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COP21:日本はしたたかに国際交渉をリードせよ!【前編】[HRP ニュースファイル1496]

2015-10-31 | ニュースに出ないニュース
COP21:日本はしたたかに国際交渉をリードせよ!【前編】[HRPニュースファイル1496]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2472/

幸福実現党神奈川県本部副代表/HS政経塾第4期生 壹岐愛子

◆国益を賭けた地球温暖化の国際交渉

今年の11月末からフランス・パリで開催されるCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)において、全ての国が参加する2020年以降の新たな温室効果ガス削減の国際枠組みを合意すること(パリ合意)を目指しています。

これに先立ち、新たな枠組みの前提となる各国の削減目標である「約束草案」の提出が求められており、127の国と地域が約束草案を国連に提出済みです(10/27現在)。

日本は、2030年度における温室効果ガス排出量を2013年度比26.0%削減する約束草案を、今年7月に提出しました。

10月下旬にはドイツ・ボンでCOP21に向けた最後の準備会合が開催され、パリ合意文書の草案作成に関する厳しい交渉が行われました。

各国には、シェールガス革命を背景に温暖化対策の実績をオバマ大統領のレガシー(遺産)として残したい米国、これまでの温暖化交渉や排出権市場をリードしてきたEU、今後の経済成長を阻害する削減義務化を極力排除したい中国やインド、温暖化は先進国の責任であるとして莫大な資金援助を求める途上国など、利害の対立するさまざまな主張があり、COP21で法的拘束力(削減義務)のある枠組みを合意することは不可能な見通しです(10/24日経)。

◆京都議定書は日本外交の敗北

これに対して、1997年のCOP3(京都)で採択された京都議定書は法的拘束力のある枠組みであり、締約国を先進国(附属書I国)と発展途上国(非附属書IF国)とに分け、先進国のみが条約上の削減義務を課されていました。

先進国には基準年(1990年)比削減率に基づいた2008~2012年(第1約束期間)の「排出枠」が割り当てられ、この排出枠の不足分・余剰分を先進国間で取引すること(国際排出量取引)や、途上国の削減量を先進国が排出権として購入し先進国の削減量に充当すること(クリーン開発メカニズム)が認められていました。

しかし、京都議定書には重大な欠陥がありました。クリントン民主党政権のゴア副大統領の強い意向で採択に賛成した米国は、ジョージ・W・ブッシュ共和党政権に交代して京都議定書から離脱。

目標達成が困難なオーストラリアとカナダは目標達成を事実上断念。爆発的な経済成長により世界最大の排出国となった中国には削減義務がなく、同様に途上国に分類されるインドやブラジルも、排出量が大幅に増えても削減義務がありません。その結果、京都議定書で削減義務を負った国の排出量は、2010年には世界の排出量のわずか25%にとどまり、京都議定書を遵守しても世界の削減にはほとんど役立たない状況となりました。

また、基準年を欧州やロシアに有利な1990年に設定したことによって、削減義務を負う先進国の中でも著しい不平等がありました。

EUは1990年比8%の削減義務を課されましたが、1990年以降、EU域内の東欧諸国は社会主義の崩壊によって経済が低迷し、その後は非効率な設備が更新されたことによって大幅に排出量が減ったため、大量の余剰排出枠を抱え、EU全体としては容易に達成できることがわかっていました。

ロシア(1990年比0%の削減義務)、ウクライナ(同0%)等の東欧諸国も、社会主義の崩壊によって大幅に排出量が減ったため、大量の余剰排出枠が発生しています。

一方、日本は京都議定書で1990年比6%の削減義務を負いましたが、日本では1970年代の石油危機以降に省エネ対策が徹底しており、1990年時点では既に世界最高水準のエネルギー効率を達成していたため、日本が経済成長を続けながら第1約束期間に6%のCO2削減を行うことは非常に困難でした。

こうした各国の状況は1997年の京都議定書採択時点でわかっていたことであり、削減義務の達成のため排出権を購入しなければならない日本から、大量の余剰排出枠を抱える東欧諸国や削減義務を負わない中国等の途上国へ、資金が提供されることが狙いだったとも言われています。

日本は「ハメられた」ことになりますが、「京都」の名を冠した議定書であり、外交上の理由で厳しい条件を呑まざるを得ませんでした。

その結果、日本は第1約束期間に東欧や中国から排出権という「紙屑」を大量に購入し、数千億円の国富の流出をもたらしました。

約1億トンの排出権を政府が税金で、約2.7億トンの排出権を電力会社が電気料金で購入し、2008年のリーマンショックに端を発した世界金融危機による景気低迷も手伝って、日本は何とか削減義務を達成することができました。

しかし、日本の排出量は世界の僅か4%にも満たず、全くナンセンスな行為であったことを忘れてはなりません。

◆約束草案を「削減義務」にするな

京都議定書の反省を踏まえ、日本は2020年以降の新たな枠組みの国際交渉において、「全ての国が参加する公平かつ実効性のある枠組みであること」を繰り返し主張してきました。

また、日本は、EUが主張する、各国に削減義務を割り当てるトップダウン型ではなく、各国が自主的な削減目標を提出して相互に実績を検証する、ボトムアップ型の「プレッジ・アンド・レビュー方式」を主張しており、パリ合意の大きな方向性は日本の主張に沿ったものとなることが見込まれており、前述のとおり、法的拘束力のない枠組みになる見通しです。

しかし、こうした事実に反して、日本が国連に提出した約束草案(2030年度における温室効果ガス排出量を2013年度比26.0%削減)が、あたかも京都議定書のような条約上の日本の削減義務であるかのような誤解や曲解、そして欺瞞が一部で起きています。

左翼系のメディアや政党、環境系の有識者、環境NGO、環境省の一部等が、約束草案が国家の必達目標であるような誤った解釈に基づいて、約束草案を達成するための規制強化、課税強化、経済統制的な制度の導入を正当化するような主張をしています。

◆地球温暖化問題は「武器なき経済戦争」であることを心得よ

今年のCOP21に対する国内外の関心は非常に高く、日本は丸川珠代環境大臣のほか、安倍晋三首相の出席も検討されています(10/22日経)。

温暖化に関する国際会議はしばしば環境派の政治家のパフォーマンスの場として利用され、これまでにも米国のゴア元副大統領、オバマ大統領、日本では鳩山元首相等が演説を行い、環境NGOや環境行政に携わる人々の喝采を浴びてきました。

しかし、各国とも自国の国益や産業の利益を最優先に、「地球を守るため」という錦の御旗を掲げて戦う「武器なき経済戦争」の面があることも事実であり、鳩山氏のように「地球を守るため」に自国の国益を失うスピーチを行うことは、通常はあり得ません。

日本からCOP21に出席する安倍首相や丸川大臣は、決して一時的な人気取りに走ることなく、長期的な日本の国益を見据えて、経済統制ではなく自由な経済発展の価値観を共有する諸国の利益のために、地球温暖化問題の本質をよく理解した発言をしていただきたいと思います。

(つづく)
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豊かで神の恵みを受けた日本としての義務を考える[HRP ニュースファイル1495]

2015-10-29 | ニュースに出ないニュース
豊かで神の恵みを受けた日本としての義務を考える[HRPニュースファイル1495]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2468/

幸福実現党・兵庫県本部副代表 みなと 侑子

◆米軍重い腰を上げ、南シナ海にて行動

南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島に中国が建設する人工島の12海里(22キロ)内で、アメリカのイージス艦が「航行の自由の確認行動」をとったニュースが新聞の一面をにぎわしました。
 
島の周りの12海里はその島を所有する国の領海と認められていますが、「海洋法に関する国際連合条約」(UNCLOS)の第60条では、人工島はこれにあたらないとされています。

今回のイージス艦の自由航行は、「人工島を建設しても、その周囲は中国の領海と認められない」ことを示すためのものであったと言えます。

先日のアメリカ訪問でボーイング機などの爆買いを行い、中国の経済力と友好性をアピールした習近平主席でしたが、顔に泥を塗られた形となってしまいました。

◆南シナ海における中国の蛮行

これまで中国は、南シナ海に於いて傍若無人な行動をとり続けていました。

中国人民兵を岩礁に住ませながら、埋め立てによって人工島を建設し、自分たちの領土としてきました。

南沙諸島や西沙諸島を含む地域を三沙市と勝手に制定し、自らの理論に基づき南シナ海に「中国の赤い舌」と呼ばれる九段線を引き、豊富な漁場・石油や天然ガスなどの資源をむさぼってきたのです。

このような行動をとり続けることができた理由は、中国を止める国がなかったことにあります。

フィリピン・ベトナム・マレーシア・インドネシア・ブルネイなどは中国と領有権問題を抱えていますが、軍事力の差が圧倒的であり、一国で対応することは不可能です。

海上戦力を比較しますと、中国が892艦船持っているのに対し、ベトナムは94、フィリピンは80です。トン数は、中国が142万トンであるのに対し、ベトナムは3.7万トン、フィリピンは4.7万トンで足元にも及びません。

航空戦力においてはさらにこの差は広がります。

今回のアメリカの行動は大変遅いものでありましたが、中国とは圧倒的な戦力差でありながら領土を護るために奮闘してきた国々にとっては心強いニュースであります。

◆私たちには南シナ海の航海の自由を護る義務がある

しかし、南シナ海が中国に浸食されて本当に困るのはアメリカではなく、先述した国々であり私たち日本です。日本は輸出入のほぼすべてを南シナ海経由で行っています。

南シナ海のほぼすべてが中国のものとなってしまえば、航行の自由が奪われ、食料や燃料などの命に直結するものが入ってこなくなる危険性が十分に考えられるのです。

リスク分散として、他の経路の配分を増やしつつも、やはり南シナ海の航行の自由を守るための努力は欠かせません。

具体的には、海上自衛隊の艦船が米艦と「共同演習」として南シナ海を遊弋したり、P3C哨戒機などが空から監視活動したりする平時のパトロールが求められます。

今回の安保法案の改正により、自衛隊が米軍と共に行動し米軍が攻撃を受けた際には、米軍を守るための行動をとることができるようになりました。

また、南シナ海で米中の武力衝突が発生した際には、いくつかの条件付きではありますが米軍への後方支援が可能となります。

日本は東シナ海を護るので手一杯だという説もあるようですが、どうすれば南シナ海も護れるようになるのかを考え、手を打つべき時期が既にもう来ているのです。

9月29日付のWSJ(ウォールストリートジャーナル)では、「世界秩序を守る日本の責任」と題して、“豊かで神の恵みを受けた国としての義務は何か”を日本は問うべきである、との論説が載っていました。

今回の件で、一時的に左翼勢力が盛り上がりを見せたようになりましたが、一国平和主義思想は世界の潮流から完全に外れています。

世界秩序を護るという意思を明確に発信しながら、実績を確実に積み重ねていくことが求められています。
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増税はあり得ない[HRP ニュースファイル1494]

2015-10-28 | ニュースに出ないニュース
増税はあり得ない[HRPニュースファイル1494]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2466/

文/幸福実現党・岡山県参議院選挙区支部長 たなべ雄治

◆増税は既定路線?

