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arudyaのブログ

あるぢゃがブログを試したくて設定してみました。

SISTEM51が壊れてしまいました、

2018-11-10 21:22:03 | 時計のこと
前回、長く使い続いているわけでもないのにビンテージ風時計は嫌だなあと書いたのですが、
その対局?とでも言えるスウォッチのSISTEM51がどうやら壊れてしまったようです。
スウォッチですから、基本使い捨て感覚の時計なのでしょうが、とても残念で修理に出そうか諦めるか思案中です(たぶん修理に出しても新品買ったほうが安いか、アッセンブリ交換になるのは想像しうる線なのですが…そもそもプラケースは接着されていて分解できそうな気もしない)
メンテ不要という謳い文句ですが、逆を言うとメンテできないということにもなりますかね。

壊れ方は、ゼンマイ巻いてもすぐに止まっちゃうというもので、テンプが油切れか何かで動きが悪くなったか、ゼンマイが切れるか何か香箱側の異常で長時間動けなくなったかだと思います。

スウォッチなのでカジュアルだからあまり使う機会がなかったのが少し残念ですが、
性能的には十分満足するものでありました。パワリザも90時間、3日は動いている。精度もカタログスペックでは±5〜15秒くらいで、実質も週末とかつけている間に大きく狂ったことはありませんでした。

今ネットのカタログを見ると、発売当時と違ってビジネスユースでも使えそうなデザインのSISTEM51もある様子。買いたくもあり、また短期で壊れても困るしな…との不安もあります。(スウォッチ的に4年というのは短期なのかどうか難しいところですけれど)

それに比べると、セイコー5の丈夫なことよのう。価格もむしろ安価だし、もう少しだけお金を積めば、200m防水のダイバーズが買える。(*'ω'*)…デザインは…言わんどこ。


ビンテージ感バンバンの時計について

2018-11-10 20:56:32 | 時計のこと
昨今、比較的低価格な時計業界でもビンテージ感というものが一つのキーワードになっているのか、60年代とかを意識したデザインの腕時計を見かけることがよくあります。

これは著名時計メーカーだけではなく、某有名雑誌のコラボ企画とかでもよく見かけるので、一つのトレンドなのかとも思います。

具体的には、風防をドーム型にしたり、時字に古いフォントを使ったり、全体に日焼け感を出すためにベージュ(アンバーともいうかな?)な色合いを出したり…。

要は、昔風…というか経年変化がありました感を醸し出しているデザイン。

昔の時計をずっと使っていたらこうなりました。40年〜50年前の時計のヘタレ感が再現できていて、しかも中身は現代もんだから故障とかもしないしね…。って。
それってどうなんだろうかなぁと思ってしまうわけですよ。

アンティーク時計をレストアしてつけているならカッコいいと思うのですが。もしくは今の時計のデザインが気に食わなくて、昔風なデザインに走るならまだしも。

ビンテージ感を出すってのは、ただの手抜きにしか思えない。
本来、ずっと使い続けてきたから醸し出されるビンテージ感を加工で表現してどうすんのよ。とか思うのですよ。

ジーンズのビンテージとかウォッシュドもそうなんだけど、使い込んでもないのに…それってエセぢゃん!とか思わないのでしょうか?

「10年、20年使い続けて初めて出てくる色合いですから、どうか長くお使い頂けますようお願いします。弊社はそれまできちんとサポート致しますから」と言うならすごく共感を持てるのですが。

底の浅い使い捨て感覚をバンバン感じてしまうのは私だけなんですかね?
まぁ、数万円のファッション時計に愛着を持てと言う方がおかしいのかしら?

