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濡れてシビれて

日々のキーボードと電子楽器と音楽を自己満足で語るブログ

ジョイスティックを使いこなせ ■■KORG WAVESTATION

2013-07-12 22:11:36 | 楽器・機材

※本ブログ記事は、2016年末より新ブログに引越し中です。よろしかったらそちらも読んでみてください↓

 「キーボーディスト、脱初心者を目指す <http://kblovers.jp/>
 


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仕事が忙しくなってきましたAndyです夏休みが待ち遠しいです。


今回ご紹介するシンセは、KORGが1990年に発売したWAVESTATION(ウェーブステーション)です。
当時の価格は220,000円でした。外観は、のちに発売される01/Wと似ていましたね。

 



この子も実際何度か触ったことがあるのですが、一般的な評価通り、

音作りが非常に難しい

ですね。

とりあえず音を出すことはできるので、いきなり弾くこともできるのですが、
そこは従来のワークステーション型シンセにはない特殊な作りになっているので、
いざ入手することになったら徹底的に使い込みたいところです。


コルグのHPから謳い文句を抜粋してみました。


 基本波形をリンク(連結)できるウェーブ・シーケンス機能で、
 全く新しい原音波形を創造するavシンセシス・システム搭載。
 シンセサイズの新たな可能性を引き出し、画期的な音の世界を創造した。

 アドバンスト・ベクトル・シンセシス機能により365基本波形と
 32ウェーブ・シーケンス波形を合わせた397種の音素材から、最大4波形をセレクトし、
 ジョイスティックでミックスできたり、波形ミックス比の変化を
 そのままシーケンスすることもでき、より立体的な音作りが可能。


うーーーん、初心者には何のことやらさっぱりですよねー(笑)。

多数の波形データのほとんどは極端に短く、それを最大32ステップつなぎ合わせることで
新たな波形を創造できるのが、本機の売りである「ウェーブシーケンス機能」と呼ばれるものです。

やっぱり分かりにくいですか。。


本シンセ初心者にとっては、とにかくWAVESTATIONの構造や階層を
しっかりと覚えることを一番最初にやらなきゃですね。


で、何となく操作を覚えてくると、ジョイスティックを使ったリアルタイムの
ベクトルシンセシスというのが結構楽しいです。
4つのウェーブをあらかじめスティックに割り当てておく仕込みは必要なのだけど、
演奏中に音色を変化させたりできるのはやっぱり面白いです。


とにかくジョイスティックを使いこなして初めてこのシンセの面白さが
おぼろげながら見えてくるような気がします。


ストリングス系の音を白玉で鳴らしておいて、ウェーブシーケンスの音を
バックに仕込んでおくと、ただの白玉も音に変化がついて、不思議な効果が
リアルタイム操作で得られます。
何というか、“立体的な”音作りといった感じです。


ウェーブをリンクして新しい音源波形を作り出すという手法は、
シンセサイザーの歴史の中では割と基本的なメソッドなのだけど、
それを実際に一つの箱にまとめ、一般向けに売り出してしまったのがすごいです。


そんなわけで、シンセマニアへの挑戦状みたいな一台ですね。
実際、その音作りの複雑さから初心者には敬遠され、マニアや専門誌からは絶賛を受けたそうです。



なお、1991年には2Uサイズ音源モジュール・「WAVESTATION A/D」が、
1992年には1Uサイズ音源モジュール・「WAVESTATION SR」が発売されています。






今でもこのシリーズをライブセットで組み込んでいる人が居たとしたら、
僕だったら迷わず声掛けますね(笑)。


CPといえばこいつ! ■■YAMAHA CP70/80

2013-07-02 19:14:15 | 楽器・機材

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街を走るトヨタの86は、ナンバーまで00-86ばっかりでちょっと笑えますAndyです。ちょっとはひねれよ。


今回ご紹介するのは、YAMAHAのエレクトリックピアノ・CP70/80です。

70と80は単純に鍵盤数の違いですね。
末尾に「D」が付いているものは7バンドのグラフィックイコライザーを搭載したものであり、
末尾に「M」が付いているものはMIDI端子装備という意味です。



“CP”といえば、今でこそ現行のステージピアノ「CP1」「CP50」辺りを連想したりするのですが、
ちょいと昔はこの「CP70/80」を指すことが多かったです。いや、今でもそうか。