軽減税率についての報道が増えてきました。

軽減税率とは、生活必需品に限定して税率を下げるというものですが、2017年4月に消費税を10%に増税することを前提にしています。

8%に消費税を増税してからというもの、景気は陰りを見せています。このまま増税してしまってよいのでしょうか。

◆儲けを生み出すのは誰か

税金とは、公共サービスのために徴収するべきものです。公共サービスとは、儲からないので民間企業ではやれないサービスのことです。

例えば、国防や警察、裁判などが挙げられます。これらは政府や地方自治体といった公的機関が行うべきです。逆に、儲かるサービスは、政府がやらずに民間企業に任せるべきです。

儲かるサービスを民間に任せるべき理由には、いくつかあります。理由の一つは、民間では身分が保障されていないことです。

例えば経営者であれば、その判断には人生をかけるリスクが伴います。失敗したら、自分や従業員の家族まで路頭に迷わせる可能性すらあります。

だから、知恵を絞ってより良い判断をしようとします。公務員のように身分が保証されていると、どうしても甘くなってしまう部分です。

もう一つの理由は、中央の政府からは、末端の市場が見えないことです。これはロシアなど社会主義の計画経済が破綻した原因でもあります。

市場の意思決定は市場に任せた方が良いのです。このように、役割分担ははっきりしています。

儲かる分野は、民間企業が担うべきです。儲けを生み出せない分野が、政府の役目です。

◆儲けとは

儲けとは何でしょうか。

「もしドラ」で有名になったピーター・F・ドラッカーが端的に述べています。彼は、「利益を企業の目的とするな」と言っています。

「一見はてな」とは思うのですが、続けて「社会貢献を目的とせよ」と言っています。つまり、利益とは社会貢献に対する通信簿だというのです。

儲けとは、製品やサービスを通じた社会貢献の結果なのです。民間ができるだけ自由に商売できるようにすると、その社会貢献を最大化できるのです。

◆国家を会社に例えると・・・

ところで、会社には直接部門と間接部門があります。直接部門とは、研究開発、製造、営業など、直接もうける部門です。

間接部門とは、経理、人事、総務など、直接部門を支援して効率的に仕事が進むようサポートする部門です。

ここで、国家を会社に例えてみるとどうなるでしょうか。直接部門に相当するのが儲けを生み出せる民間であり、間接部門に相当するのが政府となります。

会社が経営危機の時には、間接部門を縮小して、直接部門に資源を集中させるのがセオリーです。これを国家で考えるとどうなるでしょうか。

今は不景気で、しかも財政難であり、国家としては経営危機にあります。国家としても、直接部門に資源を集中させなければならない時です。

民間ができるだけ儲けられるようにすることが、国家が危機を脱する道です。しかるに増税とは、民間からお金を吸い上げて、政府に割り振る行為です。

これは、直接部門の予算を縮小して、間接部門に割り振ることを意味します。不景気の時にはやってはいけないことです。

◆打つ手はあるのか

とはいえ、社会保障の財源が必要ですし、政府は財政難でもあります。これらが増税の理由にもなっています。

しかし、待ってください。

増税して景気が良くなった例は、歴史上ありません。増税すると必ず景気は悪くなります。景気が悪くなると、税収は減ります。

税収が減ってしまったら、社会保障の確保も財政再建も、遠のくばかりです。財源が足りないならば、こういう時のために国債があるのです。

日本の国債はまだまだ安泰です。国債残高を恐れるあまり増税したのでは、景気が悪くなり税収も下がるというジリ貧の状況を免れません。

まずは減税をはじめとする景気回復策が必要です。景気が回復したら、税収も増えて、社会保障も財政再建も見えてくるのです。

今やるべきことは、直接部門である民間を活性化させて、国家としての儲けの総量を増やすことです。そのためには、減税によって民間に資源を集中することです。
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1985年、トルコ政府がイラン駐在の日本人を救った理由[HRP ニュースファイル1493]

2015-10-25 | ニュースに出ないニュース
1985年、トルコ政府がイラン駐在の日本人を救った理由[HRPニュースファイル1493]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2463/

※「トルコを熱烈な親日国に変えた「海難事故」について」の続編をお送りいたします。

文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人

◆イラク・フセイン大統領が突然、「48時間後に撃墜宣言」!

前回は1890年、紀伊半島沖で発生したトルコ船の海難事故、そしてその救助に当たった日本人の対応に、多くのトルコ国民が感動をしたエピソードをお伝えしました。

今回は、映画「海難1890」に関して、事故からおよそ100年後、1985年(昭和60年)に中東テヘランで実際に起きた出来事についてお伝えいたします。

1985年当時、中東ではイラン・イラク間の戦争が長期化していました。当時、石油ビジネス関連の商社マンを中心に約二百数十名人がイランの首都テヘランに居住していたと言われています。

さて、イラクのフセイン大統領は、戦争の膠着状態を打破する事を意図したのか、1985年(昭和60年)3月17日、突然、以下のような宣言を公表しました。「今から48時間を過ぎれば、イラン上空を通過する全ての航空機を無差別に攻撃する。」

日本人を含め、テヘラン駐在の外国人にとって、この「宣言」は寝耳に水でした。諸国の駐在員は、制限の期日までに帰国の途に就こうとします。

しかし、当時、日本・イラン間の航空便が就航していない日本人には、帰国の手段がありません。駐イラン大使は日本政府に対して緊急に、飛行機の手配を依頼しました。

◆日本政府が日本人を救出できなかった理由

依頼を受けた日本政府(当時は中曽根首相・安倍外務大臣)は、まず自衛隊機の派遣を検討しましたが、自衛隊法の制約で海外に飛ぶことが不可能ということが分かりました。

[その後、自衛隊法は改正され、現在では同様の事態が発生した時には、自衛隊機による救助は可能]

そこで、直ちに日本航空に臨時便を要望しました。

イラン行きを志願するパイロットも出て、順調に出発する準備が進められたのですが、なんと、当時の労働組合が「乗務員の安全が確保されない状態では出発できない」という理由で、出発を拒否したのです。

戦争の中、しかも48時間後には撃墜される可能性がある危険な空域を飛ぶことには、大きなリスクがあります。

組合としての判断は「安全第一」というものでしたが、これも戦後一貫して「平和憲法」を奉じてきたために、リスクを冒すという発想がなかったのかもしれません。同じ日本人として、実に残念な判断でした。

◆頼みの綱、トルコの判断は?

イランに駐在する日本人達が脱出する手段は、他の国の力を借りるしか手段が残されませんでした。

それも極めて望みの薄いもので、時間がどんどん経過していく中、日本人たちの絶望がいかに大きなものであったのかが推測されます。

まず、欧米諸国の航空機会社に依頼して、一人でも多くのチケットの確保を目指しますが、相手は欧州人優先の判断で、ごくわずかに入手できたにすぎませんでした。

そこで、当時の野村豊駐イラン大使は、最後の頼みとして、トルコのビルレル大使を訪れ、トルコ政府に緊急便の依頼をしました。当時イランには、600人あまりのトルコ人がおり、とても日本の支援ができる状態ではなかったので、もともと諦めていたのです。

一方、トルコ政府に対しても、「商社」のルートを通じて、当時のオザル首相にも同様の依頼を行いました。日本人にとっては、ほとんど可能性のない希望でした。

しかし、トルコ側は、日本人が直面した事態の深刻さを理解し、直ちに臨時便の手配を承諾したのです。

その時にトルコのビルセル大使が日本を助ける理由として語った事が、「これは、エルトゥールル号の恩返しなのです」というものでした。

トルコでは「エルトゥールル号の海難事故」については、教科書にも掲載されるなど、100年前に日本人が心を尽くしてトルコ人を救助した逸話を忘れていなかったのです。

そして、先人たちが日本から受けた恩を返す機会だと、快く救助の手を差し伸べてくれたのです。

このように、トルコ政府の決断によって、「緊急の」旅客機1機が出発しましたが、1機だけでは、すべての日本人を救助することができないことが分かりました。

そこで、トルコ側は、もう一機の「定期便」も、日本人のために使ってもらう事を提案しました。

当時、イランに駐在していたトルコ人は、自らが乗り込む予定だった飛行機を諦め、自動車に分乗して、母国トルコに向かったのです。

かれらもこの決定について、「100年前の恩を返そう!」と一致し、ほとんど異論は出なかったと言われています。

このトルコによる救助によって、制限時間以内に、帰国を希望する全ての日本人が無事に日本に帰ることができました。

国際政治の判断には、国益と国益とのぶつかり合いの中で、冷徹な判断が求められるものですが、今回のエピソードのように魂と魂がふれ合う温かみがあることも分かりました。

そうした意味で、日本人として、先人たちの偉業を再認識し、日本人としての誇りを取り戻す一方、日本人を誇りに思っている国もあることを忘れない事も大切だと感じました。
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トルコを熱烈な親日国に変えた「海難事故」について【前編】[HRP ニュースファイル1492]

2015-10-25 | ニュースに出ないニュース
トルコを熱烈な親日国に変えた「海難事故」について【前編】[HRPニュースファイル1492]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2461/

文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人

◆映画「UFO学園の秘密」大絶賛公開中!

