水面の光

2010年07月29日 11時44分14秒 | 黒猫のひとりごと

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・          ・・・・・・・・・・サヮサヮサヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

チョロチョロチョロ・・・・・・・                   ・・・・・・ピチャッ・・・・・

       バササササ・・・・・・                ・・・トン     チュンチュン・・・・

僕らは大きな樹の根の上で、くつろいでいる・・・・・

もうお日様が出ていて、何本か光が差し込んでくる。

・・・・・お日様が隠れている間に、僕らの周りは池になってしまったのだ。

森の中は暗い。

霧も出ていて、お日様の光があたって緑っぽい色になってる・・・・

・・・光のあたった水面が、キラキラしててきれい。

ピチュチュ・・・・

                    ピピピピピ・・・・・・・・

・・・・・僕らが座っていた幹のソファーのひとつが、池に浮いてる・・・・

その上に、小鳥が集まってるのだ。

「チュン」

・・・・斧さんが根っこに立てかけておいた方の幹にも、小鳥がとまってる。

池の水は、そんなに深くはないのだ。

ゴリラや人間なら、歩いて進めるはずである。

そしたら、僕は頭の上に乗って楽しよう。

・・・・僕は泳げるけど、楽するのである。

ムシャムシャ・・・・

・・・・けど、父ゴリラは草食べてるし、チーフさんも動く気はなさそうである。

「ニャー」

朝ごはんはいつ食べるの・・・?

「ミャ~ォ・・・」

「コロロ・・・・」

子ネコはカバンから出て、根っこの側面を下っていく・・・・

・・・・ツメを出して、ゆっくりゆっくり進んでる。

下を、のぞきたいのだ・・・・

危なっかしいけど、ひもでノロマさんのカバンに繋がってるから、ほっとくのだ。

ガリ――――      ガッ ガッ・・・         バタタ・・・・

ニャ

予想通り、子ネコは足を滑らせて落ちそうになった・・・・

・・・・でも、ひものおかげで落ちずに、バタバタ暴れて根っこに再びしがみ付いた。

さっきと違って、頭が上を向いてるけど。

「ミャ~ォ・・・」

・・・・ノロマさんは、それを見てる。

自力で、這い上がってくるのを期待してるに違いない。

子ネコの運動能力はどんどん向上しているので、あのくらい問題ないのだ。

ガリガリ・・・・

                    ガリ・・・            トトト・・・・

・・・・戻ってきた。

「ミャ~ォ・・」

・・・・子ネコはノロマさんの足元に寄って、左前足でネコパンチを連打する・・・・・

・・・・片方だけにしては、なかなかの速さである。

「ァ~ゥ・・」

・・・サルは、シッポで子ゴリラを遊ばせてる・・・・

妹ゴリラと弟ゴリラは、母ゴリラの側で池を見てる。

バササササ・・・・・・

         リィィィ・・・              ルー ルー ルルルルゥゥゥゥゥゥ・・・・・・

・・・・・鳥が樹の周りを飛ぶから、仰向けに寝て見る。

霧のせいでよく見えないけど、大きく開けた樹の周りを、巨大な幹を回るように飛んでるようである。

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

            ・・・・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・ずっと風が吹いてるから、森が揺れてる・・・・・

雨は降ってないみたい・・・・

クヮーーーッ     クヮッ クヮッ クヮッ・・・・・

                       ホーーーー・・・・   ホォ  ホォ  ホォ・・・・

・・・・遠くから、何かの鳴き声が届く・・・・

雨の音が響かない森は、色んな音でにぎやか・・・・・

・・・・・雨もにぎやかだけど・・・・・

「ニャー」

・・・僕も、鳴くのだ・・・・!

ウホッ・・・        キィキィ・・・                         ゲコッ・・・

リィリィリィリィ・・・・・                  リリリリリ・・・・・・・・

          チュチュチュン・・・・・               ・・・・・ピィピィ・・・・・

・・・・・・ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

      ・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


雲と影

2010年07月27日 11時53分06秒 | マーロックの日記

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

       ・・・・・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・・・ヒュルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・ゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・             ・・・・・・・・・・・・・・ゥゥゥゥ・・・・・

石のドカンの上に来た・・・・・

・・・・風が強い。

雨はパラパラ落ちてくる程度で、傘はいらない。

「・・・・すごいな・・・・・」

テムが、周りに広がる濃い霧を見て口を開けてる・・・・

・・・・テムは私に後頭部を見せているので、口を開けているというのは予想である。

昨日の日没前は草原の様に見えて、日没後は海の様に見えた林冠だけど、今朝は雲。

森がすっぽり霧に隠れていて、私たちは雲の上にいる様である。

風に吹かれて、わたの様に霧が舞うのが見える・・・・

・・・・・何本かの背の高い樹は、霧から飛び出して見える。

左手側・・・東から、太陽の光が霧を照らす・・・・

空は雲に覆われているけど、ある程度の光は届く。

明け方に降った豪雨は、少し前に止んだ。

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・               ・・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・

