ナッツとキウイ

2015年03月30日 14時42分03秒 | マーロックの日記

                                     ポロロ   ♪

                   ポロン  ♪

     ♪ ♪ ――

リスのほほがふくらんでる・・・

テーブルの上で、ナッツをたべてる。

               モグ    モグ

私はカットキウイをたべている。

パイナップルもある

おいしい。

カツカレーも食べた。

からあげも入れた。

サラダとか豆腐も。

「ニャ~」

ネコたちも、テーブルの下でたべている。

           ――  ♪ ♪

                                 ポポポン  ♪

下の階から、にぎやかな声。

メインダイニングは3層吹き抜けで、私たちは3階にいる。

左舷側の奥、大き目のテーブルを5つで、みんな一緒に食べてる。

テーブルの一つは、コートなどを置くのに使っている。

下船した人が多いし、もう夜の10時を過ぎていて人は多くない。

私のコートは、横のイスに置いてる。

「・・・」

ほほを膨らませたリスは、あちこちテーブルを移動しては、少しずつ食べている様。

食事の前に、ポールさんが改めて経緯を説明して、私たちに協力をお願いした。

反対はなかった。

大使館には、ポールさんも含めて捜査官が4人いる。

職員の取り調べや、ブローカの捜査などしているらしい。

それで、バレッタさんを探すのはポールさんだけ。

必要があれば、保護する。

婦人の家で、おばあさんが見せてくれた写真などは、許可をもらってポールさんが自分の電話で写真に撮った。

すでに合衆国の同僚に送っていて、調べてもらっている。

港には家バスと雪上車があるけど、まだ目的地は決まっていない。

朝までに、何かわかるといいけど。

南北に長い国で、首都であるこの街は南端にある。

なので、北に向かうことになるだろう。

            ―――  ・・・・

                          ポ ポン  ♪

                                      ポロロロロロン  ♪

バレッタさんの手紙や写真の画像はタブレットにも送られていて、ハットさんとマリオットさんが見てる。

何か手がかりがないか。

             

子ネコが、ポールさんのケースにのってる。

ポールさんはケースを持って来ていなかったから、エレガントさんが貸したもの。

下の方に、チワワのフサフサしたシッポもみえる。

    カチ ・・・

カールさんは少ししか食べずに、パソコンを開いて3Dプリンタの設計図を作っている。

いくつか頼まれているみたいである。

私も、また頼んだ。

チーフさんもやり方を聞いていたから、自分でなにか作るかもしれない。

マッチョさんとガードさんは、パソコンで地図をみてる。

   ゴク       ゴク

                        コト

コップを置く。

お腹いっぱいではないけど、十分たべた。

私も地図をみよう・・・

              ――   ・・・

                           ポロロ  ・・・   ♪

                                              ポン   ♪


足の間

2015年03月29日 22時14分22秒 | 黒猫のひとりごと

                                     ォォォォォ   ・・・・・

                 ――  ガャャ

    ♪ ♪

ポールさんがいた・・・

「刑事さん」

「これ助かったよ」

大きなガラガラケースを引いてる。

「部屋にたくさんありますから」

「ごはんですよ」

「ああ・・・今日はずっと食べてないんだ」

「荷物置いてきます?」

「後にする」

        ――  キキ

カバーの開いたネコカートから、リスがポールさんのケースに跳び移った。

               ガララ  ・・・

    ♪ ♪

僕らは商店街を歩いている。

この先は食堂。

やっとごはんである。

僕は、何度もごはんを食べていないことをみんなにアピールしていたのだ。

        

