足の間

2015年03月29日 22時14分22秒 | 黒猫のひとりごと

                                     ォォォォォ   ・・・・・

                 ――  ガャャ

    ♪ ♪

ポールさんがいた・・・

「刑事さん」

「これ助かったよ」

大きなガラガラケースを引いてる。

「部屋にたくさんありますから」

「ごはんですよ」

「ああ・・・今日はずっと食べてないんだ」

「荷物置いてきます?」

「後にする」

        ――  キキ

カバーの開いたネコカートから、リスがポールさんのケースに跳び移った。

               ガララ  ・・・

    ♪ ♪

僕らは商店街を歩いている。

この先は食堂。

やっとごはんである。

僕は、何度もごはんを食べていないことをみんなにアピールしていたのだ。

        

おや。

シロネコもカートから出てきた。

たまには、自分で歩くみたいである。

フサフサしてるから、暖かそう。

「ミー」

マリオットさんがいる。

「もうみんないるの」

「はい」

                  ―――

ドアが開いた。

温かい空気・・・

             ガャャ  ・・・

僕は先に中に入る。

「ミャ~」

カートから出てきた子ネコも、追ってくる。

ここは、大食堂の3階。

下にも2階分スペースがあって、吹き抜けなのである。

真ん中の橋を進むと、真ん中辺りが広くなっていてテーブルがいくつかある。

人は2人いて、食事してる。

僕らは食べに来るのが遅かったから、もう人は少ない。

船が港にいるし。

手すりから右をみると、シャープネコがいる。

僕はさらに橋を進む。

        ト     ト

                     ト

                                       ポロロン  ・・・  ♪

後ろから、ケースやカートの音がする。

「ミャ~」

橋を渡った僕と子ネコは、右に向かう。

下の階から人の声はするけど、この辺りにはいない。

イスの足だけだから、その間を通る。

     ト    ト

子ネコの足音も、僕のマネをして付いてくる。

イスの足の他に人の足がたくさんあったとしても、僕は平気なのだ。

               ト     ト

人の足。

イスの足とほぼ重なっていて、あの間を進むのは容易である。

「・・・よぅ」

ニャ

足の間からコックさんの顔。

       ト    ト

コックさんの頭と床の間には、スペースがある。

速度を落とさずに、僕はそこをすり抜ける――

                 ――   ガシ

「ニャ~」

捕まった。

「これ温かそうだな」

コックさんはそのまま体を戻した。

テーブルにはコップしかない。

前足を、縁にかける。

後ろ足でコックさんのももを押す。

僕を掴んだ手は、すぐに離れた。

シャープさんもいる。

横のイスをみると、コートが畳んで置いてある。

ノッポさんもいる。

            ♪  ♪

                        ――  ・・・

後ろから、フワリさんとかの声。

      パチ

シッポでコックさんをたたく。

お腹すいてるのに、何もない。

これから注文するのだ。

「私が頼んでくるから」

「うん」

マグロかサーモンがいい・・・

            ガララ  ・・・

                            ヮィ ヮィ

                                             ポロロ   ポン    ♪