徒然鯖日記

【青空・未来】管理人eriyによる「無人惑星サヴァイヴ」狂いな呟きと日常生活。
最近は歌い手アンダーバーさん狂い。

カオルの日記。

2010年12月17日 00時54分53秒 | 思いつき小説(二次小説)


只今、ノリが悪い時期らしいです。

本編も拍手お礼文も、短文である日記でさえ宙ぶらりんで最後まで辿りつかん・・・・。



でも、ま、とりあえず、久々にカオル語りを書いてみました。
でも、我ながら超つまらん内容だな、と思う。テーマが「だから、どうした」的などーでもいいことなのです。

「ま、いっか、日記なんだし。」とサラリと流してしまう自分はもはや一年も終わるというこの月に、マジ堕落。

てなわけで、お暇な方だけ読んでやってネ



                

                

                

                


太陽系標準歴12月17日:標準時間00:54 (カオル)







今日はちょっと面白い出来事があったので、ここに残しておく。
はっきり言って、これをルナに見られたら離婚騒ぎになりかねないので絶対に秘密だ。

昨日、仕事の帰りにチャコが紙袋いっぱいに何やら買ってきて戸棚に隠しているのを偶然発見してしまった。
てっきりお気に入りのフルーツでも買い溜めしてきたと思ったので、「堂々と冷蔵庫に入れたらいいだろう。」と後ろから覗き込んだら。

・・・・・・・・袋の中身は、大量のパンケーキミックス・・・・・・。

「チャコ!!何なんだ、コレは!?」

パンケーキといえば、朝食の定番だが我が家は食べない。
俺が甘いものが苦手なせいもあるが、ルナも「おいしいけど太るし」と妊娠後の体重を気遣ってるからだ。
それなのに・・・・・・。

しかし、チャコはいつも通りギラッと眼光瞬かせて喧嘩を売ってくる。

「うるさいねんっ!アンタにはやらんわ、ルナの為やっ!」
「だから、ルナだってそんなに食べないだろう。いったい何人前・・・・・・」
「食べきれんでもエエねん、これをいっぱい焼いて積み上げることに意味があるんや。」
「は?」
「言っとくけどな、パンケーキは元々ルナの大好物なんやで?アンタに合わせて我慢してたんや。たまにいいやろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

・・・・・・・・別にダメだとも言った覚えもないが。
しかし、改めて大好物だ、と聞いた覚えもない・・・・・・・・。
そこへ図ったかのようにチャコが一言付け加えてきた。

「ルナのお母ちゃんがな、おやつによく作ってたんやて。お母ちゃんがいなくなってからはお父ちゃんが、な。・・・・・・・まぁ、つまり、あまり登場してこないわけはそこにもあるっちゅ~ことやけど。」

なるほど。・・・・・・・両親を思い出して辛いわけ、か。
あながち俺だけが原因ということではあるまい。

そこへ。

「しかぁ~し、や~~!!つわりも落ち着いてきたっちゅ~に、ルナは浮かない顔や!こ~れは『マタニティ・ブルー』以外、何ものでもないやろ~!」

・・・・・・・確かにそれは俺にも半分原因がある。
マタニティ・ブルー・・・・・・・・?

「妊婦にとっちゃ、余計な心配するのは当たり前のことやけど、アンタらは更に不安がたっぷりやろ?『生まれないうちに心配してても仕方ないやろ。』ウチが言うても、やっぱりルナは溜息が多いから。・・・・・なんか、元気になるようなこと出来ないやろか、思ったんや。」
「それが、これ、か?」
「せや!昔っからルナはパンケーキを山のよ~に積み上げることで笑顔になるっ!もう、デブったってエ~ねん!ルナが『パンケーキはしばらく見たくないっ!』って言うくらい食べさしたるわ、思てな。」

ピンクの短い指がVサインを作って目の前にビシリ!と伸びてきた。
ペットはペットなりにご主人様を気遣っているようだ。
是非ルナを驚かせたいと考えているチャコは、彼女が夜間勤務明けの朝帰りした日にサプライズとして準備しておくつもりらしい。

「エエか、カオル!秘密やでっ!!」

やる気満々なチャコだったが、夕べの夜勤は急遽チャコまで一緒にやることになったらしく、朝はブーブー文句を言っていた。
ルナはそんな態度に不思議がっていたが、あくまでパンケーキミックスのことは秘密にしておきたいらしくモヤモヤした表情のまま2人で出掛けていった。

その夜、仕方ないから自分の為に夕食の準備をしていたら、ふと戸棚に目がいった。
パンケーキなんて、子供の頃に何度か食べたことがあるだけのもので、そんなにおいしいと思わなかったはずだが。
作り方は簡単なのか・・・・・・・・・?

