柳田 功ニュース

政治結社 皇嵐社の運営するブログです。
日本で今起きていることや歴史のことなどを独断と偏見で日々綴っています。

核の悲劇!

2006年10月12日 | Weblog
日本は世界唯一の原爆被害国であることは縷々述べた。北朝鮮の核実験がまたここ数日中にあるという情報が流れている。私はそんな中である一つの出来事を思い出した。きっかけは浅田次郎さんという作家のエッセイである。それは「勇気凛々瑠璃の色」という一冊で、この中の「理不尽について」というタイトルの一文。ここでは歴史にうずもれてしまった1人の朝鮮王族の話しに触れている。明治43年日韓併合で当時の旧朝鮮王族李家は日本の皇族として迎えられた。その中の1人の殿下が先の大戦末期広島の軍司令部の教育参謀として任務されていたという。大日本帝国軍人として大東亜戦争をともに戦ったこの殿下は、昭和20年8月6日午前8時15分アメリカ軍のたった1機のB29爆撃機の落としていった原爆にその尊い命を落とされたという。この殿下の資料は少ないという。浅田次郎氏もたった一冊の資料から調べ上げて書かれたらしいが、この殿下のお名前の字は書けても、その読みまでは判らなかったという。私たちはこの殿下がどのような気持ちで大東亜戦争を戦われ、そして被爆してあくる8月7日に薨去されるまで、どんなお気持ちでいられたのか知るよすがもない。しかし、1人の朝鮮王族が日本軍人として原爆で倒れた事実を知らねばならなかった。その事実が歴史の影にうずもれていてしまった事を、戦後発展の恩恵に浴す現在に生きる日本人がこれを恥じねばならないであろう。また、いま2度目の核実験を行おうとしている北朝鮮はこの事実を知っているはずであろう。その北朝鮮が今後もこの愚を冒すのであれば殿下は泉下で何を・・・
私は日本の地でアメリカの原爆の被害にあわれた、この尊き殿下の身を思った時、涙を禁じえずに入られなかった。亡き殿下の御霊に心からのご冥福を祈りたい。


  渋谷歌壇  李王家の 殿下の御霊 靖からむ  狂竜