※本ブログ記事は下記URL(→別ブログ)に引越し、リライトしました。完全移行後、しばらくしたら本記事も削除します。
http://kblovers.jp/music/162-electronic-piano/
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日中はまだまだ暑いのにすっかり日が短くなりましたねAndyです。
今回は生(アコースティック)ピアノと電子ピアノの違いについてのお話です。
こんなお便りが届いています(架空)。
「ピアノを趣味で始めたくて、電子ピアノの購入を考えています。
本当はホンモノのピアノが欲しいのですが、予算的・防音的な理由から
10万円前後の電子ピアノに落ち着きそうです。一応カタログも各メーカー揃えました。
YAMAHAの●●というモデルがよさそうなんだけど、KAWAIの★★も悪くなさそう。
CASIOの▲▲もデザインがおしゃれでよさげなのだけど。。
どれを選ぶのが一番よいのでしょうか」
みたいな。
10万円といえば、全くその楽器を始めたことがない人にとっては
非常に大きな買い物ですよね!購入にあたり慎重になるお気持ちは察します。
“生ピアノの代用品としてどの電子ピアノを選ぶか”
という論争(?)は昔からあって、某ネットの知恵袋な掲示板とかでは
様々なアドバイスが寄せられていますね。
でもって僕的な結論を先に言ってしまうと、
「電子ピアノと生ピアノは全く違う楽器だから、あまり代用にはならない」
です。以上。
なので、
「どの電子ピアノが本物に近いのだ。うおー。」
と、ハゲそうな勢いで悩んでる人を見ると、
「生ピアノと電子ピアノは根本的な違いがあり過ぎて、どの電子ピアノメーカーの
どの機種だってそんなに大差ないですよー」
と肩を叩いて言ってあげたくなったりします。
プロキーボーディストの中でも、
「生ピアノの代用としてのステージピアノはあまり使いたくない。
スタジオやホールにグランドピアノがあるのだったらぜひそれを使わせてもらいたい」
と思っている人が多数だと思います。
何がそんなに違うのでしょう?
違いはやはりタッチと音です。
タッチに関しては、生ピアノの鍵盤がハンマーを起こし弦を叩いている感覚は、
電子ピアノでは中々再現できないものがあります。生ピアノは打鍵すると指にまで
その振動が伝わってきます。
音に関しては、電子ピアノだと“スピーカー(もしくはヘッドフォン)”
からの出力になってしまうので、箱全体で共鳴してしてくる生ピアノとは構造が全く異なります。
また、弦をハンマーで叩いた時、叩いていない弦も共鳴(共振)することがあり、
それにより響きをより複雑にしています。
カタログ上では
「コンサートで使われる高級グランドピアノの音色波形を贅沢にサンプリング!」
「コンサートグランドのタッチに迫る、本格ハンマーアクションを搭載!」
などと素敵な言葉が並べられていますが、
電子ピアノはどんなに頑張っても生ピアノにはなれません。
もちろん価格によって、“高品位な音”、“ほどよく重りのあるタッチ”
など違いはありますが、生ピアノと比べること自体ナンセンスなほど、
違いがあると言っていいでしょう。
ただこれはあくまで
「生ピアノの代用品として電子ピアノを選ぶ」
という観点です。電子ピアノは電子ピアノで、生ピアノにはない音色的なメリットも
少なからずあります。だからプロのスタジオ録音とかでは、ある曲では
スタインウェイのフルコンサートグランドで録音して、別の曲ではあえて
M1系ピアノ(KORG)を使っていることもありますね。
電子ピアノのカタログの文字だけで悩んでいる人は、
とりあえず楽器屋に行って、実物を見て、実際に触ってみて、
店員さんにも相談して決めてみてください。せっかくの高い買い物なのだから、
いい買い物になるといいですね。
余談ですが、“鍵盤を通じて指にも振動が伝わってくる”という疑似生ピアノ感を得るために、
あえて古めの「スピーカー内蔵」鍵盤(YAMAHA CP300とか)を愛用しているプロもいますね。