大坂なおみさんの時計

2018-09-12 20:38:25 | 時計のこと
全米オープンで優勝!された大坂なおみさん。
実はシチズンさんのアンバサダーなんですね。で、試合中もエコドライブつけてました。

はっきり言って、テニスの試合中に腕時計してるのって邪魔なんだろうな〜と思うわけですが、メーカーさんにとってはまたとない宣伝のチャンスなわけで、
シチズンさんにしてみれば、「やったね、パパ。明日はホームランだ!」だったのでしょうね。

で、大坂なおみさんのしていた腕時計がこちら。(*'ω'*)



きっと流行るんでしょうね。発売予定は今週末です。

GPSアウトドアウォッチの最適解(記事の紹介)

2018-08-21 21:58:24 | 時計のこと
OUTDOOR GEARZINEというネットマガジンに

購入ガイド:CASIO・GARMIN・EPSON、ぜんぶ試してみて分かった、目的別GPS付きアウトドアウォッチの最適解

https://outdoorgearzine.com/column-outdoor-gps-watch-review-1

という記事がありました。
ちょっと気になっていたGPSウォッチの特集でしたので、読んでみたら面白かったです…というか、やっぱりカシオのプロトレックぢゃな〜。と再認識した次第でありました。

でも、(ここには出てないけど)WSD-F20Xというクロスバンド付きのモデルはもう販売中止になっていて、とても残念です。
こいつは中身はF20なんですが、バンドを交換できて、長いクロスバンドがセットについてくる。
冬場にジャンパーの上から時計を巻けるというやつですな。
ほら、宇宙飛行士さんが宇宙服の上からスピマスを巻いてるのといっしょです。
冬場、アウトドアでなくてもバイクに乗ってる時とか、ジャンパーの上から巻きたいときは結構あるんですよね!

冬場になったらまた再発売してくんないかしら? そしたらお金貯めときます。




三越ワールドウォッチフェア行く

2018-08-20 09:28:38 | 時計のこと
昨日、日本橋三越にワールドウォッチフェアを見にいってきましたよ。



今年で21回目を迎える三越ワールドウォッチフェアですが、今年も各メーカーさんの新作などを一度にたくさん見ることができて、楽しい催しでした。
(ただ、これも相変わらずなのですが、やっぱり百貨店の高級ブランドウォッチ展開なので、売り場のスーツのおじさん方は、それなりに上から目線だし、監視され感ありまくりだし…ま、そんなこと気にしてちゃデパートではウィンドウショッピングはできません(*'ω'*)。臆することなく、こちらもきちんと対応すれば、あちらも誠意ある対応していただけます)

会場のほぼ中央には、レストスペースとは名ばっかりのイベントスペースがあって、トークショーとか盛りだくさん。ワシが行った時は、ブライトリングさん提供でフリーダイバーさんとOCEANS編集長さんの対談形式のトークショーやってました。

新作も少し見たのですが、ARCIの展示の中のルドヴィック・バルアーさんのアップサイドダウンとか、グラスヒュッテ・オリジナルさんのセネタ・マイセン・トゥールビヨンとかそっちが楽しくて…。

アップサイドダウンは新作というわけではないので、ご存知のかたもいらっしゃるでしょうが、現在時だけが正立していて他の時字は逆立ちしているとてもユニークなピースです。正立している現在時には小さなドットが付いていて、逆立ちするとなぜか消えちゃう。タネを明かせば何でもないのですが、販売員の女性の方にデモしてもらいながら、やっとカラクリがわかりました。ほほーっ。



グラスヒュッテさんのはマイセンですよ、マイセン!陶器文字板。すごく艶めかしい色艶でした。いいわ、あれ。
…。エナメルとか七宝とかなら(基盤は金属ですから)分かりますが、こいつはまるっと陶器らしい。どんだけ薄く作っているのかすごく興味湧きましたが、残念ながら販売員の可愛いおねーさんはそこまで知らなかったようです。(*'ω'*)。ま、そんなことは気にしないもんかな?



今年はわざとに狙ってクラシカルな雰囲気を持つ製品の傾向も強くて、中古時計屋さんに置いておけば、アンティークですか?と言われそうなものとかも散見。復刻と言うのか温故知新なのか、はたまたインスパイアなのか…。デザイナーがサボってるだけなのか…。(*'ω'*)ワシはあまり好きではありません。

H・モーザーさんのサンレイとグラデの合わさったような文字板なんかは、これでカットガラスだったりしたら、70年代の流行りを彷彿させる?と言っては失礼な素敵な仕上がりでしたが、ワシにはそんなイメージが。(*'ω'*)

