員会」に審査を申し出ています。

ここで否認された場合は、沖縄県は訴訟に持ち込むことでしょう。

◆「沖縄の自己決定権」?

この「辺野古の闘争」に際しては、「沖縄の自己決定権」という標語が用いられています。

例えば、連載記事をまとめて『沖縄の自己決定権』と題した書籍を刊行した琉球新報社は、「日本政府は、主体的生き方を法律でつぶそうとする。その象徴が辺野古の闘いだ」(大城立裕氏・作家)という発言を紹介し、この書籍をPRしています(※1)。

しかし、そもそも、「自己決定権」とは何なのでしょうか。

これは、「自分自身に関する重要な事柄を自分自身で決める権利」(※2)のことです。

「個人の人格的実存にかかわる重要な私的事項を公権力の介入・干渉なしに各自が自律的に決定できる自由」(※3)とも言われます。

治療拒否や尊厳死、出産や堕胎、学生の髪型や服装の自由などの問題で、この権利が争われることがあります。

しかし、基地の移設は日本の外交・安保政策や国全体の安全保障に直結するので、個人的な事柄とは到底言えません(※4)。

そのため、「沖縄の自己決定権」を掲げて基地反対闘争を正当化するのは、論理的には無理があると言えます。

◆沖縄と台湾の政治運動を比較する

「沖縄の自己決定権」だけでなく、もう一つ、注意すべきなのは「沖縄独立論」です。

これは、翁長知事が県議会での答弁で、沖縄独立論について「そういう方は多くない」と答えているほど、少数派の主張だと言えます(※5)。

12年1月1日の意識調査で沖縄の取るべき立場を問うたところ、結果は「現行通り日本の一地域(県)」が61.8%、「特別区(自治州など)」が15.3%、「独立」が4.7%でした(※6)。

しかし、「台湾の独立」という政治課題を比較してみると、15年の世論調査で台湾が最終的に独立することに賛成した人は51.3%、反対した人は32.7%です(※7)。

中国は「沖縄独立」を持ちあげ、「台湾独立」を封じ込めようとしていますが、この二つの「独立」の内情は、これほどまでに違うのです。

地域の分離独立は、主権者は誰で、領土はどこかを決める議論を伴いますが、沖縄独立論には、そこに至るまでの民意の支持がありません。

◆台湾が民進党政権になった時、日本からの支援が必要になる

一方、16年1月16日の台湾総統選では、民進党の蔡英文氏の勝利が予測されています。

以前の民進党政権は、「台湾の未来は、台湾2300万国民のみが決定する権利を有する。これは台湾の国家主権地位の最も固い基礎である」(08年)と声明を出したこともあります(※8)。

中国の影響力も拡大しているので、民進党が以前ほど強い姿勢を取れるかどうかは未知数ですが、日本は、台湾が自由民主主義の側に立ち続けられるように、支援を続けなければなりません。

「東アジアで自由の領域が拡大するか縮小するかの問題は、最終的に日本の未来に対しても大きな影響を及ぼす可能性があるから」(※4)です。

★このたび、HS政経塾より『宗教こそが民主主義を発展させる』(立木秀学編著、幸福の科学出版 発売)が発行されました。以下のURLからアクセスできますので、興味を持たれた方に、ご覧いただければ幸いに存じます。

『宗教こそが民主主義を発展させる』立木秀学編著/幸福の科学出版
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1561

※1:『沖縄の自己決定権』琉球併合の不正から道標探る 琉球新報(15/6/21付)
※2:岡田信弘著『事例から学ぶ日本国憲法』
※3:芦部信喜著『憲法 第六版』
※4:立木秀学編著『宗教こそが民主主義を発展させる』
※5:翁長知事、沖縄独立論に否定的「そういう方は多くない」沖縄タイムス15/10/4付
※6:「方言話せる」5割切る 琉球新報 県民意識調査(12/1/1付)
※7:TISR台灣指標民調「2015年2月上期、台灣民心動態調、與本期議題調結果摘要」
※8:陳水扁総統が「台湾主権地位」に関する4点の呼びかけを発表(台湾総統府08/4/17付)
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世界に誇るべき日本の文化を守りぬくために[HRP ニュースファイル1498]

2015-11-06 | ニュースに出ないニュース
世界に誇るべき日本の文化を守りぬくために[HRPニュースファイル1498]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2478/

文/幸福実現党・山形県本部副代表 城取良太

◆世界で大絶賛の日本文化を体感

我らが誇る日本文化にとって、先日非常に嬉しい知らせが届きました。

10月31日に閉幕したミラノ万博において、日本の食文化等をテーマにした日本館では「行列嫌いのイタリア人を並ばせた」と言わしめるほど、最後まで大行列が途絶えることなく、日本として史上初の金賞を受賞したというニュースです。

筆者自身も先月下旬、中東数カ国に赴きましたが、知り合いのラーメン屋から分けてもらった自家製麺セットが香港人のラーメン通を唸らせたことには驚きを隠せませんでした。

また、イランで出会った初老の男女とは毎度お決まりの「おしん」ネタで盛り上がり、ドバイのショッピングモールでは以前に増して、日本のアニメ・フィギュアコーナーが大拡張されており、多くのファンの心を掴んでいることを目の当たりにし、日本のソフトパワーの絶大さが改めて体感できました。

◆文化の根底にある「自由と平和」

奇しくも、先日(11月3日)は文化の日でありましたが、戦前、11月3日は明治天皇のお誕生日にあたり、「明治節」と呼ばれていました。

戦後になって1946年11月3日に日本国憲法が公布されましたが、現行憲法で「平和と文化」が重視され、国民の祝日に関する法律第2条に「自由と平和を愛し、文化をすすめる」と明文化されていることが文化の日の根拠となっています。

一方で、国民の自由が徐々に制限されうる法案や政策が散見され、また侵略意図を持った国々から断固日本の平和を守り抜く姿勢があるのかなど、この理念に一定の疑義を挟まざるを得ない現状があります。

ここでは、文化の根底にあるとされる「自由」と「平和」の視点から、国内外の情勢を見渡してみます。

◆共通番号制度は世界でも問題だらけ

第一に、何といっても「マイナンバー制度」に対する懸念が挙げられます。(既に具体的提言を行っておりますので、詳しくはそちらをご覧下さい。「マイナンバーの『のぞき』政策化に歯止めを」http://hrp-newsfile.jp/2015/2459/)

もともと、民主党政権下に提出された法案で、その後誕生した自公政権によって一部修正された法案が13年5月に可決、更に2018年から任意で預金口座等にも活用範囲を拡大する改正案が本年成立されています。

「海外(先進国)では番号制度は常識」が推進派の建前でありましょうが、日本のような「共通番号制度」は実はまだ事例が極めて少ないというのが真実です。

具体的に、イギリスでは「共通番号制度」の構想自体はありましたが制度廃止に追い込まれています。(イギリスでは、2006年に「国民IDカード法」が成立。しかし、2010年に誕生した保守党と自由民主党による連立政権が、プライバシーに問題があるとして廃止を決定。)

また、フランスでは社会保障番号はあれども共通番号としては用いないのがルールとなっており、更にドイツでは共通番号制度は「憲法違反」となっています。

共通番号が導入されている米国では番号漏えいによる「成りすまし犯罪」が横行し、韓国では2011年に中国のハッカーによって国民の約7割の3500万人もの個人情報が盗まれるという事件が起こり、制度自体の是非を問う議論が高まっているそうです。