考え出したら気になってしまい、戸棚からパンケーキミックスを取り出して裏のレシピを眺めてみる。
材料はチャコがきっちり揃えていたし、簡単そうだし、試しに作ってみることにした。

・・・・・・・・・それが、間違いの始まり、で。

一度、ルナの為に作ったケーキに大苦労してからお菓子関連には手を出さないように心掛けていたが、とりあえずこれは焦がさないようにだけ気をつければよさそうな代物だった。
3枚程焼いたら慣れてきて、いつかどこかで見たことがあるような手つきでフライパンを振り上げて一気にひっくり返すやり方に燃えて、いつの間にか『いかにキレイに短時間で焼き上げるか』に挑戦していたりする。

10枚程焼いたら結構な山積みになり、自己満足して小休止と称し、1枚味見してみることにした。

思ったより柔らかいスポンジ・・・・・・ルナお気に入りの自然派バターを一片落とすと、余熱でトロリと溶け出す。
口に含むと適度な甘みとフワリとした食感。

なるほど・・・・・・・・・美味いかもしれない・・・・・・・・・。

・・・・・・・・そこへ。

「なぁ~~~~にやってるねぇ~~ん!!アンタァ~~~~!!」

・・・・・・・・・こういうタイミングで現れるのは、お喋りなペットロボットしかいない。

「どうしたんだ?チャコ。今日はルナと泊まりだろう。」
「ウチは元々、緊急呼び出しやったから今夜はめでたく開放や~!・・・・・って、それよりアンタ、何、勝手にルナのパンケーキ食っとるねん!」
「お前が仕事になったから代わりにサプライズの準備だが。」
「ウチには勝手に盗み食いしてるようにしか見えへんで。」
「俺の場合、練習しないとな。」

なんやねん、料理は一流シェフもびっくりなくせして、パンケーキは自信ないんかい~!とかブツブツ言いつつも積み上げたパンケーキの端を摘み食いするチャコ。

「お前には糖分が薄いだろう?」
「味見程度なら平気やねん。・・・・・ふ~ん、まぁ、パンケーキなんて子供にも作れるしな。」

そう言って鼻を鳴らした後、チャコは戸棚と冷蔵庫の中から何やら色々取り出して並べ始めた。
メイプルシロップ、パウダーシュガー、ストロベリージャム、クランベリージャム、ピーナツバター、マーマレード・・・・・・・・。

「こんなにどうするんだ!?」
「もちろん、パンケーキに掛けるんやで?これほどバリエーションの利くメニューはないねん!何にでも合うんや、最高~!」
「・・・・・・見ただけで胸焼けがする・・・・・・」
「だから、アンタは食わないでエエねん。ルナの好物なんやから。せやけど、マーマレードなんかは適度な苦味もあるし、そんなん甘くないやろ?」
「そうなのか?」
「あと、ウルスラがよくやるのは、ブランデーやリキュールを掛けて夜食にするそうや。アイスクリームをのせてコーヒーを掛ける、ってのも最高~!らしいで~?」
「斬新だな。」
「そうでもないんやで?パンケーキは旧・地球時代から家庭料理の定番なんやし。昔っから人は美味さ向上の為には努力を惜しまなかったんや。」
「・・・・・・・アイスにコーヒー、っていうのは、俺も一緒に食べれそうだな。」
「やってみればええねん!」

・・・・・・・・・・・・完全にのせられて。

チャコが「アンタ以外の人間の意見が欲しいわ!」とか言って、勝手にウルスラとレイ・カミサカまで呼んでしまって、この2人が意外にも(いや、思ったとおりか?)甘いもの関連にはかなりうるさく、2人で喧々諤々と『美味さ向上』の為の大討論会を始めてしまって、真夜中だというのに俺はひたすらパンケーキを焼き続けるはめになった。

