コロ コロ ・・・
「・・・」
目を開ける・・・
ボールが僕にあたったのだ。
「ミャ」
耳ネコたちが、ミニボールで遊んでいるみたい。
パチ
前足で押した。
コロロ ・・・
お日様は今日も機嫌がいいみたいで、窓の外は明るい。
男や斧さんは、リュックを背負ってどっか行った。
きっと、巨大マグロを探しに行ったのだ。
僕はウトウト眠かったから、付いていかなかった。
たぶん大きな雨雲の上にいるし。
見つけられずに戻ってくると思う。
フワ
「キュ♪」
フワフワしたポメラニアンがボールに近づいた。
丸いから、ボールを隠したのかもしれない。
♪
♪
朝ごはんをたべて、しまネコとオッドネコとトラネコもまだトレーラーにいる。
窓の近くでひなたぼっこしてる。
そのうち荷台に行くと思う。
「ミャ~♪」
コロ
耳ネコがボールを見つけて、転がした。
「キュ」
僕らにシッポを向けているチワワの方に、転がっていく。
パタ
シッポは動いていて、ミニボールはそれにあたって方向が変わる。
コロ ロ ♪
接近するボールに、散歩中のマヒワが気づいた。
ツン
コロ
クチバシでつついたから、また方向が変わる。
「♪」
耳ネコはそれを追う。
「・・・」
こんど僕の方に転がってきたら、強力なネコパンチで遠くに飛ばすのだ。
耳ネコはネコパンチの練習をしないけど、ジャンプの練習もしないのだ。
お気に入りのミニボールを遠くに飛ばせば、ネコダッシュの練習になるかもしれないのだ。
コロ
ニャ
こっちに来る。
ミャ ♪
耳ネコがそのボールに追いつく――
パチィン
僕は素早く前に動いて、耳ネコよりも早くネコパンチをボールにあてた。
ポン ――
キッチンのテーブルの方に跳ねて行ったのだ。
「?」
耳ネコはボールを探してる。
パタ
スリッパの音。
「これ探してるの?」
バレッタさんが、僕が飛ばしたミニボールを手にもってこっちに来た。
「ミャ♪」
そして耳ネコに渡した。
コロ コロ ♪
また転がして遊んでる。
「ニャ~」
僕はトレーニングのために、あえて遠くに飛ばしたのだ。
バレッタさんに抗議する。
「今日もあったかいね」
返事した。
「・・・」
パタ
そして去った。
僕は横になる。
少しひんやりする・・・・
コロ ・・・
――― ♪ ♪
クゥ ♪