海外の先例から考えても、マイナンバー制度は国民の自由を促進するどころか、経済的自由権や個人情報保護の観点から、国民の自由を大きく侵害する可能性の非常に高い悪法と言えるでしょう。

◆自衛隊は本当に戦えるのかという米側の疑念

「平和」という観点から考察すると、何といっても中国によるアジア全域における覇権主義の進展、または朝鮮有事の危険性でしょう。

確かに、集団的自衛権の行使容認、米海軍の南シナ海への積極的関与、先日行われた日中韓の首脳会談など、日本を取り巻くアジア情勢が平和に向けて急速に進展しつつあるように見えます。

しかし、米国側の視点から日本の安全保障体制を洞察する日高義樹氏は、日本の国防体制の進展に一定の評価を下しながらも、

「安倍首相はこれからアジアに何が起ころうとしているのか正確に理解しないまま集団的自衛権構想を進めているように見える」

「朝鮮半島有事の際、日本の自衛隊が出動した場合には、(補給兵站だけに限って参加するということは不可能で)米国や韓国と同じレベルの戦闘に加わらざるを得ないと考えている」

など、有事において今の自衛隊がリアルな戦闘を戦い抜くことが出来るのかという米専門家たちの疑念を取り上げています。(「誰も知らない新しい日米関係」)

この点、3日にはグレーゾーン事態などにおいて自衛隊と米軍の緊密な連絡・調整を行う協議機関の常設化が合意されましたが、そうした疑念を払拭することが出来るかは今後次第と言えるでしょう。

◆南シナ海情勢でアメリカは頼りになるのか?

南シナ海情勢に関しては、外交的な押し技と引き技を上手く使い分けながら、虎視眈々と自国の権益を拡大するという中国の常套手段からすると、楽観視は出来ません。

実際、南シナ海での米海軍の技術的優位は歴然としていますが、「地の利」がある中国の数的優位は圧倒的で、「いくつかの状況には量よりも質が重要となり得る」と言えます。

また、イスラム国対策でオバマ大統領はここにきて地上戦力の派遣を決定しましたが、今後の展開次第では中東と南シナ海の二正面対峙が本格化することも考えられます。

オバマ大統領の今までの政権運営から考えると「行動基準によって、米国は事態をエスカレートさせることに消極的となり、(南シナ海から)撤退を余儀なくさせられる可能性がある」という専門家筋の見解には妙に信憑性を感じさせます。(2015/11/2ロイター通信)

◆奇跡の国・日本に相応しい憲法を!

結局、国内においては「世界の間違った常識」を模倣し、国民の自由を徐々に侵害していく一方で、「自分の国は自分で守る」という「世界の常識」を、憲法9条に象徴される平和憲法の足かせによって未だ実現できず、平和が脅かされる未来が待っているというのは何とも皮肉なことです。

我々が世界に誇るべき日本の文化を生み出したのは、戦後の日本人の力でも、ましてや日本国憲法でもなく、日本人が歴史的に紡いできた先人たちの智慧であります。

そして、その智慧を守り、未来に継承していくことこそ、今の日本に生きる我々の役割であり、本来の憲法の使命でありましょう。

その点、現行憲法は戦後の断絶によって、外国人の手によって生み出されたものであることから、皇統が2600年以上も脈々と続いてきた奇跡の国・日本に相応しいものではありません。

幸福実現党は真正保守の政党として、日本の誇り愛すべき文化や慣習、先人たちの智慧を保ち、日本の未来を守るべく、「改憲」という既成概念を超えて、日本に相応しい国体の「創憲」に携わっていく所存です。
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日本は、日韓関係にどう立ち向かう?[HRP ニュースファイル1497]

2015-11-04 | ニュースに出ないニュース
日本は、日韓関係にどう立ち向かう?[HRPニュースファイル1497]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2476/

文/HS政経塾4期生 窪田 真人

◆日韓首脳 3年半ぶり会談

2日午前、韓国訪問中の安倍首相はソウルの青瓦台にて、パク・クネ大統領と初めて個別に会談しました。

二国間の首脳会談は約3年ぶりであり、旧日本軍による従軍慰安婦問題について年内を含め早期妥結を目指す方針、また経済、安全保障の面で協力を強化する方針で一致しました。

なお会談時間のほとんどは、慰安婦問題についての話し合いに使われましたが、見解は平行線のまま、具体的な解決策が提示されることなく、終了しました。

◆現在の韓国の状況

これまで従軍慰安婦問題を前面に出し、反日外交を進めてきたパク・クネ大統領が、なぜこのタイミングで安倍首相との個別会談を受け入れたのでしょうか。

その背景には経済・外交の両面における韓国の苦しい事情があります。

現在の韓国は、同盟国である米国と安全保障面でより強い関係を構築したい一方で、日本に対して歴史認識をめぐり共闘し経済の結びつきも強い中国と関係を維持せざるを得ない状況に置かれています。

すなわち米国、中国の間で大きく揺れ動いている、それが現在の韓国の状況です。

先月27日、米国政府が南シナ海での中国による人工島から12カイリ以内の海域に、アメリカ海軍のイージス艦を派遣し、航行させた件について、日本は米国の行動を支持する旨を表明していますが、韓国は、中国との経済的な繋がりを重視する姿勢から、自身の立場を表明していません。

しかしその中国は経済が悪化しており、先月10月の韓国の輸出額は前年比15.8%減少しました。輸出依存度が高いことで知られる韓国にとっては大きな打撃です。

こうした状況を踏まえ、韓国は日本との関係改善による経済活性化、また中国への経済依存の軽減を目指す目的で、今回の日韓首脳会談は行われました。

◆元慰安婦への財政支援拡大!?

日韓首脳会談を受け、日本政府は対応策の検討に入っています。

特に慰安婦問題については、2007年に解散したアジア女性基金のフォローアップ事業の拡充を通し、元慰安婦への財政支援拡大を進めようとしています。

皆様ご存知の通り、1965年日韓国交正常化にあたって結ばれた日韓請求権・経済協力協定にて、日本は韓国に5億ドル(当時の韓国国家予算のほぼ2年分)の経済協力等を行い、日韓の賠償問題については完全かつ最終的に解決されています。

日本政府もその見解を持ちながらも、今回の会談を踏まえ、「基本的人権を踏みにじられた女性への人道的支援の充実」と称して、元慰安婦への財政支援拡大を行おうとしているのです。

こうした姿勢は「日本が従軍慰安婦問題を認めた」と諸外国に発信することに繋がりかねない為、絶対に実行されるべきではありません。

日本は、「従軍慰安婦問題はデタラメである」という正しい歴史観を世界に発信し続けるべきです。

そもそも現在の韓国の一番の問題点は歴史認識ではなく、経済における中国依存度があまりに大きいために、外交上中国に強く出ることができない状況、すなわち経済面にこそ大きな問題があります。

そのような状況下において、元慰安婦への財政支援拡大など日本にとって何もプラスに働きません。

◆日本が目指すべき日韓関係の在り方

ただし、中韓の関係が更に強化される事態は避けなければなりません。

目指すべきは、日韓の経済的な繋がりが強化されることで韓国の対中国依存度を軽減し、日米韓における東アジアにおける安全保障体制を強化することです。

では日本はこの状況を踏まえ、何ができるのか。

その1つとして、韓国のTPP参加の後押し、協力を積極的に行うことが挙げられます。

特に韓国がTPPに正式に参加する場合、既に参加した12か国から厳しい市場開放などを求められることになりますが、韓国にその点を大きな負担と思わせることなく参加に導けるかが、日本に求められる役割となるでしょう。

