ピーナッツ

2007年07月13日 17時23分21秒 | 黒猫のひとりごと

ズンズンズンズン♪

騒音のすごい部屋にやってきた。

薄暗いホールで、人間たちが動いている。

あやしい。

ズンズンズンズン♪

照明がキラキラしている。

きれい。

「ニャー」

ズンズンズンズン♪

鳴いても騒音にかき消される。

ホールの奥に偉そうなのがいる。

人間の群れをすり抜けていく。

ズンズンズンズン♪

おや、騒音の種類が変わった。

相変わらず地響きのような低音は鳴ってる。

いろんな装置の前に、あやしく動く人間がいる。

ここのボスらしい。

ズンズンズンズン♪

「ニャー」

「HEY♪」

答えた。

頭が爆発している。

ズンズンズンズン♪

目の前に円盤がある。

人間が円盤を回す。

ピーナッツ♪

ニャ

人間がピーナッツを高々と掲げる。

オーーーーーーーーーー

人間たちが唸っている。

どこか調子が悪いのだろうか。

ズンズンズンズン♪

ピーナッツを食べた。

「ニャー」

僕もほしい。

ズンズンズンズン♪

円盤を回してみるのだ。

ピーナッツ♪

「YEH♪」

人間がピーナッツをくれた。

「ニャー」

おいしい。

パッ

ニャー

いきなりライトが僕を照らす。

ズンズンズンズン♪

オーーーーーーーーーーー

人間が唸る。

みんな楽しそうである。

もっとピーナッツをもらおう。

ピーナツ♪

チャチャチャチャ♪

ピーナッツ♪

オーーーーーーーーーーー

人間が盛り上がっている。

爆発頭の人間が、僕にマイクを向ける。

ニャー♪

オーーーーーーーーーーー

ズンズンズンズン♪

ピーナッツ♪

チャチャチャチャ♪

ピーナッツ♪

チャチャチャチャ♪

ピーナッツ♪ピーナッツ♪

ピピピピピピピピピーナッツ♪

チャチャチャチャ♪

ピッピピッピッピピーナッツ♪ニャーーー♪

ウォーーーーーーーーーーーーーーー

「Hey Yo!」

ピーナッツをくれた。

たくさん。

太っ腹な人間である。

「ニャー♪」

おいしい。

僕も、リスみたいにほっぺに食べ物を貯めれたらいいのに。

ズンズンズンズン♪

もう飽きたので出よう。

ザワザワザワザワ・・・・・・

人間が僕を捕まえようとする。

ニャー

するりとすり抜ける。

俊敏である。

ズンズンズンズン♪

やっと出た。

なんともアホらしい場所であった。

チン!

