私は反原発というより脱原発依存・脱化石燃料依存という考え方の人間のつもりである。福島第一原発の事故というか事件によって活発になった反原発の人々に別に敵対するわけでも意見するわけでも無く、ちょっと情報提供のつもりでコメントしてみたらどんなリアクションが帰って来たかをまとめてみようと思う。どういうわけか、理解が深まるということにならず、なんでこうなってしまうのだろうとがっかりしてしまうことの連続であった。
まずは、カナダde日本語の美爾依(みにー)さん。
カナダで日本語教師をしている方で、いまどき珍しい小沢ラブな方である。
広瀬隆氏「福島原発で何が起きているのか」 - カナダde日本語
において、
破局は避けられるか――福島原発事故の真相
ジャーナリスト 広瀬隆
ダイヤモンドオンライン
から引用して記事を書いておられた。
広瀬隆氏は、
>炉心溶融(メルトダウン)は
>2800℃どころか、わずか600℃で起こる
と、かなり間違ったことを書いてしまったことは、
などに詳しい。
美爾依さんはすっかり広瀬隆氏を信じていたので、これに対して、kikulogを挙げて、NHKの誤報から始まったつまらない間違いであることをコメントした。
~引用開始~
>2011.03.25 Fri 01:26 LiX
>こんばんは、
>原発の是非には無関係ですが、広瀬隆氏の情報を客観的に吟味する手助けになりそうなところをご紹介します。
>『地震・津波・原発についての信頼できない情報源』
>http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1300643617
>「炉心溶融(メルトダウン)は2800℃どころか、わずか600℃で起こる」は
>「・・・2800℃どころか、2200℃で起こる」の間違いとかが分かったりします。
~引用終了~
~引用開始~
>2011.03.25 Fri 11:32 美爾依(みにー)
>Lixさん、
>紹介されたブログの著者のプロフィールを読むと、全く原発には関係ないお仕事されていますよね。どこまで信用していいのか。広瀬隆氏の情報を客観的に吟味する手助けには全くならないでしょう。
>==================
>菊池誠 (Kikuchi, Macoto)
>大阪大学サイバーメディアセンター大規模計算科学部門、(兼)大学院理学研究科物理学専攻、(兼)大学院生命機能研究科
>研究テーマは学際計算統計物理学(つないだだけ)
~中略~
>> 「炉心溶融(メルトダウン)は2800℃どころか、わずか600℃で起こる」は
>> 「・・・2800℃どころか、2200℃で起こる」の間違いとかが分かったりします。
>私のエントリーでも書きましたが、メルトダウンは600℃どころか、540℃で起こると米国の物理学者は言っていますよ。自分で、英語の文献なども全部調べてから、情報がデマかどうか判断するべきですね。
>福島第一原子力発電所のメルトダウンが起こらないことをただひたすら祈る
>http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-2587.html
>上のエントリーより抜粋:
>現在、燃料棒を冷やす冷却剤の温度は100度となっており、(その後、温度が上がり続けているのか、下がっているのか全く不明)格納容器内の圧力がかなりあがってしまったため、その冷却剤の温度を下げるために、1号機と2号機の格納容器内の圧力を外部に逃がしている。柏崎刈羽原子力発電所を検査したことのある物理学者、ジェイムス・アクトン氏によると、このとき、少量の放射性物質が外に出るが、それはあまり心配する必要がないと言う。それよりも心配しなくてはならないのは、そのまま温度が上がり続け、格納容器内の温度が540度に達したとき、格納容器内の燃料棒がメルトダウンすることだと述べている。
>ニュースソース:
>Report: 2 Japanese plants struggling to cool radioactive material
>By the CNN Wire Staff
>March 11, 2011 9:41 p.m. EST
>James Acton, a physicist who examined the Kashiwazaki-Kariwa plant after a 2007 earthquake, told CNN that releasing the valves from the two power plants might only spew a relatively small amount of radioactive material into the atmosphere. A greater concern would happen if -- after what Cochran estimated would occur if temperatures topped 540 degrees Celsius (1,000 Fahrenheit) -- the fuel rods inside the reactors melted down
~引用終了~
どうやら、海外のニュースサイトも同じようなミスをしていたため、間違った信念が補強されてしまった模様。阪大の菊池誠先生が全く原発には関係ない仕事をしていると言っても、広瀬隆氏も全く原発には関係ない仕事(つまり作家)をしている訳で、原発に関して物理学者と素人さんとどっちを信じるかと言えば考える必要もないだろう。
その後、広瀬隆氏が間違いに気づいて(意外と正常な人だった)、
破局は避けられるか――福島原発事故の真相 ジャーナリスト 広瀬隆|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン
~引用開始~
【訂正とお詫び】「600℃で起こることが明らかになった」という記述部分に誤りがありました。NHKが当初、フランス製ドキュメント「核の警鐘~問われる原発の安全性」の最初の放映時に「600℃で起こる」と誤訳していたものを引用したためです。訂正してお詫びいたします。
~引用終了~
と訂正したので、美爾依さんに広瀬隆氏が間違いを認めた旨、コメントしたら、無視された・・・。
本人の承認が必要なコメント欄のシステムは、かなり一方的なものである。
その後、
という感じである。少々間違った信念を強化するのを手伝っただけで終わった。
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