日本が積極的に韓国のTPP参加に働きかけ、多くの輸出先が韓国に開かれれば韓国の対中国依存度を減らすことができます。

そして韓国は経済と外交の間で揺れ動く、現在の状況を一歩改善することができるでしょう。

日本は、こうしたアジアのリーダーとしての役割を果たしていくべきであると考えます。
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COP21:日本はしたたかに国際交渉をリードせよ!【前編】[HRP ニュースファイル1496]

2015-10-31 | ニュースに出ないニュース
COP21:日本はしたたかに国際交渉をリードせよ!【前編】[HRPニュースファイル1496]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2472/

幸福実現党神奈川県本部副代表/HS政経塾第4期生 壹岐愛子

◆国益を賭けた地球温暖化の国際交渉

今年の11月末からフランス・パリで開催されるCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)において、全ての国が参加する2020年以降の新たな温室効果ガス削減の国際枠組みを合意すること(パリ合意)を目指しています。

これに先立ち、新たな枠組みの前提となる各国の削減目標である「約束草案」の提出が求められており、127の国と地域が約束草案を国連に提出済みです(10/27現在)。

日本は、2030年度における温室効果ガス排出量を2013年度比26.0%削減する約束草案を、今年7月に提出しました。

10月下旬にはドイツ・ボンでCOP21に向けた最後の準備会合が開催され、パリ合意文書の草案作成に関する厳しい交渉が行われました。

各国には、シェールガス革命を背景に温暖化対策の実績をオバマ大統領のレガシー(遺産)として残したい米国、これまでの温暖化交渉や排出権市場をリードしてきたEU、今後の経済成長を阻害する削減義務化を極力排除したい中国やインド、温暖化は先進国の責任であるとして莫大な資金援助を求める途上国など、利害の対立するさまざまな主張があり、COP21で法的拘束力(削減義務)のある枠組みを合意することは不可能な見通しです(10/24日経)。

◆京都議定書は日本外交の敗北

これに対して、1997年のCOP3(京都)で採択された京都議定書は法的拘束力のある枠組みであり、締約国を先進国(附属書I国)と発展途上国(非附属書IF国)とに分け、先進国のみが条約上の削減義務を課されていました。

先進国には基準年(1990年)比削減率に基づいた2008~2012年(第1約束期間)の「排出枠」が割り当てられ、この排出枠の不足分・余剰分を先進国間で取引すること(国際排出量取引)や、途上国の削減量を先進国が排出権として購入し先進国の削減量に充当すること(クリーン開発メカニズム)が認められていました。

しかし、京都議定書には重大な欠陥がありました。クリントン民主党政権のゴア副大統領の強い意向で採択に賛成した米国は、ジョージ・W・ブッシュ共和党政権に交代して京都議定書から離脱。

目標達成が困難なオーストラリアとカナダは目標達成を事実上断念。爆発的な経済成長により世界最大の排出国となった中国には削減義務がなく、同様に途上国に分類されるインドやブラジルも、排出量が大幅に増えても削減義務がありません。その結果、京都議定書で削減義務を負った国の排出量は、2010年には世界の排出量のわずか25%にとどまり、京都議定書を遵守しても世界の削減にはほとんど役立たない状況となりました。

また、基準年を欧州やロシアに有利な1990年に設定したことによって、削減義務を負う先進国の中でも著しい不平等がありました。

EUは1990年比8%の削減義務を課されましたが、1990年以降、EU域内の東欧諸国は社会主義の崩壊によって経済が低迷し、その後は非効率な設備が更新されたことによって大幅に排出量が減ったため、大量の余剰排出枠を抱え、EU全体としては容易に達成できることがわかっていました。

ロシア(1990年比0%の削減義務)、ウクライナ(同0%)等の東欧諸国も、社会主義の崩壊によって大幅に排出量が減ったため、大量の余剰排出枠が発生しています。

一方、日本は京都議定書で1990年比6%の削減義務を負いましたが、日本では1970年代の石油危機以降に省エネ対策が徹底しており、1990年時点では既に世界最高水準のエネルギー効率を達成していたため、日本が経済成長を続けながら第1約束期間に6%のCO2削減を行うことは非常に困難でした。

こうした各国の状況は1997年の京都議定書採択時点でわかっていたことであり、削減義務の達成のため排出権を購入しなければならない日本から、大量の余剰排出枠を抱える東欧諸国や削減義務を負わない中国等の途上国へ、資金が提供されることが狙いだったとも言われています。

日本は「ハメられた」ことになりますが、「京都」の名を冠した議定書であり、外交上の理由で厳しい条件を呑まざるを得ませんでした。

その結果、日本は第1約束期間に東欧や中国から排出権という「紙屑」を大量に購入し、数千億円の国富の流出をもたらしました。

約1億トンの排出権を政府が税金で、約2.7億トンの排出権を電力会社が電気料金で購入し、2008年のリーマンショックに端を発した世界金融危機による景気低迷も手伝って、日本は何とか削減義務を達成することができました。

しかし、日本の排出量は世界の僅か4%にも満たず、全くナンセンスな行為であったことを忘れてはなりません。

◆約束草案を「削減義務」にするな

京都議定書の反省を踏まえ、日本は2020年以降の新たな枠組みの国際交渉において、「全ての国が参加する公平かつ実効性のある枠組みであること」を繰り返し主張してきました。

また、日本は、EUが主張する、各国に削減義務を割り当てるトップダウン型ではなく、各国が自主的な削減目標を提出して相互に実績を検証する、ボトムアップ型の「プレッジ・アンド・レビュー方式」を主張しており、パリ合意の大きな方向性は日本の主張に沿ったものとなることが見込まれており、前述のとおり、法的拘束力のない枠組みになる見通しです。

しかし、こうした事実に反して、日本が国連に提出した約束草案(2030年度における温室効果ガス排出量を2013年度比26.0%削減)が、あたかも京都議定書のような条約上の日本の削減義務であるかのような誤解や曲解、そして欺瞞が一部で起きています。

左翼系のメディアや政党、環境系の有識者、環境NGO、環境省の一部等が、約束草案が国家の必達目標であるような誤った解釈に基づいて、約束草案を達成するための規制強化、課税強化、経済統制的な制度の導入を正当化するような主張をしています。

◆地球温暖化問題は「武器なき経済戦争」であることを心得よ

今年のCOP21に対する国内外の関心は非常に高く、日本は丸川珠代環境大臣のほか、安倍晋三首相の出席も検討されています(10/22日経)。

温暖化に関する国際会議はしばしば環境派の政治家のパフォーマンスの場として利用され、これまでにも米国のゴア元副大統領、オバマ大統領、日本では鳩山元首相等が演説を行い、環境NGOや環境行政に携わる人々の喝采を浴びてきました。

しかし、各国とも自国の国益や産業の利益を最優先に、「地球を守るため」という錦の御旗を掲げて戦う「武器なき経済戦争」の面があることも事実であり、鳩山氏のように「地球を守るため」に自国の国益を失うスピーチを行うことは、通常はあり得ません。

日本からCOP21に出席する安倍首相や丸川大臣は、決して一時的な人気取りに走ることなく、長期的な日本の国益を見据えて、経済統制ではなく自由な経済発展の価値観を共有する諸国の利益のために、地球温暖化問題の本質をよく理解した発言をしていただきたいと思います。

(つづく)
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豊かで神の恵みを受けた日本としての義務を考える[HRP ニュースファイル1495]

