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arudyaのブログ

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腕時計の自作とはなんぞや?

2018-07-15 23:40:45 | 時計のこと
腕時計の自作。
腕時計を趣味にしている方であれば少なからず、一度は夢見た行為ではないかと思います。
ギアやネジ一つから全てを自分の手で作り出す技術があれば、自分の思い通りの腕時計を作ることができる…。

巷には、腕時計を作るキットやら、文字板や針、ケース、ベルトなどを選択して何万通りの中からあなただけの時計を作るサービルとか、文字板にあなたの写真を入れましょうサービスとか、色々あります。時計教室のようなところで自分でパーツを組み立てて作るというのもありますね。
また、真鍮や銀などの材料から腕時計の外身を作って(市販のムーブを入れて)販売している時計作家と称する方々も結構おられます。
もちろん、世の中には、パーツを全て手作りして、複雑機構までこさえてしまう猛者と呼べる方々も(水面下には)大勢おられるようです。

では、どこまでやれば自作と呼べるのでしょうか?

ワシのように、紙バンドを使って、ケースやベルトを作っているだけで、ムーブは他からパクってくるのも一応恥ずかしくも自作と呼んでおりますし、

ETA7750(昔のバルジュー)を買ってきて一度分解してチューニング。磨き直して再組み立て…を自社ムーブのように扱う大手企業さんもいらっしゃいます。ETA社のムーブが手に入れにくくなったので、慌てて自社ムーブを開発したというのは時計業界の当たり前で、それも本当に自社で作ったところやムーブ会社を買収して自社にして作らせたところもあるでしょう。
あ、これは自作の話ではなくて自社製の話になりますね。

時計ファンの間では、自作というのは、ムーブのギアやゼンマイまで自作するのが真の姿という想いが根強いです。
けれど、アクセサリーと考えている、もしくはカジュアル(デザイン)アイテムと考えている方は、外身が自作であれば、オリジナルと呼んでいるようですね。

文字板に写真を入れるサービスは、自作なのかカスタムなのか悩ましいところです(一部のみ自作)し、文字板や針を選んで作るのはカスタムメイドで良い気もします。

僕はこの件については、
そもそもが個人の主観によるところがあって、他人がどうこういう話ではないと思っていることを前置きにして、
どこが自作なのかをきちんと告知すれば、それで自作を名乗って良いと思っています。「この部品とこの部品は他社製品ですが、この部品は自作です」と明記するなら全体を自作時計と言ってよいと考えます。
巷の時計作家さんらは、どう見たってムーブを自作できないだろうから、告知しなくても分かりますから、ムーブ買ってきたと言わなくてもいいかもです。(でも、買ってきたムーブを一度バラして、地板を磨くくらいはして欲しいですが)

ただし、自分の写真を選んで誰か別の人に作ってもらうのは、自作ではないですね。
自分で写真を印刷して、文字板に貼り付けて作ったら自作。やっぱり自分の手を通さないとね。

ちなみにワシの紙バンド腕時計は、ムーブは市販品で、キャンドゥの100円腕時計でもセイコーの7S26でも…保護枠込みで直径30mmのものであれば互換性あります。というか、直径30mmのアルミ棒に巻きつけて作っているからなんすけどね。(*'ω'*)





腕時計における紙の可能性について

2018-07-14 19:46:07 | 時計のこと
独立時計師の菊野さんにお会いして、その後メールにてご挨拶させていただき、自作することについて、色々とお話を聞くことができました。
下名の紙バンド時計も見て頂いたりして、ワシは単純にとっても嬉しかったのですが、
菊野さん、ちなみに、日本の紙に対しては、

*****
紙の可能性は十分にあると感じています。提灯や行灯などの日本の照明器具には紙が使われていますが、ヨーロッパの紙は厚すぎて透過性が無かったからヨーロッパの照明器具には紙が使われることは無かったそうです。こういう文化の違いを活かして日本の紙でしかできないことをやりたいですね!
*****

と、お考えのようです。そのうち、和紙をモチーフにして何かを作られるかもしれませんね。

たしかに紙バンド腕時計なんていう、おもちゃの工作をしているだけでも、紙の軽さ、丈夫さ、工作のし易さ(ハサミとノリだけ!)、色の多様性(何色でも染まります)、透け感、などなど色々なことを感じます。
菊野さんが本格的に取り込もうとしたら、どんなアイデアが生まれるのか、想像するだけでもちょっとワクワクしますよね。(*'ω'*)

菊野さんに会う(その2)