おや。

シロネコもカートから出てきた。

たまには、自分で歩くみたいである。

フサフサしてるから、暖かそう。

「ミー」

マリオットさんがいる。

「もうみんないるの」

「はい」

                  ―――

ドアが開いた。

温かい空気・・・

             ガャャ  ・・・

僕は先に中に入る。

「ミャ~」

カートから出てきた子ネコも、追ってくる。

ここは、大食堂の3階。

下にも2階分スペースがあって、吹き抜けなのである。

真ん中の橋を進むと、真ん中辺りが広くなっていてテーブルがいくつかある。

人は2人いて、食事してる。

僕らは食べに来るのが遅かったから、もう人は少ない。

船が港にいるし。

手すりから右をみると、シャープネコがいる。

僕はさらに橋を進む。

        ト     ト

                     ト

                                       ポロロン  ・・・  ♪

後ろから、ケースやカートの音がする。

「ミャ~」

橋を渡った僕と子ネコは、右に向かう。

下の階から人の声はするけど、この辺りにはいない。

イスの足だけだから、その間を通る。

     ト    ト

子ネコの足音も、僕のマネをして付いてくる。

イスの足の他に人の足がたくさんあったとしても、僕は平気なのだ。

               ト     ト

人の足。

イスの足とほぼ重なっていて、あの間を進むのは容易である。

「・・・よぅ」

ニャ

足の間からコックさんの顔。

       ト    ト

コックさんの頭と床の間には、スペースがある。

速度を落とさずに、僕はそこをすり抜ける――

                 ――   ガシ

「ニャ~」

捕まった。

「これ温かそうだな」

コックさんはそのまま体を戻した。

テーブルにはコップしかない。

前足を、縁にかける。

後ろ足でコックさんのももを押す。

僕を掴んだ手は、すぐに離れた。

シャープさんもいる。

横のイスをみると、コートが畳んで置いてある。

ノッポさんもいる。

            ♪  ♪

                        ――  ・・・

後ろから、フワリさんとかの声。

      パチ

シッポでコックさんをたたく。

お腹すいてるのに、何もない。

これから注文するのだ。

「私が頼んでくるから」

「うん」

マグロかサーモンがいい・・・

            ガララ  ・・・

                            ヮィ ヮィ

                                             ポロロ   ポン    ♪


家バス

2015年03月27日 14時02分35秒 | マーロックの日記

                                        ザァァァ   ・・・    ン

                     ザァァ    ン

       クァ ・・・

鳥がいる・・・

3羽。

並んで海をみてる。

「あ、マロックさん」

カールさんが家バスから出てきた。

マッチョさんたちが借りに行っていたキャンピングカーが来た。

巨大なバス型で、家である。

「荷物は2階に置いといてください」

「うん」

カールさんは船に向かった。

彼のコートは、表側はナイロンのなめらかな感じだけど、裏側にダウンの縫い目がある。

ダウンコートである。

            ザク  ・・・

もう1台、雪上車もある。

普通のバスくらいの大きさで、クローラで走る。

家バスは2階まであって、2階の前部と後部が、少し左右に張り出している。

2階の後部は、上にもすこし出っ張っている。

でかい。

小回りが利かないし道路に止まっていると邪魔なので、買い出しなどが必要なときは雪上車で街に行く。

この国は、個人の所有地であっても家のすぐ側とかでなければ、散策やキャンプに許可を取る必要はない。

雪で前進が困難な場合、雪上車で家バスを引っ張ることもできる。

万が一の時に、全員が雪上車で移動できるようにバス型のを借りた様である。

16人いる。

           ザク   ・・・

                            ザク    ・・・

港は雪かきしてあるけど、その後で降った雪が少し積もってる。

歩きにくいことはない。

空気はつめたくて、呼吸するたびに白くなる。

もう午後の9時30分だけど、ごはんはまだ食べていない。

ポールさんが少し遅くなったので、食事前に荷物を載せておく事になった。

すでにポールさんは戻って来ていて、ギリギリ開いていたお店で必要なものを買ってる。

明日からは、多くの乗客が下船するので閉まっているお店が多くなる。

ポールさんが戻ってすぐ、マッチョさんが私たちも手伝う準備はできている事を伝えた。

それで、ポールさんも家バスに乗る。

食事の時に、あらためてポールさんからみんなにお願いする事になる予定。

たぶん、だれも反対はしないだろう。

           ザク

私の荷物は、ケースがひとつとバックパック。

出発の時にバックパックを持って行くので、今夜はケースだけ。

カバン部分はコットンで、あまり大きくもない。

付属のストラップを付ければ、肩から斜めにかけて運べる。

なので肩から掛けてる。

それに、森の下の斧さんの仕事場に置いておいた、マッチョさんの大きなダッフルバッグも一緒に持って来た。

前にハウスボートで、このダッフルバッグにいろいろ入っていて助かった。

今回は、マッチョさんやノッポさんと一緒に、私も中に入れるものを選んだ。

中に入っているものは、だれでも好きに使っていい。

同様の荷物は、他にもある。

場合によってはかなり気温が下がることも考えられるので、リチウム電池を沢山用意している。

かなり低温でも、使える。

        バサ   ・・・

                       