2015-10-29 | ニュースに出ないニュース
豊かで神の恵みを受けた日本としての義務を考える[HRPニュースファイル1495]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2468/

幸福実現党・兵庫県本部副代表 みなと 侑子

◆米軍重い腰を上げ、南シナ海にて行動

南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島に中国が建設する人工島の12海里(22キロ)内で、アメリカのイージス艦が「航行の自由の確認行動」をとったニュースが新聞の一面をにぎわしました。
 
島の周りの12海里はその島を所有する国の領海と認められていますが、「海洋法に関する国際連合条約」(UNCLOS)の第60条では、人工島はこれにあたらないとされています。

今回のイージス艦の自由航行は、「人工島を建設しても、その周囲は中国の領海と認められない」ことを示すためのものであったと言えます。

先日のアメリカ訪問でボーイング機などの爆買いを行い、中国の経済力と友好性をアピールした習近平主席でしたが、顔に泥を塗られた形となってしまいました。

◆南シナ海における中国の蛮行

これまで中国は、南シナ海に於いて傍若無人な行動をとり続けていました。

中国人民兵を岩礁に住ませながら、埋め立てによって人工島を建設し、自分たちの領土としてきました。

南沙諸島や西沙諸島を含む地域を三沙市と勝手に制定し、自らの理論に基づき南シナ海に「中国の赤い舌」と呼ばれる九段線を引き、豊富な漁場・石油や天然ガスなどの資源をむさぼってきたのです。

このような行動をとり続けることができた理由は、中国を止める国がなかったことにあります。

フィリピン・ベトナム・マレーシア・インドネシア・ブルネイなどは中国と領有権問題を抱えていますが、軍事力の差が圧倒的であり、一国で対応することは不可能です。

海上戦力を比較しますと、中国が892艦船持っているのに対し、ベトナムは94、フィリピンは80です。トン数は、中国が142万トンであるのに対し、ベトナムは3.7万トン、フィリピンは4.7万トンで足元にも及びません。

航空戦力においてはさらにこの差は広がります。

今回のアメリカの行動は大変遅いものでありましたが、中国とは圧倒的な戦力差でありながら領土を護るために奮闘してきた国々にとっては心強いニュースであります。

◆私たちには南シナ海の航海の自由を護る義務がある

しかし、南シナ海が中国に浸食されて本当に困るのはアメリカではなく、先述した国々であり私たち日本です。日本は輸出入のほぼすべてを南シナ海経由で行っています。

南シナ海のほぼすべてが中国のものとなってしまえば、航行の自由が奪われ、食料や燃料などの命に直結するものが入ってこなくなる危険性が十分に考えられるのです。

リスク分散として、他の経路の配分を増やしつつも、やはり南シナ海の航行の自由を守るための努力は欠かせません。

具体的には、海上自衛隊の艦船が米艦と「共同演習」として南シナ海を遊弋したり、P3C哨戒機などが空から監視活動したりする平時のパトロールが求められます。

今回の安保法案の改正により、自衛隊が米軍と共に行動し米軍が攻撃を受けた際には、米軍を守るための行動をとることができるようになりました。

また、南シナ海で米中の武力衝突が発生した際には、いくつかの条件付きではありますが米軍への後方支援が可能となります。

日本は東シナ海を護るので手一杯だという説もあるようですが、どうすれば南シナ海も護れるようになるのかを考え、手を打つべき時期が既にもう来ているのです。

9月29日付のWSJ(ウォールストリートジャーナル)では、「世界秩序を守る日本の責任」と題して、“豊かで神の恵みを受けた国としての義務は何か”を日本は問うべきである、との論説が載っていました。

今回の件で、一時的に左翼勢力が盛り上がりを見せたようになりましたが、一国平和主義思想は世界の潮流から完全に外れています。

世界秩序を護るという意思を明確に発信しながら、実績を確実に積み重ねていくことが求められています。
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増税はあり得ない[HRP ニュースファイル1494]

2015-10-28 | ニュースに出ないニュース
増税はあり得ない[HRPニュースファイル1494]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2466/

文/幸福実現党・岡山県参議院選挙区支部長 たなべ雄治

◆増税は既定路線?

軽減税率についての報道が増えてきました。

軽減税率とは、生活必需品に限定して税率を下げるというものですが、2017年4月に消費税を10%に増税することを前提にしています。

8%に消費税を増税してからというもの、景気は陰りを見せています。このまま増税してしまってよいのでしょうか。

◆儲けを生み出すのは誰か

税金とは、公共サービスのために徴収するべきものです。公共サービスとは、儲からないので民間企業ではやれないサービスのことです。

例えば、国防や警察、裁判などが挙げられます。これらは政府や地方自治体といった公的機関が行うべきです。逆に、儲かるサービスは、政府がやらずに民間企業に任せるべきです。

儲かるサービスを民間に任せるべき理由には、いくつかあります。理由の一つは、民間では身分が保障されていないことです。

例えば経営者であれば、その判断には人生をかけるリスクが伴います。失敗したら、自分や従業員の家族まで路頭に迷わせる可能性すらあります。

だから、知恵を絞ってより良い判断をしようとします。公務員のように身分が保証されていると、どうしても甘くなってしまう部分です。

もう一つの理由は、中央の政府からは、末端の市場が見えないことです。これはロシアなど社会主義の計画経済が破綻した原因でもあります。

市場の意思決定は市場に任せた方が良いのです。このように、役割分担ははっきりしています。

儲かる分野は、民間企業が担うべきです。儲けを生み出せない分野が、政府の役目です。

◆儲けとは

儲けとは何でしょうか。

「もしドラ」で有名になったピーター・F・ドラッカーが端的に述べています。彼は、「利益を企業の目的とするな」と言っています。

「一見はてな」とは思うのですが、続けて「社会貢献を目的とせよ」と言っています。つまり、利益とは社会貢献に対する通信簿だというのです。

儲けとは、製品やサービスを通じた社会貢献の結果なのです。民間ができるだけ自由に商売できるようにすると、その社会貢献を最大化できるのです。

◆国家を会社に例えると・・・

ところで、会社には直接部門と間接部門があります。直接部門とは、研究開発、製造、営業など、直接もうける部門です。

間接部門とは、経理、人事、総務など、直接部門を支援して効率的に仕事が進むようサポートする部門です。

ここで、国家を会社に例えてみるとどうなるでしょうか。直接部門に相当するのが儲けを生み出せる民間であり、間接部門に相当するのが政府となります。

会社が経営危機の時には、間接部門を縮小して、直接部門に資源を集中させるのがセオリーです。これを国家で考えるとどうなるでしょうか。

今は不景気で、しかも財政難であり、国家としては経営危機にあります。国家としても、直接部門に資源を集中させなければならない時です。

民間ができるだけ儲けられるようにすることが、国家が危機を脱する道です。しかるに増税とは、民間からお金を吸い上げて、政府に割り振る行為です。

これは、直接部門の予算を縮小して、間接部門に割り振ることを意味します。不景気の時にはやってはいけないことです。

◆打つ手はあるのか

とはいえ、社会保障の財源が必要ですし、政府は財政難でもあります。これらが増税の理由にもなっています。

しかし、待ってください。

増税して景気が良くなった例は、歴史上ありません。増税すると必ず景気は悪くなります。景気が悪くなると、税収は減ります。

税収が減ってしまったら、社会保障の確保も財政再建も、遠のくばかりです。財源が足りないならば、こういう時のために国債があるのです。

日本の国債はまだまだ安泰です。国債残高を恐れるあまり増税したのでは、景気が悪くなり税収も下がるというジリ貧の状況を免れません。

まずは減税をはじめとする景気回復策が必要です。景気が回復したら、税収も増えて、社会保障も財政再建も見えてくるのです。

今やるべきことは、直接部門である民間を活性化させて、国家としての儲けの総量を増やすことです。そのためには、減税によって民間に資源を集中することです。
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1985年、トルコ政府がイラン駐在の日本人を救った理由[HRP ニュースファイル1493]

2015-10-25 | ニュースに出ないニュース
1985年、トルコ政府がイラン駐在の日本人を救った理由[HRPニュースファイル1493]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2463/

※「トルコを熱烈な親日国に変えた「海難事故」について」の続編をお送りいたします。

文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人

◆イラク・フセイン大統領が突然、「48時間後に撃墜宣言」!