今日ではローズ、ウーリッツァーと共に、エレクトリックピアノを代表する銘器として
知られています。「エレクトリック・グランド」と呼ばれましたね。


CPの音といえば、ダイナミズムの少ない平らな音というイメージで、
タッチの強弱はさほど音色に影響されない印象を受けます。
アコースティックピアノと違い中音域の音が太く、8ビートを刻むと実にロックな音が出ます。
逆にジャジーなテンションコードなどには向かないイメージですね。


主に80年代のポップスによく使われましたが、今でも小林武史氏などが愛用しています。


機構はグランドピアノのそれに近く、横に張られた弦を叩きます。
それをピックアップで拾って増幅するのがピアノと違うところですね。


でもってこのタッチが非常に重い!
指の鍛錬にはもってこいです。


このCP、僕が楽器屋に勤めている時にも何度か取り扱っていて、
中古品として数か月展示していた時期もありました。


店を閉め夜が更けてきたら、店にこもってひたすら弾いていたことを覚えています。

まさに職権フル活用!
まぁ売るために商品を知ることは大切ですしねー



JUNOといえばこれでしょ ■■Roland JUNO-106

2013-06-28 20:46:45 | 楽器・機材

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やーと一週間終わりました疲れましたAndyです。


今回ご紹介する一台はRolandのJUNO-106というシンセです。
発売は1984年、当時の定価は138,000円でした。


僕の勤めていた楽器屋では従業員特権として、展示品の鍵盤がタダで借り放題だったのですね。
そんでもってこのJUNO-106もよく借りていた一台です。6音ポリです。



15年ほど前、長野県内のバンドマン憧れだったライブハウス「J」でも
このシンセを借りて演奏しました。
当時加入していたオリジナルバンドにて、本機でフィルターをうにょうにょやって、
オケに前衛的な味付けを施していたのを覚えています。


中身はというと、いわゆる手頃な入門機という位置付けで
そんなに凝ったことはできないのですが、一時期テクノ系クリエーターがこぞって使ってて、
結構人気の高いポリフォニックシンセサイザーです。


出音もいかにも当時のRolandらしい音ですね。何というか全体的に素直な音です。
オシレーターはDCOタイプでチューニングも安定してたし、MIDIも付いてたので扱いも楽でした。
シンセブラス、シンセパッドとかはよく使ったなぁ。


音作りで特筆すべき点はコーラスの出来の良さですね。
もうとにかくONにしとけ!というくらいコーラスよく掛けてました。
音が立体的になり、JUNO特有の粘りのある音色が強調されること請け合いです。



あとフィルターもいいですねー。
定番のLPF+レゾナンスでいい感じの開き加減のポイントを見つけるのも楽しいし、
オケに混ぜた時に生きてくるHPFなど、直感的なスライダー操作でもって、
「いじってて楽しい」と思わせてくれます。


今でも中古市場でもさほど値崩れすることなく、安定した値段をつけてますね。
とはいえ中古(特にオークション)で買うのはちょっと注意が必要です。

何といっても30年近く前のモデルなので、故障したら修理は困難なことが多いです。
特にカスタムチップが経年劣化により故障することが多く、
そうなると部品がもうメーカーにないということもあり得ます。

まあ僕だったら、ジャンク品を1000円位で手に入れて、部品取りしちゃうだろうなー。


昨今、JUNOの名を冠した最新のシンセも同メーカーから発売されていますが、
それらと比べるとJUNO-106は非常にシンプルであり、製品コンセプトも全く異なる
別物といっていいでしょう。


JUNO-106のONE&ONLYな音を求める人は、探してみてはいかがでしょうか。


銘機なんですよ ■■Roland D-50

2013-06-19 19:36:54 | 楽器・機材

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携帯を会社に持って行けないのはやはり不便ですねAndyです。


今回ご紹介する一台は、1987年に発売されたD-50というシンセサイザーです。
ローランド初のフルデジタルシンセサイザーであり、
またLA音源を初めて搭載するシンセサイザーとして誕生しました。


当時の価格は238,000円。
(2Uラックマウントタイプの音源モジュール版はD-550といって、
そちらは198,000円でした)


大型のLCDとジョイスティックを搭載されており、
61鍵ベロシティ、アフタータッチ対応鍵盤を持っていたため
演奏時の操作性は高かったと思います。


さてYAMAHAがFM音源を搭載したDX-7をリリースしたのを皮切りに、80年代の初頭から
シンセサイザーのデジタル化が始まりました。でもってローランドはというと、
DXシリーズとは一味違ったデジタルシンセサイザーを発売しました。それがこのD-50です。
そのリアルな音と表現力は大ヒットに繋がりました。


