長年生きていると、色んなコミュニティの人間関係や権力関係を嫌でも沢山見ざるを得なくなってくる。
自分がいた学校でもそうだし
自分が働いていた職場でもそうだし
政治家の世界もそうだし
あちこちの色んな人間模様が目に入って来る。
そんな、あるくくまもんが少し前に見た、残念な光景をちょっと語ってみよう。
別にあるくくまもんの職場の上司の話とかじゃないから、そこは勘違いしないでね(笑)
あるコミュニティがあって、そこには数十人の構成員がいた。
そして、そこには「No.1」の存在がいた。
基本的に、「No.1」が主導して、その組織を動かしていたんだけれど
ある日、ちょっと大きなプロジェクトを実行しなくてはいけなくなった。
普段だったら、「No.1」がみんなに指示を出して乗り越えるんだけれど
実は同時期に他の大きな仕事も抱えていて、「No.1」はそちらに専念せざるを得なくなった。
そのため、ちょっと大きなプロジェクトは「No.2」をリーダーにして、任せることにした。
「No.2」
その人は、コミュニティの中で一番優秀で、最も賢く、常に冷静で素晴らしい判断ができると言われていた。
今まで、「No.1」が主導してきたものも、実は裏で「No.2」が支え続けていたから乗り越えられたものだと言い切っても問題がないくらい、素晴らしい能力を秘めていた。
だから、「No.1」は安心して「No.2」に任せたし、全ての権限を与えていた。
そして
新しいプロジェクトが始まった。
結果、どうなったか。
きわめてシンプルだった。
「No.2」が暴走を始めたのだ。
別に権力をかさに着て自分のやりたいように、しまくっていた訳ではない。
全ての仕事を自分一人で抱え込み、自分が理解・納得したことのみを、周囲に指示するようになった。
もちろん、新しいプロジェクトは一気に動きが遅くなった。
それだけじゃなかった。
「No.2」は自分が把握している情報を、誰にも共有しなくなった。
別に、隠そうと思って共有しないわけではない。
周囲に共有をしようとする発想自体が頭の中から消え失せて、そんなことを考える余裕すらなくなっていたのだ。
もはや、危険な状態に陥りかけている。
中学高校の部活動や、大学のサークルのような集団だったら、多少ケンカになるくらいで最後はどうにかなるものだけれど
たくさんの人間が動き、たくさんのお金が動いている状況だ。
笑ってごまかすこともできないし、怒られておしまいにできる話でもない。
かといって、権力をもって「No.2」の暴走を誰も止められない。
たくさんのドタバタを経て
その後、強い力が「No.2」を抑え込んで、ようやく正しい方向に動き出し、最悪の事態を止めることができた。
その後、「No.3」以下、多くの人が好ましい動きをし始めることができ、100点満点にはたどり着けなかったものの、新しいプロジェクトは60点くらいの結果までは行くことができた。
誰もがホッと胸をなでおろした瞬間だった。
その後、「No.2」が、コミュニティの中でどういう評価を受けるようになったかは、とりあえず秘密ということにしておきましょう。
それにしても
不思議なものだよね。
「No.2」が「No.2」のポジションにいた時は、大活躍していて、その人なしにはコミュニティが回らないとまで言われていたのに
「No.2」が一番上のポジションに行き、権力を持った瞬間に、急に仕事ができなくなった。
というか、おかしなことしかしなくなってしまった。
なんでこんな悲劇が生まれてしまったかというと
結局のところ「適材適所」なんだよね。
表に出て、みんなを引っ張っていくことができる人もいれば
裏に隠れて、トップを支えることができる人もいる。
表に出て、みんなを引っ張っていくことができる人は、誰かを支えることができなかったりして
裏に隠れて、トップを支えることができる人は、みんなを引っ張っていくことができなかったりする。
やっぱり、人はみんな得意・不得意があるんだよね。
さっき話した「No.2」の人は、まさに
裏に隠れて、トップを支えることが得意だったけれど、みんなを引っ張っていく能力はない人だったんだよね。
そう言う場合は
自分の弱いところを自覚して、みんなを引っ張っていく力を伸ばす努力をするのもアリだし
自分の得意分野である、トップを支えることに専念し続けるのもアリなんだよね。
実際
政治の世界なんかを見ても
本当に力のある人は、トップには出てこないよね。
常に裏方のトップに立って、見えないところで、色んなことを密かに動かし続けている。
それがいいか悪いかは別として。
自分がトップに立てるチャンスがやってきた時に
「権力を全部握れるぞ!ひゃっほー!!」と思って、権力におぼれていくか
自分の得意な力を発揮して、みんなを引っ張っていくか
自分の苦手さに気付いて、自分を磨いて、みんなをどうにかして引っ張っていこうと努力するか
自分の苦手さに気付いて、権力には目もくれず、ひたすら自分がいるべきポジションに専念するか
どの道を選ぶかによって
自分自身の未来も
そのコミュニティの未来も
変わっていくんだよね。
あなたは、どのタイプですか?