入口は前の方、運転席側にある。

直接運転席に入るドアと、居住スペースに入るのと2つある。

私は後ろ側の、家に入るドアから中に入る。

            トコ   ・・・

                               パタン

・・・温かい。

たぶん暖房は付けていないけど、中に入るだけでかなり温かい。

ライトは点いていて、明るい。

入ってすぐは玄関で、靴を脱ぐようになっている。

右にはドアがあって、そこからも運転席に行ける。

運転席のすぐ後ろにも座席があって、数人がそこにのれる。

そっち側は土足。

運転ルームから玄関の一部まで、備え付けの発電機がある。

発電の熱は、お湯を沸かしたり暖房に使ったりするようになっているだろう。

靴を脱ぐと、高い靴箱がある。

この大きさなら、16人でも平気。

壁には、コートをかけれる場所がたくさんある。

すぐ外に出るし、そのまま通る。

           トコ   ・・・

                           トコ

すぐトイレとかシャワールームで、次にキッチンがある。

冷蔵庫もあって、結構スペースが広い。

その向こうに階段があって、その奥が食事をするところ。

このあたりは床が少しくぼんでいる。

くぼんだ部分の横から、物置になっていると思う。

そんなに広くはないから、一度にみんなで食事するのは無理だろう。

さらにその奥には、部屋がある。

           カチャ  ――

ドアが開いて、中からフワリさんが出てきた。

「あ、マロックさん」

顔だけ出して、何か探してる。

「ここ私たちの部屋だからね」

「うん」

                            バタン

ドアが閉まった。

探し物ではなかった様。

あの部屋は、すぐ女性たちに取られたみたいである。

車体の大きさからして、それなりのスペースだろう。

それでも、あそこに5人で寝てくれるなら助かる。

           トコ  ・・・

階段をのぼる。

一段が少し広めの階段で、角度は少し急。

チワワは、上るのが大変かもしれない。

                      ――  ト

                                    ニャ~

レトリバーと黒猫がいる。

黒猫が一段上にいて、上からレトリバーの耳をさわってる。

         トコ

「・・・マロックさん」

「いいのがありましたね」

「はい」

マッチョさんがいた。

階段を上がってすぐは、リビングの様な場所。

それなりに広い。

             ドサ

ソファの上に、ダッフルバッグを置く。

リビングの向こうは、真ん中に細い通路。

「そこが寝室です」

その前に、ハシゴの様な階段がある。

「上は?」

「物置です」

          トコ

                           トコ

自分のケースはかけたまま、細い通路に向かう。

スライドさせるドアが、左右に6つ。

通路の奥は横向きの部屋らしく、2つドアがある。

              カララ  ・・・

手前のドアを、スライドさせる。

「・・・・」

狭い。

2段ベッドの様なのがななめに備え付けられていて、下の段が荷物を置くスペース。

上は3角形で、隅まで有効に使える。

                            パタン

中に荷物を置かずに、ドアを閉める。

8部屋しかないし、だれがどこを使うか決めてない。

男性は11人いる。

「上も使いましょう」

「・・・そうですね」

この寝室が並んだ場所の上が、少し出っ張っている部分にあたる。

私は、そこで寝てもいい。

          ドサ

私のケースは、とりあえずここに置いとく。

                ニャ~

                           通るよ ・・・・

マッチョさんは、黒猫が守る階段に去った。

           それは上に置いておこう ――

                                  ――

・・・斧さんの声。

3Dプリンタを持って来たんだろう。

                 トコ

荷物が多いから、適当に積まれてる。

リビングよりも前の方に向かっては、右側に通路がある。

キッチンやシャワー室の上の部分は、壁。

水のタンクらしい。

               ニャー

                         ・・・

斧さんが上がってこない。

黒猫に行く手を阻まれているのかな。

       トコ

                    トコ

タンク横の通路には、細いカウンターのようなテーブルもある。

窓から景色を眺められるようになってる。

両サイドのイスはいいけど、窓を向いて座ると、通路を通る邪魔になるな。

水のタンクは大きい。

         ト  ・・・

その前、運転ルームの上あたりには、テーブルとか壁に張り付いたソファとかがある。

何か、特別な目的の場所ではない様。

「もう、食事に行きましょう」

「・・・そうだね」

ハットさんが前方の窓から、外をみていた。

向きをかえて、また通路を通る。

         ――

斧さんが出てきた。

黒猫の頭もみえる。

「そこに置いとこう」

「ァゥ」

斧さんが、3Dプリンタをテーブルに置いた。

お腹すいた。

            トコ

                         ――

階段の一番上の段にいた黒猫を、捕まえる。

「ニャー」

一段が大きいから、下りるのは速い。

                