前回は1890年、紀伊半島沖で発生したトルコ船の海難事故、そしてその救助に当たった日本人の対応に、多くのトルコ国民が感動をしたエピソードをお伝えしました。

今回は、映画「海難1890」に関して、事故からおよそ100年後、1985年(昭和60年)に中東テヘランで実際に起きた出来事についてお伝えいたします。

1985年当時、中東ではイラン・イラク間の戦争が長期化していました。当時、石油ビジネス関連の商社マンを中心に約二百数十名人がイランの首都テヘランに居住していたと言われています。

さて、イラクのフセイン大統領は、戦争の膠着状態を打破する事を意図したのか、1985年(昭和60年)3月17日、突然、以下のような宣言を公表しました。「今から48時間を過ぎれば、イラン上空を通過する全ての航空機を無差別に攻撃する。」

日本人を含め、テヘラン駐在の外国人にとって、この「宣言」は寝耳に水でした。諸国の駐在員は、制限の期日までに帰国の途に就こうとします。

しかし、当時、日本・イラン間の航空便が就航していない日本人には、帰国の手段がありません。駐イラン大使は日本政府に対して緊急に、飛行機の手配を依頼しました。

◆日本政府が日本人を救出できなかった理由

依頼を受けた日本政府(当時は中曽根首相・安倍外務大臣)は、まず自衛隊機の派遣を検討しましたが、自衛隊法の制約で海外に飛ぶことが不可能ということが分かりました。

[その後、自衛隊法は改正され、現在では同様の事態が発生した時には、自衛隊機による救助は可能]

そこで、直ちに日本航空に臨時便を要望しました。

イラン行きを志願するパイロットも出て、順調に出発する準備が進められたのですが、なんと、当時の労働組合が「乗務員の安全が確保されない状態では出発できない」という理由で、出発を拒否したのです。

戦争の中、しかも48時間後には撃墜される可能性がある危険な空域を飛ぶことには、大きなリスクがあります。

組合としての判断は「安全第一」というものでしたが、これも戦後一貫して「平和憲法」を奉じてきたために、リスクを冒すという発想がなかったのかもしれません。同じ日本人として、実に残念な判断でした。

◆頼みの綱、トルコの判断は?

イランに駐在する日本人達が脱出する手段は、他の国の力を借りるしか手段が残されませんでした。

それも極めて望みの薄いもので、時間がどんどん経過していく中、日本人たちの絶望がいかに大きなものであったのかが推測されます。

まず、欧米諸国の航空機会社に依頼して、一人でも多くのチケットの確保を目指しますが、相手は欧州人優先の判断で、ごくわずかに入手できたにすぎませんでした。

そこで、当時の野村豊駐イラン大使は、最後の頼みとして、トルコのビルレル大使を訪れ、トルコ政府に緊急便の依頼をしました。当時イランには、600人あまりのトルコ人がおり、とても日本の支援ができる状態ではなかったので、もともと諦めていたのです。

一方、トルコ政府に対しても、「商社」のルートを通じて、当時のオザル首相にも同様の依頼を行いました。日本人にとっては、ほとんど可能性のない希望でした。

しかし、トルコ側は、日本人が直面した事態の深刻さを理解し、直ちに臨時便の手配を承諾したのです。

その時にトルコのビルセル大使が日本を助ける理由として語った事が、「これは、エルトゥールル号の恩返しなのです」というものでした。

トルコでは「エルトゥールル号の海難事故」については、教科書にも掲載されるなど、100年前に日本人が心を尽くしてトルコ人を救助した逸話を忘れていなかったのです。

そして、先人たちが日本から受けた恩を返す機会だと、快く救助の手を差し伸べてくれたのです。

このように、トルコ政府の決断によって、「緊急の」旅客機1機が出発しましたが、1機だけでは、すべての日本人を救助することができないことが分かりました。

そこで、トルコ側は、もう一機の「定期便」も、日本人のために使ってもらう事を提案しました。

当時、イランに駐在していたトルコ人は、自らが乗り込む予定だった飛行機を諦め、自動車に分乗して、母国トルコに向かったのです。

かれらもこの決定について、「100年前の恩を返そう!」と一致し、ほとんど異論は出なかったと言われています。

このトルコによる救助によって、制限時間以内に、帰国を希望する全ての日本人が無事に日本に帰ることができました。

国際政治の判断には、国益と国益とのぶつかり合いの中で、冷徹な判断が求められるものですが、今回のエピソードのように魂と魂がふれ合う温かみがあることも分かりました。

そうした意味で、日本人として、先人たちの偉業を再認識し、日本人としての誇りを取り戻す一方、日本人を誇りに思っている国もあることを忘れない事も大切だと感じました。
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トルコを熱烈な親日国に変えた「海難事故」について【前編】[HRP ニュースファイル1492]

2015-10-25 | ニュースに出ないニュース
トルコを熱烈な親日国に変えた「海難事故」について【前編】[HRPニュースファイル1492]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2461/

文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人

◆映画「UFO学園の秘密」大絶賛公開中!

現在、全国で、映画「UFO学園の秘密」(幸福の科学出版作品)が公開されています。

宇宙との交流を取り上げている映画は今までにも数多く公開されていましたが、この映画では、宇宙人がさまざまなキャラクターを持っているという事実など、今までにない切り口で宇宙時代の到来を描いたお勧めの映画です。

米国でも同時公開され、「アカデミー賞」を取れるのではないか!と、ネットでも大きな反響をよんでいます。

まだ、ご覧になっていない方は、下記のアドレスからお近くの上映館を検索することができますので、ぜひご覧ください。

http://www.eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=384

◆12月には「海難1890」(原題「エルトゥールル」)が公開!