現在、全国で、映画「UFO学園の秘密」(幸福の科学出版作品)が公開されています。

宇宙との交流を取り上げている映画は今までにも数多く公開されていましたが、この映画では、宇宙人がさまざまなキャラクターを持っているという事実など、今までにない切り口で宇宙時代の到来を描いたお勧めの映画です。

米国でも同時公開され、「アカデミー賞」を取れるのではないか!と、ネットでも大きな反響をよんでいます。

まだ、ご覧になっていない方は、下記のアドレスからお近くの上映館を検索することができますので、ぜひご覧ください。

http://www.eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=384

◆12月には「海難1890」(原題「エルトゥールル」)が公開!

さて、引き続き12月には映画「海難1890」が公開されます。これは、今から125年前に実際に起きた海難事故と、その後の感動的なエピソードを描いたものです。

125年前の明治23(1890)年、トルコから一隻の軍艦が日本を表敬訪問しました。「エルトゥールル号」と言います。

この年の6月23日に東京で、明治天皇に対しトルコ皇帝からの親書を渡し、その後約3か月にわたり、日本各地で大歓迎を受け、トルコへ帰国することになりました。

ところが、その途上の9月16日、折からの台風が直撃し、エルトゥールル号は、紀伊半島沖の岩礁に激突、その結果、機関が爆発し、沈没するという悲劇に見舞われました。

この爆発にともない、司令官オスマン・パシャをはじめとする乗務員600人が海に投げ出され、多くの乗務員はこの海難で命を落とします。

悲劇的な事故の中、数少ない生存者たちは力を振り絞って、紀伊半島の最南端、大島村(現在は串本町に合併)潮岬付近の沿岸にたどり着きました。

◆底抜けに善良な日本人にトルコ人が感動

この遭難したトルコ人の第一発見者は、樫野崎灯台の灯台守と言われ、直ちに、地元大島村の区長をはじめとする村民に伝えられます。

トルコ軍艦による明治天皇への表敬は、すでに日本人に知られていたので、事態の重さを感じた大島村民たちは、不眠不休の救助作業を行います。

特に、漂着した潮岬付近は断崖絶壁で、健康な人間でも上るのが困難な場所で台風の中、村民たちは、遭難者を一人ひとり縄でくくりつけ、崖の上に引っ張ったと言われています。

そうして助けたトルコの乗務員は69名。元々、食糧の蓄えが多いわけではありませんでしたが、村民は、浴衣などの衣類、卵、非常用の鶏も供出され、最大限の救護を行いました。

同時にこの大惨事は、明治天皇にも知らされ、天皇は政府に対し、可能な限りの支援を行うように指示がなされました。

各新聞もこの悲劇を報じたことで、日本全国から自発的に義捐金・弔慰金も寄せられました。

生存者の体力が回復した頃を見計らって、日本政府は海軍の最新鋭艦「比叡」と「金剛」の2隻に生存者を乗せ、トルコのイスタンブールまで送り届けることを計画、実行しました。

2隻になったのは、万一、片方の軍艦が沈没しても対応可能なように、との明治天皇の配慮と言われています。

なお、この中には、後の日露戦争、日本海海戦でロシアバルチック艦隊を相手に大勝利を挙げた秋山真之参謀も少尉候補生として乗り込んでいました。

この航海は、トルコの首都イスタンブールを目指しました。

順調に進み、とうとう、地中海からダーダネルス海峡、ボスボラス海峡を経て、トルコ領海に入るところまで来たのですが、大きな問題が発生しました。

ロンドン条約によって、上記の2つの海峡は「外国船」の通過が認められなかったのです。

実は、ここでいう「外国船」とはロシア船を想定しており、ロシアの南下政策への歯止めとなっていたのですが、日本にもこの条約が適用され、残念ながら、日本はトルコ領海に入る一歩手前のエーゲ海で、生存者を引き渡さなければならなくなったのです。

ところが、迎える側のトルコ国民にも「比叡」「金剛」の航海について広く知られており「日本人を首都まで迎えたい!」という要望が強くなりました。

そして、とうとうトルコ皇帝アブディルハミド2世は特例を認め、2隻がイスタンブールまで来る事を認めました。

1891年1月にトルコに到着し、生存者を送り届けた日本海軍の軍人たちは連日、熱烈な歓迎を受け、約1ヵ月滞在ののち、日本に帰りました。

◆トルコが親日であった理由

トルコは、日本が「明治維新」という世界史的な奇跡、近代化を成功させたことと、同じ「ロシア」という巨大な敵国に直面していることで、親近感を持っていた中、このような日本人と明治天皇の善意に触れ、さらに好意をもったようです。

このエルトゥールル号の遭難事故について、日本人で知っている方は少なく、中学校の歴史教科書では扶桑社が掲載しているにすぎません。

しかし、トルコでは長年にわたって多くの国民に知られており、日本の外務省の調査によると、約3割のトルコ国民がこの事件を「知っている」と回答しました。

映画「海難1890年」では、日本とトルコ両国で育まれた友好関係について、1895年(昭和60年)イラン・イラク戦争の中で、突如発生した日本人の危機をトルコ政府が救う感動的な実話に基づいて物語がつづきます。

(つづく)
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マイナンバーの「のぞき」政策化に歯止めを[HRP ニュースファイル1491]

2015-10-25 | ニュースに出ないニュース
マイナンバーの「のぞき」政策化に歯止めを[HRPニュースファイル1491]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2459/

文/幸福実現党・青年局部長 兼 HS政経塾部長 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ

◆分かりにくいマイナンバー制度の現状

マイナンバー通知カードが11月末までに、不在宅を除いて全世帯に送付される段取りで動いており、私たちの身近なものとなりつつあります。

マイナンバーを取り上げる番組も増えている一方で、「結局、何が決まっていて、何が決まっていないのか」がさっぱり分からないという声も多いのではないでしょうか。

◆今、決まっていること

まず、現状を整理します。

来年2016年1月からは、税金関係と雇用保険関係の処理にしかマイナンバーは利用されません。

社会保障の分野で使用されるのは、2017年からとなります。徐々にスタートしながら、情報連携の環境を整えていくスケジュールです。

◆まだ、決まっていないこと

口座情報がいつでも監視されかねない「銀行口座とのマイナンバーのひも付き化」、「医療分野での利用」については、あくまで検討している段階で、まだ決まっていません。

マイナンバーの便利さのみを強調して、「まだ決まっていないこと」を、あたかも既定路線のように説明する報道がありますが、これには注意が必要です。マイナンバーの使用範囲拡大を、知らないうちに進めてしまうことになるからです。

◆マイナンバーの利用範囲拡大が怖い理由

マイナンバー制度の懸念点は、利用が公的分野に限られる既存の「住基カード」と異なり、金融機関など民間にも拡大する可能性があることです。

要するに、私たちの生活を、国が「のぞける」状態になることです。

「のぞいて」、それから国民生活に「規制」を課すことができるようになります。また、いくら罰則を強めても個人情報は流出したらもう元には戻せません。

脱税を防止するという意味でマイナンバー制度を進めるべきという意見もありますが、国民を信頼しない発想の先にあるのは、コストばかりかかる窮屈な監視社会です。

ちなみに中国では、拡大する軍拡による国防費よりも、治安対策などに充てる公共安全費のほうが上回っています(2013年公表情報。2014年以降は公共安全費の予算総額は未公表)。

◆一体、誰が得するのか?

マイナンバー制度の導入で行政効率化を目指すのであれば、例えば、その分、人件費等の行政コスト削減目標も合わせて国民に説明するべきだと思います。

最近でも、公募したマイナンバー関連事業の受注に、便宜を図る見返りに現金を受け取ったとして、収賄容疑で厚生労働省の職員が逮捕されるという事件が起きています。

税金を使って、どのような恩恵を国民は受けられるのかも不透明です。

◆もっと前向きな投資を

8パーセントへの消費税増税以降、明らかに景気が腰折れしている中、TPP交渉の大筋合意した内容も明らかになり、日本経済の活性化に期待がかかります。

ただ、日本経済全体から見れば、輸出入の依存度はそれぞれ1割程度で、日本経済全体を元気にするためには、より抜本的な国内経済へのテコ入れが不可欠です。

そもそも論になりますが、行政効率が上がっても国民の個人情報漏えいリスクが上がる事業に数千億円かけるよりも、富を産む方向で民間投資の呼び水となる産業への投資を考える方が、国民への恩恵は大きいのではないでしょうか。

◆「のぞき」政策化を止めるためにできること

マイナンバー制度には「これから決めること」が多いため、私たちにできることがまだ残されています。

まずは、「マイナンバーの民間利用拡大の呼びかけを控えるよう行政側(政府)に求める」ことです。

行政側の呼びかけに応じて、サービスをマイナンバーと絡めて行う民間会社も増えるので、そうした呼びかけをしないように求めること。

そして、「口座情報とマイナンバーのひも付き化の義務化」等に必要な法改正をストップする機運を高め、法改正できない状況を創ることです。

国民を疑う監視社会ではなく、国民を信頼する自由で活力ある日本とするためにも、マイナンバーの「のぞき」政策化には歯止めをかけるべきです。
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月と火星に植民都市を!――「宇宙エレベーター」が可能にする人類の夢[HRP ニュースファイル1490]