エレベーターが開いた。

出てきた人間が手を振っている。

「ニャー」

中に入る。

疲れたので、ここで寝る。


縞ネコ

2007年07月12日 12時21分37秒 | 黒猫のひとりごと

ボォーーーーーー

船が鳴いている。

「ニャー」

返事をする。

クォーー クォーー

カモメが鳴いている。

出発するのだ。

出発前、男の魔の手から辛くも逃れてきた。

どうせ屋上で景色を見ているのだ。

屋上の好きな男である。

僕は、縞子ネコを預けた人間の部屋にやって来ている。

冷蔵庫の上から部屋を眺める。

ボォーーーーーー

窓が大きく開けてあり、風が心地よい。

外は良い天気である。

子ネコは床に立っている。

人間は、そこからベットを挟んで向かい側にいる。

子ネコの視界からは人間が見えない。

クォーー クォーー

子ネコはキョロキョロしている。

何をするつもりだろう。

・・・・・

「みゃーォ」

・・・・またネコの真似をしている。

ボォーーーーーー

「ミャーォ」

子ネコが声の主を探してキョロキョロする。

「みゃーォ」

「ミャーォ」

・・なんてアホらしいのだ。

「みゃーォ」

クォーー クォーー

「ミャーォ」

子ネコは仲間の声だと思っているのだろうか。

間抜けである。

「みゃーォ」

「ミャーォ」

おや、声の方向を捉えたらしい。

ピョン

ベットに飛び乗った。

「ミャーォ」

・・・かくれんぼは終わったのだ。

相手にしていられないので、遊びに行く。

この人間は、いつも元気が無い。

縞子ネコの相手をしておけば、元気になるだろう。

クォーー クォーー

カリカリ・・・

人間がやって来た。

カチャ――

ドアを開けてくれた。

「ニャー」

お礼を言う。

何か語りかけているが、無視する。

ガラガラガラ・・・・

ニャ

あの音は、食べ物の音。

タッ     タッ     タッ

疾風のごとく駆け抜ける。

今日こそマグロを頂くのだ。


出航

2007年07月12日 11時53分49秒 | マーロックの日記

ボォーーーーーー

出航の汽笛が鳴っている。

タグボートが離れていく。

時期的に、大型のハリケーンと遭遇しやすい。

クォーー クォーー

しかし、次の寄港先までは2日ほどである。

ただし留まるのも2日。

その後、海賊が多発するという海峡を通る。

しかし、客船を襲うことは無いだろう。

この船は山のように大きいし。

その後、非常に穏やかな海洋に出る。

その穏やかさは、人を厭世的にするという。

ボォーーーーーー

古来そこを通過する船から、幾人もが投身自殺をしたという。

しかし、私は楽観主義なので、大丈夫だろう。

すこし心配なのは、黒猫の友達の女性である。

まだ数度見かけただけだが、過度の厭世感を感じた。

危険である。

クォーー クォーー

なので、しばらく黒猫を預けておこう。

預けるといっても、勝手に黒猫が行ってしまったが。

猫の世話をするのは嫌いでない様であるし。

私も楽である。

どこで拾ってきたのか、縞々のオシャレな子猫も一緒である。

ボォーーーーーー

まあ、黒色の黒猫には適わないが。

キャプテンも事情を説明したら、子猫の搭乗を認めてくれた。

黒猫のおかげで、クルー達と食事をする機会があったのだ。

今度、船底を案内してもらう約束も取り付けた。

色々見聞を広めることが出来そうである。

黒猫を連れてきたのは正解であった。

クォーー クォーー


出航前日

2007年07月11日 10時30分34秒 | マーロックの日記

街をあるく。

船は、補給を終えたようだ。

明日、出航する。

なかなかのんびりしていて良い街であった。

いくつか世界遺産の観光もした。

有意義であった。

ただ、やや暑い。

のどが渇いたのでお店に入ろう。

ちょうどお店がある。

おや、黒猫がいる。

カラン コロン

船が港に着いた日。

黒猫がいなくなった。

黒猫が仲良しになった女性がずいぶん探していた。

しょうがないので、私と数人が一緒に探す羽目になった。

カラン コロン

カウンターに座る。

「何時もの事です」と、説得するのに半日かかった。

まったくのん気な猫である。

マスターにフルーツジュースを頼む。

バシ   バシ

おや、黒猫。

いつの間にか付いてきたらしい。

しかし、残念ながら今何も持っていない。

私を叩けば何時も食べ物が出てくると思ったら大間違いである。

残念だったね。

ピョン

カウンターに飛び乗った。

「ニャー」

マスターが笑っている。

煮干が出てきた。

・・・この国にも煮干があるのか。

カリカリ

「ニャー」

私もいただこう。

サッ

黒猫が私の手を阻止しようと行動したが、無駄であった。

ポリポリ

渋い。

味付けが祖国のものとは違う。

黒猫があくびをしている。

ずいぶん体が汚れている。

・・・・・土遊びでもしたのかな。

黒猫は眠った。

カタン

フルーツジュースはおいしい。

今日はカバンを持っていない。

しょうがない、猫掴みで持って帰るか。

代金を払う。

お釣りはいらない。

煮干代である。

カラン コロン

いつもどうりなら、そろそろスコールが来る。

黒猫を洗うのにちょうど良い。


煮干

2007年07月11日 10時04分38秒 | 黒猫のひとりごと

ブロロロロロロロ・・・・・・・

潮風が気持ちよい。

荷台から顔を出している。

「ミャーォ」

縞子ネコも真似をしている。

でも、ギリギリひげが出る程度。

途中、運転手がミルクをくれた。

僕は嫌いなので飲まない。

でも、縞子ネコは飲んだ。

遠くに船が見えてきた。

よかった。

港に向かっているらしい。

大きな船。

間違いない、僕の乗ってきた船。

ブロロロロロロロ・・・・・・ キュッ

止まった。

ガチャン!

荷台の壁を倒してくれた。

この車。

僕の住んでいる街のと一緒。

下りる。

「ニャー」

「ミャーォ」

2匹でお礼を言う。

運転手が手を振っている。

ガチャン!