2018-07-13 16:48:32 | 時計のこと
菊野さんのこだわりは、やはり自分の、手で作るということ。
今は、それなりの設計図さえ書ければ、高精度のNC加工機やら、それこそ3Dプリンタとかでそれなりの部品が作れます。あとはそれをアッセンブルすれば良い。
独立時計師さんの中にもご自分でNCを作ってしまい、それで制作されておられる方もいらっしゃいます。それを否定する気はさらさらないですが、手作りへのこだわりは、菊野作品の一つの大きな特徴になっております。

腕時計というものを、一つの完成品として捉えるのではなく、作る過程から完成後の使用中、はたまた朽ちていくところまでの過程を腕時計の価値として捉え、造り手とユーザーとで共有する。というのはなかなか素敵な考え方かと思います。

さて、
講演会も終わり、懇親会へと場を移すのですが、そこでも菊野さんの紳士っぷり…及び真摯っぷり? は、全く変わらず。

独立時計師を生業として生きていくしっかりとした覚悟があるのでしょう。どこまでも丁寧に対応してくださいます。
新作の"朔望"を手に巻いておられましたが、惜しげも無く、ほいほいと人に渡してご覧頂いておりました。ムーンフェイズ付きの渋い色合いの時計で、文字板の加工が綺麗です。きっちりとしたスーツに似合いそうです。お値段は5百万円だそうです。年間4個しかつくれないとのこと。
ご興味のある方は、是非彼のホームページから。


下名のたいへん拙い自作紙バンド腕時計も馬鹿にせずきちんと手にとって見て頂き、「これは軽い!」と感想を頂きました。(確かに紙バンド腕時計は、ムーブと風防(スケルトンの場合の裏蓋)以外は全て紙製なので、ものすごく軽いのも特徴です(^^))



また、紙バンドでの工作について、「(ノリだけで)こんなにしっかり丈夫にできるんですね」とか、「以前、紙縒りを編んで作ったキセル入れを見たことがあります…」とかきっちりご自分の体験とリンクさせて話をされたり。どんなものにも興味を抱くアンテナの張り方もすごいものでした。

結構イケメンさんでもありますので、女性ファンも多いのでわ? と振ってみましたが、全く興味を持たれない素ぶりで…。でも、会場のあちこちでは女性(多分みなさん時計関係者)にツーショットをせがまれていたようです。
かくいう私も一枚パチリと。(^^)


たいへん楽しくて、有意義な夜でした。

菊野さん、ありがとうございます。
また、このような会を催して頂きました、日本時計輸入協会さんにも感謝いたします。

#菊野昌宏
#日本時計輸入協会

菊野さんに会う(その1)

2018-07-12 23:25:09 | 時計のこと
昨日、CWC(ウォッチコーディネーターの資格)のイベントで独立時計師の菊野 昌宏さんの講演会というのがあり、参加してきました。
本来はCWC会員の皆様へのセミナーのようなものらしいのですが、一般参加もOKということで早速申し込んでいた次第です。
場所は市ヶ谷のTKPカンファレンスセンターの9階。
一般参加者は、懇親会付きでお値段3,000円。これは本当に価値ある3,000円でした。日本時計輸入協会さん、太っ腹!!

菊野さんのことは詳しく書かないでもネットにたくさんの情報がありますので割愛しますが、世界で40名弱しかいないとされる独立時計師のお一人。
不定時法の和時計を腕時計に仕立てあげた才能溢れる35歳です。

お話はご自身の経歴から独立時計師として言いたいこと。さらにはメイキング映像まで。たっぷり1時間ほど。



菊野少年の時計作りに至った原点というべき言葉が「大人になったら、一人でつくれない」。
LEGOやガンプラやら、何やらモノを作ることで楽しい時間を送っていた少年が、気づいた言葉がこれ。だったそうな。

たしかに今の世の中、最先端の工業技術で、パソコンにしても車にしてもどんなものでも優れたモノは存在しますが、それらって皆、誰かが一人で作っているわけではない。大人のものつくりというのは、工業性が上がれば上がるほど、多くの人間がものつくりに絡んでいて、自分がどの部分を作っているのかさえ喪失してしまう。
(チャップリンの映画のようですが)

菊野少年は、おおいに憂いたそうです。そのモチベーションが今も青年菊野を支えている。らしい。

腕時計の世界を考えても、
一人で、ギアやネジ一個手作りで時計を作っているなんて、今ではメーカーとしてはあり得ないわけです。
工業製品ですからね。工芸品ではない。

講演の中で、「では、腕時計を一人で作っていたのは何年くらい前か?」という話に及んで、100年前?いえいえアメリカの大量生産方式で数百万個の時計が作られていました。
200年前? 天才時計師と言われたルイ・ブレゲの時代でも分業は進んでいた。ブレゲが自分でギアを削り出したりはしていなかった…らしい。では、
300年前? 17世紀の後半になりますが、イギリスで産業として腕時計作りが興隆し始めた時期でしょうが、この時には既に分業制で時計が作られていたと言います。
つまり、腕時計を一人で作っていたのは、本当の創成期だけ!
それを21世紀になって、菊野さんは原点回帰で実現しようと模索しているわけです。