2015-10-22 | ニュースに出ないニュース
月と火星に植民都市を!――「宇宙エレベーター」が可能にする人類の夢[HRPニュースファイル1490]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2455/

文/HS政経塾2期卒塾生 幸福実現党・埼玉県本部幹事長代理 川辺賢一

◆映画「UFO学園の秘密」上映

今月10日より、幸福実現党大川隆法総裁、製作総指揮の映画「UFO学園の秘密」が全国の劇場にて上映開始いたしました。

映画では高校生の主人公たちが宇宙人やUFOに遭遇し、様々な惑星を旅する様子が描かれております。

宇宙人やUFOを否定する人もいるかもしれません。しかし、今後、日本が経済的にも政治的にも、国際競争力を維持していくために、宇宙開発への注力が不可欠であることは論を待ちません。

奇しくも今月14日~16日には東京ビッグサイトにて宇宙航空分野の産業見本市「東京エアロスペースシンポジウム」が開催され、併設のテロ対策特殊装備展、危機管理産業展と合わせて、10万人を超える人で賑わいました。(筆者所属の企業も映画には協賛企業として、展示会には出展企業として参加)。

さて、幸福実現党大川隆法総裁は立党以前から、21世紀日本の国家目標として、宇宙開発のあるべき方向性を提示しています。(参照『愛、悟り、そして地球』)

それが表題の「月と火星に植民都市を」です。

地球の人口増加によるストレスを新しいフロンティア、すなわち他惑星への移住政策によって解消し、逆説的ではありますが、宇宙時代に向かって大きく踏み出すことで、地球という星の持つ意味や豊かさがわかるというのです。

◆宇宙エレベーターの建設を

しかし現状、「月や火星に出かける」というのは、我々一般人にとって夢のまた夢です。

理由は莫大な費用がかかるからです。この莫大な費用が人類一般の宇宙旅行や月や惑星の探査、入植地の建設を妨げる現状最大の要因となっております。

現在計画されている民間の宇宙旅行計画では、高度100kmの旅行で1200万円以上、本格的な宇宙旅行で約12億円、月旅行で120億円の費用がかかり、NASAの試算ではアポロ型宇宙船で月面着陸した場合、総計約12兆5千億円もの費用がかかるとされます。

では一体なぜ、これだけの費用がかかるのでしょうか。

現在、宇宙開発の中心は主に「ロケットの打ち上げ」です。人工衛星にしても、有人宇宙飛行にしても、地上から宇宙へ人やモノを輸送する手段は、ロケットの打ち上げに限られております。

そしてこのロケットの打ち上げのなかでも、特に地球からロケットを打ち上げて、高度3万6千kmの静止軌道上にまで物資を運ぶのに、莫大な費用がかかるのです。

逆にもし、より安価な方法で、地球から静止軌道上、及びその先まで、人やモノを輸送する手段が確立されれば、例えば月面基地の建設等も20年後と言わず、来年にでも始めることができます。

そして技術的に実現可能で、ロケットと比較して圧倒的に安価な宇宙輸送手段こそ、宇宙エレベーターなのです。宇宙エレベーターとは、高度10万kmの宇宙空間から垂れ流されたケーブルをつたい、宇宙ステーションまで物資を運ぶシステムです。

これまで宇宙エレベーターは、地球から10万kmに及ぶ機構を支える素材がなかったために夢物語でしたが、1999年頃、鋼鉄の400倍の強度を持つカーボンナノチューブが日本人により発明され、現実に実現可能なアジェンダとなりました。

宇宙エレベーターの建造総費用はたった1.2兆円です。10年間、1200億円の支出に耐えられる国や企業、個人であれば建造可能なのです。

これにより宇宙輸送や月面探査の費用は、何と98%も削減され、運搬可能な積載トン数も増加。利用可能な宇宙空間は一気に広がります。

宇宙エレベーター上に建設される宇宙ステーションは、月や惑星に向かうロケットや人工衛星の発着地となり、人工衛星の運用も格段に安くなることで、宇宙関連市場の拡大や新たな通信システムの構築が促進されるでしょう。

何より宇宙エレベーターの建設によって、人類の月や火星への移住と都市建設が初めて現実的なアジェンダとなるのです。

◆新たな宇宙時代に大きく踏み出せ

さて現在、日本の宇宙開発は、米国やロシア、中国等と比べて、遅れを取っております。

しかし、だからこそチャンスなのです。宇宙エレベーターは、これまでのロケット打ち上げ志向の宇宙開発を陳腐化させ、宇宙開発の在り方を根本から変えてしまう「破壊的技術」だからです。

NASA(米国航空宇宙局)では、10~20年先を見越した事業計画が立てられており、官僚機構であるNASAにとって、ロケット打ち上げを前提とした開発計画を破棄し、過去の慣例的な予算配分を変えるのは、とてつもない冒険です。

また宇宙エレベーターの発着地に最適な場所は、赤道付近で南半球の洋上、大陸の西側とされるため、ロシアや中国にとって有利な地域ではありません。(太平洋の東部から中部にかけての洋上が最適な候補地の一つ)。

ゆえに日本こそ、宇宙エレベーター建設に名乗りを上げるべきです。そして月と火星における植民都市の建設を21世紀の国家目標として掲げ、新たな宇宙開発の地平を切り拓いていくべきです。

宇宙には無限の夢が広がります。何よりも私たちが全く予想もしていなかった知見の発見があるはずです。幸福実現党は宇宙に夢を馳せる全ての人たちが宇宙旅行に飛び立てる時代を創造して参ります。

参考文献
『愛、悟り、そして地球』(大川隆法著)
『救国の秘策』(大川隆法著)
『宇宙旅行はエレベーターで』(ブラッドリー・C・エドワーズ、フィリップ・レーガン 共著)
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「正義の国・日本!」―満州事変から大東亜戦争まで【3】( 全3回)[HRP ニュースファイル1489]

2015-10-22 | ニュースに出ないニュース
「正義の国・日本!」―満州事変から大東亜戦争まで【3】(全3回)[HRPニュースファイル1489]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2453/

文/幸福実現党・茨城県副代表 中村幸樹

◆大東亜戦争の原因(1)――「人種差別による日本人排斥」

1919年、日本はパリ会議で、国際連盟規約への「人種差別撤廃条項」を提案し、賛成多数になるも、議長のアメリカ大統領ウィルソンは否決しました。

以後、アメリカの排日運動は勢いづき、1924年5月には、「絶対的排日移民法」が成立しました。

これで、親米的だった大部分の日本人が反米に変わり、日本政府のアメリカ協調外交も難しくなっていきました。

昭和天皇は、戦後「この大戦の遠因はアメリカ移民の問題であり、近因は石油が禁輸されたことである」との主旨を言われましたが、正鵠を得ていたと思います。

そして、正義は、「人種差別撤廃」「植民地解放」を目指した日本にあったからこそ、戦後のアジア・アフリカ諸国は、独立していったのです。

◆大東亜戦争の原因(2)――「共産主義の工作」

1930年代のアメリカ政府には、共産主義のスパイが何百人も入り込んでおり、「ハル・ノート」を作成した財務次官補ハリー・ホワイトもソ連のスパイでした。

戦後の朝鮮戦争、ソ連との冷戦、ベトナム戦争、中共の台頭を見れば、共産主義を悪と見て、防共に努めた日本に、正義があったと言えます。

◆大東亜戦争の原因(3)――「ホーリイ・スムート法に始まったブロック経済」

1929年、アメリカ下院議会に上程されたホーリイ・スムート法が、世界恐慌の決定打となりました。約1000品目の巨大な関税障壁により、一年後には、世界の貿易量が半分になりました。

1933年のオタワ会議で、イギリスもブロック経済に入りました。

アウタルキー(自国で出る原料・資源で経済的なことが完結できる政府)ができるアメリカ、イギリス、フランス、オランダ、ソ連は良くても、アウタルキーができない日本、ドイツ、イタリアには、致命的な問題でした。

戦後、ブレトン・ウッズ体制をとって自由貿易を推進したのは、ブロック経済、保護主義が、先の大戦の遠因だとわかったからです。

◆大東亜戦争の原因(4)――「石油禁輸とABCD包囲網」

アメリカ、イギリス、シナ、オランダを抱き込んだABCD包囲網で、日本は資産を凍結され、石油や鉄など様々な原材料を輸入できなくなりましたが、致命的なのは石油禁輸でした。

大東亜戦争が自衛戦争であったことは、アメリカ上院軍事外交合同委員会におけるマッカーサーの証言でもわかります。

「日本は絹産業以外には、固有の産物はほとんど何もないのです。彼らは綿がない、羊毛がない、石油の産出がない、錫がない、ゴムがない、その他実に多くの原料が欠如…これらの原料の供給を断ち切られたら、一千万から一千二百万の失業者が発生するであろうことを彼らは恐れていました。従って、彼らが戦争に飛び込んでいった動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです。」(マッカーサー証言 抜粋)

大東亜戦争の原因として、日本からアメリカに仕掛けたことは何もありませんでしたが、ルーズベルトは、ドイツと戦うためにも、何がどうあろうと、日本を戦争に追い込むつもりでした。

1941年2月には、日本と戦って屈服させた後の処理を研究する「特別研究部(SR)」を発足させ、7月18日には、150機のB17爆撃機と、250機の戦闘機で東京、横浜、大阪、京都、神戸への爆撃作戦「JB-355」も承認していました。
(戦線が急迫したイギリスに爆撃機を回して実施はされず。)