ブロロロロロロロ・・・・

行った。

縞子ネコはウロウロする。

銜えて行こう。

街の広場に噴水がある。

そこに、見覚えのある人間がいる。

僕をやたらといじくるネコ好きの人間である。

縞子ネコを渡してこよう。

良い遊び相手になる。

「ニャー」

人間が受け取った。

「―――」

何か喋っている。

無視する。

「ミャーォ」

縞子ネコと遊び始めた。

「みゃーぉ」

・・・・・ネコの真似をしているらしい。

ほっとこう。

歩く。

ニャ

あの男は。

カラン コロン

お店の中に入った。

・・・

カラン コロン

ほかの人間が出てきた。

チャンスなのだ。

僕もすばやく中に入る。

男を発見。

カウンターに座っている。

近づく。

バシ   バシ

ネコパンチを足にお見舞いする。

薄情ものの男である。

すっきりしたところで、カウンターに飛び乗る。

「ニャー」

煮干が出てきた。

マグロがいい。

最近はメロンやスイカばっかりであった。

久しぶりに渋めの小魚でも良いのだ。

カリカリ

「ニャー」

おいしい。

サッ

ニャ

男がすばやく煮干を取った。

咄嗟のネコパンチを避けて。

なかなかやるのだ。

・・・1匹くらいくれてやるのだ。

だいぶ疲れたので、寝る。


お別れ

2007年07月10日 11時09分18秒 | 黒猫のひとりごと

朝。

子トラと子ネコは、母トラのお乳を飲んでいる。

便利である。

僕はメロンを食べる。

「ニャー」

おいしい。

最近は、スイカかメロンしか食べていない。

マグロ食べたい。

みんな朝ごはんを食べ終えた。

出発するのである。

「ミャーォ」

子ネコはトラの上に乗っている。

うらやましい。

僕も、恐る恐る乗ってみよう。

ピョン

乗った。

「ガウ」

怒らない。

良かったのだ。

楽。

僕はネコでよかった。

色々楽が出来るもの。

カサカサ・・・

おや。

周りに動きがある。

こっそりと、でもすばやく動く。

「グルルルルル・・・」

トラも気がついた。

オオカミなのだ。

「アウー」

「アウアウ」

いつの間にか、囲まれている。

「ニャー」

トラ様の御通りなのだ。

「グルルルルルル・・・」

狼たちは逃げない。

10匹以上いる。

トラは無理でも、僕達なら捕まえられると思っているのだろう。

なにせ、こっちも数が多い。

みんな母トラの背中から下りる。

「ガウガウ・・」

オオカミが前に出ようとすると、けん制する。

このままでは危ないのだ。

ガサガサガサガサ・・・・

草むらの中から、まだオオカミが出てきた。

きっと、今日はご馳走だと思っているのだ。

「ニャー」

僕はおいしくないよ。

「ミャーー」

ガサ――ガサ――

右の方から何か来る。

ニャー

木の半分くらいの高さから、何か飛び出した。

スタッ

「ガオーーーーーーー」

ニャ~~~~

ビリビリする。

すごい声。

母トラより大きい。

きっと父トラである。

ダダンッダダンッ

オオカミの囲みをすり抜けるように威嚇する。

「キャンキャン」

逃げていった。

「ガオ」

「ミャーー」

父トラは強いのだ。

こっちを見ている。

怖い。

ニャー

僕は悪者ではないのだ。

クマは僕の後ろに隠れている。

「キィー」

サルが鳴いた。

おや。

ガサガサ・・・・

父トラは去っていった。

きっと、離れた場所で見守っていたのだろう。

パサパサ・・・

おや、まだ何か居る。

木が揺れているのだ。

「キュー」

・・・木の上にクマが居る。

大きい。

ズルズルズルズル・・・・

下りてきた。

トラが怖くて隠れていたのだ。

「キュー」

クマのお母さんらしい。

「ガォガォ」

親子共に臆病クマなのだ。

まあ、みんな親に出会えてよかった。

「キィー」

サルも喜んでいる。

サルだけは、何の意味もなく僕を手伝ってくれた。

良いサルである。

「ガウガウ」

トラが歩き出した。

クマが、母クマの背中に乗っている。

あんな大きいのに。

僕は歩こう。

風の匂いが今までと違う。

