臓器売買を禁止する法律が施行されて後、初めての摘発が行われた。愛媛県宇和島市での出来事であった。さて、この臓器売買であるが噂には聞いてはいたが、現実にその組織などが存在するらしい。しかし今回の摘発は飽くまでも個人的なものであり、今のところ、その組織が介在した形跡はないようだ。東南アジアやロシアなどでそうした組織があると言う話は随分昔から人の口に上っていた。また漫画などで借金を返せないものに「内臓を売って返済しろ!」なんていうせりふは、最近では当たり前のようになっている。ところでこの臓器売買の前に、臓器の移植というのはどうなんだろう。私自身は臓器の移植をしてまで長生きをしたくない、というより臓器の移植自体が神(自然)の摂理に反するのではないか、という意見を以前から持っておりどうも疑問でならない。内臓の疾患により生命の危機を感じている人が多く存在するのは知っている。また移植によって多くの命が救われる事も知っている。またドナー登録を自分でも考えた事もある。仮に家族が生命の危機に瀕したとき私の内臓なり血液なりを移植ないし輸血をすることで助かるのであれば、私のもので間に合うのなら喜んで提供をするだろう。そんな気持ちの中でもまだ、移植は神の摂理というか、自然の摂理に反するという意識は拭い切れないでいる。先日の死刑の是非論でもそうだが、私の中には二つの意見が常に混在しており悩みは尽きない。このことは私の今後の課題として悩み続けるとして、皆さんはどのようなご意見をお持ちなのかも知ってみたい気がする。話を今回の臓器売買に戻すが、この事件裏を返すと空恐ろしい言葉のやり取りが想像出来はしないだろうか。提供者は移植当事者の内妻に借金があったと言う。「あんた!金が返せないなら家の人に腎臓を一つ寄こしなさいよ!」と、それもかなり激烈な口調で。もしそうだとしたらこの女、鬼のようではないか。まだ私の想像の域は出ないが恐らくこれと似たような場面がなかったとはいえないだろう。今後の捜査の推移を見なければ迂闊な意見は載せられないが、いずれにしても嫌な世の中になってきたものだ。
渋谷歌壇 秋の夜は 命限りの 虫の声 狂竜
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