特筆すべきなのが、LA(Linear Arithmetic)音源という独特な音源方式。
ぶっちゃけ僕も説明できるほどよく分かっていないのですが、
フルデジタルでありながらヤマハのFM音源のように音作りが複雑でなく、
ある程度出音が予想しやすくアナログ感覚の音作りができる感覚です。




比較的理解しやすい方式とはいえ、最初にこれを触った時は、
非常に複雑な操作系という印象でしたね。


まあこの頃のデジタルシンセって、デジタルディスプレイとボタンという
シンプルなデザインが多くて、アナログ時代の独特なツマミの多いシンセサイザーと違って
音作りが分かりにくくなってしまったのですね。


というわけでこのD-50シリーズ(D-550も)には、外部プログラマーのPG-1000という
コントローラーが出されていました。スライダーのお化けみたいな外観ですw
僕は実際コントローラーの方はお目に掛かったことはありませんが、
本格的なエディットを楽しむには必須といっていいでしょう。


DシリーズのLA方式には他にも特徴があって、それは、デジタル方式による
波形合成+PCM音源という、
いわばハイブリッド構造をしていることです。
音のアタック部分をワンショットPCMで、残りの部分をシンセ音で作るというスタイルが
このシンセの音作りの基本という感じです。


個人的には、D-50といえばパッドとベルの音色がお気に入りですね。
フルデジタルでありながらどことなくローファイな音の質感が味わい深いです。


そんな感じで、デジタル音源方式が主流になりつつあった80年代、このD-50は、
DX-7と共に歴史に残るデジタルシンセサイザーの名機といっていいでしょう。


個人的にはD-70の方も好きなんだけどね。。
それはまた別の機会でー


鳴らしてウーリー ■■Wurlitzer 200

2013-06-10 20:42:56 | 楽器・機材

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今日はとんでもなく頭が痛かったのですが早帰りせず頑張りましたAndyです。


さて今回は、2007年頃購入したエレクトリックピアノ、Wurlitzer200(ウーリッツアー。以下ウーリー)
のご紹介をしてみます。僕にとっては初めて購入したヴィンテージ鍵盤です。

 

 


当時東京事変のコピバンをやっていて(今でもやっていますが)、
Rhodesを買おうかウーリーを買おうか迷っていて、たまたまウーリーのよい出物があったので思い切って購入。


ほんとはRhodesのsuitcase辺りを狙っていたのですが、
ウーリーの方が軽くて運びやすいというのが決め手になりました。
製造はおそらく1960年代後半、付属品等も完品。色は若干レアなクリーム色です。


このウーリー、一見、本格的な楽器というよりはおもちゃのような印象を受けます。
でもでも強いタッチで弾くと、実に泥臭い歪んだ音が出てくれます。


のちにアンプ部が強化された「200A」にリニューアルされたのですが、
僕が買ったこの「200」はアンプが若干弱く、実際、買った当初はノイズがすごかった。


電源入れるだけでザーザー言うし、ボリュームひねるとブチブチ言うし。。
どこが良品じゃい! 販売責任者出てこいー。


結局、丸2週間ほど電源入れっぱなしにしておいたら自然にノイズも減ってきました。
とはいえ、今でも弾く前に慣らしで通電しておかないとノイズが乗ることがあります。


また、打鍵しても一部ちゃんと鳴ってくれない鍵盤もあります。
今ではその鍵も覚えちゃって、その健専用の打鍵方法でもって対応してます。
たまたまあまり使わない最高音エリアだったので助かった。。


そんないかにもヴィンテージな扱いにくいウーリー君ではあるのですが、
その不便さを差し引いてあまりある、「楽器」としての魅力に溢れています。


指に伝わる振動と、箱鳴りするアナログな暖かい音色は、電子楽器にはない感触。
なるべく劣化させたくないので、部屋使用限定の箱入り娘にしちゃおう。


と思っていたのですが、一昨年のクリスマスに六本木でライブをした時にライブデビューを
果たしました。長旅をものともせず、いい音を出してくれたと思います。
何より鍵盤システムの中にヴィンテージ楽器が入ると、システム全体が締まります。


現在は部屋のスペース確保のため一時的にしまってありますが、
近いうちに完全復活させたいと思っています。