朝早くから、鳥が飛んでる。

もくもくした森の上を飛んで、何か見えるのかな・・・・

・・・・夜明け前の雨で、地面はぐちゃぐちゃである。

水が少し引くまで待って、歩き出す。

たぶん、斧さん達が残したケースの跡は、ほとんど消えてしまっただろう・・・・・

・・・斧さんはコンパスも地図も持ってないだろうけど、太陽の沈む方が海だということは分かっているはずである。

なんでこんな所まで来たのか分からないけど、とりあえず線路か川に戻って、その側を歩い行く・・・・と、考えるだろう。

ここから、雷の落ちた大樹の先っぽが見えるけど、あの方向が鉄橋のある方である。

・・・私はそう知っているけど、斧さんはどうだろう・・・・・

山を歩くのは慣れてるだろうけど、コンパスなしでまっすぐ歩くのは難しい。

・・・・・私たちは南に向かおう・・・・

たぶん私が斧さんの立場なら、そうすると思う。

日の出を左に取れば、まあ南である。

森の中でも、どこかで影の向きと時間が分かれば、方角を知ることは出来るだろう。

・・・チーフさんとの合流も試みないといけないけど、ここにノロマさんと斧さんがいた様だし、先に2人を追いかけて見よう・・・・・

チーフさんは、地図や衛星電話を持ってるから、ある程度は安心していいだろう・・・・

・・・・すでにキャンピングカーと電話しただろうから、どちらかというと、私たち3人の方が心配される対象だろうと思う。

ヒュルルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・                           ・・・・ピィィィィィ・・・・・・

・・・すぐ近くを、鳥が飛んでった・・・・

カールさんが、すでに尾羽を向けているその鳥に、手を振ってる・・・・

霧は、ちょうど森を隠すように広がっているだけで、その上はほぼ見晴らしがいい。

それで、鳥の影が霧の上を一緒に滑っていく・・・・

朝ごはんは、また非常用の食事で、チキンライスの予定である。

でも、もう少し眼下の雲を見てよう・・・・・

ヒュォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ・・・・・・・・・・・・・ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・          ・・・・・・・・・・・・サヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


上に避難する

2010年07月25日 12時32分04秒 | 黒猫のひとりごと

ドォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・水が、迫ってくる・・・・

僕の乗っている幹のソファーも、そろそろ流されそうな感じ・・・・

しかし、僕は石像ネコなので、動けないのだ。

ニャー

根の部屋にいるみんなにも、水が迫っていることを教えないといけないけど、石像ネコなので鳴いちゃいけないのだ・・・・・

石像ネコで見張りネコをするという僕の作戦は、失敗であった。

水の流れはそんなに速くはなく、大樹の周りに水が溜まっていっている様である・・・

キィィ・・・・

                       ・・・・・・・・・おい・・・!

・・・・ニャ

水の音がうるさくてあんまりよく聞こえないけど、後ろで動きがあるようである。

振り返って何してるのか見たいけど、石像ネコなので見れないのだ・・・!

僕は、ピンチである。

「何やってるの・・・?」

ニャ

ノロマさんの声。

グイ・・・

――――そして、石像ネコの僕を掴んだ・・・・

「ニャー」

僕の体を、強引に持ち上げる・・・!