◆大東亜戦争は、「自衛権の行使」「植民地解放」「人種差別撤廃」の聖戦

大東亜戦争は、人種差別による日本人排斥、共産主義の工作、ブロック経済とABCD包囲網の経済封鎖で追い込まれ、特に石油禁輸が決定打となった「自衛戦争」でした。

日本は、戦わざるを得なくなった以上、正義を貫くべく、全占領地域で現地政府を樹立し、自主独立への教育訓練、人種差別撤廃を推進しました。

大東亜戦争は、「欧米列強から、アジアの植民地を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くとともに、わが国の正当な自衛権の行使としてなされたもの」「アジアの同胞を解放するための聖戦として、日本の神々の熱き思いの一部を実現せしもの」(『大川談話』)だったのです。

大川談話―私案―
http://special.hr-party.jp/policy2013/okawa-danwa/

「大東亜戦争は神の意を受けた聖戦であり、激戦の地で戦死した先人たちは英雄である。」(真の平和に向けて あとがき)と断言し、筆を終えます。

『真の平和に向けて』大川隆法著/幸福の科学出版
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1464
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「正義の国・日本!」―満州事変から大東亜戦争まで【2】( 全3回)[HRP ニュースファイル1488]

2015-10-22 | ニュースに出ないニュース
「正義の国・日本!」―満州事変から大東亜戦争まで【2】(全3回)[HRPニュースファイル1488]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2451/

文/幸福実現党・茨城県副代表 中村幸樹

◆日中戦争の経緯(4)――[南京攻略]

日本は、首都をおさえれば蒋介石も講和に応じるだろうと考え、南京攻略を決断しました。

日本軍は、世界一の規律を守る人道的な軍隊でしたが、南京攻略戦でも、松井石根大将は、後世の模範となる行動をするべく全軍に訓令を出し、軍規を徹底して、終始、立派な指揮をしました。

日本は、住民に被害が出ないように、国民政府軍にオープン・シティ勧告を出しましたが、蒋介石は、勧告を受け入れず、市民を置き去りにして脱出してしまいました。

ドイツ軍に対するパリの如く、オープン・シティにすれば被害が出ないのに、しなかった責任は蒋介石にあります。

日本軍は、慎重に、攻略前にも投降勧告を出し、拒否を確認してから、1937年12月10日、攻撃を開始しました。蒋介石に任された唐生智(トウセイチ)将軍も途中脱出してしまい、日本軍は13日には城内に入り、17日には正式に入城式が行われました。

市民の多くは日本軍が来る前に南京城内から逃げ、逃げ切れなかった市民が第三国がつくった「安全区」に避難しました。日本軍占領後は「南京は安全だ」と分かり市民が戻り始めると、約1か月後には、人口は25万~30万に増えています。

「南京大虐殺」という言いがかりは、中国共産党の覇権に悪用され、日本の自虐史観の原因にもなっていますが、東京裁判で、突如として捏造されたものです。東京大空襲や原爆投下の正当化のためにも、日本の戦争犯罪をでっち上げる必要があったからです。

日本人による虐殺など存在しなかったがゆえに、戦後になるまで噂さえ立たず、蒋介石も米英仏も、当時抗議したことがなく、多数駐在していた欧米マスコミからも指摘されず、東京裁判では実証できず、戦後出てきた「証拠写真」なるものは、すべてインチキと判明しているのです。

ハーグ陸戦規定により、便衣隊(ゲリラ)は、掃討し、処刑するのが国際常識ですが、これは虐殺とは呼びません。

◆日中戦争の経緯(5)――「欧米諸国の蒋介石支援」

日本は、上海、南京、広東、北京、天津、保定、武漢三鎮(漢口、漢陽、武昌)などの主要都市を皆占領しましたが、蒋介石は重慶の山の中に逃げていました。

米英ロシアが、資金、物資、兵器等を、蒋介石を支援し続けなければ、南京政府を作った汪兆銘と蒋介石を話し合わせ、日本軍が願い続けていた支那からの撤退が可能となったはずです。

ルーズベルトは、米退役将校シェンノート(中華民国空軍航空参謀長)の航空隊「フライング・タイガース」に、アメリカ人飛行士100人と飛行機500機の派兵までしました。日米開戦前の軍事的関与であり、重大な国際法違反です。

◆日中戦争(支那事変)は、日本の侵略戦争ではない



日中戦争は、すべて受け身で、支那側からの攻撃に対処していったものでした。

開戦責任は支那側にあり、日本陸軍は、引きずり込まれながら、一貫して終結を願い続けましたが、共産主義のスパイ活動、米英の蒋介石支援により、抜け出せなかったというのが真相です。

もし、支那事変が侵略なら、例えば、韓国軍が、突如、アメリカ民間人を大量虐殺し、在韓米軍を攻撃してきたため、米軍が救出に向かったら、アメリカは韓国を侵略したということになります。

そして、米軍が韓国に平和と秩序と繁栄を取り戻し、新たな韓国人リーダーを擁立して撤退しようとしても、もとの韓国軍が北朝鮮の山奥に立てこもり、中国やロシアが兵器や物資、資金を供給し続けるために、撤退できずにいたら、アメリカは韓国を侵略し続けている、ということになります。

つまり、支那事変が日本の侵略戦争なら、朝鮮戦争もベトナム戦争も、アメリカの侵略戦争ということになりますし、世界のほとんどの紛争を侵略戦争と呼ぶことになります。

ですから、支那事変を日本の侵略戦争とするのは不当であると結論づけられます。
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「正義の国・日本!」―満州事変から大東亜戦争まで【1】( 全3回)[HRP ニュースファイル1487]

2015-10-22 | ニュースに出ないニュース
「正義の国・日本!」―満州事変から大東亜戦争まで【1】(全3回)[HRPニュースファイル1487]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2449/

文/幸福実現党・茨城県副代表 中村幸樹

◆満州事変と満州国建国の経緯

コミンテルン(共産主義インターナショナル)にそそのかされた反日侮日運動が過激化し、張学良軍、馬賊、匪賊による、誘拐、略奪、恐喝が横行する満州で、1931年9月18日、一万数千人の関東軍は、30万とも45万ともいわれた張学良軍を追放しました。(満州事変)

政府や陸軍中央も知らないところで起きたのは問題であり、政治的リーダーシップの欠如(幣原外交)や明治憲法の欠陥(統帥権干犯問題)等、改善すべき点はあったにせよ、日本人居留民に危害が及ぶ危機的状況を、自衛のためにも解決せざるを得なかったというのが、満州事変の真相でした。

翌1932年3月、関東軍の主導で、清朝最後の皇帝溥儀(フギ)をトップに迎えて、満州国を建国しました。大臣たちは全員、満州人か清朝の忠臣としました。

1911年の辛亥革命で、満州族王朝清から、漢民族(シナ人)が独立し、日本公使館に逃げ込んだ溥儀の、切なる希望が満州国でした。満州国は、民族自決という観点からも理にかなっていたのです。

漢民族と満州民族は別の民族であり、万里の長城以北は、シナ固有の領土とは言えません。

シナを支配したことがある民族の故郷はシナの領土だと言うなら、インドを支配したことがあるイギリスは、インドの領土だという論理になるからです。

満州国は、「五属共和」(満州民族、漢民族、蒙古民族、朝鮮民族、日本民族の共存共栄)を建国の精神として、安定した治安、安心できる生産活動、商業活動を提供し、奇跡と言えるほど発展しました。

塗炭の苦しみに喘いでいた不法の土地、満州は、自動車や飛行機まで作ることができる一大近代国家、桃源郷へと変貌を遂げたのです。

◆満州事変と満州国建国は、日本の侵略ではない

もし、満州事変が侵略なら、例えば、チベットやウイグルをアメリカ軍が独立に導き、トップも大臣もすべてチベット人やウイグル人にし、実務は手伝って近代化を促し、人々があこがれる、安全で繁栄した理想的な国家ができたとしても、アメリカはチベットやウイグルに侵略したことになります。

この場合、アメリカ軍は、チベット人やウイグル人の夢である独立を支援し、繁栄と幸福をもたらしたと言うべきであって、侵略と呼ぶべきではありません。

満州事変と満州国建国は、人々に幸福をもたらした正当な行為であり、日本の侵略ではないのです。

◆日中戦争(支那事変)の経緯(1)――[盧溝橋事件]

1937年7月7日、「盧溝橋事件」は、蒋介石の国民政府軍に潜り込んだ中国共産党軍のスパイが、日本軍と国民政府軍の衝突を作り出し、「漁夫の利」を得るために発砲したことから始まりました。

それでも日本軍は攻撃せず、7月11日に事態収拾のための現地協定を成立させましたが、共産党スパイが繰り返す発砲に勘違いした国民政府軍が攻撃してきて、日本軍は「巻き込まれた」というのが真相です。

◆日中戦争の経緯(2)――[通州事件]

日本の不拡大方針が堅持される中、国民政府が一転して対日交戦を決定、7月29日には「通州事件」が起き、200人以上の日本人が、人間とは思えない方法で惨殺されました。

この報は日本にも伝わり、日本国民の怒りは頂点に達しました。

◆日中戦争の経緯(3)――[第二次上海事変]

盧溝橋で始まった事変は、北支事変として収束に向かいましたが、本格的な「支那事変」は1937年8月13日、上海地区における中国側の攻撃に始まりました。

日本の海軍陸戦隊約4千人が、軽武装で日本人居留民を守っているところに、コミンテルンの手先、張治中(チョウジチュウ)将軍が、約5万の大軍で攻撃してきました。

翌8月14日、蒋介石軍は、アメリカから提供された戦闘機で、シナ人を中心とする民間人がいるホテルや避難所を攻撃して、3600名余りを死傷させ、「キリスト教の中国が、異教の日本に蹂躙されている」イメージの情報戦を展開しました。

