浜辺にも山辺にも、沢山の広い空地がある。
そして其の至る所に、ごみが点在している。
処が中に集中している所がある。人が人を呼び、芥が芥を呼んで居るかの様にである。
浜辺の私の徒走ルートの辺にも、一つある。
一度に大量に放置されて居る事もあれば、少量から増えて行く事もある。
ソファやテレビなども混じって居て、独り者の引越しの残滓かと、想像させられる事もある。
農家の軽トラックで来て、空のペットボトルを幾袋も放り投げて行く事もある。
いつも暫くすると無くなって居るので、通報した事も無い。
併し暫く前から又溜まって来て居り、良い眺めとは言えないので此の処苦々しくは思っていた。
今朝も例の如く海の方へと走って行くと、丁度そういう芥をトラックで集めて回っている業者が居た。
やれやれと思い、あれも見付けてくれようとも思ったが、念の為に指摘した。
すると「あそこは近辺の人が置き場所にして居るらしい」と宣ふ。
近辺に民家は無く、況して件の場所には如何なる設備も標示も無い。
第一近辺も遠方も無い、こういう場所をこそ、不法投棄の現場と云うのである。置き場所とは言うまい。