バシバシ・・・

後ろ足でノロマさんに反撃するけど、後ろ足も持たれた。

「ニャー」

チャッ・・・                ジャリ・・・

ノロマさんは、根っこの方へ走る・・・・

すでにゴリラたちは、根の上に避難してる。

根の部屋の上は、石に持ち上げられているから、根が逆向きに傾いていて、居心地がいいのである。

先っぽは板みたいになった根の上にチーフさんがいて、ノロマさんを引っ張りあげた・・・・

片手で僕を抱えてるから、今なら逃げれるけど、楽なので掴まれておく事にした。

タッ・・・       タッ・・・・

・・・・もう、荷物は上にあげられている。

この巨大樹は根っこも大きいから、ゴリラ一家とみんな一緒に乗れそうである。

「キィ・・・」

サルは、ライトの付いた杖とカエル枝を持ってる。

ランタンライトは兄ゴリラが持っていて、明るい。

コロロ・・・

                                ゴト・・・

下に残っていた斧さんが、2本ある幹のひとつを、僕らのいる根のつけ根に立てかけた・・・・・

・・・・そして、部屋に入った・・・・

「ニャー」

何してるのかな・・・・

「ここ座りな・・・」

「・・・うん」

根のくぼんだ所にケースを置いて、ノロマさんが座る。

「ミャ~ォ」

ひざの上に置かれた僕を見て、子ネコが鳴いた。

グイ・・・

・・・・石像ネコをじゃまされてくやしい僕は、ノロマさんの手を前足で押す・・・

        ・・・・・・グイグイ・・・・

「・・・・なによ・・・・」

ゴロン・・・・

・・・・ひっくり返された・・・・

「ニャー」

・・・・朝ごはんの時、ノロマさんのおかずをひとつ食べてやるのだ・・・・・

・・・・・おや。

霧だ・・・・

・・・・・ドサッ

・・・斧さんが来たので見ると、着ていたカッパを脱いで、ゴリラたちの草を縛って持って来たようである。

「ウホ・・・」

ゴォォォォォ・・・・・・・・・             ・・・・・・・・ン

          ・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ミャ~ォ」

・・・・雷が来たから、子ネコが鳴いた。

ノソ・・・

・・・そして、ノロマさんのひざの上で仰向けになっている僕の上に、移動してきた・・・・

パンパンパン・・・・

ニャ・・・

・・・・シッポで僕の頭を何度も叩く。

「ニャ~・・・」

前足で、シッポをどける・・・

・・・斧さんは頭のライトを点けていて、根っこの先っぽに座って水の流れを見ているようである。

「ここは大丈夫かな・・・・?」

「さあ・・・」

ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・        ・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・          ・・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・ 


雨音

2010年07月21日 13時22分55秒 | マーロックの日記

ピカッ――――――――

                 ――――――――ゴォォォォォォォ・・・・・       ・・・・・ン

ドォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・

パチパチ・・・・         ・・・・・・・・・

                         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・チチチ・・・・・・・

・・・・燃え始めたばかりの焚き火の勢いを、枝を動かしておとす・・・・・

ゆっくり、小さく燃やす。

・・・・まだ暗いけど、3人とも起きた。

雷の音もうるさいけど、なんといっても雨音が尋常じゃない・・・・・

午前の4時と少しで、日の出までは2時間ちょっとある。

日没も日の出も、6時30分くらいである。

冷たい空気が流れている・・・・

・・・・そのせいで感じは20℃なさそうな気がするけど、たぶん20℃前後じゃないかと思う―――気温である。

大きく口を開けてゴロゴロしていたテムも、座って階段側から雨を見てる。

「クゥ・・・」

「・・・・起きたの・・・・」

・・・・チワワも、音がうるさくて目が覚めたようである。

チワワの着ているカッパには、フードがついている。

その中に、リスがいる。

ドォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・        ・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・この雨じゃ、傘を使っても意味はなさそうだ。

私たちは高い位置にある石のドカンの中なので、平気である。

けど、ノロマさんと斧さんは大丈夫かな・・・・・

・・・チーフさんも、もし昨日と同じ洞窟にいたら、水が入ってきて大変だろう。

さっき確認したけど、ゾウはいなかった。

どこか、雨が直接当たらない場所に移動したんだろう・・・・

「このくらいでいいか・・・・・」

焚き火の世話はこのくらいにして、私も反対側から雨みたい・・・・・

・・・カールさんは、壁に背中をあずけて、ボーッとしてる。

睡眠は、十分とれた・・・・・

・・・・頭はさっぱりしてる。

          ・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・すごい雨・・・・・

これじゃ、何も出来ないな・・・・

ライトを点けてないから、焚き火の灯りだけ。

その焚き火は入り口側にあるし火の勢いも弱くしてるから、反対側のここは、少ししか光が届かない。

・・・・私も壁を背もたれにして、くつろぐ・・・・・

ブルゾンを羽織っているから、寒くはない。

カチ・・・

腕のライトをつけて、下の様子を伺う・・・・

・・・・・雨がすごくてよく分からないけど、下が水溜りになってるのが、何となく分かる。

カチ・・・・

・・・すぐ、ライトは消す。

       クゥー・・・・・

・・・・・チワワが、焚き火の辺りに移動してる・・・・

雨粒が、顔に飛んできた・・・・

ぼんやりしよ・・・・・・

ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・         ・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

       ・・・・・・・・・・ドォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・ゴォォォォォ      ・・・・・・・・・・ン

         ゴロォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・


轟音と見張りネコ

2010年07月19日 11時56分33秒 | 黒猫のひとりごと

・・・・・・・・・・・・ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・         ・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・

・・・・ゴソ・・・・

               ゴソソ・・・・

・・・・・ノロマさんのフードの中で寝ていたけど、目が覚めたのではい出る。

雨の音がすごいから、フードの中に隠れていたのである。

ゴン・・・

外に出るとすぐ、チーフさんに当たった・・・・

・・・・根の部屋は、ギュウギュウである。

ゴリラの一家に、僕らがみんな寝ているのである。

樹の葉っぱの屋根も意味が無いくらい、雨が勢いを強めたので、みんなここで寝てるのである。

          トン

横になったチーフさんの上に、乗る。

ノロマさんは根っこ際で寝ていて、隣がチーフさん。

その足元に見えている靴は、斧さんである。

斧さんは部屋の端っこに頭が向いていて、カッパを着て寝てる。

石の側にはゴリラの一家が寝ていて、斧さんとは反対の端っこには、父ゴリラ。

・・・・おや。

母ゴリラの側で寝ていた子ゴリラが、いつのまにか父ゴリラのお腹の中で寝てる。

母ゴリラが寝ている間に、コッソリ父ゴリラがとったのだ。

ニャー

よかったね・・・・

・・・・・僕は、みんなを起こさないように心の中で鳴く。

ゴリラ一家とチーフさんの間に、カエル枝と一緒にサルが寝てる。

根っこの入り口・・・・ノロマさんとチーフさんの頭が向いている方向に、ランタンライトが点いてる。

他のライトは、寝るので消してあるのだ。

それで、僕は灯りのある方から外に出る。

・・・・・・ドドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・

             ・・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・根の側面を伝って水が落ちてくるけど、その音が聞こえないくらい、森全体が唸っている・・・・・・・