さて、引き続き12月には映画「海難1890」が公開されます。これは、今から125年前に実際に起きた海難事故と、その後の感動的なエピソードを描いたものです。

125年前の明治23(1890)年、トルコから一隻の軍艦が日本を表敬訪問しました。「エルトゥールル号」と言います。

この年の6月23日に東京で、明治天皇に対しトルコ皇帝からの親書を渡し、その後約3か月にわたり、日本各地で大歓迎を受け、トルコへ帰国することになりました。

ところが、その途上の9月16日、折からの台風が直撃し、エルトゥールル号は、紀伊半島沖の岩礁に激突、その結果、機関が爆発し、沈没するという悲劇に見舞われました。

この爆発にともない、司令官オスマン・パシャをはじめとする乗務員600人が海に投げ出され、多くの乗務員はこの海難で命を落とします。

悲劇的な事故の中、数少ない生存者たちは力を振り絞って、紀伊半島の最南端、大島村(現在は串本町に合併)潮岬付近の沿岸にたどり着きました。

◆底抜けに善良な日本人にトルコ人が感動

この遭難したトルコ人の第一発見者は、樫野崎灯台の灯台守と言われ、直ちに、地元大島村の区長をはじめとする村民に伝えられます。

トルコ軍艦による明治天皇への表敬は、すでに日本人に知られていたので、事態の重さを感じた大島村民たちは、不眠不休の救助作業を行います。

特に、漂着した潮岬付近は断崖絶壁で、健康な人間でも上るのが困難な場所で台風の中、村民たちは、遭難者を一人ひとり縄でくくりつけ、崖の上に引っ張ったと言われています。

そうして助けたトルコの乗務員は69名。元々、食糧の蓄えが多いわけではありませんでしたが、村民は、浴衣などの衣類、卵、非常用の鶏も供出され、最大限の救護を行いました。

同時にこの大惨事は、明治天皇にも知らされ、天皇は政府に対し、可能な限りの支援を行うように指示がなされました。

各新聞もこの悲劇を報じたことで、日本全国から自発的に義捐金・弔慰金も寄せられました。

生存者の体力が回復した頃を見計らって、日本政府は海軍の最新鋭艦「比叡」と「金剛」の2隻に生存者を乗せ、トルコのイスタンブールまで送り届けることを計画、実行しました。

2隻になったのは、万一、片方の軍艦が沈没しても対応可能なように、との明治天皇の配慮と言われています。

なお、この中には、後の日露戦争、日本海海戦でロシアバルチック艦隊を相手に大勝利を挙げた秋山真之参謀も少尉候補生として乗り込んでいました。

この航海は、トルコの首都イスタンブールを目指しました。

順調に進み、とうとう、地中海からダーダネルス海峡、ボスボラス海峡を経て、トルコ領海に入るところまで来たのですが、大きな問題が発生しました。

ロンドン条約によって、上記の2つの海峡は「外国船」の通過が認められなかったのです。

実は、ここでいう「外国船」とはロシア船を想定しており、ロシアの南下政策への歯止めとなっていたのですが、日本にもこの条約が適用され、残念ながら、日本はトルコ領海に入る一歩手前のエーゲ海で、生存者を引き渡さなければならなくなったのです。

ところが、迎える側のトルコ国民にも「比叡」「金剛」の航海について広く知られており「日本人を首都まで迎えたい!」という要望が強くなりました。

そして、とうとうトルコ皇帝アブディルハミド2世は特例を認め、2隻がイスタンブールまで来る事を認めました。

1891年1月にトルコに到着し、生存者を送り届けた日本海軍の軍人たちは連日、熱烈な歓迎を受け、約1ヵ月滞在ののち、日本に帰りました。

◆トルコが親日であった理由

トルコは、日本が「明治維新」という世界史的な奇跡、近代化を成功させたことと、同じ「ロシア」という巨大な敵国に直面していることで、親近感を持っていた中、このような日本人と明治天皇の善意に触れ、さらに好意をもったようです。

このエルトゥールル号の遭難事故について、日本人で知っている方は少なく、中学校の歴史教科書では扶桑社が掲載しているにすぎません。

しかし、トルコでは長年にわたって多くの国民に知られており、日本の外務省の調査によると、約3割のトルコ国民がこの事件を「知っている」と回答しました。

映画「海難1890年」では、日本とトルコ両国で育まれた友好関係について、1895年(昭和60年)イラン・イラク戦争の中で、突如発生した日本人の危機をトルコ政府が救う感動的な実話に基づいて物語がつづきます。

(つづく)
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マイナンバーの「のぞき」政策化に歯止めを[HRP ニュースファイル1491]

2015-10-25 | ニュースに出ないニュース
マイナンバーの「のぞき」政策化に歯止めを[HRPニュースファイル1491]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2459/

文/幸福実現党・青年局部長 兼 HS政経塾部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ

◆分かりにくいマイナンバー制度の現状

マイナンバー通知カードが11月末までに、不在宅を除いて全世帯に送付される段取りで動いており、私たちの身近なものとなりつつあります。

マイナンバーを取り上げる番組も増えている一方で、「結局、何が決まっていて、何が決まっていないのか」がさっぱり分からないという声も多いのではないでしょうか。

◆今、決まっていること

まず、現状を整理します。

来年2016年1月からは、税金関係と雇用保険関係の処理にしかマイナンバーは利用されません。

社会保障の分野で使用されるのは、2017年からとなります。徐々にスタートしながら、情報連携の環境を整えていくスケジュールです。

◆まだ、決まっていないこと

口座情報がいつでも監視されかねない「銀行口座とのマイナンバーのひも付き化」、「医療分野での利用」については、あくまで検討している段階で、まだ決まっていません。

マイナンバーの便利さのみを強調して、「まだ決まっていないこと」を、あたかも既定路線のように説明する報道がありますが、これには注意が必要です。マイナンバーの使用範囲拡大を、知らないうちに進めてしまうことになるからです。

◆マイナンバーの利用範囲拡大が怖い理由

マイナンバー制度の懸念点は、利用が公的分野に限られる既存の「住基カード」と異なり、金融機関など民間にも拡大する可能性があることです。

要するに、私たちの生活を、国が「のぞける」状態になることです。

「のぞいて」、それから国民生活に「規制」を課すことができるようになります。また、いくら罰則を強めても個人情報は流出したらもう元には戻せません。

脱税を防止するという意味でマイナンバー制度を進めるべきという意見もありますが、国民を信頼しない発想の先にあるのは、コストばかりかかる窮屈な監視社会です。

ちなみに中国では、拡大する軍拡による国防費よりも、治安対策などに充てる公共安全費のほうが上回っています(2013年公表情報。2014年以降は公共安全費の予算総額は未公表)。

◆一体、誰が得するのか?

マイナンバー制度の導入で行政効率化を目指すのであれば、例えば、その分、人件費等の行政コスト削減目標も合わせて国民に説明するべきだと思います。

最近でも、公募したマイナンバー関連事業の受注に、便宜を図る見返りに現金を受け取ったとして、収賄容疑で厚生労働省の職員が逮捕されるという事件が起きています。

税金を使って、どのような恩恵を国民は受けられるのかも不透明です。

◆もっと前向きな投資を

8パーセントへの消費税増税以降、明らかに景気が腰折れしている中、TPP交渉の大筋合意した内容も明らかになり、日本経済の活性化に期待がかかります。

ただ、日本経済全体から見れば、輸出入の依存度はそれぞれ1割程度で、日本経済全体を元気にするためには、より抜本的な国内経済へのテコ入れが不可欠です。

そもそも論になりますが、行政効率が上がっても国民の個人情報漏えいリスクが上がる事業に数千億円かけるよりも、富を産む方向で民間投資の呼び水となる産業への投資を考える方が、国民への恩恵は大きいのではないでしょうか。

◆「のぞき」政策化を止めるためにできること

マイナンバー制度には「これから決めること」が多いため、私たちにできることがまだ残されています。

まずは、「マイナンバーの民間利用拡大の呼びかけを控えるよう行政側(政府)に求める」ことです。

行政側の呼びかけに応じて、サービスをマイナンバーと絡めて行う民間会社も増えるので、そうした呼びかけをしないように求めること。

そして、「口座情報とマイナンバーのひも付き化の義務化」等に必要な法改正をストップする機運を高め、法改正できない状況を創ることです。

国民を疑う監視社会ではなく、国民を信頼する自由で活力ある日本とするためにも、マイナンバーの「のぞき」政策化には歯止めをかけるべきです。
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月と火星に植民都市を!――「宇宙エレベーター」が可能にする人類の夢[HRP ニュースファイル1490]