#CWC
#菊野昌宏
#独立時計師

文字板と文字盤について

2018-07-11 12:34:31 | 時計のこと
文字板と文字盤。

腕時計関係の雑誌や書物、カタログなどで両方の表記を見かけます。

英語表記では、単に"dial"なんですけどね。

キョロキョロしてみると、
国産時計メーカーさんは殆ど文字板。日本時計協会さんも基本的に文字板表記です。
それに対して、腕時計雑誌類や海外メーカーのホームページ、日本時計輸入協会さんなどは、殆ど文字盤と表記されています。

実は、JISで時計部品に対する名称は決まっていて、「文字盤」という表記はない!んですよ。(嘘だと思われる方は、JIS B 7010(注:誤記訂正:20180721)をネットで漁ってみて下さいね)

ということで、国内メーカーさんは全て文字板という表記を使用しているわけです。

ちなみに私は、以前、セイコーさんのダイバーズの本にその説明が書いてあったのをみてからは、ずっと文字板表記にしています。

では、なんで雑誌類や海外メーカーさんらは、(JISに逆らってまで)文字盤表記をしているのでしょう。
CWC(ウォッチコーディネーター資格)の教科書(日本時計輸入協会)には、「本書では、部品の状態では文字板。完成品では文字盤と表記します(うろ覚え)」と記載されています。
文字板の完成品とは何を指すのかよく分かりませんが、時計部品の構成の説明でも、文字盤表記をしているので、加工前の板くらいしか文字板と呼ばない(これは誰でも文字板…とも呼ばないかも…ただの板だし)ようです。

要は(たぶん)昔からそう言っていたし、その方がカッコいいから…。なんだろうなと思います。
たしかに文字板というとただの板切れみたいなイメージがあるし、文字盤というときらびやかな加工が施されたイメージがありますものね。
…でも、JIS上では、どんな綺麗なdialもみんな文字板です。(*'ω'*)

皆さんはどっちを使いますか?

紙バンド時計(自動巻)衣替え?

2018-07-08 20:00:46 | 時計のこと
以前作った、紙バンド腕時計(自動巻)のガワがだいぶボロボロになってきたので、作り変えてみました。
7S26の中身と文字板はそのままで外装だけ作り直し。

今回は生成カラー?を主体にしてみましたよ。だいぶ趣きが変わりました。




腕につけるとこんな感じ。



でもって、やっぱり夜光です。


朽ちてきたら、さっさと作り直しができるのも紙バンド腕時計の良さですね〜(^^)

「MISSON TIMER Sinn 世界計測機器」ムック本

2018-06-20 21:45:16 | 時計のこと
娘が父の日にくれたムック本。

ロレックスなら分かるけど、SINNなんてどちらかというとマイナーなメーカー専門の解説本が出てるなんて知りませんでしたわ〜(*'ω'*)。創業者ヘルムート・ジン氏がこの春(2018.2)に亡くなったとのことなので、そういうのも後押ししたのかもしれません。
ムック本なので、メーカーヨイショの宣伝文句が羅列されるわけなのですが、彼らの作る時計と同様に過度な虚飾がないので割と救われていると思います。

"ちょうど、「私的腕時計の魅力論」とか書いていて、腕時計の本質は、パイロットウォッチやダイバーウォッチのような視認性の高い、いつでもどこでも正確な時刻を確認できることだ。とか言っていた矢先、なんというまるで図ったようなタイミングで、この本を貰ったのだった。
決して、先にこの本があったわけではないので誤解をしないように。
…しかし、後から見ると「私的腕時計の魅力論」は、すっかりSINN推ししていることが分かる。持ってないんだけどね(*'ω'*)。では、何故SINNを持っていないのか?考えるにやはりどこかで品質面に不安を感じているのだと思う。比較対象がセイコーの安ダイバーズで数万円で十分な機能性能および品質を有しているのだから、敢えて高価な舶来計器に手を出さなくてもいいと思っているのだ。
また、IWCと比較する程には魅力を感じないのは、腕時計の本質とは少しずれた価値観も多少はあるということだろう。
ただ、サブマリナーとSINNのどれか一本どちらあげるかと言われたら、迷わずEZM13を貰うだろうし、ナビタイマーと903どちらかと言われたら、903を選ぶだろうと思う。そのくらい私の中では魅力的な腕時計ではあるのだ"