                        ♪  ♪

                             ――   ・・・・

部屋からノロマさんやウェーブさんも出てきている。

「お腹すいた」

「もう行こう」

「マロックさんどこにいたの?」

「屋上」

私は先に玄関に向かう。

靴箱は大きいけど、玄関自体はそれほど広くはない。

狭くもないけど。

先に行った方が、早く出れそう。

「食事?」

「はい」

玄関にチーフさんがいた。

たぶん運転ルームの方から、発電機をみていたんだろう。

電気系統は彼女の専門だから、任せておけば大丈夫。

でも一応、あとで私も見ておこう。

           タッ

                                ガチャ  ――

ドアを開けて外に出る。

                      ヒュゥゥ   ――

「・・・・」

寒い。

「ニャー」

黒猫がひっくり返ろうとしているから、頭を進行方向に向けてやる。

        ザッ

さっきの3羽が、まだいる。

黒猫がその鳥たちをみてる。

海をみている。

歩きながら、私も海をみる・・・

            ザク      ・・・

                                 ザァァァ   ・・・    ン

                                                    ザザァァ      ン


海をみる

2015年03月25日 13時42分23秒 | 黒猫のひとりごと

                                         ヒュルル  ―――

                      ザザァァァ      ン

    ――

「・・・」

「・・・」

チワワがノロマさんをみている・・・

ノロマさんもチワワをみている。

抱えていたチワワを、ノロマさんが雪の上に下そうとしたのだ。

それがいやなチワワは、後ろ足をノロマさんの靴の上にのせた。

前足は、ノロマさんの腕にしがみついている。

「クゥ」

「ニャー」

ノロマさんはあきらめるべきである。

チワワはさむがりなのだから。

「♪」

僕の助言がもっともだと思ったノロマさんは、チワワを再び抱えた。

「♪」

チワワは毛糸の服を着ているけど、それでも腕の中で丸まってる。

だけどそれはしょうがないのである。

寒すぎるのだ。

空はもう晴れていて、星がみえる。

でも空気がピリピリするほどつめたいのだ。

僕の息が白い。

人の息も白い。

「・・・それで、マロックさん達が話を聞きに行ったの?」

「もう戻ってるけどね」

マリオットさんがさっき来た。

僕はみんなと一緒に、船の外にいる。

大きなカバンとか、いろいろ荷物がある。

船はすぐそこでその灯りが届くから、雪と海が浮かんでいる様。

明るいから、鳥もいる。

3羽で並んで海を見てる。

      ザク    ・・・

                       ザク   ・・・

足音。

「やぁ」

「いま来たの?」

「うん」

後ろから、チーフさんが出てきた。

お風呂に入ったあとみたい。

「もう終わったの?」

「うん」

「おつかれさま」

大きな箱を持ってる。

「これ預かっといたよ」

「私の?」

「あんたいなかったからね」

「ありがと」

「間に合ったね」

「うん」

「なに?」

「かいろ」

「・・・たくさんありそうだね」

「うん」

              ブロロロロ  ・・・・・・

                                        ガラララ   ・・・・・

「来た――」

おや。

大きな車が来る。

「・・・大きいな」

「クゥ」

雪で遊んでいたニャッティラも、動きをとめた。

巨大バスである。

ゆっくりこっちに来る。

横みると、3羽もみているのだ。

                        プシュ ――

止まった。

「・・・すごい」

「広そう♪」

「うん」

                ――

ドアが開いて、エレガントさんとノッポさんが出てきた。

「おかえり」

「ただいま」

「でっかいの借りたね」

「人数が多いからな」

「刑事さんさんは?」

「まだ」

もう一台いて、そっちはタイヤが長くてギザギザ。

ギザギザタイヤは、バスぐらいの大きさである。

そっちからはマッチョさんが出てきた。

「・・・」

レトリバーも大きさに驚いている様である。

    ザク  ・・・

                      ザク   ・・・

マッチョさんが来る。

「マロックさんは?」

「さぁ」

ハットさんと男は、いない。

シャープさんと斧さんも。

「荷物を持ってくる」

「うん」

マッチョさんは船の方に去る。

        ――  ♪ ♪

フワリさん達が、中に入った。

あれは家バスの様。

「ニャー」

お腹すいたのだ。

まだごはんをたべてない。

「食事の前にぜんぶ持ってくるか・・・」

「うん」

「長くなりそうだしね」

チーフさんやノッポさんが、荷物を持って家バスに向かう。

ニャッティラも。

僕は横を見る。

また、3羽は海をみてる・・・

           ・・・・   ゥゥゥゥゥ

                               ザァァァ     ン

                                                 ゥゥゥゥ   ・・・・・


コート

2015年03月23日 14時10分43秒 | マーロックの日記

                                          ゥゥゥゥ   ・・・・・

                    ザァァ  ・・・   ン

       ザク ・・・

星が見える・・・

もう雪が落ちてこない。

婦人の家から船に戻った。

         サク         サク

ポールさんは街に来たばかりで、荷物も最低限のものしかなかった。

それで、船に泊まる事になった。

船の中にはお店もあるから、必要なものはだいたい揃う。

私も少し買い物をして、シャワーを浴びて屋上に来た。

防寒スパッツは温かかったけど、動きにくい。

それで、太ももを覆ってくれるだけのスポーツ用のを買った。

だけど、それも今は穿いてない。

同じようにももまで隠れるニットトランクスがあったので、それを買って穿いてみた。

動きにくさはない。

一応、防寒用のもケースに入れていくけど。

      サク   サク

積もった雪の下が、少し凍結している。

                サク    サク

防寒ブーツのソールは、雪上での歩きやすさと、凍結した場所での歩きやすさの両方を合わせたパターンになってる。

不規則に凍結した路面なら、これで十分。

歩くより、細かく走った方が安定する。

ちなみにこういう路面なら、自転車も滑りながら走ると上手く前進できる。

まだごはんは食べていない。

ポールさんは荷物を置いて、すぐ大使館に向かった。

すぐに戻ると言っていた。

マリオットさんも、間もなく到着する。

午後の9時にはチーフさんの仕事も終わるので、その後で、みんなでメインダイニングに集まることになった。

お腹すいているけど、もう少しだし我慢する。

マッチョさんとカールさんは、もう仕事を終えている。

エレガントさんとガードさんとマッチョさんとノッポさんが、キャンピングカーと雪上車を借りに行っている。

       ガリ  ・・・

杖で氷を割った。

これは宇宙でも使われるチタン合金でできていて、低温でも脆くならない。

さっき気温を見たら、-13℃。

これから、まだ冷えるだろう。

手持つ部分に自己癒着のグリップテープを巻いておいた。

雪で濡れても滑らないように。

             サク

                               ザァァ     ン

                                                ザザァァ   ・・・・・

バスケットコートに来た。

屋上の後部は少し高くなっていて、コートは窪んだ場所にある。

まわりに点いている4つの灯りで、真っ白なバスケットコートが浮かび上がってる。

もっと強力な照明もあるけど、だれも使わないから消えている。

星明りもあるし、これで十分。

         サク

階段を下りる。

雪の下は凍結してる。

あまりゴツゴツしていなくて、滑りやすい感じ。

でも、このくらいがいいだろう。

船に戻ったハットさんは、先に戻っていたみんなに、おばあさんやバレッタさんの事を手短に話した。

ポールさんが戻ってからでないと分からないけど、きっと、みんなバレッタさんを探すのに協力しようと言うと思う。

   ザク  ・・・

コートを着て、ネックウォーマーと帽子もつけた。

動きやすい恰好ではない。

トレンチコートはもともと兵士のために開発されたもので、肩の可動域はかなり広い。

ポールさんも着ていた。

マッチョさんはモッズコートで、あれも、もともと軍用のものである。

    ザッ  ――

                           ザァァァ   ・・・・

横に跳んでみた。

重心を落としていたから転ばなかったけど、結構滑った・・・

凍結した場所でもある程度動けるように、練習しておく。

ここも階段と同じで、あまりデコボコしていない。

場所によって路面の状態も地形も違うけど、やらないよりはいい。

     ――   ガリッ

                  ザッ

                               ザッ

――走れた。

軽アイゼンはあるけど、激しくは動けそうにない。

それに、付けていない状態で動けた方がいいだろう。

杖に重心はかけない。

まず、両足と重心移動だけで練習する。

       ザク  ・・・

                   ザッ  ――

灯りが少なくて、あまり明るくはない。

けど、白い息はわかる・・・

      ザァァァ  ・・・

                              ザァァ      ン

                                              ビュゥゥゥ  ―――

 