日本は通州事件のような惨劇を繰り返さないために、陸軍を派遣しましたが、蒋介石が招いたドイツのゼークト大将(防御陣地造りの権威)による作戦で、日本軍は約4万もの大損害が出ました。

その後、南京攻略への上陸作戦で、上海の背後を衝く形をとったことで、中国軍は総くずれになりました。

(つづく)
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教育の根幹――「道徳教育」を立て直せ![HRP ニュースファイル1486]

2015-10-20 | ニュースに出ないニュース
教育の根幹――「道徳教育」を立て直せ![HRPニュースファイル1486]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2447/

文/幸福実現党兵庫県第12選挙区支部長 和田みな

◆「特別の教科 道徳」の教科書検定基準が公表

9月30日、文部科学省は2018年度以降に「特別の教科」となる道徳の教科書検定の基準を公表しました。

近年文部科学省は、いじめ問題など学校教育上の諸問題に対処するために、道徳教育の充実に力を注いでいます。

そして昨年、文科省は中央教育審議会の道徳教育専門部会を開き、10回にわたる審議を受けて、「道徳」を「特別の教科」へと格上げされました。

「教科」となった道徳には「教科書」と「評価」が必要となり、教科書の検定基準が審議され、公表となりました。

◆道徳の教科書の検定基準

公表された教科書検定基準では、道徳科の教科書について留意すべき点について、(1)準拠性、(2)公正性、(3)正確性の3つがあげられています。

「準拠性」とは、学習指導要領の内容等に照らして適切か、「公正性」は、取り上げる題材の選択・扱い等が公正か、「正確性」は、客観的な学問的成果や適切な資料等に照らして事実関係の記述が正確かというものです。

そして、「特に」と付け加えて、選択・扱い及び構成・排列について「政治・宗教の扱いに関しては、検定基準2-(4)及び(8)」と記載されています。その基準とは、次のような内容です。

「政治や宗教の扱いは、教育基本法第14条(政治教育)及び第15条(宗教教育)の規定に照らして適切かつ公正であり、特定の政党や宗派又はその主義や信条に偏っていたり、それらを非難していたりするところはないこと。」

「図書の内容に、特定の個人、団体などについて、その活動に対する政治的又は宗教的な援助や助長となるおそれのあるところはなく、また、その権利や利益を侵害するおそれのあるところはないこと。」

このような検定基準を読むと、「日本国憲法」、「教育基本法」の下で戦後教育を受けている多くの日本人は、「道徳教育においても宗教教育には触れない方がいい」と理解してしまうのではないでしょうか。

公教育において「宗教=タブー」とする考え方を持っているからです。この勘違いが最大の「曲者」であり、道徳の改革を骨抜きにしてしまうものであると考えます。

また、検定基準にある「公正性」とは、「取り上げる題材の選択・扱い等が公正か」というものですが、「宗教」的思想に触れないことが公正な態度なのかも私には疑問です。これこそ「偏向」なのではないかと思うのです。

◆道徳教育には宗教が必要

2005年に行われた「義務教育に関する意識調査」において、六年生では道徳の時間は「最も好きになれない学習」となりました。

大切なはずの「道徳」の授業を、骨抜きにしてしまっている根本原因をしっかりと見つめなければ、道徳の授業改革も、その先の教育再生もないはずです。

骨抜きにされてしまっている「道徳」の授業を立て直すために必要なものの1つが「宗教教育」です。これは決して一個人の意見ではありません。

道徳教育の専門家である貝塚茂樹教授は「もともと道徳とは宗教的な権威に裏付けられて成立していた」と指摘されています。(貝塚茂樹著『道徳教育の教科書』)

また、前述の道徳教育専門部会の主査を務めた押谷由夫教授は、道徳の再検討を研究していく中で「宗教の道徳教育が果たす役割について考えざるを得なく」なったと述べておられます。(押谷由夫他「学校における『宗教にかかわる教育』の研究1」2012)

その一方、部会において、「宗教教育」は道徳教育の中の重要な課題であると認識され、委員からも何度か「宗教について」意見が出されていたにも関わらず、結局10回の審議で最後まで踏み込んで話し合われることはありませんでした。

日本国憲法や教育基本法の下でも宗教教育(正確には宗教的情操教育)は可能です。(http://hrp-newsfile.jp/2015/2022/)

まずは私たち国民が抱いている「宗教=タブー」という偏見をなくし、「子供たちの教育にとって大切なものは何なのか」という視点で議論を進める必要があります。

◆宗教を抜きに「道徳教育」が可能か

結局、子供たちが「特別の教科 道徳」において「宗教」に触れることはほとんどないでしょう。学習指導要領にその文字が盛り込まれなかったからです。

しかし、実際に現場で学習指導要領にキーワードとしてあがっている学習内容(キーワード)を教えるときに、「宗教」というものに触れないで教えることが可能なのでしょうか。

例えば、「畏敬の念」や「生命の尊さ」というキーワードを学ぶときに「宗教」的思想に一切触れずに、深い理解が可能なのでしょうか。

また、文科省が力を入れている「国際理解」というキーワードについても、世界のさまざまな宗教思想を学ばずに、真の意味で国際理解が深まるのでしょうか。

◆教育再生には宗教教育の復活を

「教育」にとって道徳教育による「人格の完成」がいかに重要かは、文科省をはじめ、多くの人が認めるものです。

約70年前に田中耕太郎文部大臣は国会で「宗教こそは、道徳に生命を」与えるものだと語りました。残念ながら今の道徳には「生命」が宿っていないということになります。

道徳に生命を取り戻すためには、いつの間にか「宗教教育」を教育界のタブーとし、議論がいつも骨抜きになり、何の根本解決もできない文科省、日本の教育行政をなんとかしなければなりません。

今回の道徳改革が成功し、教育改革への希望とすることができるかどうかは、70年前に失われてしまった、道徳教育の根幹にあるべき「宗教教育」を日本の教育に取り戻すことができるか。それによって教育に善悪の価値観を取り戻すことができるかどうかにかかっています。(和田みな著『公立学校に宗教教育を!』)

文部科学省/「特別の教科道徳」の教科書検定について
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/seido/__icsFiles/afieldfile/2015/09/30/1362359_1.pdf
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教育の根幹――「道徳教育」を立て直せ![HRP ニュースファイル1486]

2015-10-20 | ニュースに出ないニュース
教育の根幹――「道徳教育」を立て直せ![HRPニュースファイル1486]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2447/

文/幸福実現党兵庫県第12選挙区支部長 和田みな

◆「特別の教科 道徳」の教科書検定基準が公表

9月30日、文部科学省は2018年度以降に「特別の教科」となる道徳の教科書検定の基準を公表しました。

近年文部科学省は、いじめ問題など学校教育上の諸問題に対処するために、道徳教育の充実に力を注いでいます。

そして昨年、文科省は中央教育審議会の道徳教育専門部会を開き、10回にわたる審議を受けて、「道徳」を「特別の教科」へと格上げされました。

「教科」となった道徳には「教科書」と「評価」が必要となり、教科書の検定基準が審議され、公表となりました。

◆道徳の教科書の検定基準

公表された教科書検定基準では、道徳科の教科書について留意すべき点について、(1)準拠性、(2)公正性、(3)正確性の3つがあげられています。

「準拠性」とは、学習指導要領の内容等に照らして適切か、「公正性」は、取り上げる題材の選択・扱い等が公正か、「正確性」は、客観的な学問的成果や適切な資料等に照らして事実関係の記述が正確かというものです。

そして、「特に」と付け加えて、選択・扱い及び構成・排列について「政治・宗教の扱いに関しては、検定基準2-(4)及び(8)」と記載されています。その基準とは、次のような内容です。

「政治や宗教の扱いは、教育基本法第14条(政治教育)及び第15条(宗教教育)の規定に照らして適切かつ公正であり、特定の政党や宗派又はその主義や信条に偏っていたり、それらを非難していたりするところはないこと。」

「図書の内容に、特定の個人、団体などについて、その活動に対する政治的又は宗教的な援助や助長となるおそれのあるところはなく、また、その権利や利益を侵害するおそれのあるところはないこと。」

このような検定基準を読むと、「日本国憲法」、「教育基本法」の下で戦後教育を受けている多くの日本人は、「道徳教育においても宗教教育には触れない方がいい」と理解してしまうのではないでしょうか。

公教育において「宗教=タブー」とする考え方を持っているからです。この勘違いが最大の「曲者」であり、道徳の改革を骨抜きにしてしまうものであると考えます。

また、検定基準にある「公正性」とは、「取り上げる題材の選択・扱い等が公正か」というものですが、「宗教」的思想に触れないことが公正な態度なのかも私には疑問です。これこそ「偏向」なのではないかと思うのです。

◆道徳教育には宗教が必要

2005年に行われた「義務教育に関する意識調査」において、六年生では道徳の時間は「最も好きになれない学習」となりました。

大切なはずの「道徳」の授業を、骨抜きにしてしまっている根本原因をしっかりと見つめなければ、道徳の授業改革も、その先の教育再生もないはずです。

骨抜きにされてしまっている「道徳」の授業を立て直すために必要なものの1つが「宗教教育」です。これは決して一個人の意見ではありません。

道徳教育の専門家である貝塚茂樹教授は「もともと道徳とは宗教的な権威に裏付けられて成立していた」と指摘されています。(貝塚茂樹著『道徳教育の教科書』)

また、前述の道徳教育専門部会の主査を務めた押谷由夫教授は、道徳の再検討を研究していく中で「宗教の道徳教育が果たす役割について考えざるを得なく」なったと述べておられます。(押谷由夫他「学校における『宗教にかかわる教育』の研究1」2012)

