一人人海戦術

世界の3%くらいの人に納得してもらえばいいかなと考える、オメガ・ブロガーを目指してみようか。

日本にいながらウマバエに感染したようです

2013-07-03 06:49:02 | SFと科学

「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!

『俺は東京の街中で暮らしていると思ったら、いつの間にかウマバエに寄生されていた』。

な…何を言っているのかわからねーと思うが、

俺も何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとか、

そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」

 

かなり深刻なイベント体質ではありますが、これはいったい?という事態に遭遇しました。

私は日本の大都会にずっといたはずなのに、どうやらウマバエ(ヒトヒフバエ、学名: Dermatobia hominis)さんの幼虫に寄生されたみたいで、先日皮膚科で取り出してもらいました。たった一月のお付き合いでしたが、名残惜しくも何ともありませんが、写真を撮らなかったのが残念です。

ネットで調べたところ、日本ではちょっとあり得ないことのようです。思わず、(中)南米か!という感じです。

 

日本衛生動物学会の『衞生動物 47(1), 97-102, 1996-03-15』

CiNii 論文 -  ヒトヒフバエによる皮膚蠅症の 1 例 : 本邦 12 例目

A case of cutaneous myiasis due to Dermatobia hominis : twelfth case in Japan

という論文を見つけました。

 

~引用開始~

21歳, 男性。平成6年9月ピラニアの捕獲目的でブラジルのマナオスからネグロ川ぞい約300km上流のジャングルに旅行中, 右上腕を蚊のような虫に刺された。虫刺部に発赤・腫脹を生じるようになり, 中心部には硬結がみられ血漿浸出液を伴う瘻孔を認めるようになった。帰国後近医を受診, 抗生物質を処方され腫脹はやや軽減したが, 右腋窩のリンパ節の腫脹がみられるようになり, その後瘻孔より白色半透明の虫体が出入りするのが目撃された。虫体は捕えようとすると素早く瘻孔にもぐりこんだ。患者自身がでてきた虫体の採取に成功し, 虫体を持参のうえ神戸大学付属病院皮膚科を受診。体長約1.5cm, 白色のとっくり状の虫体で同大医動物学教室にて, ヒトヒフバエのニ齢幼虫と同定された。ヒトヒフバエ(症)は日本土着のものではなく, 中南米からの輸入例が全部を占めている。1974年のKageiらの報告以来本邦12例目となる。最近5∿10年間に報告が集中しており, ヒトヒフバエが生息する中南米の熱帯雨林地域への旅行者の激増に伴う発生増加が要因と考えられる。

 

The twelfth case of Dermatobia hominis myiasis imported into Japan was reported. Two weeks after a trip to Brazil, a 21-year-old man visited the dermatology clinic with indurated frunculoid lesion on the right upper arm. Oral antibiotic therapy was ineffective. The eruption started with a mosquito bite in the tropical forest and became an inflammed nodule with a central opening from which serosanguinous fluid oozed. He noted a little white body protruding in and out of the nodule and succeeded in taking out this worm from the lesion by himself. The worm was identified as Dermatobia hominis. The clinical features of 12 reported cases of Dermatobia hominis myiasis in Japan were reviewed.

~引用終了~

~日本語に直して適当に引用開始~

番号

感染年

年齢

性別

感染場所

1

1974年

70才

ブラジル

2

1977年

71才

ブラジル

3

1978年

26才

メキシコ

4

1983年

60才

パラグアイ

5

1988年

20才

メキシコ

6

1989年

51才

パラグアイ

7

1990年

22才

ブラジル

8

1990年

23才

ブラジル

9

1991年

46才

ホンジュラス

10

1992年

37才

ベリーズ

11

1994年

72才

コスタリカ

12

1995年

21才

ブラジル

~引用終了~

要するに、中南米を旅した人が感染するものらしいです。

 

2007年で34例目らしい。この人のはエクアドル産でした。

Journal of Infection and Chemotherapy

August 2007, Volume 13, Issue 4, pp 255-257

“A case of cutaneous myiasis due to Dermatobia hominis in Japan”

 