ライトの灯りが薄っすらと大樹の側の空間を照らすから、葉っぱなんてお構いなしに降って来る雨が見える・・・・

「ニャー」

・・・川が出来てる・・・・

         チャッ・・・・           チャッ   ・・・・

・・・・  タン ――――

幹のソファーの上に、移動した。

・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・       ・・・・・・・・ドォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・大樹の周り、僕らが降りてきた坂の下が、川になってる。

ブルルル・・・・・・

・・・・僕は、前足でひげをさわる。

根っこの部屋は、まだ大丈夫そうである・・・・・

川の先がどうなってるのか、暗くて見えない。

ニャー・・・・

鳴いても、声が消されるから、いつもの感じじゃない・・・・・

ババッ・・・            バババッ・・・・

・・・・落ちてくる雨を、すばやい連続ネコパンチで捉えるのだ。

上手く当たったのか、後から落ちてきたのが前足についたのか分からないけど、前足についた水滴をなめる。

カリカリ・・・・

さらに、幹でカリカリする。

眠くないから、ここで川を見張っていよう・・・・

勢いが増して、ノロマさん達が流されたら大変だからである。

僕は、シッポを上に向ける・・・・

ピンと伸ばすのではなく、少し曲げてある。

そして、姿勢を正してお座りする。

そう・・・・僕は石像ネコで、見張りネコになるのである・・・・!

・・・・・・ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・               ・・・・ォォォォン          ・・・・・・・・・

・・・・・・       ・・・・・・・・・・ドォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


粒が落ちてくる

2010年07月16日 12時16分48秒 | マーロックの日記

ザァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゴォォォォ・・・・  ・・・・・ン

                           ・・・・・・ゴロロォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・

雷が光ると一瞬、猛烈に落ちてくる雨粒が見える・・・・・

でもその後も、石のドカンから漏れる灯りと自分のライトに照らされて、近くの雨粒は見える。

・・・・雨がよく降る。

海から空に上がった水が、こっちに落ちているのだ・・・・

私は傘を差して、外に出ている。

といってもドカンのすぐ側で、石の階段を一段おりてる。

・・・・下にはまだゾウがいて、石の周りに生えている草を食べてる・・・・

ジャリ・・・               タッ・・・

                               タン・・・・

・・・・再び階段を上って、今度はドカンの側の、石の頂上へ向かう道を進む・・・・

・・・・・ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・風が強くて、傘が力強く圧力を受ける・・・・・

おや・・・・

・・・石の上に、どこからか風に乗って来たのだろう、枝がある。

腕のライトで、近くの樹を照らして動かす・・・・・

・・・・・風と雨と葉の揺れる音に、風に吹き上げられた水滴が届くだけで、森に住む生き物の気配は分からない・・・・・

巨大な樹ばかりの森だけど、低い木がまったく無いわけではない。

この近くにも、低い木が何本かある―――草も結構生えていて、石の周りは光が少し届くからだろう・・・・

それが風で揺れてるけど、もしかしたら何かの動物が動いた事による揺れも混じっているかもしれない・・・・・

・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

            ・・・・・・・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・私たち人間は、体重60kgの人で約60兆個の細胞から出来ている。

ちなみに、細胞はそれ同士が手をつないで集まっているわけではない。

細胞外マトリックスと呼ばれる骨組みがあって、その中に細胞は住んでいる。

マトリックスは体の場所によって、素材が違う。

皮膚なら主にコラーゲンだったり、骨ならコラーゲンとカルシウムだったりする。

マトリックスは・・・自分の家は、細胞が自分で作る。

でも、材料は食べて補給する必要がある。

再生医療の要の技術として研究が進んでいるティッシュ・エンジニアリング―――組織工学は、人工的にマトリックスを作る技術である。

それに幹細胞と、細胞から分泌され、特定の細胞に情報伝達をするサイトカインというタンパク質を組み合わせて、例えば失われた永久歯の再生を試みるのである―――人工マトリックスは生分解性のものが用いられるので、やがて分解し、細胞が自分で作ったマトリックスに置き換わる。

・・・・一つひとつの細胞は、それだけでとても込み入った化学工場である。

そして細胞はそれぞれ、すべての遺伝情報を備えたDNAを持っている。

DNAは、よく生命の設計図という例え方をされる。

この例えは分かりやすいかもしれないけど、正確ではない。

設計図というのは、例えば家なら、建てた家と設計図に、それぞれ一対一の関係を持っている。

つまり設計士なら、実際に建てた建物を見て、紙に設計図を書き出すことが出来る―――この普通とは反対方向の作業は、実際に重たい材料を使って建てる必要はなく、長さを測って描くだけでいいので、より簡単である。