SINNのイメージというと、繊細より無骨。仕上がりより思想。多機能というよりシンプル。なのですが、この本を読んで意を強くしましたね。
現社長のローター・シュミット氏はIWCの出身で…あーやはり通じるものがあるのでしょうか?SINNの時計にIWCの妖艶?さが加わると恐るべしになるかもしれません。

またSINNの903シリーズって、ブライトリングのナビタイマーのパクリぢゃね?と思っていたのですが、記事によると潰れたB社から正式に版権を譲渡してもらってるんですね。パクリぢゃなくて正当な後継機種だったわけだ。すいません誤解してました。

この他にも142.BSが、実は1985年に宇宙で使用された最初の"自動巻"クロノグラフであったり(伝説欲しがりの某メーカーなら喉からで手が出そうな(*'ω'*))、1967年に155が西ドイツ空軍に制式クロノグラフとして採用されたり(この話は面白くて、調達先は実は2社あって、もう1社がホイヤー・レオダニス…今のタグ・ホイヤー…だったりして、全くそっくりな(制式化されてるので当たり前だが)クロノグラフが両社から納入されていたらしい。収集マニアの方なら両方のモデルを有しているのかしら?)、色々面白い話題が満載だったりします。

また、時計に詳しい方ならよくご存知のレマニア社の買収合併によるCal.5100の製造中止によるセンター4針クロノグラフの製造中止。前述の142も入っていました。なんてことも書いてある。いいことばかりじゃないのよ。ということか。

そも、私がSINNを知るきっかけとなったのは縦3目を搭載している各社のクロノグラフを扱う記事の中に203.ARKTISという極寒の地で使うSINNの特殊な時計を見かけたことなのだが、その後すぐに656〜856といった3針のシンプルなパイロットウォッチを見かけるようになります。
これはいいなあと思いましたが、まだ若かった?当時の私のデファクトはクロノマットだったので、記憶の下に潜ることになりました。その後ブライトリングに魅力を感じないようになり、もう少し質実剛健な使えるものといった目で時計を見るようになり、その目で実用時計としてのサブマリナーに注目するようになりました。何よりレジャーダイバー用雑誌ではなく、海洋計測機器の業界誌に広告が載っているのはロレックスくらいだったから。流石にSINNの広告も見たことはないですね。サブマリナーは良いけど、その辺でよく見かける時計でパチモンとかと一目で分からん。で、またSINNに戻ってくるわけです。

だったら買ったらいいじゃない?と思うのですが、記述の理由により躊躇を繰り返すということで。

そんなことを全く知らない娘から、このムック本を貰いまして、また購入意欲がフツフツと…。
というのはウソで、自分の中では知識としての時計は色々収集したいですが、やはりそれらを生かして、自作紙バンド時計の制作をもう少し続けたいな。と思う次第であります。
自作文字板とか作っていると…色々なデザインをパクって作って見ると、そこに隠れているものが時折見えてきたりします。SINNもどきもどこまでインデックスを太くすると見やすいのかとか。あ、だからこんななんだと気づくのは嬉しいです。

そんななので、好きなSINNの解説本は大変参考になりましたです。
ありがとうでした。

腕時計の利点(私的腕時計の魅力論)その5

2018-06-20 19:55:54 | 時計のこと
腕時計の利点とその判断基準を長々と記してきたが、
世の中一般の腕時計の魅力とは、かなり異なった結論になったと思う。
それは多分に多くの人々が腕時計を本来の腕時計としてではなく、そこより派生したロマンと伝説、所有欲や名誉欲、資産価値に溢れた存在として見ているからと思われる。
それらは腕時計の腕時計としての本質から大きく乖離しているので「チクタク音が生きてるみたい!」とか、「時計好きは機械式時計好きに決まってる」とか、「緑サブはリセールバリューが高い」とか…巷で聞くセリフには私は違和感を覚えざるを得ないが、腕時計をどう楽しもうが所有者の勝手なのだから、実はどうでもいいことなのだろう。むしろ本質論を唱える方がおかしいのかもしれない。
ただ、機械式時計を崇拝し、クオーツ時計は本筋ではないと言ったようなつまらない風潮…こんなのどう見てもクオーツショックで苦渋を舐めたスイス時計メーカーの風評(恨み節)でしかないと思うのだが…に乗ってしまい、本質が見えなくなってはいないか? 本来必要である機能性能に知らず我慢していないか?老婆心ながら憂いてみたりするのである。