海の匂い。

もう森を出るころなのだ。

明るい。

ザーーーーン

海が見える。

「キィー」

森を出た。

目の前には道路が見える。

その先が、もう海なのだ。

「ミャーー」

・・・そろそろお別れである。

子ネコを、トラの背中から下ろす。

「ミャーォ」

遠くから車が走ってくる。

あれに乗るのだ。

「ニャー」

お別れなのだ。

「キィー」

「キュー」

「ガウ」

「ガォ」

・・・・

子ネコを銜える。

ダダッダダッ

うまく助走をつけて、車に飛び乗るのだ。

ブロロロロ・・・・

予想通り、後ろに荷台がある。

「ミャーー」

子トラの鳴き声がする。

ニャー

さよなら。

ブロロロロロロロロ・・・・・・

トラックに並走。

ピョン

スタッ

成功。

「ミャーォ」

子ネコを放す。

トラックは、結構なスピードで走っている。

「ニャー」

「ミャーー」

あの子トラ、きっと強いトラになるのだ。

「ガオーー」

おや、父トラが木から見ている。

ブロロロロロ・・・・

・・・さっきから、子ネコが僕のシッポをかじる。

橋が見えてきた。

大きな川を渡る。

おや、川縁に亀が居る。

あの大きさ、船になってくれた亀なのだ。

あの川は、ここに流れていたのか。

「ニャー」

挨拶しておく。

・・・そういえば、僕の親ネコはどこに居るのだろう。

僕が子ネコの時には、すでにいつものカバンの中に居た。

しかし。

はたしてこの車は港に行くのだろうか。

まあいいのだ。

子ネコも寝てしまった。

僕も寝よう。

ブロロロロロロ・・・・・・


トラブル

2007年07月09日 11時41分52秒 | 黒猫のひとりごと

朝になったので出発する。

「ルルルー」

リスが川の方を指している。

あっちに行けと言うのだろう。

信じてみよう。

「ニャー」

お別れの挨拶をする。

「キキッ」

・・・・・

今日はいい天気。

鬱蒼としたこの森の中にも、光が射し込む。

チョロチョロチョロチョロ・・・・

川がすぐ隣なので、水がいつでも飲める。

うれしい。

「ミャーー」

おや、子ネコが目覚めた。

「ミャーー」

あんまり鳴くと、オオカミに見つかってしまうのだ。

ピョーン ピョーン

おや、ウサギがいる。

楽しそうに跳ねている。

「ニャー」

・・・・

こっちを見ている。

ピョーン ピョーン

跳ねていった。

・・・・・

ピョーン ピョーン

戻ってきた。

「ブー」

鳴いた。

「グルルルルルルル」

ニャ

「キィー」

サルが慌てて樹に登る。

子ネコを連れて。

トラなのだ!

覚えているのだ、前に崖であったトラなのだ。

まさか追いかけてくるなんて。

「ガウガウ」

「フーッ」

威嚇する。

ウサギが怯えている。

「キュー」

クマが草陰からこっちを見ている。

「ミャーー」

相手がトラでは、木の上でも危ないのだ。

ミシリ・・・ミシリ・・・

近づいてくる。

僕も逃げたい。

「グルルルルルル」

トラに勝てるのは人間ぐらいである。

汗が出る。

目をそらせば襲ってくるのだ。

「ニャー」

鳴いてみる。

ダンッ

飛び掛ってきた!

横っ飛び。

「ガウ」

おや、意外と動きが遅い。

ニャー

動き回るのだ。

ダダッ ダダッ ダダッ

円を描くように逃げる。

うまくスピードに乗った。

右斜め前に木。

ピョン

ネコジャンプ。

ダン

トラも飛んできた。

高さが僕より高い。

さすがトラ。

でも、僕には三角飛びがある。

ピョン

バシ!

トラの顔に張り付いた。

僕の必勝パターンである。

ガブ!

眉間にかじりつく。

「ガオーーーーー」

「ニャーーー」

振りほどかれた。

ボテ

・・・地面に落ちる。

ニャー

さすがトラ。

噛んでもダメだった。

「ガルルルルル」

もうここまでなのだ。

哀れな最後なのだ。

ガシ!

トラの前足が僕を捕らえる。

「ニャー」

バタバタバタバタバタバタ・・・・・・

まだ死にたくないのだ!

「キューー」

ダダダダダダダダ ガコン!