そいえば近頃まで、なんでもやたらポリッシュでピカピカウォッチ志向の強かった(確かに遠くからでも一目でわかりましたが、故にあまり趣味ではなかった)ブライトリングさんですが、サテン仕上げのクロノグラフも何点か出されていて、少し落ち着いた感じが好感持てました。曲面とエッジの使い分け、仕上げも綺麗でした。が、やっぱりモノに対してまだまだ価格が高すぎな気がしますね。

そいえば、その2。ヒコ・みづのさんとこの研究生卒業制作とかも数点展示されてました。凄いですね。学生さんにこれだけのものが作れてしまう。かなり荒削りでしたし、一部ムーブに指紋のようなものが残っていたり…でしたが、それでも凄いです。(写真ないです。すいません)

そいえば、その3。ゼニスのオシレータ。これも見たくて行ったのですが、参考出品とかで、展示用ショーケースの中に鎮座しているだけで、よく見せてもらえませんでした。ゼニスのおじさんは、どうももっと別な売れ線を見てもらいたかったようですね。

そいえば、その4。シチズンさんの100周年特別展示?というのもひっそりとされてました。例の年差1秒の時計も展示されてましたが、以前銀座で展示していたような周波数測定器はありませんでしたよ。あの時も測定値は年差2秒以上ありましたから、取りやめたのかもしれません。(*'ω'*)


さて、今回、偏屈あるぢゃのベストワンですが…。

H.モーザーさんのパーペチュアルカレンダー(一見普通のモーザーさんのグラデウォッチに見えますが、実はパーペチュアルカレンダーという優れもの)も素敵でしたが、ピアジェさんの910Pの薄さも凄い!(自動巻きなのに何と4.3mmしか厚みがない!シチズンさんのエコ・ドライブ ワンの3mmに匹敵する…と言っても、ピアジェの価格は凡そ10倍もする)も素敵。
ということで、今回は二つ(すいません、新作ぢゃなくて)。

三越ワールドウォッチフェアは8/27まで開催しているようですので、お時間がある方は是非! 写真だけでは分からない高級時計の真髄に触れることができる良い機会だと思いますです。
まずはその仕上げの凄さから…。

金属以外の素材でケースを作ること。

2018-08-16 16:08:09 | 時計のこと
そもそも、僕が紙バンドで時計を作ろうと思ったきっかけは、金属アレルギーの友人がいたからなんだが(そうなると接触面だけ非金属にすれば良いという話もあるな)、
一番手軽で、加工しやすいというのもあって、紙バンドを使っている。
金属以外の素材なら、木材とか陶器とかガラスやセラミック、石材、あとはなにがあるだろう…。あえてプラスチックを入れなかったのは、廃材となったプラスチックの行く末を憂慮しているから。残念なことに風防部分は予算の都合上、アクリルに頼らざるを得ないが、出来ればガラスにしたいものだ。

プラスチックの怖さについては、別の機会に触れるとして。

粘土の可能性を試すために、プラ粘土というものも考えてはいる。ポリマークレイというカッコいいカタカナがついている。オーブン程度の温度で焼結できるもので、仕上がりは硬質プラスチックと軟質プラスチックのあいだくらいには固まってくれる。(残念ながら、今は家を出て、手元には安オーブントースターしかないので焼けないのだが)
元々は、人形などのオブジェを作るためのモノのようで、そんなに細かい細工には向いていないようだ。

この硬さが微妙で、時計ケースには使えるがラグには使えない。バンドに使うには柔軟性が足りない(ま、粘土だしな)

形成にもコツがあって、普通にこねて焼いても光沢は出ない。例えば金属に貼り付けたまま焼くとくっついているところは光沢になる。
何かで型を作って流し込んで焼く。というのが正解なんだろうけど、そりゃ無理だな。
ただ、この粘土、色やラメ入りなど種類が豊富なので工夫すれば何かに使えるかもしれない。

完全自作と工作機械

2018-07-26 22:32:15 | 時計のこと
勝手気ままな時計自己主張が続いております。

今回は、手作業での自作と工作機械を使った自作について。

独立時計師さんやスーパーアマチュアさんなどにも、手作業で自作する方とCNCなどの工作機械を駆使して時計部品を削り出す方がおられます。

果たして、工作機械で削り出した部品は自作と言えるとだろうか?
素朴な疑問が生じます。

CNCを扱うにはそれなりの機械工作の技術や製図、CNC自体の癖やノウハウ…色々有する必要があって、当然ただの素人には扱えるものではありませんが、それなりに学べば数年もせずに使えるようにはなるものです。CNCに優しいCAD図面が描ければ、それなりのものは削り出せるし、CNC側のカスタムを必要とする場合もあります。…そこまで行けば精密機械加工屋さんですけどね。