以上終わり。

腕時計の利点(私的腕時計の魅力論)その4

2018-06-20 19:54:48 | 時計のこと
視認性としては、もう一点大事な要素がある。それは"常に"に関係してくる…暗いところでの視認性である。
多くの一般的な腕時計、上述のGSにしても、夜光の採用は少ない。これまた(多分)野暮ったく見えるからなのだと思われるが、ドレスデザインとは相反するものなのかもしれない。確かに蓄光塗料は塗った厚みがあればあるほどしっかり長く発光すると言われているが、発光色を含めて高級感のあるものは少ない。

スポーツ系やミリタリ系の腕時計では、それなりに技術は進化していて、長時間発光を持続するものが増えてきているし、マイクロガスライトのような自発光を採用するものもある。また、クオーツの世界では、LEDバックライトやコナン君の腕時計のように懐中電灯になるものまである…のは余談だが。



腕時計の利点(私的腕時計の魅力論)その3

2018-06-20 19:53:30 | 時計のこと
ただし、ここで問題とすべきは、"望むレベル"であって、究極の絶対精度のことではない。
日差数十秒が全てのユーザーの"望むレベル"から大きく乖離しているなら、とっくの昔に機械式時計は実用にならないとの烙印が押され、無くなっている。はずである。
もちろん、業務用の時計などでははるかに高い精度の要求がなされるから、そのような場所では、とっくに機械式時計は駆逐され、高精度なクオーツとか電子時計とかが使われているが、それは腕時計の話ではない。

最後に「視認性」の話になるのだが、どんなに腕時計が、"望むレベルで常に正確"に時を刻んだとしても、それが見えないのであればなんの意味も持たない。視認性が腕時計の私的定義に基づく"腕時計"であることの価値に繋がるのはそう言う意味でのことだ。そこではもちろん、視認性が高い程、良とされる。
何度も触れるが、定義から派生する腕時計型アクセサリーであれば、視認性は価値判断の基準にはならない。むしろきらびやかな宝飾や凝った文字板のデザイン。磨き上げた内装を惜しむところなく見せつけるフルスケルトンなどユーザーの所有欲をくすぐる業が評価の対象になるだろう。

前置きはそのくらいにして、視認性の高いデザインというのであれば、一番は白黒のハイコントラストの利用である。
と言い切れるのは、日本のパトカーが白黒パンダである理由が正に一般車との区別がつきやすいから白黒上下のツートンとなった。また、高い視認性が必要とされる駅のホームにある時計やレールウォッチで有名なモンディーンなども白黒パンダ(秒針は赤)。パイロットウォッチも基本白黒(黒白と言うべきか)。
などの理由によるわけだが、デザインの好き嫌いは別として、これには異論はないと思われる。ちなみに視力検査で使われるランドルト環の表も白黒である。

白黒を生かした高い視認性を叶える腕時計というなら、前述のパイロットウォッチ系もしくはレールウォッチ系。あとはダイバーウォッチ系になろうか。いずれも視認できない場合の危険性と表裏一体。時字というかインデックスはくっきり太字が殆どであり、針も太く誤認しないように工夫されている。

本来の一般的な腕時計やドレスウォッチなどは、アクセサリー要素が入るため、どうしても文字板の視認性より時計全体のデザインに走ってしまう。白黒だけで構成された文字板、針はあまりにも色気がないからだ。
多機能時計も文字板を複雑に構成しなくてはいけない分、視認性には欠けるのは仕方ないところかと思う。
ただし、私的腕時計の定義から考えるに、それらは腕時計である必要もなく、必然スマホやタブレット等に取って代わられるものではないかと思う。事実、"普通の腕時計"を有していたユーザーは既にかなり腕時計離れしているのではないだろうか?
リセールバリューを気にする腕時計投機家とか複雑時計オタクのために腕時計があるならもちろん話は別だが。

もちろん無地の白黒である必要はなく、微妙な凸凹、荒さを含んだ…例えば和紙を使ったもの(ザ・シチズンの例)、雪の表面のような加工をされたもの(GS SBGA011…今ならSBGA211の例。ちなみに並べてみると新しいGSはどうも締まりが無いデザインに見える)などは、きちんと高い視認性と色気を兼ね備えている。
もちろん、ギョーシェ彫等、優れた文字板の表現は、スイス時計の本骨頂であり、文字板に多彩な表情を見せてくれる。
ただ果たしてそれが視認性に寄与しているか…そもそもそのためのデザインではないだろう…何度も触れるとおり、ここでは改めて論じる必要はないと思う。