・・・・・・
パチン パチ パチ ・・・
バチッ ・・・ チチチ ・・・
いいにおい・・・
キッチンテーブルでカレーを作っているから。
レトルトのハンバーグもつくる様。
水でもどすお餅もあるけど、それも食べる様。
非常食は私が買っておいたけど、どれを食べるのかはコックさんに任せている。
「炊けたよ」
カールさんと斧さんが、炊きたてご飯をキッチンに運んでる。
もう、できそう。
ト ト
ハットさんが目の前を通過した。
水路のそばに石を置いて、マルチやマッチョさんが話してる。
明日は、私たちも黒ブローカの計画を手伝う。
ケープちゃんの兄と、誘拐されている女性を助けるために。
上手くいけば、衛星電話で助けも呼べる。
「だいたいこんなもんかな」
紙に、中継拠点の見取り図を描いている。
「そうだね」
ウサギを見ていたヘテロも、戻っている。
「写真に撮ろう」
「?」
パサ
カシャ
石に見取り図を置いて、マリオットさんが写真を撮った。
「どうするのかね」
「プリントします」
「プリンターがあるのか?」
「うん」
マリオットさんは、筒型のプリンターを持ってる。
以前雪山で、地図を同じようにプリントしてくれた。
タ
マリオットさんは、自分のツェルトに向かった。
「ここが武器庫」
「・・・・」
私も、あとで1枚もらおう。
ト ト
カレーのにおいに誘われて、ケープちゃんやフワリさん、レトリバーも戻ってきた。
「キキ」
リスをのせた黒猫と黒ブローカもいる。
「続きは後にして、先に君らが食べなよ」
「・・・ありがとう」
まず、お腹を空かせているヘテロ達5人が先。
「クゥ」
「・・・」
さっきから、頭にメジロをのせた子ネコがチワワを追いかけている。
チワワはゆっくり逃げていて、子ネコもそれに合わせてゆっくり追ってる。
散歩なのだろうか。
「おかわりあるからね」
「ありがとう」
カチャ
「できたのか」
ノッポさんも来た。
パチチ パン ――
パチチ
たき火には、用意しておいた次の飯盒3つがかけられた。
「僕が見るから、先に食べてきなよ」
「ァゥ」
私と斧さんとスコップさんは、今日はよく歩いたから5人の次にもらえそう。
うれしい。
「おいしい」
新しい湿布を張ってもらった黒ブーツが、おいしそうに食べだした。
「あった」
おや。
枝ワゴンのそばに置いてあったマッチョさんのバックパックから、ケースが出てきた。
透明。
「マップケースかね」
「はい」
プリントした見取り図を入れるケースの様。
「マロックさん」
!
もう、私の順番。
「ありがとう」
ノロマさんからカレーの盛られたプレートをもらう。
「そのハンバーグは?」
「カレーの後だ」
・・・コックさんは、ハンバーグはくれなかった。
私たちがおかわりすることは分かっているらしい。
ト
とりあえずカレーを持って、私のイス石に向かう。
お茶の入ったボトルはすでに置いてある。
「ニャー」
黒猫が来た。
下からみんなのプレートをキョロキョロ見ている。
自分のごはんがないか探している様。
「キキ」
ト ト
そして、ノロマさんの所に向かった。
パク
モグ モグ
おいしい。
イス石に座る。
「みんなおかわりすると思うから、もう少しまってくださいね」
「ああ・・・私は後で大丈夫だよ」
「それに入れるの?」
「はい」
「2つあるのか」
「私も1枚もらえるかね」
「はい」
モグ モグ
横目で、黒ブローカを見る。
「・・・・」
パクパク食べているから、おいしい様。
パチン
バチチ
「マロックさん、見ますか?」
「うん」
マッチョさんが、見取り図をくれた。
マップケースは2つある様で、そのひとつをくれた。
パサ
足元に置いて、ランタンの灯りで照らす。
モグ モグ
「・・・・」
私にケース入りをくれたのは、カレーをこぼすとでも思ったのかな。
でも、私はこぼしたりはしない。
見取り図を見ると、ずいぶん大きな建物の様。
本当にツリーハウスなんだろうか。
「クゥ」
チワワが来た。
「・・・・」
私を見て、見取り図を見た。
「・・・」
子ネコも来た。
ノソリ
そして、子ネコは見取り図の上で丸くなった。
だから、見えない。
私の手は、プレートとスプーンを持っているので、足で子ネコをつつく。
バシ
ネコパンチで反撃してくる。
「ごはんだよ」
「ミャ~」
フワリさんが、子ネコを連れ去った。
「クゥ」
チワワもそれを追って去った・・・
パチチ ・・・
チチチ
・・・・・