帽子をのせて

2015年03月22日 23時35分03秒 | 黒猫のひとりごと

                                        ゥゥゥゥ   ―――

                     ガタン  カタカタ  ・・・

    ――  ・・・

カタカタ鳴くからみる・・・

窓から。

シロイヌも見てる。

大きな家。

暖炉のある広い部屋では、ポールさん達が話してる。

男と斧さんは、少し前に外に出た。

僕も行こうと思ったら、置いて行かれた。

だから、広いこの家を探検しているのである。

シロイヌはこの家のイヌで、白くてフサフサしていて、耳がツンとしてる。

僕を案内してくれているのだ。

廊下の床には、いくつかライトがある。

近くを歩くと、ぼやけた感じに光る。

天井にもライトがあるけど、あれは点かない。

スイッチを押す必要があるのだ。

僕はそれらしいスイッチを見つけたけど、ジャンプして押さなかった。

床の灯りで十分である。

扉のない部屋が多くて、僕とシロイヌはウロウロできた。

暖炉の部屋以外、誰もいない。

    ト    ト

戻ろう。

寒いのである。

暖炉の前はポカポカする。

今日もお日様はすぐ帰った。

いじけすぎである。

もうどうしようもないのだ。

機嫌が良くなるまで、待つしかないと思う。

                          バタン  ――

ニャ

玄関の音。

    ト     ト

「・・・」

僕がそっちに向かおうとすると、シロイヌは暖炉の部屋の方に行った。

             バササ  ・・・

男と斧さんが戻ってきたのだ。

「ニャー」

「ァゥ」

帽子やコートに雪がたくさんのっていて、寒そう。

「・・・」

          バサ ――

                        バササ   ・・・

ニャ

男が帽子を払って、僕に雪を飛ばした――

「ニャー」

僕が抗議しても、男は不敵である。

「ニャー」

僕を置いて行った斧さんにも、抗議する。

「・・・」

斧さんは僕をみない。

罪悪感があるのだ。

目をそらすけど、僕は斧さんを見る。

  バサ

「・・・」

男が帽子を僕にのせた。

もう、斧さんがみえない。

靴を脱いで、男は暖炉の部屋の方へ去る。

僕も追う。

帽子をのせて・・・

             トコ  ・・・

                           ト   ト

                                         ・・・    ゥゥゥゥゥ   ――


逆向き

2015年03月21日 23時50分27秒 | マーロックの日記

                                          ヒュゥゥゥ   ・・・・

                   サク  ・・・

      サク  ・・・

積もった雪を踏む・・・

針葉樹の林の中を歩いてる。

足跡がそっちに続いているから。

向きが逆方向の足跡が重なって残っている。

おばあさんの話の途中で、外が気になって様子を見に出た。

それでこの怪しい足跡を見つけた。

道路に向かっていなくて、家の側の林に続いてる。

家のそばまで来て、その足跡を踏んで戻ったらしい。

歩きやすいからだろう。

一応タクシーの運転手にも聞いてみたけど、何も知らなかった。

怪しい足跡は林から出てはいなくて、こっそり伺っていた様である。

ポールさんはおばあさんに話を聞いている途中だったから、伝えずに来た。

この雪の中でウロウロされたら困るので、黒猫は婦人の家の中に置いて来た。

斧さんのヘッドライトが明るい。

ケースに入れて、ポケットに入れていた様。

新しく買っていたもので、センサーで自動的に明るさが変わる。

斧さんが足元を見れば、少し抑えられる。

遠くを向くと、かなり明るくなる。

足跡はひとり分。

まだ雪は降っているけど、薄くなっていない。

新しい足跡みたいである。

私が窓の外を見ていた時、外で何か動いたように感じた。

あれが気のせいでなければ、ついさっきだろう。

ヘテロ達3人の誰かかもしれない。

あるいは、バレッタさんを誘拐した連中の誰かかもしれない。

彼女が住んでいた家の事は、大使館内で取り調べを受けている職員から聞きだしたもの。

その職員が、人身売買ブローカとまだ関わっているなら、あの家にバレッタさんがもういないことは知っていただろう。

バレッタさんと夫婦があの家を去ったのは、だいぶ前である。

職員がブローカともう関わっていないなら、昔の事を話しただけだという事になる。

人身売買ブローカも、夫婦とバレッタさんの行方を捜しているはずである。

林の中なので、周囲を照らして慎重に進んでいる。

この国には銃の所有者が多い。

徴兵制なので、予備役が多く持っている様。

こっそり隠し持つことが難しい、ライフルが多いみたいである。

       サク

                      サク  ・・・

後ろには、私と斧さんの足跡もある。

積もったばかりの雪を踏むのは、たのしい。

                         バササ  ・・・・

「・・・」

上から雪が落ちてきた。

木は白い。

雪は数日前から、ずっと降っているらしい。

                サク  ・・

