気まま猫の毎日

愛猫と飼い主の自由気ままな生活

よっさん

2006-12-09 17:19:50 | Weblog

今の仕事場のみんなの嫌われ者の班長。

言葉がキツイ、偉そうな態度と聞いて

ふと一人の中年男性を思い出した。

 

その人は私が独身のときずっと働いていた会社にいた人。

 

とっても小さい(150cmくらいしかない)のにめちゃくちゃ怖そうで

いつも目は充血していて超目つきが悪い

昔、取立屋をしていたというから納得。 

 

 

彼はみんなから「よっさん」と呼ばれていた。

よっさんは髪がひな鳥みたいに薄く、とっても痩せていた。

外見は怖いし口も半端じゃなく悪いが仕事だけは早かった。

常にお客さんのことを考え細かいところまで行き届いていた。

見かけによらず花が好きで、会社のプランターに生えた草をこまめに抜いていた。

 

 

そしていつも

 

ann君よ~、花は手間をかけた分だけ綺麗に咲いてくれるが

女はいかんのう。さんざん金つぎ込んでやってもすぐいなくなるわい

 

と言っていた。

 

 

よっさんは病気で眼球を悪くして片目がほぼ見えない状態までになった。

もう片方の視力もあまり良くなく、

眼帯をして運転をしている姿を発見したときは血の気が引いた。

 

いつしか運転もできなくなり、書類を顔面1センチの距離で読もうとするよっさん

よっさん、それ逆さまよ」と教えると

おう、すまんの」と言ってひっくり返していた。

 

いつからかよっさんと仕事をする機会が増え、時に足代わりにも使われた。

時に見せる笑顔が可愛く、私は結構よっさんが好きだった。

 

 

家庭菜園を楽しむよっさんがもう片方の目を傷めた。

畑で身をかがめるときに、植物の固定のための細い棒に気付かず目に刺したのだ。

 

 

入院して見舞いに行ったが落ち込んでいた。無理もない。

そのとき初めて奥さんに会った。よっさんにはもったいないくらい素敵な女性だ。

 

退院して自宅療養が続いたが結局そのまま退職したという話をずっとあとになって聞いた。

 

 

見舞いで会って以来もうよっさんには会っていない。

今頃何をしているのやら。

 

 

あんなにやくざまがいでおっかなかったよっさん

 

 

 

久しぶりに思い出した人の話である。