けれど生き物の場合、完成した個体からは、DNAの情報を復元できない。

それは、環境―――栄養素が十分に手に入らなくて、思ったように成長できなかったとか―――が違うと同じDNAでも成体は違ったものになるから、分からないというものではない。

一対一の関係を、持っていないのだ。

―――アミノ酸配列を決定する遺伝子は、絶対的にその順序を指定する。

そのアミノ酸が鎖の様に繋がって、立体的に折りたたまれる際は、違ったものになる場合があるけど――――

完成した体の青写真が、暗号としてDNAに記録されているわけではなく、それには局所的な対応の仕方が書かれているのである。

つまり作り方・・・レシピのようなものである。

胚発生は複雑で、すべての過程を詳細に調べられたエレガンスセンチュウのような例もあるけど、人間なんかは、詳細な過程は知られていない。

局所的な対応というのは、例えば細胞の中のある化学物質の濃度が高くなれば、分裂して膨張しろとか、引っ張られたら陥入しろとか、いったものである。

すべての細胞が、与えられた対応のルールにそって反応を繰り返す――――けっしてどの細胞も、大局を見通して調整したりはせず、ただ決められたルールに従って反応を続ける。

その結果、私たちが知る動物の形になっていく――――大部分の生物は、発生の過程がそれほど厳格に決定されているわけではないようである・・・・・それぞれの細胞がどの細胞から枝分れしたのか、個体によって差がある。

結果としてそうなるような遺伝情報が、成長して子孫を残して、現在まで自己複製を繰り返してきたのである。

ザァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・

そういう発生のしかただから、たまに間違えて、お腹の細胞が少しだけ背中にいったりする――――これは実は、人間がカエルで行った実験である・・・・・

すると、その間違えた背中の所に、お腹の神経が伸びていく・・・・・

そして小さな毛で、カエルの背中にある、少しのお腹の皮膚をくすぐる。

すると、そのカエルは背中ではなく、お腹をかく。

・・・つまり、私たちはすべてを経験で得ているわけでは無いと言うことである。

本来はお腹に向かうべき神経が、実験カエルでは、背中に向いている。

それは背中にあるんだから、経験によって学習してもよさそうだけど、そうならない。

その神経が刺激されると、カエルの脳はお腹に刺激を受けていると感じるのだ。

・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

         ・・・・・・・・・・・・ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・ふらふら歩いていた私は、ドカンに戻ってきた。

頂上に行ってみようかと思ったけど、風が強くて危なそうなので、やめた。

     ・・・・・・・                    パチン   ・・・・・・

・・・・・・                           ・・・・・・・・・

・・・雨に濡れた手を、焚き火にかざす・・・・

カールさんとテムは、カールさんが持って来たお菓子を食べながら、話してる・・・・

「いります・・・・?」

・・・・食べながら、カールさんがすすめる・・・・

「・・・・いらない」

私は、のどが渇いたのでボトルを持って、ドカンの反対側を目指す・・・・・

降る雨を、眺めるのだ。

・・・・・・・雨粒が落ちているのを見るのは、楽しいから・・・・・・・・

・・・・・・ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・         ・・・・・・・・ァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

      ・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


何本もの線

2010年07月13日 11時26分28秒 | 黒猫のひとりごと

・・・・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・ザァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                 ・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・冷たい・・・・・

