仲間の解雇

同じ作業班のメンバーの一人がクビになっていました。

原因はおそらく作業が遅いことと返事をしなかったこと・・・・。




２日前のこと、鬼班長からの細かい注意を受けたとき
彼女はほとんど無反応で班長は切れ気味でした。

しばらくしてもう一度チェックに来た班長。

再度注意を受けた彼女はまたしても無反応・・・・・。

これに切れた班長、「聞こえとんか？！」ご立腹でした・・・。



そして別の担当者との会話がわずかに聞こえてきました。


「あの子誰っていう子？あれは駄目やわ、全然作業にならん、遅すぎる。
　派遣会社に連絡しておいて。」


もしや・・・・・？



昨日彼女の姿は見えず、休みかとも思ったのですが、今日も来ていない・・・。


ふと靴箱を見ると（工場内は上履きのため）彼女の上履きがなかったのです。

そこに貼られていた名札もありませんでした。





クビでした・・・・・。





確かに少し反応や動きが遅いとこはあったけど
真面目で慣れてきたら作業だって遅くなかったのに・・・・。

たぶんあの時班長にきちんと返事をしておけば大丈夫だったんです。
でもそういうことができない子ではあったから・・・。


まったく垢抜けしておらず、若いのにモモヒキを履いてきて、
もちろん化粧もしてなければ眉もボサボサな彼女。

決して美人でもなかった彼女。



でも、でも・・・・・・・。




すごく綺麗でかわいい声をしている女の子でした。


交わした言葉の数は少なかったのですが、私がこれまでの人生で聞いてきた声の中で

ベスト３に入る美しい声の持ち主でした。



無口なのがもったいなくて仕方ないくらいでした。




こんなことになるなら「綺麗な声してるね」と言っておけばよかったです。