評判が散々だったので、覚悟して読み始めた。挿絵は、泉谷あゆみ。初期の絵は地味で、凡庸に感じ、なぜ平井さんの目に留まったのかわからなかった、中期?は山田章博のパクリっぽくて、あまり好きじゃなかった。漫画は、嘘でしょっていう変化をとげてたけど、あれ、違う人の手がかなり入ってるという噂、で、今回が本当に本当のあゆみさんの絵だと思うのだが・・
これが・・良い! この人の青鹿さんが一番いい! 可憐で、はかなげで、陰のつけ方も、山田章博をうまいぐあいに取り入れて、見事自分のものとした感じ。
こうなると、漫画の青鹿さん、犬神君の造形がすばらしかっただけに、もったいない、こっちの青鹿さんを起用してほしかった。
他のキャラも、特徴を最大限とらえている。西城は、もうちょっといかついかな。
さて、一巻~4巻くらいまでは、読んでて苦痛だった、やはり物語の進みがおそいのと、見知らぬ登場人物ばかりで、状況が把握できない、(黄金の少女を読んだのがあまりにも前で、内容忘れている) 作者が精神世界に行ってしまったという先入観、そして一番気になる犬神明のグダグダさかげん。鬱?鬱なんだね君、同じこと繰り返して言ってるし、まぁあれだけのショックなことが立て続けにあったら、普通は、鬱になる。しかしずっとこのままなんじゃ・・という不安、僕とか、ママとか、そんな言葉づかい犬神さんじゃない、作者大丈夫か・・ 5巻くらいから、エニグマを聞きながら読み始めたら、音が世界観にぴったり。ひさびさに、濃い描写力にうっとりしはじめる。う~んやっぱ平井さんすごい、どんどん面白くなってくる、泉谷の挿絵もいちいち素晴らしい。
6巻で、犬神グダグダの謎が一気に解ける。すごい、すごいよ、ちゃんと意味があったんだ。気づかなくてごめん、エリ―や、虎4への愛の深さや、優しさが、すごく伝わってきて泣きそうになる。
読んでよかったっ、心から思う。
泉谷は、ずっといずみやだと思ってたけど、いずみたにだったんだね。