2015-10-22 | ニュースに出ないニュース
月と火星に植民都市を!――「宇宙エレベーター」が可能にする人類の夢[HRPニュースファイル1490]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2455/

文/HS政経塾2期卒塾生 幸福実現党・埼玉県本部幹事長代理 川辺賢一

◆映画「UFO学園の秘密」上映

今月10日より、幸福実現党大川隆法総裁、製作総指揮の映画「UFO学園の秘密」が全国の劇場にて上映開始いたしました。

映画では高校生の主人公たちが宇宙人やUFOに遭遇し、様々な惑星を旅する様子が描かれております。

宇宙人やUFOを否定する人もいるかもしれません。しかし、今後、日本が経済的にも政治的にも、国際競争力を維持していくために、宇宙開発への注力が不可欠であることは論を待ちません。

奇しくも今月14日~16日には東京ビッグサイトにて宇宙航空分野の産業見本市「東京エアロスペースシンポジウム」が開催され、併設のテロ対策特殊装備展、危機管理産業展と合わせて、10万人を超える人で賑わいました。(筆者所属の企業も映画には協賛企業として、展示会には出展企業として参加)。

さて、幸福実現党大川隆法総裁は立党以前から、21世紀日本の国家目標として、宇宙開発のあるべき方向性を提示しています。(参照『愛、悟り、そして地球』)

それが表題の「月と火星に植民都市を」です。

地球の人口増加によるストレスを新しいフロンティア、すなわち他惑星への移住政策によって解消し、逆説的ではありますが、宇宙時代に向かって大きく踏み出すことで、地球という星の持つ意味や豊かさがわかるというのです。

◆宇宙エレベーターの建設を

しかし現状、「月や火星に出かける」というのは、我々一般人にとって夢のまた夢です。

理由は莫大な費用がかかるからです。この莫大な費用が人類一般の宇宙旅行や月や惑星の探査、入植地の建設を妨げる現状最大の要因となっております。

現在計画されている民間の宇宙旅行計画では、高度100kmの旅行で1200万円以上、本格的な宇宙旅行で約12億円、月旅行で120億円の費用がかかり、NASAの試算ではアポロ型宇宙船で月面着陸した場合、総計約12兆5千億円もの費用がかかるとされます。

では一体なぜ、これだけの費用がかかるのでしょうか。

現在、宇宙開発の中心は主に「ロケットの打ち上げ」です。人工衛星にしても、有人宇宙飛行にしても、地上から宇宙へ人やモノを輸送する手段は、ロケットの打ち上げに限られております。

そしてこのロケットの打ち上げのなかでも、特に地球からロケットを打ち上げて、高度3万6千kmの静止軌道上にまで物資を運ぶのに、莫大な費用がかかるのです。

逆にもし、より安価な方法で、地球から静止軌道上、及びその先まで、人やモノを輸送する手段が確立されれば、例えば月面基地の建設等も20年後と言わず、来年にでも始めることができます。

そして技術的に実現可能で、ロケットと比較して圧倒的に安価な宇宙輸送手段こそ、宇宙エレベーターなのです。宇宙エレベーターとは、高度10万kmの宇宙空間から垂れ流されたケーブルをつたい、宇宙ステーションまで物資を運ぶシステムです。

これまで宇宙エレベーターは、地球から10万kmに及ぶ機構を支える素材がなかったために夢物語でしたが、1999年頃、鋼鉄の400倍の強度を持つカーボンナノチューブが日本人により発明され、現実に実現可能なアジェンダとなりました。

宇宙エレベーターの建造総費用はたった1.2兆円です。10年間、1200億円の支出に耐えられる国や企業、個人であれば建造可能なのです。

これにより宇宙輸送や月面探査の費用は、何と98%も削減され、運搬可能な積載トン数も増加。利用可能な宇宙空間は一気に広がります。

宇宙エレベーター上に建設される宇宙ステーションは、月や惑星に向かうロケットや人工衛星の発着地となり、人工衛星の運用も格段に安くなることで、宇宙関連市場の拡大や新たな通信システムの構築が促進されるでしょう。

何より宇宙エレベーターの建設によって、人類の月や火星への移住と都市建設が初めて現実的なアジェンダとなるのです。

◆新たな宇宙時代に大きく踏み出せ

さて現在、日本の宇宙開発は、米国やロシア、中国等と比べて、遅れを取っております。

しかし、だからこそチャンスなのです。宇宙エレベーターは、これまでのロケット打ち上げ志向の宇宙開発を陳腐化させ、宇宙開発の在り方を根本から変えてしまう「破壊的技術」だからです。

NASA(米国航空宇宙局)では、10~20年先を見越した事業計画が立てられており、官僚機構であるNASAにとって、ロケット打ち上げを前提とした開発計画を破棄し、過去の慣例的な予算配分を変えるのは、とてつもない冒険です。

また宇宙エレベーターの発着地に最適な場所は、赤道付近で南半球の洋上、大陸の西側とされるため、ロシアや中国にとって有利な地域ではありません。(太平洋の東部から中部にかけての洋上が最適な候補地の一つ)。

ゆえに日本こそ、宇宙エレベーター建設に名乗りを上げるべきです。そして月と火星における植民都市の建設を21世紀の国家目標として掲げ、新たな宇宙開発の地平を切り拓いていくべきです。

宇宙には無限の夢が広がります。何よりも私たちが全く予想もしていなかった知見の発見があるはずです。幸福実現党は宇宙に夢を馳せる全ての人たちが宇宙旅行に飛び立てる時代を創造して参ります。

参考文献
『愛、悟り、そして地球』(大川隆法著)
『救国の秘策』(大川隆法著)
『宇宙旅行はエレベーターで』(ブラッドリー・C・エドワーズ、フィリップ・レーガン 共著)
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「正義の国・日本!」―満州事変から大東亜戦争まで【3】( 全3回)[HRP ニュースファイル1489]

2015-10-22 | ニュースに出ないニュース
「正義の国・日本!」―満州事変から大東亜戦争まで【3】(全3回)[HRPニュースファイル1489]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2453/

文/幸福実現党・茨城県副代表 中村幸樹

◆大東亜戦争の原因(1)――「人種差別による日本人排斥」

1919年、日本はパリ会議で、国際連盟規約への「人種差別撤廃条項」を提案し、賛成多数になるも、議長のアメリカ大統領ウィルソンは否決しました。

以後、アメリカの排日運動は勢いづき、1924年5月には、「絶対的排日移民法」が成立しました。

これで、親米的だった大部分の日本人が反米に変わり、日本政府のアメリカ協調外交も難しくなっていきました。

昭和天皇は、戦後「この大戦の遠因はアメリカ移民の問題であり、近因は石油が禁輸されたことである」との主旨を言われましたが、正鵠を得ていたと思います。

そして、正義は、「人種差別撤廃」「植民地解放」を目指した日本にあったからこそ、戦後のアジア・アフリカ諸国は、独立していったのです。

◆大東亜戦争の原因(2)――「共産主義の工作」

1930年代のアメリカ政府には、共産主義のスパイが何百人も入り込んでおり、「ハル・ノート」を作成した財務次官補ハリー・ホワイトもソ連のスパイでした。

戦後の朝鮮戦争、ソ連との冷戦、ベトナム戦争、中共の台頭を見れば、共産主義を悪と見て、防共に努めた日本に、正義があったと言えます。

◆大東亜戦争の原因(3)――「ホーリイ・スムート法に始まったブロック経済」

1929年、アメリカ下院議会に上程されたホーリイ・スムート法が、世界恐慌の決定打となりました。約1000品目の巨大な関税障壁により、一年後には、世界の貿易量が半分になりました。

