日々雑感  ~ 青亀恵一

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地域の資源は何?

2006-11-28 09:01:55 | 社会
地域の資源は何?


過疎に悩んでいる自治体は全国で739市町村。
市町村全体の40%であるという。

過疎に対する歯止めは、究極的には自治体の存続を左右する大命題である。

ここに、過疎を克服しつつある得意な地区がある。
人口を30%上げた。
高齢化率を13%下げた。

徳島県美波町伊座利地区。
小さな漁村である。
30年前の人口は、約400人。
1995年の人口は、97人。
典型的な過疎の村である。

伊座利の未来を考える協議会が発足された。

まず、この地に来てもらおう、
そして、この地のよさを体感してもらおうと
住民主催のイベントを年4~5回行っていった。

イベントを開催するたびに人が増えてきた。
今年の11月18日に行われたイベントでは、500人の人が来た。

回を重ねるごとに、伊座利に移住する人が増えてきた。
その背景はいろいろである。

子どもの病気に関係して転地療養として来た家族。
脱サラで猟師を目指す家族などなど。

現在の人口は、130人。

当初は、行政に過疎対策を頼んだが、当てにならなかった。
「小中学校が無くなると、村がなくなる」
との強い危機感から、
自分たちで村を守ろうという意識が強くなっていった。

小中学校の生徒は、5人になっていた。

「おいでよ、海の学校へ」
一日留学体験から始まり、
移住して来やすいように、
空き家を手作りで修繕して、受け入れ態勢も整えた。

移住者を次々獲得。

現在の小中学校の生徒は、21人になった。

その後、行政側も重い腰をあげて、
町営住宅の改善や空き家改修費の補助などを始めた。

移住者に対しては、村中で新しい仕事に関して面倒を見る。

このように移住を受け入れる場合、
地元民と移住者との間のトラブルは起こりがちであるが、
ここでは、そのトラブルはない。

受け入れるにあたって、移住者のことを審査するのである。
移住者も家族のことをすべて話す。

村全体が、伊座利一家である。

卒業後、若者が村に定着しだした。
13年ぶりに赤ちゃんが3人も生まれた。

伊座利の村おこしは、これからが本番だ。


成功の要因は何であろうか。

やはり、人という資源であろう。

移住という、自らの住処を決めることにおいては、
人という環境は、大きな要件であり、
場合によっては、第一の条件である。
このように、過疎の村に移住するとなると、その比率は大きい。

また、そのほかにも
地区の人々が真剣に自分の事として考え、
意識を共有して連携したこともあげられよう。
行政が関与しなかったことも、一つの要因かも。
行政が関与していたら、
空き家を修繕し手受け入れ態勢を整えるということができただろうか。

また、学校がなくなる。
村がなくなる。
子どもを呼ぼうと、目的が明確化していたことも挙げられる。

移住に対しても、双方が面談に責任を持って対応したこともあげられる。

いずれにしても、肝心なのは、人という資源が有効にその力を発揮したということだ。

地域の「人という資源」を改めて見直したい。



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