ォォォォ ・・・・・
―― ♪ ♪
パク
外の音が聞こえる・・・
―― ♪
チーフさんが来た。
メインダイニングの3層目にいる。
5階デッキの後ろの方になる。
2層目と3層目は端っこにテーブルがあって、中央は吹き抜け。
ただ、真ん中にはテーブルのある浮き島部分があって、橋で繋がってる。
壁側の床も、いくつか張り出した部分がある。
私たちはそこにいる。
マッチョさんやカールさん、メインダイニングで働いているコックさんたちも来る。
みんなが集まれる様。
「・・・・」
私のイスの横は、手すり。
1層目をみることもできる。
もうすぐ午後の10時で、人はあまりいない。
プロムナードが賑わっているだろう。
♪ ――
ノロマさん達は、次の寄港地の話をしてる。
エレガントさん達の家がある国に寄港する。
以前別の港に寄った時に飛行機で行ったけど、今回は船で行く。
♪ ニャ~
テーブルの下で、黒猫達が食事してる。
テーブルの上にはタブレットがいくつかある。
バレッタさんから送られてきた写真がある。
雪壁の中で過ごした村の様子も、何枚かある。
白トナカイのも。
とれたツノは、もう少し伸びてる。
―― ♪ ♪
結晶は、原子が規則的に並んでいる。
その配置の単位を、単位格子という――それが隙間なく積み重なっていく。
単位格子は14種あり、提案者からブラベー格子と呼ばれている。
最密充填構造の場合、単位格子は原子4個分の質量を持っている――六方最密充填と立方最密充填のどちらになるかは、電子構造で決まる。
体心立方…bcc構造だと、中心の原子に8個の原子が詰まった構造で、単位格子は2つの原子の質量を持つ――bccはイオン化合物に多い。
鉄もbccで、金属の場合は高圧で最密充填に変わりやすい――地球中心の鉄は、そうなっていると思われる。
イオン固体は、金属と違ってサイズの違う球が詰まっている。
ふつうは陰イオンは陽イオンより大きいので、陰イオンがすこし余裕のある最密充填構造に並ぶ。
陰イオンの隙間に、陽イオンが入る。
球が詰まる時、層のくぼみに球がのると狭い隙間ができる。
それを四面体空隙という――球が正四面体の頂点にあるので。
最密充填構造の場合、球ひとつが2つの四面体空隙を持つ。
層のくぼみの上にくぼみが来る場合、少し広い八面体空隙ができる――6個の球が作る隙間で、正八面体の頂点にあるので。
八面体空隙は、球ひとつが1つ持つ。
陰イオンがやや広がった最密充填でも、四面体空隙は狭いので小さな陽イオンでないと入れない。
八面体空隙は広いので、大き目の陽イオンでも入れる。
私たちが生きて行くのに必須の食塩は、塩化ナトリウム。
これは塩素…Cl-とナトリウム…Na+がイオン結合した化合物――Cl-は半径181pmで、Na+は半径102pm。
Cl-は最密充填構造に並び、その八面体空隙にNa+が入る。
この様な構造はイオン固体に多く、代表して岩塩型構造と呼ばれる――小さい方の半径が40~70%なら、この構造になりやすい。
―― ♪
カルシウムのイオン化合物は、硬い。
カルシウムイオン…Ca2+は2価の陽イオンで、小さくて引力が強いので硬くなる――電子2つ分の+の電荷を持つ。
炭酸イオン…CO32-は2価の陰イオンで、これが結合した炭酸カルシウム…CaCO3はより安定している。
鉄イオンなどの不純物が混ざった炭酸カルシウムは、建材として使われる――石灰岩。
高圧下で生じたものは大理石で、低圧下では白亜…チョークができる。
結晶はその構造の違いで方解石とアラゴナイトがある。
アラゴナイトの方が硬いけど、量が少なく高温で方解石に変わりやすい。
このため、建材に使われるのは不純物の混じった方解石が多い。
貝殻にも炭酸カルシウムが含まれていて、これらが海底に堆積して石灰岩になる――それが隆起したものを、昔から人が使っていた。
コーラゲンなどの有機物にリン酸カルシウムが入り込んだ複合材料は、私たちが骨に使っている。
―― ♪ ♪
ォォォ ・・・・
外は雨で、勢いがすごい。
それで音が聞こえる。
―― ♪
私の前に、焼き魚のお皿。
「いただきます」
たべよう・・・・
ニャ~ ♪
―― ♪
ォォォォ ・・・・・