                                  ヒュゥゥゥ    ―――

林から出た。

風がつめたい。

道路だ。

「ここまでか・・・」

「ァゥ」

道には、クローラの跡。

雪上車かな。

もう何もいない。

足跡も、他にはない。

斧さんのライトが照らすと、白い木々と落ちてくる雪がずっと続いてる。

「戻ろう」

「ァゥ」

自分の足跡を踏んで帰ろう・・・

             サク

                         バサササ  ――

                                        ヒュルルル   ・・・・


レター

2015年03月20日 14時05分43秒 | マーロックの日記

                                      ビュゥゥゥ   ―――

                     カタタ  ・・・

     バチッ  パチン

炎がゆれる・・・

レンガの暖炉の中で薪が燃えている。

大きな家だけど、2人しか住んでいない様。

家の外にいた高齢の婦人と、家事の手伝いをする住込みのおばあさん。

「・・・・」

暖炉の前のソファに座ったおばあさんが泣いていて、話は中断している。

婦人はその横で、背中をなでている。

私は窓の側のテーブルに向かう。

あたたかい紅茶をいれてくれたので、そこに置いて飲んでいる。

2人の女性の向かいのソファには、ポールさんとハットさんが座ってる。

おばあさんが落ち着くのを待っている。

ポールさんは最初に、私たちの事情を正確に伝えた。

彼がこの国の警官でないことも、先に訪ねてきたと言うヘテロ達だと思われる3人が今朝事件を起こした事も。

おどろいたおばあさんは、興奮してこれまでの事を話してくれた。

だけど徐々に感情が高ぶった様で、泣いている。

             バチチ ――

                           パン

斧さんはたき火の薪を見てる。

昼間、この家にはもう一人お手伝いさんが来る。

男性で、薪は彼が用意してくれる。

だけど普段は、あまり使うことはないらしい。

フサフサした白い犬もいて、丸まってる。

黒猫はその耳やシッポを叩いているけど、相手にされてない。

広い部屋で、家具は古いものが多い。

長年大事に使っている様で、ニスの風合いがいい。

       カチャ

紅茶を飲む。

                      カタ   ・・・

                                       ――  ゥゥゥゥ   ・・・・

風で、窓がゆれる。

                 コト

コップを置いて、写真を見る。

おばあさんが持って来てくれたもので、高齢の紳士と夫人と、少女の3人が写っている。

2枚あって、もう一枚にはパレットとブラシを持って、キャンバスに何か描いている途中の女性がカメラを向いて写っている。

この少女と絵を描いている女性が、黒ブローカの妹。

以前、この家に住んでいた。

その頃から、おばあさんはこの家でお手伝いをしていた。

1枚目の写真は、おばあさんがまだ住込みではなかった頃に撮ったものらしい。

2枚の写真に写る黒ブローカの妹は、どちらも髪にりぼんの様な飾りを付けている。

ポールさんとおばあさんの会話からすると、バレッタというらしい。

おばあさんは、少女が養子に来た日の事もおぼえていた。

亡くなった母に買ってもらったもので、とても大切にしていた様。

どうやら、バレッタさんを誘拐した連中は警官などを装って、彼女にも両親は事故で亡くなったと信じ込ませていたらしい。

1枚目の写真に写っている夫婦は、おだやかな表情。

子供には恵まれなかった様で、バレッタさんを家に迎えてとても喜んでいたらしい。

彼女が寂しい思いをいないように、いろんな所に連れて行った様。

この夫婦も、バレッタさんが事故で両親を失ったと7年間は信じていたみたいである。

夫婦は経済的に裕福だったので、人身売買をしていた連中は7年間待った。

3人が家族としての絆を深めた頃、夫婦の前に突然現れて、バレッタさんが誘拐した子供だったことを告げた。

そのことをばらされたくなければ、金を払えと脅したのである。

  バチ  ・・・

                   パチチン  ・・・

私には分からない。

どういう事情であれ、その時に警察に保護を求めるべきだったろう。

だけど夫婦は、要求を受け入れたらしい。

バレッタさんが真実を知って悲しまないようにと、思ったのかもしれない。

彼女を守ろうと、必死だったのだろう。

けど、一度でそれが終わることはなかった。

おそらく、再びバレッタさんを誘拐することもできるとか、脅していたのだろうと思われる。

何度目かの脅迫のとき、おばあさんもその事を知った。

夫婦からは、内緒にしていてほしいと頼まれたという。

   カチャ ――

数年後、払うお金もなくなった夫婦は、家を売る。

今の主である婦人が、その時購入した。

夫婦は、その時におばあさんがこれまで通りこの家に住み込みで働けるようお願いしてくれた。

おばあさんと別れることになって、バレッタさんは悲しんだ様。

行先は告げなかった様だし、事情を知っているおばあさんも聞かなかったみたいである。

もう脅迫されることが無い様、遠くに引っ越したんだろう。

でも半年後に手紙が届いた。

