独白

全くの独白

外患

2018-05-04 14:54:08 | 日記
 安倍首相が、外交で顕著な業績を上げているという評論家が居るが、私はそれに同感する事が出来ない。
従来の総理に比べて遙かに外遊の回数に勝って居ると云うが、日程調整などの雑事をそつなくこなして居るのは、配下の人達であろう。
そういう人材を的確に配する力は有っても、それは外交に資する事物を整える力でしか無い。二次的要素である。
外遊そのものに於いては、自分の物でも無い札束をちらつかせて相手の機嫌を取る事位私にも出来る。
それどころか幾つもの内憂を抱えてそういう外遊をすれば、格好の気散じに成ろう。
 トランプ氏との関係も、昵懇になった心算で愛想笑いを振り撒いて居る間も相手が、口撃の手を緩める事は無いと云う状況にあるに過ぎない。
 中韓との間では、確かに近頃雪解けムードが漂って居る。併しそれも、秋が過ぎて冬に成って、降り積もった雪が春を迎えて融け始めたという事に過ぎない。
他人の意見に耳を貸す事無く、靖国に拘泥する事で呼び込んだ冬の雪が、拘泥を封じる気に漸くなったタイミングで、北朝鮮からの春風を迎える事に成ったのである。
放火しておいて反省して水を掛けて居る処へ、訪中等に努めた二階さん等取り巻きの人達と、北朝鮮がポンプを貸してくれた様なものでもある。
近頃靖国に近付いて居ないのが、其処への拘泥の失錯であった事を自認するに至った事の、何よりの証左であろう。
 確かに私は、外交に就いてのずぶの素人村の村長のような者に過ぎない。併し殆ど凡ての国民は、私同様であるに違いない。
而してそう云うずぶの素人が讃嘆し快哉を叫ぶ外交的成果は例えば矢張り、小泉さんが北朝鮮で挙げた様なものであろう。
拉致被害者の帰国の為なら、一兆円を費やしても非難されまい。一兆を一億で割れば一万円、少なくとも私には異存が無い。無策の儘時を費やすより遙かに良い。
 外国への資金供与は、多くの内部留保を抱え込んだ大企業の為にでは無く、少数ではあっても切実に必要として居る人達の為になるように、為されるべきである。