世界宗教の
主な
戒律は
「殺さない」
「うそをつかない」
「盗まない」
「不倫しない」
「酒を飲まない」
の
五つ
です。
これらの
戒律を
破れば、
自分も
自分以外の
人びとも
大きく
傷つけ
害して
しまうのは
明白
です。
これらの
どの一つ
でも、
おかしている限り
涅槃も
天国も
実現不可能
です。
仏教では
人間の
怒りや
欲や
迷い
という
感情を
”煩悩”
と
呼びます。
英語に
訳すと
”ｈｉｎｄｒａｎｃｅ”
と
なります。
本来の
意味は
「妨害、障害」
ですが、
怒りや
欲や
迷いは
真理への道
における
妨害、障害
となる、
ということで、
とても
示唆的
です。
どんな
分野に
おいても
”意欲”
が
無ければ、
発展も
向上も
ありえません。
執着のない
人間に
なりたい。
慈しみある
人間に
なりたい。
高貴な
人間に
なりたい。
人間性の向上
においても
実現への
意欲が
強ければ
強いほど、
まっすぐに、
速く
到達できる
に
ちがい
ありません。
「目には
見えない」
「耳には
聞こえない」
あるいは
「心では
考えられない」
真理では
人間が
悟ることは
できません。
真理とは
目で見て、
耳で聞いて、
心で考えられる
から、
すべての
人間に
開かれて
いるのです。
そうでなければ、
一部の
”神秘家”
”霊能者”
しか、
悟れない
彼らの
占有物に
なって
しまいます。
この世に
名前を
残したい。
生きた
証（あかし）を
残したい。
子や孫という
血筋を
残したい。
人間の
「生への執着」
が
終わることが
ありません。
この
「生への執着」
が
ある限り、
苦しみの輪廻
は
未来永劫に
わたって
続くのです。
ブッダや
キリストや
その弟子たちが
あらゆる
執着
捨てたのは
輪廻を
終わらせて
涅槃を
実現するため、
あるいは
永遠の
天国を
実現するため
だった
のです。
人間と
動物、
鳥、
魚、
昆虫
を
比べると、
みんな
”目”
があり、
”耳”
があり、
”口”
があり、
”体”
があります。
みんな
「似たもの同士」
です。
それぞれが
前世や来世、
人間に
なったり、
動物や鳥、
魚や昆虫に
なるのは
本当かも
しれません。
人間、
出世する
ためには
自分の
人生や
家族を
犠牲に
しなければ
なりません。
有名になる
ためには
自分の
個性を
殺さなければ
なりません。
高価なものを
食べたり、
着たり、
豪華な
車や
家を
買ったり、
贅沢な
旅を
するためには
一生懸命
働いて
お金を
稼がなければ
なりません。
気の遠く
なるような
多大な
時間と
労力を
かけて
やっと
手にした
「世の幸福」
も
またたく間に
消えて
いきます。
なんど
生まれ変わっても
おなじことを
することの
無意味さを
知らなければ
なりません。
人間が
誕生して
年を
重ねるに
したがって、
病んで
老いて、
最後は
死んで
いきます。
いつの間にか
健康が
失われ、
いつの間にか
若さも
失われ、
そして
いつの間にか
死が
現われて
きます。
人間の
一生を
若さと老い、
健康と不健康、
生と死を
明確に
区別することは
できません。
つまり、
人の生は
”プロセス（流転）”
だからです。
すべては
変化して
とどまることが
ないのが
”プロセス”
です。
その
”プロセス”
を
仮に
「Ａさん」「Ｂさん」
と
ラベリング
しただけで、
実際は
「Ａさん」も「Ｂさん」も
存在しません。
大自然も
”プロセス”
そのもので
何も
存在しない
のです。
すべてが
”プロセス”
です。
”プロセス”
だけが
存在する
のです。
現代は
多くの
人々が
老いに
逆らい、
病に
逆らい、
死に
逆らおう
とする
時代
です。
人間の
文明や文化
の
発達発展も
自然現象
である
老病死への
反逆、
自然への
反逆の結果
と
言えるかも
しれません。
でも、
人間が
自然の一部
である以上
また
老病死が
自然現象
である以上、
どこまで
いっても
乗り越えることは
不可能
なのです。
それを
心底理解しない
限り、
人間の傲慢さ
さらには
人間の苦悩
は
終わることが
ありません。
人間は
自分の
肉体や我執
家族や財産に
執着すれば
その
エネルギーで
輪廻転生
つまり
終わり無き
再生再死
を
繰り返して
しまいます。
執着を
断ち切ることで
エネルギーが
消滅して
ついには
再生再死
が
終焉し、
ブッダの
言う
涅槃、
キリストの
言う
天国
が
実現
するのです。
ブッダも
キリストも
すべての
人間に
その
可能性が
開かれている
ことを
宣言されて
おられます。