独立時計師の浅岡肇さんは、デザイナーなんだけど、自分でCNCまで作っちゃって、それを使って腕時計の部品を削り出してしまう人です。
市販の工作機械を使っているのではないから、ここまでくれば自作と言っても良いかもしれない。
…と言いながら。あ、では、市販の工作機械に自作データを突っ込んでというレベルは、ワシは自作とは認めたくないんだなと思いましただ。

前述のようにCNCだって使いこなすのはそれなりの技量が必要だし…と思いますが、やはり一旦出来ちゃうと同じものがいくつも製作可能だからな〜。

そういうことを言うと、削り出した後の仕上げや調整が大事なんだよと。時計は仕上げがナンボよ。と言う方もたくさんおられるだろうけれど、それは、手作業で部品を削り出しても同じことだよね。

機械で削り出したものを丹念に仕上げてピカピカの部品にして組み上げる。と言うのと、手作業で部品を削り出してピカくらい(ピカピカより少し少なめ)の部品にして組み上げる。工数や精度にあまり違いがないとしたら…。

これは時計作りの方向性の違いに過ぎないのかもしれませんね。

より安定した精度が出やすそうなのは、機械作りだろうけれど、それなら市販の部品に加工してもあまり変わらない。というか、この場合は市販だと上手くいかないので作っちゃえなのだろうけれど。
前述のダニエル・ロート氏の例もあり、独立時計師さんの目指す姿はそっちだろうと思いたくもなりますが、それこそ勝手な思い入れですよね〜。

完全自作は必要か?

2018-07-26 22:30:52 | 時計のこと
前回、
一部の部品を"売り物"レベルで自作できない時計師は皆廃業しないといけないのか?
という問いを残して、終わったので、その続き。

結論から言うと、出来ないものは、できるものに置き換えていい。というのが僕の持論である。
即ち、つくれない部品は既製品でもなんでも使えばいい。と思っている。
前回も触れたが、"腕時計"の目的は、"いつでも正確な時刻の指示"であり、その目的のためにはどんな手段を使ってもいい。オール自作などというつまらない拘りのために"腕時計"であることから逸脱するなら、それは時計師とは呼べない。時計師が最重要視すべきポイントは自作ではなく、"腕時計"を作ることに他ならない。

ダニエル・ロートという神懸かりな時計師がいることは、知っていると思う。ブレゲ社の再興に関わり、ダニエル・ロートという本人名を冠する会社
を立ち上げたが、社長として時計作りから離れるのを嫌い、辞して暫く時計作りを辞めてしまっていたが、再び時計作りに戻ってきた神懸かりな時計師。立ち上げたブランドは、「ジャン・ダニエル・ニコラ」。自分と息子と奥さんの名前を付けた小さな工房である。
前置きはそのくらいにして、このダニエル・ロート氏。作っているのはほぼ手作りのトゥールビヨン。ムーブの全てを手仕事で仕上げていると言われている。数ミクロン精度の天真を仕上げる神のような手作業の技を持つ。機械ですらなかなか出せない精度である。
ダニエル・ロート氏の作るトゥールビヨンは、神のような技により生み出された"腕時計"と言える。

では、一介の時計師がダニエル・ロート氏にあやかり、フル自作で腕時計を作ったとし、十分な精度が出せなかった場合、テヘペロで売りに出して良いものだろうか? これはダメだろう。"腕時計"の目的から大きく逸脱する方向になってしまう。
であるなら、精度の出せない部品は既製品を使い、十分な精度を出せるようにした方がよっぽど潔いと考える。
そして、いつかダニエル・ロート氏ばりの技術を身につけて、フル自作になりました。と告知すれば良い。相手は神なんだから、近づく努力を惜しまないことが大事であろう。それまでは自作もできない時計師という批判を甘んじて受けるべきだろう。

もちろん、全て手作業でフル自作することが時計師にとって全てであるはずもないが。(ここ、とっても大事!)

