ォォォォォ ・・・・・
―― ガャャ
♪ ♪
ポールさんがいた・・・
「刑事さん」
「これ助かったよ」
大きなガラガラケースを引いてる。
「部屋にたくさんありますから」
「ごはんですよ」
「ああ・・・今日はずっと食べてないんだ」
「荷物置いてきます?」
「後にする」
―― キキ
カバーの開いたネコカートから、リスがポールさんのケースに跳び移った。
ガララ ・・・
♪ ♪
僕らは商店街を歩いている。
この先は食堂。
やっとごはんである。
僕は、何度もごはんを食べていないことをみんなにアピールしていたのだ。
ト
おや。
シロネコもカートから出てきた。
たまには、自分で歩くみたいである。
フサフサしてるから、暖かそう。
「ミー」
マリオットさんがいる。
「もうみんないるの」
「はい」
―――
ドアが開いた。
温かい空気・・・
ガャャ ・・・
僕は先に中に入る。
「ミャ~」
カートから出てきた子ネコも、追ってくる。
ここは、大食堂の3階。
下にも2階分スペースがあって、吹き抜けなのである。
真ん中の橋を進むと、真ん中辺りが広くなっていてテーブルがいくつかある。
人は2人いて、食事してる。
僕らは食べに来るのが遅かったから、もう人は少ない。
船が港にいるし。
手すりから右をみると、シャープネコがいる。
僕はさらに橋を進む。
ト ト
ト
ポロロン ・・・ ♪
後ろから、ケースやカートの音がする。
「ミャ~」
橋を渡った僕と子ネコは、右に向かう。
下の階から人の声はするけど、この辺りにはいない。
イスの足だけだから、その間を通る。
ト ト
子ネコの足音も、僕のマネをして付いてくる。
イスの足の他に人の足がたくさんあったとしても、僕は平気なのだ。
ト ト
人の足。
イスの足とほぼ重なっていて、あの間を進むのは容易である。
「・・・よぅ」
ニャ
足の間からコックさんの顔。
ト ト
コックさんの頭と床の間には、スペースがある。
速度を落とさずに、僕はそこをすり抜ける――
―― ガシ
「ニャ~」
捕まった。
「これ温かそうだな」
コックさんはそのまま体を戻した。
テーブルにはコップしかない。
前足を、縁にかける。
後ろ足でコックさんのももを押す。
僕を掴んだ手は、すぐに離れた。
シャープさんもいる。
横のイスをみると、コートが畳んで置いてある。
ノッポさんもいる。
♪ ♪
―― ・・・
後ろから、フワリさんとかの声。
パチ
シッポでコックさんをたたく。
お腹すいてるのに、何もない。
これから注文するのだ。
「私が頼んでくるから」
「うん」
マグロかサーモンがいい・・・
ガララ ・・・
ヮィ ヮィ
ポロロ ポン ♪