1933年のオタワ会議で、イギリスもブロック経済に入りました。

アウタルキー(自国で出る原料・資源で経済的なことが完結できる政府)ができるアメリカ、イギリス、フランス、オランダ、ソ連は良くても、アウタルキーができない日本、ドイツ、イタリアには、致命的な問題でした。

戦後、ブレトン・ウッズ体制をとって自由貿易を推進したのは、ブロック経済、保護主義が、先の大戦の遠因だとわかったからです。

◆大東亜戦争の原因(4)――「石油禁輸とABCD包囲網」

アメリカ、イギリス、シナ、オランダを抱き込んだABCD包囲網で、日本は資産を凍結され、石油や鉄など様々な原材料を輸入できなくなりましたが、致命的なのは石油禁輸でした。

大東亜戦争が自衛戦争であったことは、アメリカ上院軍事外交合同委員会におけるマッカーサーの証言でもわかります。

「日本は絹産業以外には、固有の産物はほとんど何もないのです。彼らは綿がない、羊毛がない、石油の産出がない、錫がない、ゴムがない、その他実に多くの原料が欠如…これらの原料の供給を断ち切られたら、一千万から一千二百万の失業者が発生するであろうことを彼らは恐れていました。従って、彼らが戦争に飛び込んでいった動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです。」(マッカーサー証言 抜粋)

大東亜戦争の原因として、日本からアメリカに仕掛けたことは何もありませんでしたが、ルーズベルトは、ドイツと戦うためにも、何がどうあろうと、日本を戦争に追い込むつもりでした。

1941年2月には、日本と戦って屈服させた後の処理を研究する「特別研究部(SR)」を発足させ、7月18日には、150機のB17爆撃機と、250機の戦闘機で東京、横浜、大阪、京都、神戸への爆撃作戦「JB-355」も承認していました。
(戦線が急迫したイギリスに爆撃機を回して実施はされず。)

◆大東亜戦争は、「自衛権の行使」「植民地解放」「人種差別撤廃」の聖戦

大東亜戦争は、人種差別による日本人排斥、共産主義の工作、ブロック経済とABCD包囲網の経済封鎖で追い込まれ、特に石油禁輸が決定打となった「自衛戦争」でした。

日本は、戦わざるを得なくなった以上、正義を貫くべく、全占領地域で現地政府を樹立し、自主独立への教育訓練、人種差別撤廃を推進しました。

大東亜戦争は、「欧米列強から、アジアの植民地を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くとともに、わが国の正当な自衛権の行使としてなされたもの」「アジアの同胞を解放するための聖戦として、日本の神々の熱き思いの一部を実現せしもの」(『大川談話』)だったのです。

大川談話―私案―
http://special.hr-party.jp/policy2013/okawa-danwa/

「大東亜戦争は神の意を受けた聖戦であり、激戦の地で戦死した先人たちは英雄である。」(真の平和に向けて あとがき)と断言し、筆を終えます。

『真の平和に向けて』大川隆法著/幸福の科学出版
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1464
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「正義の国・日本!」―満州事変から大東亜戦争まで【2】( 全3回)[HRP ニュースファイル1488]

2015-10-22 | ニュースに出ないニュース
「正義の国・日本!」―満州事変から大東亜戦争まで【2】(全3回)[HRPニュースファイル1488]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2451/

文/幸福実現党・茨城県副代表 中村幸樹

◆日中戦争の経緯(4)――[南京攻略]

日本は、首都をおさえれば蒋介石も講和に応じるだろうと考え、南京攻略を決断しました。

日本軍は、世界一の規律を守る人道的な軍隊でしたが、南京攻略戦でも、松井石根大将は、後世の模範となる行動をするべく全軍に訓令を出し、軍規を徹底して、終始、立派な指揮をしました。

日本は、住民に被害が出ないように、国民政府軍にオープン・シティ勧告を出しましたが、蒋介石は、勧告を受け入れず、市民を置き去りにして脱出してしまいました。

ドイツ軍に対するパリの如く、オープン・シティにすれば被害が出ないのに、しなかった責任は蒋介石にあります。

日本軍は、慎重に、攻略前にも投降勧告を出し、拒否を確認してから、1937年12月10日、攻撃を開始しました。蒋介石に任された唐生智(トウセイチ)将軍も途中脱出してしまい、日本軍は13日には城内に入り、17日には正式に入城式が行われました。

市民の多くは日本軍が来る前に南京城内から逃げ、逃げ切れなかった市民が第三国がつくった「安全区」に避難しました。日本軍占領後は「南京は安全だ」と分かり市民が戻り始めると、約1か月後には、人口は25万~30万に増えています。

「南京大虐殺」という言いがかりは、中国共産党の覇権に悪用され、日本の自虐史観の原因にもなっていますが、東京裁判で、突如として捏造されたものです。東京大空襲や原爆投下の正当化のためにも、日本の戦争犯罪をでっち上げる必要があったからです。

日本人による虐殺など存在しなかったがゆえに、戦後になるまで噂さえ立たず、蒋介石も米英仏も、当時抗議したことがなく、多数駐在していた欧米マスコミからも指摘されず、東京裁判では実証できず、戦後出てきた「証拠写真」なるものは、すべてインチキと判明しているのです。

ハーグ陸戦規定により、便衣隊(ゲリラ)は、掃討し、処刑するのが国際常識ですが、これは虐殺とは呼びません。

◆日中戦争の経緯(5)――「欧米諸国の蒋介石支援」

日本は、上海、南京、広東、北京、天津、保定、武漢三鎮(漢口、漢陽、武昌)などの主要都市を皆占領しましたが、蒋介石は重慶の山の中に逃げていました。

米英ロシアが、資金、物資、兵器等を、蒋介石を支援し続けなければ、南京政府を作った汪兆銘と蒋介石を話し合わせ、日本軍が願い続けていた支那からの撤退が可能となったはずです。

ルーズベルトは、米退役将校シェンノート(中華民国空軍航空参謀長)の航空隊「フライング・タイガース」に、アメリカ人飛行士100人と飛行機500機の派兵までしました。日米開戦前の軍事的関与であり、重大な国際法違反です。

◆日中戦争(支那事変)は、日本の侵略戦争ではない



日中戦争は、すべて受け身で、支那側からの攻撃に対処していったものでした。

開戦責任は支那側にあり、日本陸軍は、引きずり込まれながら、一貫して終結を願い続けましたが、共産主義のスパイ活動、米英の蒋介石支援により、抜け出せなかったというのが真相です。

もし、支那事変が侵略なら、例えば、韓国軍が、突如、アメリカ民間人を大量虐殺し、在韓米軍を攻撃してきたため、米軍が救出に向かったら、アメリカは韓国を侵略したということになります。

そして、米軍が韓国に平和と秩序と繁栄を取り戻し、新たな韓国人リーダーを擁立して撤退しようとしても、もとの韓国軍が北朝鮮の山奥に立てこもり、中国やロシアが兵器や物資、資金を供給し続けるために、撤退できずにいたら、アメリカは韓国を侵略し続けている、ということになります。

つまり、支那事変が日本の侵略戦争なら、朝鮮戦争もベトナム戦争も、アメリカの侵略戦争ということになりますし、世界のほとんどの紛争を侵略戦争と呼ぶことになります。

ですから、支那事変を日本の侵略戦争とするのは不当であると結論づけられます。
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