つづく

自作腕時計をオーダーメイドの服に例えると…

2018-07-26 22:29:10 | 時計のこと
既製品と自作の違いをよく問われるので、オーダーメイドの服で考えてみることにした。

オーダーメイド服といっても、なんたらコレクションに出てくるようなアートな服ではなく、日常で使うことを目的としたビジネススーツと考える。
…簡単なイメージとしては、「王様の仕立て屋」というマンガに出てきたようなものと考えて頂きたい。

同様に、腕時計における既製品と自作腕時計。この場合の自作とは、独立時計師さんなどに発注するレベルのオーダーメイドの腕時計のこととして捉える。

さて、既製服かオーダーか?
ビジネススーツの目的は、仕事がしやすいことであり、体により合ったものであれば良いということになろう。であれば、たまたま既製服でも体に合う場合もあろうから、一概には言えないが、一般的には、既製品よりオーダーの方が体に合うものを調達できる…と思われる。
ましてや、採寸、仮縫いを繰り返して手縫いで仕上げるフルオーダーの服が体に合う…すなわちビジネススーツとしての目的を達する最善策であることは異論はないだろう。
ただし、体に合うことが目的であるならば、またそれを達成することにのみ着目するならば、何も手縫いに拘ることはない。機械縫いでも、はたまた3Dプリンタを駆使するでも、それが最良の目的達成の方法であるならそれを採用すればいい。
ただ、残念なことに服飾界では、手縫いに勝る方法がない(のだと思われ)ので、それに頼るしかないのだ。未来は変わるかもしれないが。
既製品が体に一番合うという貴重な体型の人がいたら、彼の目的にはオーダー服は必要ない。

腕時計に話を戻そう。
腕時計(ウォッチ)の定義は、「どんな姿勢でも作動し、かつ携帯することを目的とした時計」(日本時計協会)であり、時計とは「時刻を指示する計時装置」(同協会)であるから、腕時計の目的は、"いつでも正確な時刻の指示"であり、それ以外ではない。

即ち、超高級腕時計がダイヤで飾ろうとも、素晴らしい仕上げを見せようとも、それは腕時計の本質ではなく、"いつでも正確な時刻の指示"のできないものであるなら、どんなに高価であろうとも、"腕時計"とは呼べないただの腕時計を模したアクセサリーもしくはアートであると言わざるを得ない。…と言うようなことは先だって書かせていただいた。

と、するならば、
大手メーカー物の既製品はすべからく"腕時計"である。目的に適合している。少なくとも工業製品として一定以上に狂うモノは売り物にはならない。即ち、既製品でも十分事足りる世界だといえる。

では、自作腕時計はどうであろう? オーダーメイド服のように、ユーザーに対して、"腕時計"の目的をより良く果たす方向に向いているだろうか? つまらないこだわりのために"腕時計"であることを捨てていないだろうか?

自作することを目的として、趣味の世界で作るのであれば、なんとも言わないし、それが"腕時計"である必要もないだろう。アートでもいい。でも、"腕時計"である以上、"いつでも正確な時刻の指示"のできないものを売り物として世の中に出してはいけない。出来ないなら自作は捨てるべきだと、僕は思う。

世の中にはスーパーアマチュアと呼ばれる方もいて、始めてから5年で"トゥールビヨン"を作っちゃったりする方もいらっしゃる。
でも、本来の"トゥールビヨン"の目的からすれば、一定の期間でキャリッジが一回転する機構は目的ではなく、その手段であって、重力差を低減させてそれなりの精度が出ていなければ、単なる自己満足のアートかおもちゃに過ぎない。
自作した腕時計が"止まらずに動いている"とか"(精度を出すには)製作者がそばにいて時折分解調整しないといけない)"ものは、どんなに仕上げが綺麗でも本来、"腕時計"と呼んではいけない。

独立時計師と呼ばれる人々が売り物にする"腕時計"とスーパーアマチュアの方が作る時計らしきものの違いはそこにあると思う。

それでは、一部の部品を"売り物"レベルで自作できない時計師は皆廃業しないといけないのか?
という問いに対する僕の解は、次の回で。