その一方、部会において、「宗教教育」は道徳教育の中の重要な課題であると認識され、委員からも何度か「宗教について」意見が出されていたにも関わらず、結局10回の審議で最後まで踏み込んで話し合われることはありませんでした。

日本国憲法や教育基本法の下でも宗教教育(正確には宗教的情操教育)は可能です。(http://hrp-newsfile.jp/2015/2022/)

まずは私たち国民が抱いている「宗教=タブー」という偏見をなくし、「子供たちの教育にとって大切なものは何なのか」という視点で議論を進める必要があります。

◆宗教を抜きに「道徳教育」が可能か

結局、子供たちが「特別の教科 道徳」において「宗教」に触れることはほとんどないでしょう。学習指導要領にその文字が盛り込まれなかったからです。

しかし、実際に現場で学習指導要領にキーワードとしてあがっている学習内容(キーワード)を教えるときに、「宗教」というものに触れないで教えることが可能なのでしょうか。

例えば、「畏敬の念」や「生命の尊さ」というキーワードを学ぶときに「宗教」的思想に一切触れずに、深い理解が可能なのでしょうか。

また、文科省が力を入れている「国際理解」というキーワードについても、世界のさまざまな宗教思想を学ばずに、真の意味で国際理解が深まるのでしょうか。

◆教育再生には宗教教育の復活を

「教育」にとって道徳教育による「人格の完成」がいかに重要かは、文科省をはじめ、多くの人が認めるものです。

約70年前に田中耕太郎文部大臣は国会で「宗教こそは、道徳に生命を」与えるものだと語りました。残念ながら今の道徳には「生命」が宿っていないということになります。

道徳に生命を取り戻すためには、いつの間にか「宗教教育」を教育界のタブーとし、議論がいつも骨抜きになり、何の根本解決もできない文科省、日本の教育行政をなんとかしなければなりません。

今回の道徳改革が成功し、教育改革への希望とすることができるかどうかは、70年前に失われてしまった、道徳教育の根幹にあるべき「宗教教育」を日本の教育に取り戻すことができるか。それによって教育に善悪の価値観を取り戻すことができるかどうかにかかっています。(和田みな著『公立学校に宗教教育を!』)

文部科学省/「特別の教科道徳」の教科書検定について
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/seido/__icsFiles/afieldfile/2015/09/30/1362359_1.pdf
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米国とロシアの「代理戦争」へ――泥沼化するシリアに解決策はあるのか[HRP ニュースファイル1485]

2015-10-20 | ニュースに出ないニュース
米国とロシアの「代理戦争」へ――泥沼化するシリアに解決策はあるのか[HRPニュースファイル1485]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2445/

文/HS政経塾2期卒塾生 服部まさみ

◆シリアで何が起こっているのか

シリア内戦から約5年が経過した今、ロシア軍が空爆による介入を強化しさらに泥沼化しています。

複雑な中東情勢。そもそもシリアで何が起こっているのでしょうか。そして、なぜ、ロシアが介入を強化したのでしょうか。米国は?日本は?泥沼化する内戦に解決策はあるのでしょうか。

シリア内戦が始まったのは2011年。「アラブの春」と呼ばれる中東での民主化の動きを受けて、シリアでもアサド政権に対する反政府運動が激化しました。

その運動に対して、アサド大統領はメディアやインターネットの検問を続け、反政府デモを武力で弾圧したことをきっかけに内戦が起きました。

アサド政権による化学兵器の使用などで何十万人もの市民が殺害されています。内戦を止めるために米国やヨーロッパなどの西側諸国が反体制派を支援し、政府軍をイランやロシアが支援しました。

しかし、米国がシリアへの軍事介入の機を逸したために泥沼化。「イスラム国(IS)」の台頭を許し、ヨーロッパへ大量の難民を生み出すことになりました。

◆シリア内戦の「隙」に入り込んだ「イスラム国(IS)」

内戦が複雑化している原因としてイスラム国の存在があります。

イスラム国は、イラクの少数派であるスンニ派で、自分たちに不利な政策を行うシーア派の大統領に反対している者と、シリアのアサド政権に反対している者とが結びついてできた組織です。

シリアの反体制派のグループの一つとして出てきたのがイスラム国でもあります。

イラクとシリアを拠点にし、残虐なテロを行うイスラム過激派組織であるイスラム国が現在、シリア全土のほぼ2分の1を占拠、支配しています。なぜ、イスラム国がここまで勢力を拡大できたのでしょうか。

シリアでは、政府軍と反体制派が熾烈な戦闘を行っており、政府軍も反体制派もお互いを「主要な敵」と位置付けています。

つまり、お互いに主要な敵は「イスラム国」ではないため、イスラム国を一掃する戦力を振り分けていません。その戦闘の「隙」をついてイスラム国は支配地を拡大しているのです。

また、米国など西側諸国から反体制派への武器供与や政府軍への空爆がイスラム国を助けている可能性もあるため非常に複雑です。

◆米国とロシアの「代理戦争」と化している現状

その「イスラム国を一掃する」という目的で今月、ロシアが介入し空爆を行いました。

シリア国内に軍港を持つロシアとしては、地中海沿岸まで勢力を拡大してきたイスラム国をこのまま放置しておくわけにはいきません。

ロシアの国益を守るために「イスラム国を一掃する」という大義名分は理解できます。

しかし、実際にロシアが行っている空爆はイスラム国に対してではなく、反体制派に向けて行っている方が多いといいます。

また、反体制派への支援を強化するために、9日、米国は武器の供与に踏み切ると発表し、米軍が輸送機からイスラム国と戦うアラブ勢力に弾薬50トンを供与しました。

ここで問題なのは、米国もロシアも「イスラム国を一掃する」という同じ目的で武器の供与や空爆を行っていますが、実際は政府軍対反体制派の戦闘が激化し、「代理戦争」を行っている状態になってしまっています。

果たしてこのような複雑なシリア内戦を解決する方法はあるのでしょうか。

◆米国とロシアが協力体制を築く

私たちは米国など西側諸国のメディアが発信する情報に触れることが多く、ロシアが悪者だと考えがちです。

しかし、今回の介入に関しても、プーチン大統領は、まず「イスラム国」を一掃し、次に政府軍と反体制派の停戦を行い(反体制派を一掃する荒技かもしれませんが)、アサド政権を退陣させるというようなシナリオを描いているようにも見えます。

シリアに軍港を持つロシアにとって自国の国益を守るためにそのような長期的な戦略を持つことは普通のことかもしれません。

また、「世界の警察官」を退いた米国に代わり、中東でのリーダーシップを取ろうとしているのかもしれません。

米国もロシアも互いに「正義」を実現しようとしていますが、真のリーダー国家として世界の平和を願うのであれば、自国の国益だけではなく、宇宙船「地球号」の一員としてもう一段、大きな視点から考え行動していく必要があるのではないでしょうか。

シリア内戦の解決のためには、米国とロシアが協力して「イスラム国」を一掃し、政府軍と反体制派を停戦に持っていき、アサド政権を平和裡に退陣させ新政府をつくることを目指すべきです。

◆日本がなすべきこと

米国とロシアが協力体制を築くことは簡単ではありません。しかし、日本が調停役を務めることができれば不可能ではありません。

シリアも日本を尊敬していますし、宗教的にもキリスト教でもイスラム教でもない日本は反発を招くことが少ないため交渉も行い易いはずです。

米国やロシアを相手に日本が調停役を務め、説得するためには、宗教的な思想背景を理解することが不可欠です。

そして、憲法改正を実現し、自分の国は自分で守る「自立した体制」と世界情勢を見誤らないように正確に情報分析を行う「情報機関」を一日でも早く創設することです。

世界は軍事力による勢力均衡(バランス・オブ・パワー)で動いています。だからこそ日米同盟を堅持しつつ、ロシアと友好関係を築くために経済協力ができる日露協商条約を結んでいくことが必要不可欠です。

理想実現に向けた第一歩として、日本政府は、大きなカギとなる日露首脳会談を年内に行い、米国の圧力を回避するために然るべき人物や組織にアプローチすることが重要です。

日本が真のリーダー国家としての使命に目覚めた時に世界は救われるのです。
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米国とロシアの「代理戦争」へ――泥沼化するシリアに解決策はあるのか[HRP ニュースファイル1485]

2015-10-20 | ニュースに出ないニュース
米国とロシアの「代理戦争」へ――泥沼化するシリアに解決策はあるのか[HRPニュースファイル1485]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2445/

文/HS政経塾2期卒塾生 服部まさみ

◆シリアで何が起こっているのか

シリア内戦から約5年が経過した今、ロシア軍が空爆による介入を強化しさらに泥沼化しています。

複雑な中東情勢。そもそもシリアで何が起こっているのでしょうか。そして、なぜ、ロシアが介入を強化したのでしょうか。米国は?日本は?泥沼化する内戦に解決策はあるのでしょうか。

シリア内戦が始まったのは2011年。「アラブの春」と呼ばれる中東での民主化の動きを受けて、シリアでもアサド政権に対する反政府運動が激化しました。

その運動に対して、アサド大統領はメディアやインターネットの検問を続け、反政府デモを武力で弾圧したことをきっかけに内戦が起きました。

アサド政権による化学兵器の使用などで何十万人もの市民が殺害されています。内戦を止めるために米国やヨーロッパなどの西側諸国が反体制派を支援し、政府軍をイランやロシアが支援しました。

しかし、米国がシリアへの軍事介入の機を逸したために泥沼化。「イスラム国(IS)」の台頭を許し、ヨーロッパへ大量の難民を生み出すことになりました。

◆シリア内戦の「隙」に入り込んだ「イスラム国(IS)」

内戦が複雑化している原因としてイスラム国の存在があります。

イスラム国は、イラクの少数派であるスンニ派で、自分たちに不利な政策を行うシーア派の大統領に反対している者と、シリアのアサド政権に反対している者とが結びついてできた組織です。