雨が降っていて、幹を伝って僕のいる根の上に水が流れ落ちてくる。

僕のいる根の下に、ノロマさんやゴリラの子供達がいる。

根の部屋は、根に沿ってそこそこ広いから、みんなで雨宿りしてるのだ。

父ゴリラと兄ゴリラと弟ゴリラ、それに斧さんが外でフラフラしてる。

雨が、樹の上から何本もの線になって落ちてくる。

根の下に、ランタンライトがひとつ。

その灯りで、樹の周りの雫の線が、キラキラ輝いてる・・・・

僕は雨音を聞きながら、シッポを左右に振る。

チャッ・・・           ガリッ・・・

・・・・太い根の側面を、ツメで勢いを落としながら、下に降りる。

                                   ・・・・チャチャッ・・・・

「ニャー」

根の部屋を見ると、チーフさんとノロマさんがこっち見てる。

ノロマさんは、根に立てかけたケースを背もたれに、大きなタオルをひざにかけて、くつろいでる。

チーフさんは、サルをなでて遊んでる。

「コロロ・・・・」

その反対側、根を持ち上げている石にもたれかかっているのは、母ゴリラ。

それと姉ゴリラの上に、それぞれ子ゴリラと妹ゴリラが引っ付いてる。

すぐにサルの相手を始めたチーフさんと違って、ずっと僕の方を見ていたノロマさんにシッポを向けて、僕は去る・・・・・

ジャッ ジャッ ジャッ  ・・・・・          チャチャチャチャチャ・・・・・・

上から落ちてくる水の線のひとつの下に、やって来た。

地面は落ちてくる水で、ぐちゃぐちゃである。

バチャチャチャチャ・・・・・・

頭を落ちてくる水の下に、出す。

「ニャー」

冷たい・・・・

ブルルルル・・・・・

頭を引っ込めて、ブルブルする。

ゴォォォォォォ・・・・・・・                  ・・・・・・・・・・・・ン

                 ゴロロロロォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

雷が光って、一瞬だけど、もっと奥の方の線も見えた・・・・

   パチャ・・・・

僕は後ろ足で立ち上がる・・・・

左右の前足で、目の前の線を攻撃するつもりなのである。

       ――――――バシャッ・・・・               パチャパチャ・・・・

パチャチャチャチャ・・・・・・・                     チャン――――

・・・・・連続のネコパンチの後に、僕はすばやく体を回転させて、シッポで一撃する。

              チャチャチャチャチャチャ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・けど、何事もなかったように線は落ちてくる。

「ニャー」

僕は、線の下を通って反対側に歩き去る・・・・

     ジャッ・・・・          パチャ・・・

                                         ブルルル・・・・

・・・・少し左に向きを変えると、夕ご飯を食べた焚き火の跡が見える。

その側にある幹のソファーに、斧さんが座ってる。

カッパを着てるけど、フードはかぶってないし、髪は濡れてる。

ビュォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

      ・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・      ・・・・・・ゴォォォォ・・・・・・・

・・・・風が強く吹いたから、小さな水のかたまりが、あちこちから飛んでくる・・・・・

「・・・・・・・・・」

・・・・斧さんを見ると、目の少しの部分にランタンライトが映って、光ってる様に見える。

           ――――トン

・・・斧さんが座ってるのとは逆の端っこに、乗る。

「ニャー」

・・・・僕はそこで、丸くなる。

別に、寝るわけじゃない・・・・・

・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・・ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・               ・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ドカンの灯り

2010年07月11日 14時02分15秒 | マーロックの日記

ゴォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・      ・・・・・・・・・・ン

                                       ゴォォン・・・・・・

    ・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・すごい雨だ・・・・・・・

石のドカンの上には葉っぱが無いから、この大きな石の周りはすごい雨・・・・

・・・・石の階段の方には、まだゾウがいて、雨をシャワーの様に楽しんでる。

風も吹いてるけど、ドカンの中は平気。

音だけ、聞こえる。

・・・・焚き火をしてるけど、雨音がすごくて燃える音が聞こえない。

だから、音もなく火と影が揺れてる。

・・・・燃料の枝を、先に集めておいてよかった。

・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

             ・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カールさんとテムが、非常食を用意してる。

暖めるための袋に水を入れると、袋が熱くなる。

それを、食べ物の入った袋に巻きつけて暖める。

トマトソースのペンネに、リゾットを食べる。

それと、カステラの様なケーキが一つずつ。

・・・・壁際に、そこにノロマさんでもいたのか、チワワがずっとくつろいでる。

その頭の上には、リスがいる。

焚き火とランタンライトの光で、ドカンの中は十分な明るさである。

・・・・・バサ   ・・・・・・

・・・・・・私はブルゾンを脱いで、ビニールシートの上に置かれた私のカバンの上に、投げる。

そして、頭を雨のもとに出す・・・・・

・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

        ・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、私は頭を洗う。

シャンプーはなしで、雨の水で流すだけ・・・・

腕も濡れるけど、半袖なので平気。

           バシュゥゥ・・・・・

・・・・・・パチッ・・・・・                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・頭を引っ込めた私は、頭を振って、焚き火めがけて水滴を飛ばした・・・・・

ふふん・・・・

直接強い風は入ってこないけど、空気はドカンの中を流れているから、少し寒い・・・・

・・・・・それで、ブルゾンをすぐに取りに行く。

「クゥー」

バサ   ・・・・・

・・・・頭を洗ってさっぱりしたし、今日もよく歩いたから、体を伸ばす・・・・・

特に、足はよくストレッチしとこう。

・・・・テムが、こっち見た。

「・・・・・マロックさん、後でけり方教えてよ・・・・」

・・・・けり方・・・・・

「うん・・・」

・・・・倉庫で、私はテムを2回蹴った・・・・・

それでか・・・・・

ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・もしドカンの中に入るような風向きになったら、荷物と傘を使って、片方の穴を、完全ではなくても塞ごう・・・・・

それで、中に入ってくる風はだいぶ防げるだろう。

・・・・このドカンの中で泊まる事にしたのは、良かった・・・・

この雨だから。

ドサ・・・・

ビニールシートの上に、座る。

・・・・雨が降る前は聞こえていた虫の音は、雨音が大きくて聞こえない。

トマトソースのいいにおいがする・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

        ・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゴロロロロロォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                                ・・・・・・・・・・ォォォォォォン   ・・・・・