と言うわけで、どうも日本で感染一号かも。蚊などの中間宿主を使って人に寄生するらしいので姿を見せずに寄生するという狡猾な奴で、私も蚊に刺された跡が妙に腫れたままだと思っていたら、腫れている位置が少しずつ移動していることに気がついて皮膚科に行くに至りました。近くの研究室で飼っているという話は聞かないし、近所の誰かマニアが飼っているのか。まさか、ついに日本にウマバエが定着したのか。遥か遠い旅をしてきたのか。信じられん。新種か?いやその方がもっと怖い。

 

楳図かずおこわい本 (Vol.2)

楳図かずお
朝日ソノラマ

 

男女
太郎
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)

 


コメント (9)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ハリーポッター展に行ってきた | トップ | アベノミクスは始まっているのか »
最新の画像もっと見る

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大変でしたね! (たまご)
2013-11-25 19:05:30
初めてコメントします。
ウマバエのキーワード検索でブログ拝見しました。ひょんなことからYouTubeでbotfly=ウマバエの衝撃映像を観てしまいトラウマです…痛みや違和感てどんな感じなんですか???
返信する
今頃コメントに気がつきました (LiX(ここの人))
2013-12-25 09:02:26
お返事が遅れてすみません。
私の場合、痛みはほとんどありませんでした。ただ痒みのみです。局所麻酔して取り出したので取り出したときも大して痛みを感じませんでした。ただ、赤くはれて痒い場所が日が経つにつれてだんだん移動していることに気がついたときの方がショックでした。
それにしても比較的近所の誰かが病院にも行けずに成虫まで飼っていたことになる訳で、それも怖いです。
返信する
Unknown (寄生獣)
2014-12-21 03:36:49
体のどの辺りに寄生していたんですか?
動画を見たんですが、こんなのが体内にいるなんて考えただけでぞっとしますね
返信する
またまた今頃応答します (LiX(ここの人))
2015-02-18 19:45:54
右足の太ももの内側です。
たまたまとても暑い日で、短パンを履いて子供と公園で遊んだときに寄生されたとしか考えられません。蚊を使って寄生させるそうなので蚊に刺されたくらいにしか感じておりませんでした。
そいつが太ももの付け根に向かってずんずん移動してくれたのです。
皮膚科の先生が女性で、虫眼鏡で顔を近づけて見ながらメスで切って、全く持って結果的に女性が股間に熱心に顔を近づけるという羞恥プレイを味逢わされたことの方が印象に残った訳です。
返信する
ああああ (uuuuuu)
2015-08-17 16:25:53
やばい
返信する
ああああ (uuuuuu)
2015-08-17 16:27:26
最初はやばかったー
返信する
ウマバエ--- (茉莉花君)
2015-11-15 21:20:27
国内で感染ですか((((;゜Д゜)))
するともしかすると他に感染者がいるかも知れません
サイクルを考えると日本に誰かが持ち込んだか
輸入した家畜の体内に入っていて体外に排出
その後蛹化→(羽化)ハエが発生後、
卵を蚊等に産み付けてその卵が貴方の体温で
孵化で体に入り込んで発見後摘出に至ったと思います
誰が悪いの?検疫が悪いと思います
そんなのを国内に持ち込ませるんだから
不幸中の幸いですが、皮下感染で良かったということです
鼻からとか口から入らなくて良かったということです
脳を蛆食されたり、失明したり、鼻を食べられたりする症例も
海外では発見されております、自分の意見としては
3カ月の検疫を望んでおります。
例えばレタスとかに卵を産んでろくに洗わないで
食べてしまったら?
ウマバエの画像検索みたいになってしまいます
恐ろしい時代になってしまいましたね
これ以上の感染が増えないことを
祈っております。
返信する
Unknown (とある薬学生)
2016-08-19 00:14:14
寄生虫はやはり一番恐ろしいと感じる。

日ごろから、見慣れない虫などには注意しなければいけないですね。。。
返信する
本当に?w(゜o゜)w (CHIECO)
2016-11-03 22:06:26
日本にいながら寄生されるって 考えにくい事ですよね(?_?) 除去したあとは ボコって穴が空いてますか? 
返信する

コメントを投稿

SFと科学」カテゴリの最新記事