バレッタさんからおばあさんに宛てたもので、依頼主の住所はなかった。

その後も何通か手紙は届いた様。

元気に暮らしている事とかを、知らせているらしい。

2枚目の写真は、その中に入っていたもの。

どこで撮ったものかは分からない。

おばあさんは、誰にもこのことを言えなくて抱えていた。

それが今日、2度もそのことを聞きに人が訪ねてきて、驚いている。

ほぼ同様の事は、ヘテロ達にも話したみたいである。

だけどバレッタさんの実の両親が殺害されたことは、ポールさんに聞いて初めて知った。

そして、最初に訪ねてきた3人のひとりが、彼女の実の兄だった事も。

喜んでいるのか悲しんでいるのか、その両方なのか、おばあさんは話の途中で泣きはじめてしまった。

                     コト  ・・・

                                     ガタタ ――

ソファの前のテーブルには、バレッタさんから送られてきた手紙などが置いてある。

黒ブローカ達が、バレッタさんを探すために危険な事をしている事も、ポールさんは話した。

彼女を探す手がかりになればと、すべてポールさんに見せてくれている。

「すこし落ち着いたかしら?」

「ええ・・・」

ポールさんはまだいくつか質問があるようだけど、大まかな話は分かった。

窓の外を見る。

暗い。

「?」

何か動いたような気がしたけど、暗いから分からない。

戻ってくるのが遅いから、タクシーの運転手が様子を見に来ていたのかもしれない。

「・・・ちょっと外に出てきます」

「ああ・・・はい」

「・・・?」

「・・・」

斧さんを見ると、彼も立ち上がった。

誰もいないと思うけど、一応見て来よう。

「ニャー」

黒猫も来た。

         バサ

コートを着る。

ズボンの下には防寒スパッツを履いているけど、動きにくい。

船に戻ったら、別のを考えよう。

       ――  トン

私の肩にのった黒猫は、すぐに斧さんの上にのった。

フードの中が暖かいんだろう・・・

     トコ  ・・・

                     バチチン  ――

                                           ゥゥゥゥ  ―――


白い木

2015年03月18日 14時46分04秒 | マーロックの日記

                                         ヒュゥゥゥ  ・・・・

                      ブロロォォ   ・・・・

車がゆれた・・・

白い道を、あまり速度を出さずに進んでいる。

タクシーにのっている。

私の他に、ポールさんと斧さんとハットさん。

黒猫もいる。

エレガントさん達は、船に戻っている途中だろう。

黒猫も帰そうとしたけど、付いて来た。

私のひざに乗って、窓のそとをみてる。

雪で白くなった針葉樹が並んでる。

「もうニュースになっているよ」

「ァゥ」

ハットさんは、以前使っていたのと違うスマートフォンでニュースを見ている。

新しいのを買った様。

ポールさんは、合衆国の警官でインターポールに派遣されている。

麻薬の密売や組織犯罪を調べている。

そして今日の朝、この国の合衆国大使館に3人の男が侵入した。

ヘテロと黒と灰ブローカである。

監視カメラの映像で、わかった。

あの3人は、黒ブローカの妹を探している。

子供の時に誘拐されて、その際黒の両親は殺された。

黒は遊びに出かけていて、無事だった。

生きているかも分からなかったけど、どうやら生きている。

この国の夫婦に、養子として育てられている様。

その際、大使館で働いていた職員が関わったらしい。

事故で両親を亡くした孤児を、この国の夫婦が養子として引き取ったという話になっている様。

その職員がまだ働いていたらしく、直接話を聞くために接触したらしい。

怪我人はない。

ただその辺りの事情は、まだ現地の警察には伝えられていない。

3人の映像だけ渡して、逮捕を依頼している様。

近年、この国では多くの麻薬が売買されている。

そう言った連中と、問題の職員が関わりを持っている可能性があるため、まだ公開しないみたいである。

上手くいけば、密売組織を摘発できるかもしれない。

他の職員も関わっているかもしれないし。

職員の取り調べは大使館内で行われている。

ヘテロ達には、黒の妹を引き取ったと言う夫婦の家の場所を教えた様。

ポールさんは、合衆国の同僚に頼んであの3人を調べていた。

面識もある。

このため派遣された。

合衆国の当局からの直接の命令で。

この国の警察よりも先に調べるらしい。

空港から鉄道で街まで来たところで、私たちと偶然出会った。

私たちにそんなに話してもいいのか聞くと、機密ではないと言ってた。

それに前の事件の事もあるし、私たちは特別だとも。

それで、私も一緒にその家に向かうことにした。

気になる。

街には警官がたくさんいて、3人を探していた。

カメラの映像では武装はしていなかった様。

           ブロロ  ン

「着きましたよ」

「ありがとう」

           ガチャ ――

ドアを開けて出る。

                               ビュゥゥゥ   ・・・・・

さむい・・・

もう太陽は沈んでいて、暗い。

ポケットから腕ライトを出して、点ける。

この辺りは、家がまばら。

その灯りがポツポツみえる。