ドカンの上で

2010年07月08日 13時00分49秒 | マーロックの日記

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・・・・・ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・ほんの少し上から、樹の葉が風に揺れるざわめきが振ってくる・・・・・・

もう、石のドカンの頂上あたりなので、樹冠が近いから・・・・

日没前に、私は上で、うっかり寝てしまった。

・・・・目が覚めると午後7時で、もう暗かった・・・・

それでも、ひとりで草原に向かった。

ひとりの方が、速いからである。

テムとカールさんには、ゾウが水飲みに行ったらついていって、水汲みするようにたのんでおいた。

それでコンパスと地図は、カールさんに渡していた。

私はGPS端末だけを持って、草原へ向かった。

幅のある獣道が続いているから、地図などはいらなかったのである。

ポーー・・・・          ポーー・・・・               ポォ・・・・

      ジィィィィィィ・・・・・・・・・                     ジィィィィィィ・・・・・・・・・

結局、チーフさんには合えなかった。

・・・・もう、午後の8時30分。

少し前に戻ったら、2人とチワワはいなかった。

ゾウもいなかったから、水汲みにいったんだろう。

ひとりで焚き火の枝を集めて、ドカンの中に運んでおいた。

「キッ・・・」

私の手の平に乗った、リスが鳴いた。

1匹でドカンの中にいたから、バナナと水をあげたら、ついてきた。

それで、手の平に乗せて運んであげている。

まだ雨は降ってなくて、星が見える・・・・・

「ついた・・・」

「キキッ・・・」

・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・                     ゴォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・風が強い・・・・

あらゆる方向から、唸るように耳に届く・・・・

・・・・あった・・・・

さっき、うかっり寝てしまった石のくぼみ。

ドサ・・・・・

すっぽりくぼみにはまって、リスを腰の辺りに置く。

その上にカバンを載せて、風が直接リスにあたらないようにする。

私には心地いけど、小動物には強すぎると思う・・・・

・・・・仰向けになると、空が見える・・・・・・

すごいな・・・・・

・・・・・・この国に来てからずっと雨だったけど、きれいな星空。

雲が流れていて、月も隠れたり出たり。

ゴソゴソ・・・・・・・

・・・・このくぼみのすぐれた所は、首のところに滑らかな出っ張りがあるのだ。

首のフィット感が、良いのだ・・・・・

・・・・・それで、うっかり寝てしまったのである。

星は瞬いている・・・・

・・・・上体を起こして周囲を見ると、暗い林冠が見える・・・・・

日没前には草原の様に見えたそれも、今は暗い海の様。

「キッ・・・」

「・・・・・」

・・・・・リスが、カバンのフラップポケットの中に入って、顔だけ出してる。

ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

強くまぶたを閉じて、開いてから、また仰向けに転がる。

・・・・今夜は、ドカンの中に泊まる。

あの高さなら蚊もこないだろうから、いい場所である。

・・・・                マロックさ~ん ――――――

・・・・私を呼ぶ声・・・・・

     ピィィィィ・・・・・・・・

                                ピィィィィ・・・・・・・・

ふふん・・・・

声で返事せずに、ライトの笛で答えた・・・・

「いた・・・・!」

「マロックさん、水ありましたよ」

「・・・・うん」

私は、上体を起こすことはなく、寝転んだまま返事する。

「星がみえる・・・・」

「あ・・・リスもいた・・・!」

「キッ・・・・?」

テムとカールさんが来たから、にぎやかになった・・・・・

                  ―――――――     ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・

・・・・・・・ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・頬に当たる風が、冷たくなった・・・・

西の方・・・・星が消えていく・・・・・

急に、雲が広がってきたのだ。

ピカッ――――――

         ・・・・ゴォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・        ・・・・・ン

ゴソ・・・・

私は、体を起こす・・・・

風が心地よかったんだけどな・・・・

今はさっきよりも冷たい風で、もっといい。

・・・・でも、立ち上がる。

「・・・・雨が降りそうだ・・・・・」

「・・・・・雲が速いね・・・・」

「下りよう・・・・」

・・・フラップポケットを見ると、重力に逆らって、リスが顔を出している。

前足で、ポケットの縁にしがみ付いてる。

「キキ・・・」

ナノフィルターを返しに来たテムに、リスを手渡す。

・・・人を怖がらないリスだ・・・・・

「小さいな・・・・」

リスを抱えて、楽しそうにおりて行くテム・・・・・

ゴソ・・・・・

フラップポケットから、ハンドライトを出す。

リスに気を取られて、足元が不安なので、ハンドライトの明るい光で、足元を照らしてやるのだ・・・!