おや、トラが飛んでいった。

「ガォーーーーー」

クマがまた助けてくれた。

「ガオーーーーーーー」

「キュー」

吼え負けしている。

「キィー」

おや、サルが木から下りてきた。

子ネコがバタバタしている。

「ミャーー」

「グルルルルルル」

おや。

「ミャーー」

子ネコがトラに近づいていく。

「ミャーー」

トラが子ネコを舐め始めた。

子ネコの母親だったのだ。

どうりで大きな子ネコな訳なのだ。

「ミャーー」

子トラがトラの耳をかじっている。

「グルルルル」

トラから戦意が消えた。

何とか命拾いしたのだ。

「ミャーー」

子トラがトラの背中に乗った。

「ガウ」

恐る恐る、サルが近づく。

「キィー」

サルも背中に乗った。

トラも許してくれたらしい。

そうなのだ、僕らは子トラを保護していたのだ。

「ガウガウ」

トラが何かを呼んでいる。

「ミャーォ」

おや、奥から子ネコが出てきた。

トラがどこかで拾ってきたらしい。

今度は小さな子ネコ。

よくトラに食べられなかったものだ。

自分の子供の代わりにするつもりだったのかな。

「ニャー」

僕が銜えて持っていこう。

「キュー」

やっぱりクマの背中に乗っける。

ポリポリポリポリ・・・・

ウサギが草を食べている。

この子ネコ。

お腹は白いのに、背中は黒と白のツートンカラーなのだ。

オシャレな模様。

まあ、黒い僕には敵わないけど。

この森は危ないので、僕が持って帰ろう。

「ミャーォ」

ノシ ノシ

おや、トラが歩き始めた。

案内してくれるらしい。

トラと一緒なら、安心。

僕もトラの背中に乗ってみたい。

でも怖い。

ピョーン ピョーン

ウサギが去っていった。


スイカ舟

2007年07月07日 15時24分53秒 | 黒猫のひとりごと

歩く。

そのうち道路に出れば、人間がいる。

そうすれば何とかなるのだ。

カリカリカリ

おや、何かをかじる音。

カリカリカリ

「ニャー」

「キキッ」

リスである。

ほっぺを膨らましている。

中に木の実を貯め込んでいるらしい。

こっちを見ている。

「キィー」

サルが寄っていく。

木の実をもらっている。

食いしん坊である。

「ルルルー」

リスがクマのほうへ寄ってきた。

クマも顔を近づける。

「キュー」

リスがクマの鼻につかまって仁王立ちしている。

「ルルルー」

満足そう。

「ニャー」

話しかけてみる。

「キキッ」

会話にならない。

タタタ・・・

走った。

追いかける。

こっちの方向へ案内しているらしい。

行ってみることにする。

ピョン

リスが僕の背中に乗っかった。

乗っけていけというのだろう。

軽いから別にいいのだ。

ほっぺに貯めてあるエサを食べている。

便利なほっぺ。

歩いていると、心地よい音が聞こえる。

サワサワサワサワ

湖がある。

きれいな水。

ザーーーーー

滝がある。

その水が集まっているのだ。

水は川になって流れている。

水を飲む。

おいしい。

「キキッ」

リスが走っていく。

おや、スイカがある。

「ルルルー」

あれが食べたいらしい。

そのために僕らをここに連れてきたのか。

お調子者のリスである。

パカ!

クマが割る。

「ミャーー」

子ネコが目覚めた。

僕も食べよう。

ガブ

「ニャー」

おいしい。

「ミャーー」

子ネコは水遊びがしたいよう。

溺れるから危ないのに。

「キュー」

ジャバン

クマが水の中に入る。

背中に子ネコを乗っけて泳ぎ始めた。

チャプチャプ

子ネコが珍しそうに水を弾いている。

僕も泳ごう。

チャポン

「キィー」

サルが、リスをスイカの皮に乗っけてやってきた。

船の代わりにしている。

「ルルルー」

おもしろそう。

「ニャー」

残ったもう一つの皮を持ってくる。

僕も乗っかるのだ。

ザブン

・・・ひっくり返った。

僕はきれい好きなネコ。

ついでなので体を洗濯する。

――――

しばらく遊んだ。

水から出ると、大きな樹がある。

この上で寝るのは安全そうである。

「キキッ」

リスが器用に樹を登っていく。

僕らも登る。

クマも木登りができる様になった。

枝がすごい太い。

これならゆっくり寝られるのだ。

「ニャー」

おやすみ。


特訓

2007年07月01日 07時28分59秒 | 黒猫のひとりごと

「ニャー」

「キュー」

ダダダダダ・・・・・

「ニャー」

「キュー」

ダダダダダ・・・・・

「キュー」

昨日のような危険な状況は嫌である。

そこで、クマに木登りの猛特訓。

ネコがクマを追い回す。

「ニャー」

「キュー」

木に張り付いた!