シリアの反体制派のグループの一つとして出てきたのがイスラム国でもあります。

イラクとシリアを拠点にし、残虐なテロを行うイスラム過激派組織であるイスラム国が現在、シリア全土のほぼ2分の1を占拠、支配しています。なぜ、イスラム国がここまで勢力を拡大できたのでしょうか。

シリアでは、政府軍と反体制派が熾烈な戦闘を行っており、政府軍も反体制派もお互いを「主要な敵」と位置付けています。

つまり、お互いに主要な敵は「イスラム国」ではないため、イスラム国を一掃する戦力を振り分けていません。その戦闘の「隙」をついてイスラム国は支配地を拡大しているのです。

また、米国など西側諸国から反体制派への武器供与や政府軍への空爆がイスラム国を助けている可能性もあるため非常に複雑です。

◆米国とロシアの「代理戦争」と化している現状

その「イスラム国を一掃する」という目的で今月、ロシアが介入し空爆を行いました。

シリア国内に軍港を持つロシアとしては、地中海沿岸まで勢力を拡大してきたイスラム国をこのまま放置しておくわけにはいきません。

ロシアの国益を守るために「イスラム国を一掃する」という大義名分は理解できます。

しかし、実際にロシアが行っている空爆はイスラム国に対してではなく、反体制派に向けて行っている方が多いといいます。

また、反体制派への支援を強化するために、9日、米国は武器の供与に踏み切ると発表し、米軍が輸送機からイスラム国と戦うアラブ勢力に弾薬50トンを供与しました。

ここで問題なのは、米国もロシアも「イスラム国を一掃する」という同じ目的で武器の供与や空爆を行っていますが、実際は政府軍対反体制派の戦闘が激化し、「代理戦争」を行っている状態になってしまっています。

果たしてこのような複雑なシリア内戦を解決する方法はあるのでしょうか。

◆米国とロシアが協力体制を築く

私たちは米国など西側諸国のメディアが発信する情報に触れることが多く、ロシアが悪者だと考えがちです。

しかし、今回の介入に関しても、プーチン大統領は、まず「イスラム国」を一掃し、次に政府軍と反体制派の停戦を行い(反体制派を一掃する荒技かもしれませんが)、アサド政権を退陣させるというようなシナリオを描いているようにも見えます。

シリアに軍港を持つロシアにとって自国の国益を守るためにそのような長期的な戦略を持つことは普通のことかもしれません。

また、「世界の警察官」を退いた米国に代わり、中東でのリーダーシップを取ろうとしているのかもしれません。

米国もロシアも互いに「正義」を実現しようとしていますが、真のリーダー国家として世界の平和を願うのであれば、自国の国益だけではなく、宇宙船「地球号」の一員としてもう一段、大きな視点から考え行動していく必要があるのではないでしょうか。

シリア内戦の解決のためには、米国とロシアが協力して「イスラム国」を一掃し、政府軍と反体制派を停戦に持っていき、アサド政権を平和裡に退陣させ新政府をつくることを目指すべきです。

◆日本がなすべきこと

米国とロシアが協力体制を築くことは簡単ではありません。しかし、日本が調停役を務めることができれば不可能ではありません。

シリアも日本を尊敬していますし、宗教的にもキリスト教でもイスラム教でもない日本は反発を招くことが少ないため交渉も行い易いはずです。

米国やロシアを相手に日本が調停役を務め、説得するためには、宗教的な思想背景を理解することが不可欠です。

そして、憲法改正を実現し、自分の国は自分で守る「自立した体制」と世界情勢を見誤らないように正確に情報分析を行う「情報機関」を一日でも早く創設することです。

世界は軍事力による勢力均衡(バランス・オブ・パワー)で動いています。だからこそ日米同盟を堅持しつつ、ロシアと友好関係を築くために経済協力ができる日露協商条約を結んでいくことが必要不可欠です。

理想実現に向けた第一歩として、日本政府は、大きなカギとなる日露首脳会談を年内に行い、米国の圧力を回避するために然るべき人物や組織にアプローチすることが重要です。

日本が真のリーダー国家としての使命に目覚めた時に世界は救われるのです。
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農業経営者の「儲かる農業」に学ぶ![HRP ニュースファイル1484]

2015-10-19 | ニュースに出ないニュース
農業経営者の「儲かる農業」に学ぶ![HRPニュースファイル1484]

http://hrp-newsfile.jp/2015/2444/

文/幸福実現党・宮城県本部副代表 HS政経塾5期生 油井哲史(ゆい てつし)

ここ最近、農業における大きなトピックが2つありました。

1つ目は、全国農業協同組合中央会(JA全中)の権限縮小などを盛り込んだ改正農協法が成立したことです。これは農協組織における約60年ぶりの抜本改革になります。

地域農協の自由な経済活動を図るため、経営指導などの役割を担ってきたJA全中を2019年3月までに一般社団法人へ移行させ、監査機能を分離させます。

これまで品質にかかわらず同一条件で農産物を販売し、割高な農機具や肥料の購入を迫る問題が指摘され、農業の自由を奪い、発展を妨げる要因になっているとも言われてきました。

2つ目は、環太平洋経済連携協定(TPP)が大筋で合意されたことです。アジア太平洋地域に世界経済を牽引する新たな貿易・枠組みが誕生しました。

これが発効されると400を超える農林水産物の関税が順次、引き下げ・撤廃されます。安い外国産品の輸入が増え、消費者は恩恵を受ける一方、国内農家に影響が及ぶとみられます。

日本農業がますますグローバル競争の中にさらされることを意味しますが、ピンチをチャンスととらえ日本農業の国際競争力を高め、成長産業化させる機会として積極的に捉えていきたいと考えています。

◆農業の「稼ぐ力」の強化へ

とはいえ、日本農業は苦境の中にあり、衰退の傾向にあります。1960年から最近までの半世紀の推移を見ると、農業就業人口は1454万人から227万人、農家戸数は606万戸から253万戸へと減少しています。

耕作放棄地は現在40万ヘクタール、東京の面積の1.8倍、埼玉県や滋賀県の面積に匹敵する数値となっています。1960年当時、2割だった60歳以上の高齢農家の比率は現在7割を超えました。

TPPの大筋合意により、米や麦、牛・豚肉など重要5分野を含めて、農畜産業や漁業関係者に不安があるのは理解できます。日本人の主食を支える「米」は、価格の低下を防ぐため田んぼを減らし米の生産調整を行う「減反」を実施しています。

このように政府や農協に守られ、保護されてきました。しかし、米農家は全農家戸数の6割以上を占めますが、農産物全体の2割の生産しか行っていないという非効率な状況です。

生産や流通に制約が多く、弱まっていた「稼ぐ力」を農地の集約やブランド化を進めて生産性や競争力の高い経営体質へ強化していかねばなりません。

◆「儲かる農業」の事例 / 和郷園、トップリバー

農業全体が衰退する中、2010年に農産物販売額が1億円を超えている経営体が5577ありますが、全体的に経営体が減少している中において、この階層は5年前より約1割増加しています。

こうした成功を収めている農家はビジネスとして農業を捉えている企業的農家です。また、積極的に輸出をしている農家もいます。日本の農業は大きなポテンシャルを秘めており、実際に活動し、成果を収めている農家も多数います。

「必要なのは、農業経営者だ」と語る「和郷園」代表理事の木内氏。彼が仲間と共に5人でスーパーに直接販売を始めたのが始まりです。「儲からない農業を変えたい」という強い信念から様々な挑戦をしました。

今では作った野菜を提供するカフェを経営し、加工や冷凍などの工場も自前で所有。さらに野菜工場の研究・開発にも関わり、農業にかかわることなら何でも取り組んでいます。

和郷園は、主に千葉県にある92軒の農家からなる農事組合法人で、グループの売上は60億円です。

「儲かる農業」を掲げ、それを実践する農業生産法人・トップリバー。経営者の嶋崎氏が脱サラ、妻の実家が営んでいた青果出荷協同組合を受け継ぐ形で2000年に設立しました。

初年度を除き黒字決算を続けており、「契約栽培」というモデルを取っています。外食産業、スーパーなどの求めに応じ、決まったときに決まった数量を提供します。

農業をビジネスとして一般企業と同じ感覚でとらえていくことが大切であるとし、成功の秘訣の一つに「営業に力を入れること」を挙げているのが印象的です。

営業と販売はアイデア次第で他社にいくらでも差をつけることができるという。元サラリーマンなどの若者を積極的に採用し、農業経営者として育てる育成方法は注目されています。売上高は11億円まで伸びたといいます。

◆政府は農業のビジネス化、農業経営者輩出の後押しを!

安倍首相が「TPPを『攻めの農業』に切り替えるチャンスにする」と述べたことは評価できますが、政府が備蓄米の買い上げ量を積み増して、米農家への支援策を手厚くしようとしているのが気になります。これでは相変わらず「守りの農業」です。

農業をビジネスとして捉え、企業家マインドを持ち、成功を収める企業が出ています。全国の農家が出荷した米や野菜などの農産物の内、農協の手数料を避けるためにインターネット販売や小売と契約を結んで出荷する「脱農協」の流れが進んでいます。

2012年度の農協経由の農産物出荷が50%割れしたことからも、農業のビジネス化、農業経営者が増えていることが分かります。政府はこの流れを後押しする必要があります。

それを妨げている農地取得や企業参入などの規制を取り除き、日本農業の潜在力を開放することが必要です。改正農協法やTPPの大筋合意は、まさに農業が大きな過渡期にあることを予感させます。

自助努力の精神、経営マインドを農業に取り入れ、自由性の拡大を通して農業の国際競争力が高まり、成長産業化させると考えます。
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