・・・・・・・・・そして、気が付けば。

「・・・・・・・・・ええ!?何してるの、みんな!?」

食い倒れたまま、全員キッチンで潰れている姿を、朝になって帰ってきたルナに発見されたのであった・・・・・・・・。


その後は、もう大変で。
気が付くと、山積みだったはずのパンケーキは1枚も残っていなくて、マズイ雰囲気を読み取ったウルスラとレイは、ルナへの挨拶もそこそこにサッサと部屋から逃げ出し、残された俺とチャコは。

「ん~??な~んか、甘い匂いがする。何か作ってた?カオル?」
「ああ・・・・・・いや・・・・・・・・・」
「朝ごはんでも用意してくれてたの?チャコ。」
「あはは・・・・・いや~、用意しようとしてたとゆ~か、し損ねたとゆ~か・・・・・」
「え~?何?だって、何もないじゃない。」
「あ~~~!!今、作るところや、待っときっ!!」

ピンクのフェイスを青くして、慌てて冷蔵庫に頭を突っ込むチャコを横目で眺めていたら、やがてルナが意味深な笑みを浮かべて近づいてきた。

「やっぱり自分で作っちゃおうかな~?たまには朝からパンケーキなんてどう?カオル。」
「えっ・・・・・・・・」

思わずギクリとした自分以上にルナの背後で飛び上がってるピンクの物体もいるが。
まさかキッチンに漂ってる匂いだけで当てたか?

「お腹にもう一人いるせいかなぁ、朝からすっごくお腹が空いちゃって。パンケーキといえばウルスラが素敵なレシピを授けてくれたのよ?これなら甘いものが苦手なあなたも口に合いそうだから、試してみない?」

そう言って彼女が手早く作ったのは、例の『パンケーキのコーヒー掛けアイスのせ』だった。バニラアイスは甘さ控えめだし、コーヒーはブラックだったから確かに朝から胸焼けすることはなくて。
実は戸棚の奥の奥に、こっそりパンケーキミックスを隠していたらしいルナは、俺が何も言わず食べている姿を見ると途端に嬉々として次々とパンケーキを焼きだした。
そして10枚積んだところで、嬉しそうに笑う。

俺はそこで彼女と交代して、今度はルナにパンケーキ消費係りに徹してもらって自分は積み上げる係りを買って出た。
彼女のパンケーキにはアイスの他にジャムやシロップやクリームまで登場して、かなりの糖分増し増し・・・・・・・・。
それをおいしそうに頬張る姿をみると。

こういうのもありかもしれない、と妙に納得してしまう。

彼女の幸せそうな顔を見ることが、俺の幸せだ。

「・・・・・・・・・で?結局、ウルスラとレイ君は何しに来てたわけ?」


・・・・・・・・・・・・・・マタニティ・ブルー、何のその。
つまり、余計な心配をさせたくないなら、妻の留守中はおとなしくしていろ、ということなのだ。



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eriy

パンケーキ=ホットケーキ

何でホットケーキの話かって?
管理人が突然食べたくなったんだけど家にホットケーキミックスがなかった、ただそれだけの話です。(笑)

バニラアイスにコーヒーを掛けデザートは、イタリアの「アフォガード」と呼ばれるものです。それをホットケーキに載せるやり方は自分じゃないのですが、「きっと美味いに違いない!」と思い込んで話に入れました

『ホットケーキ山積み』は管理人の夢でもあります。





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2 コメント

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Unknown (黎華)
2010-12-21 20:04:18
お久しぶりの訪問ですw

ご主人様を気遣うチャコを見ると・・・・
なんか親孝行したくなりました(笑)
返信する
チャコはやっぱりルナ命で♪ (eriy)
2010-12-27 22:48:24
コメントありがとうございました。

>黎華様
お久しぶりでございます~!
どうしてもチャコとカオルを並べると喧嘩腰にさせてしまうけど(笑)・・・まぁ、妬いてんだよ、チャコはカオルに(笑)大事な娘を無愛想な男にとられた悲しみ?
時間経ってから改めて読むと『彼女の幸せそうな顔を見ることが、俺の幸せ』とかホザいてるカオルに超・笑っちゃいマス。
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