バサササ・・・・・               バサバサ・・・・・

・・・・近くの樹から、何か飛んでった・・・・

どっちに飛んだかとかは分からないけど、上を見る。

・・・・・・あっという間に、雲に覆われてる・・・・・・・

タッ・・・                     トンッ・・・・

                ザリッ・・・・                      タン・・・・

ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

       ・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

             ポタ・・・・                      ポツン・・・・

・・・・・・      ・・・・・・・・・・・・・・サァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


背からの影

2010年07月06日 11時41分27秒 | 黒猫のひとりごと

ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ジィィィィ・・・・・            ジィィィィィ・・・・・・・・・・

           ポォ・・・・     ポッ・・・    ポッ・・・    ポッ・・・

パク・・・           パク・・・

                         ムシャムシャ・・・・

ペロペロ・・・・                          ・・・・ペロリ・・・・

プレートに残った黄身を、なめる・・・・

「ニャー」

おいしい。

冷めたベーコンエッグを食べ僕は、しあわせ・・・・

ゴリラの一家は、バナナと草を食べてる。

・・・・その横で、サルもバナナを食べてる。

斧さんが移動させたから、根の部屋の側に、ノロマさんとチーフさんの幹がある。

根の部屋を背に、焚き火の右側と、手前側にみんな集まっているのだ。

「コロロ・・・」

ルールールー・・・・・                       リリリリリリ・・・・・・・・・

    ・・・・・ポーー  ポーー  ポーー              ・・・・ポォ・・・・

ご飯を食べるため、みんな焚き火の方を向いている。

・・・・少し前に進んで、木の根を見る・・・・・

陰の動きがあったからで、数羽の小鳥が根の上のほうで、焚き火の光を見てる。

めずらしいのかな・・・・

ブンブン・・・

僕は、左前足を振る・・・・・

・・・・・相変わらず食べるのが遅いノロマさんは、まだ食べてる。

人間は、ベーコンエッグにトマトスープに、ライス。

ノロマさんの足元には、タマゴとお水を飲んで満足した子ネコが、お座りしてる。

パンッ・・・

・・・・・シッポで地面を叩く。

・・・・僕は、2本の幹のソファーよりも中、より焚き火に近い所にいる。

細長い幹に座るゴリラ一家とサルは、火の方を見ているから、僕を見ている。

焚き火の世話をしている斧さんは、火の近くに集めてある枝の上に座って、僕の方を見てる。

ノロマさんとチーフさんと子ネコは、根っこ側の幹に座って、やっぱり僕の方を見てる。

カエル枝は、その裏側・・・・

ピョンピョン・・・    ・・・タッ・・・

・・・2回、小さく跳ねる。

準備運動は、終わった・・・・・

         ――――――――ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・             ・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・

タンッ・・・                  ――――   タッ・・・       クルッ・・・・

ザッザッ・・・・                   トッ・・・・

シッポを立てて、お座りする――――

ニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャニャーー   ニャニャニャーー  ニャニャニャーー

ニャニャニャーー       ニャーーーー・・・・  ・・・・・♪             ゲコッ・・・・

タタンッ・・・         タタンッ・・・             タタンタタタッ・・・

    タッ・・・         ブンブンブンブン   ジャッジャジャジャッジャッ ジャッ・・・・・

パパンッ・・・          パパンッ・・・         ピョピョン  タッタタタッ・・・・・

     パンッ         ブンブンブンブン     タンタタタッタッタ  ・・・・・

ニャニャニャニャーー        ニャニャニャニャーー      パンパンパン   ゲコッ

タッ  タタッ・・         ピョッピョッピョッピョン      ジャッジャッジャッ・・・

タタッ   タッタッタッタッタッ・・・         パン    タッタッタッタッタッ・・・

ニャニャニャーー♪          ニャニャニャーー♪       ニャニャニャーー♪

               ニャッニャーー♪             ゲコッ・・・・♪

・・・・・・パチン・・・・・・                    リィィィ・・・・       リィィィ・・・・

   ・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・              ・・・・・・・・・・・・・・ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・ウキィィ・・・・!」

「ウホッ・・・ウッホ・・・」

「ミャ~~ォ・・・!」

パチンパチン・・・・                 パチパチパチ・・・・・・

     ・・・・・・・ポォ・・・・               ポー       ポー       ポー

・・・・みんなの賞賛が、僕の耳に届く・・・・・

だから、僕は耳を動かす・・・・

・・・・そう、歌とダンスをあわせた、新ネコダンスである・・・・・・・・!!

ダンスを終えた僕は、シッポを立てて、エレガントネコで焚き火の裏へ歩き去る・・・・・

・・・ダンス先生を見て考案した、僕のとっておきだったけど、カエルが絶妙なタイミングで合いの手を入れてくれたから、空前のネコダンスであった・・・・・

パチッ・・・・                        ・・・・・・・チチチチチ・・・・・・・・

      ・・・・・・チチチ・・・・・・・・・・                ・・・・・・・・・・パチンッ・・・・・

・・・・みんなとは、焚き火の反対側に来た・・・・

背から照らす火の光が、天を向く僕のシッポをゆらゆら揺らす・・・・・

ルゥゥゥ・・・・       ルゥルゥルゥルゥ・・・・・               リーリーリー・・・

     リィリィリィリィリィリィリィ・・・・・・・・・・                  ジィィィィ・・・・・

ボゥ・・・        ・・・・パチパチパチ・・・・・        チュン・・・      コロロ・・・・・

・・・・・          ・・・・・・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・