ガシッ・・・・ガシッ・・・・ボテッ

落ちた・・

まあ、すぐに上手くなるものでもない。

ちょっと休憩。

この辺りにはメロンがある。

「ニャー」

おいしい。

「ポポポ」

おや、ハトがいる。

「クルックー」

ハトは、歩くと首を前に突き出す。

首だけ動かすことは出来るのに。

歩く時は首も一緒に動く。

「ポッポッポッ」

間抜けな鳥である。

僕の食べ残しを食べている。

「ポポポポポポポポ」

沢山集まってきた。

もうお腹一杯なのであげる。

「クルックー」

メロンを突いている。

「キィー」

おや、サルが騒いでいる。

「ミャーー」

子ネコが細い枝を伝って、隣の木に移動したのだ。

「ニャー」

高い。

この木は面白い形をしている。

10mくらいあるのに、一番上しか枝がない。

あとはツルツル。

この木は僕でも登れないかな。

「キィー」

うるさいサルである。

「ミャーー」

どうやら子ネコが戻って来れなくなったらしい。

自分で渡っておいて、困った子ネコである。

隣の木に登ってみる。

ザワザワザワザワザワザワザワ・・・・・・・・・・・・

風が強い。

なるほど、枝が細くてサルでは渡れない。

でも、僕は軽量なネコ。

渡れるのだ。

「ニャー」

「ミャーー」

しかし困った。

この子ネコ、僕より大きいので銜えて帰れない。

どうしよう。

まあ、その内自分で帰るかな。

ここまで来れたのだし。

「ピーーーーーーー」

甲高い鳴き声がする。

上なのだ。

ヒューーーーーーー

大きな鳥。

タカなのだ。

こっちを狙っている。

「ピーーーーーー」

来た!

鋭い爪を持っている。

でも、僕も昨日研いだばかりの爪なのだ。

ブンブン

僕の鋭いネコパンチは、空しく宙を斬る。

ビューーーーーーーーー

空を旋回している。

「ピーーーーーーー」

困ったのだ。

あんなに速いと捕まえられない。

「ミャーー」

ザワザワザワザワザワザワ・・・・・・・・・

一か八か、この不安定な足場でネコジャンプを試みるのだ。

ヒューーーーーーーーー

滑空してきた。

「ニャー」

進路がさっきと違う。

上から急降下してきた!

ネコパンチ!

ブン

はずれた。

「ミャーー」

バタバタバタバタ・・・・

子ネコが暴れている。

バサバサバサバサ・・・・

3匹が団子状態で暴れるのだ!

子ネコは渡さないのだ。

「ピーーーーーーー」

空に戻った。

このままでは負けてしまうのだ。

タカ嫌い。

ヒューーーーーーーーーーーー

空を旋回しながら様子を窺っている。

次ぎは防げるだろうか。

「キュー」

ニャ

ガシガシガシガシガシガシ・・・・・・・

クマが木を登っている。

しかも、ツルツルの木を直接。

「ピーーーーーーー」

タカが来た!

「ガォーーー」

クマが吼えたのだ。

タカが針路変更。

さすがにクマは大きい。

小クマだけど。

クマすごいのだ。

こんな木を登るなんて。

一生懸命木登りを教えた甲斐があったのだ。

ヒューーーーーーーーーー

・・・まだ空を旋回している。

パタパタパタパタ・・・・・

おやハトが飛んでいった。

メロンが口ばしに付いている。

さっきのハトなのだ。

パタパタパタパタパタパタパタパタパタ・・・・・・・・・・・・・・・・

すごい数。

何十匹もいる。

「ピーーーーーーーーー」

集団で飛びながら、タカを威嚇している。

ビューーーーーーーーーーーーーーー

パタパタパタパタパタパタパタパタパタ・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

「ピーーーーーーーー」

タカが去っていった。

ハトもなかなかやるのだ。

「ミャーー」

「キュー」

クマが子ネコを銜えた。

隣の木へと続く細い枝。

なんとそこを渡っている。

すごい。

体がサルより大きいのに。

ミシミシ・・ミシミシ・・

枝は折れることなく無事渡った。

枝も良く頑張ったのだ。

「キィー」

後はサルが抱えて降りられる。

クマを見直したのだ。

サワサワサワサワ・・・・・・・・・

風が強い。

僕も渡る。

「キュー」

おや、クマが怯えている。

降りるのが怖いらしい。

ニャー

自分で登っておいて。

困ったクマである。

そんなオチはいらないのだ。

「ニャー」

「キュー」

今度は木を降りる特訓をする。

ザワザワザワザワザワザワ・・・・・・・・・・・