                               バタン

「行こう」

ポールさんが出てきた。

       サク   ・・・

道には雪が積もってる。

タクシーは止まったまま。

ポールさんが待っていてくれるように頼んだんだろう。

「あそこかね」

「はい」

坂の上に、大きな家。

白い木がいくつもある。

          サク            サク

雪が積もっていて、靴が少し沈む。

家のすぐそばの木が、ピカピカしてる。

LEDの光。

街もきれいに飾られていた。

                              サク   ・・・

この辺りは、この家の庭なんだろうか。

かなり裕福な家の印象。

「ニャー」

黒猫は、斧さんのフードの中。

彼はダッフルコートを着てる。

斧さんは、まだ自分で服を買うことはない。

ノロマさんやエレガントさんに選んでもらった様。

ライトで照らすと、足跡がいくつもある。

その上を歩く。

フワフワした雪の所よりも歩きやすい。

まだ雪は降っている。

風はつめたい。

             サク        サク

                                    サク

「どなた?」

おや。

家の外に高齢の女性がいる。

「こんばんは」

「こんばんは」

私たちはあいさつする。

「お伺いしたいことがありまして・・・」

ポールさんが手帳を見せた。

「警察の方?」

「ええ」

彼はこの国の警官ではないけど、まぁ警官ではある。

外は暗いし、パッと見ただけでは身分証の違いなんて分からないだろう。

「さっきもお見えになりましたよ」

「?」

まだこの国の警察は知らないはずである。

「左右の目の色が違う・・・?」

「目?・・・ええ、そうでした」

「・・・彼らとは管轄が違いまして」

どうやら、ヘテロ達が先に来た様。

「刑事さんも大変なのね」

「まぁ・・・」

「外は寒いですから、中にどうぞ」

「はい」

婦人はドアに向かった。

坂の下を見る。

タクシーがみえる・・・

               サク         サク

                                         ヒュルルルゥゥゥ    ・・・・・・


駅の近く

2015年03月16日 14時24分09秒 | マーロックの日記

                                                 クァ ーー

                                 ブロロロ   ・・・・・

          ――  ・・・・

太陽が低い・・・

もう沈みそう。

1日の3/4が夜である。

街はLEDなどで飾られていて、日没前だけどピカピカしてる。

昼食のあと、古い建物を見たりしながら散歩していた。

私はサーモンのステーキを食べた。

だけどお腹いっぱいではない。

チーズなどを使った料理が多いお店で、私はあまり注文しなかったのである。

ピザは好きだけど、チーズは好きじゃない。

船に戻ったら、カツカレーでも食べてやろうと思っている。

だけどその前に、買い物に行く。

たくさん並んだお店をフラフラ見るだけで、食料とかは明日たくさん買う。

     サク ――

ガードさんは、周囲を警戒している。

街には警官が多い。

今日の日の出前、合衆国の大使館で騒ぎがあったらしい。

レストランで聞いた。

職員が襲撃されたとか、けが人はいないとか、まだよく分からない。

犯人が街に逃げているらしく、それを探している様である。

私は一番後ろを歩いている。

前にはノッポさんとシャープさん。

ノッポさんは、ハットさんの荷物を引いてる。

フワリさんとハットさんは、お昼ごろに合流した。

夜にはマリオットさんも来る。

シャープさんはフードの付いたミドル丈のコートで、中のセーターが裾からすこしみえる。

動きやすそう。

シャープネコも黒猫と同じような服をもらった様で、シャープさんのフードの中から私をみてる。

フードの中で丸まって、頭とシッポの先だけ出てる。

シッポは寒くないんだろうか。

いろんな形の建物がある。

古い建物も多い。

    ――  ♪ ♪

おや。

ショッピングモールに向かっていたのだけど、途中のお店に入る様。

気温は低い。

何度だろう。

ネコカートに、温度計を付けておいた。

明日から北極圏を目指すし、低温でも計れるものを買ったのである。

プローブは2つ接続できるので、ネコカートの中と外を計っている。

リセットするまで、そこまでで計った最高と最低の温度は記録される。

試にカートに付けておいたけど、あとで外す。

さっき見たときは、最高で-5℃だった。

今ネコカートはウェーブさんが押しているので、みれない。

通りはにぎやか。

街は雪で白い。

雪かきはされていくけど、道には薄く雪がある。

「・・・・」

おや。

何気なく後ろを見たら、見覚えのある人。

ポールさんだ。

私が見ていると、向こうも気づいた・・・

            ――   ガャガャ   ・・・

                              ザヮヮ  ・・・

                    ブロォォオン

                                            ォォォォ    ・・・・・